3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【原作勢目線】アニメシャドウバース45話感想-天空の城

ネタバレします!!

 45話はヒイロとエイジの2回目のバトルの回です。エイジがいまのような姿・思想になってしまった理由が明かされました。

ヒイロ vs エイジ

 バトルが始まるのは途中からでしたが先にバトル内容を見ていきます。決着は次回に持ち越しとなりました。

1ターン

先攻1T:エイジ
 2ターン目の途中までカットされています。ここはパスです。

後攻1T:ヒイロ
 アイボリードラゴンをプレイします。

2ターン

先攻2T:エイジ
 シャドウ・サンドストームドラゴンをプレイします。

シャドウ・サンドストームドラゴン
2コスト4/1
※能力不明

 サンドストームドラゴンのスタッツをひっくり返しているので、攻撃力がやたらと高いフォロワーです。バニラっぽいですが能力は不明です。

後攻2T:ヒイロ
 このターンからアニメに映ります。アイボリードラゴンとシャドウ・サンドストームドラゴンを相討ちします。
 竜の託宣をプレイします。

3ターン

先攻3T:エイジ
 「影よ、天地を覆え」ということでアニメオリジナルカードをプレイします。

イービルドラゴニュート
3コスト2/2
ファンファーレ:手札からフォロワーを1枚捨てたなら自分のPP最大値+1

 3/2/2を出しながら即PPブーストができる点はアイラよりも強いですが、手札を消費してしまいます。ドラゴンクラスには手札を捨てるディスカード軸があるのでシナジーを出せれば強力です。
 エイジはシャドウ・イグニスドラゴンを捨てます。本来、手札から捨てるカードは公開されませんが、アニメならではの演出でした。
 お互いにPPブースト1個ずつです。

後攻3T:ヒイロ
 ドラゴンウォーリアをプレイします。PPブーストをしているため3ターン目ですがテンポを取るためにプレイしました。

4ターン

先攻4T:エイジ
 このターンはカットされています。
 シャドウ・ファイヤーリザードでドラゴンウォーリアを破壊します。

シャドウファイヤーリザード
2コスト1/2
ファンファーレ:(覚醒状態なら?)相手のフォロワー1体に4ダメージ

 35話でエイジが使ったときは覚醒状態オンリーだという条件付きだったと思うのですが、今回はその条件がなくなっていました。条件がないと強すぎると思います。
 忌むべき悪魔の像をプレイします。条件達成が難しいため使われないカードでした。エイジのデッキにシナジーがあるようには思えませんがなぜこんなカードが入っているのでしょう。

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後攻4T:ヒイロ
 このターンから再びアニメに映ります。
 ムシュフシュをプレイして進化し、忌むべき悪魔の像を破壊します。
 鉄鱗の竜人をプレイし、ファンファーレでシャドウ・ファイヤーリザードに2ダメージを与えて破壊します。

5ターン

先攻5T:エイジ
 シャドウ・ドラゴンウォーリアをプレイして進化します。

シャドウ・ドラゴンウォーリア
4コスト4/3→5/4
進化時:このフォロワーに2ダメージ、他のフォロワーすべてに4ダメージ

 4コストにしてはかなり除去能力の高いカードです。

後攻5T:ヒイロ
 このあとのターンでもう1つPPが増えているのが確認できるため、ここで竜の闘気を使ったものと思われますがカットされています。ターンの途中で細かくカットをするのはテンポが良くて僕は好みです。

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 ブレイジングブレスでシャドウ・ドラゴンウォーリアを破壊します。


6ターン

先攻6T:エイジ
 シャドウ・ドラゴンガードをプレイします。このカードは前にも登場しました。

シャドウ・ドラゴンガード
6コスト6/5
必殺
守護

後攻6T:ヒイロ
 リヴァイアサンをプレイします。
 竜の怒りをプレイしてシャドウ・ドラゴンガードに6ダメージを与え破壊します。
 ここで8PP使うことから、前のターンは竜の闘気を撃っていないと辻褄が合いません。

7ターン

先攻7T:エイジ
 シャドウ・グリントドラゴンをプレイしてリヴァイアサンに4ダメージを与えます。

シャドウ・グリントドラゴン
4コスト2/4
ファンファーレ:覚醒状態なら相手のフォロワー1体に4ダメージ

 シャドウ・ストームドラゴンをプレイしてリヴァイアサンに攻撃して相討ちを取ります。

シャドウストームドラゴン
2コスト1/2
疾走
攻撃時:覚醒状態なら自身を+1/+0する

 どちらも以前のバトルでエイジが使っていたカードです。

後攻7T:ヒイロ
 ドラゴンガードとルフ鳥をプレイします。
 ルフ鳥を進化してシャドウ・グリントドラゴンを破壊します。

8ターン

先攻8T:エイジ
 初登場のアニメオリジナルカードをプレイします。

シャドウ・リヴァイブ
8コストスペル
このバトル中に手札から捨てられたフォロワーを1枚ランダムに場に出す
そのフォロワーがシャドウ・イグニスドラゴンだった場合、デッドエンドドラゴンに変身させる

 バトル中に手札から捨てられたカードを参照する効果は本家にはありません。
 捨てたカードはシャドウ・イグニスドラゴンのみなのでサーチ先は確定です。デッドエンドドラゴンがでてきます。

デッドエンドドラゴン
8コスト7/7
ファンファーレ:このフォロワーは「次の自分のターン開始時まで、進化したフォロワーからの攻撃ではダメージを受けない」を持つ。
自分の場の攻撃力7以上のフォロワーが攻撃したとき、カードを1枚引き、そのカードがドラゴンクラスのフォロワーであれば、そのコストを0にする。

 デッドエンドドラゴンを進化してドラゴンガードを破壊します。効果が働き、デッキからカードを1枚引きます。引いたカードはジェネシスドラゴンでした。

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 ジェネシスドラゴンをプレイし、ルフ鳥に攻撃します。さらにデッドエンドドラゴンの効果が働き、カードを1枚引きます。引いたカードはグリムリーパーでした。

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 結果論ですがヒイロは次のターン、盤面全体のAOEで対処をするため、ジェネシスドラゴンは相手のリーダーを攻撃すべきでした。ヒイロは次のターン、守護の裏にいる7/9のジェネシスドラゴンが破壊できなかったため、エイジは14点分損をしています。

後攻8T:ヒイロ
 竜の翼の1点AOEと、灼熱の嵐の4点AOEで盤面を吹き飛ばします。

9ターン

先攻9T:エイジ
 カズキたちと戦っていた虚ろの影がエイジの元へと集結します。「世界を喰らいし大いなる破滅。いまここに降臨せよ!」ということで前回も使った漆黒の目覚めを使います。

漆黒の目覚め
10コストスペル
このバトル中にデッドエンドドラゴンが破壊されているなら、デッドエンドドラゴン・第2形態(フォロワー5体分)を場に出す。

 デッドエンドドラゴン・第2形態は能力が複雑でした。

デッドエンドドラゴン・第2形態(本体)
?コスト0/10
自分の場にフォロワーが出た時、自分の場にソウルブレイドがいるなら、場に出たフォロワーを破壊し、ソウルブレイドを+X/+Xする。Xは破壊したフォロワーのコストである。
ラストワード:自分の場にパーツカードが存在しないなら、自分のリーダーは「相手のターン終了時、シャドウ・イグニスドラゴンを1体場に出し、この能力を失う」を持つ

ガーディアンウィング(青い翼)
?コスト0/10
守護
自分の場に他のパーツカードが2枚以上がある限り、このフォロワーはダメージを受けない。
このフォロワーが場にいる限り、自分のリーダーはダメージを受けない。

リヴァイブウィング(緑の翼)
?コスト0/10
守護
ラストワード:自分の体力最大値を30にして、自分の体力を10回復する。

ソウルブレイド(赤い剣)
?コスト2/6
疾走
ドレイン
このフォロワーは相手のフォロワーを攻撃できない。

ゲイルエッジ(紫の剣)
?コスト6/6
攻撃時:ダメージを与えあう前に、攻撃するフォロワーに6ダメージを与える。

 疾走を持っているソウルブレイドで相手のリーダーを攻撃しました。

後攻9T:ヒイロ
 ドラゴンナックルをプレイします。ヒイロが何度も使っているオリジナルカードですね。

ドラゴンナックル
3コストスペル
手札のコスト最小のカードをランダムに1枚捨てて、そのコストの分だけ相手のフォロワー1体にダメージ
覚醒状態ならカードを1枚引く

 騎竜兵を捨ててゲイルエッジに6ダメージを与えて破壊します。覚醒時効果で引いたカードはイグニスドラゴンでした。
 イグニスドラゴンをプレイします。効果で進化して、リヴァイブウィングを攻撃します。攻撃前に3点のAOEが入りますが、ガーディアンウィングはリヴァイブウィングとソウルブレイドが生きているためAOEのダメージを受けません。
 リヴァイブウィングのラストワードで体力の最大値が30になり、体力が10回復します。ヒイロはしまったと言っていましたが、前も見た効果ですし、回避する術もないので違うリアクションをとらせてあげてほしかったです。


10ターン

先攻10T:エイジ
 変異の巨竜をプレイします。デッドエンドドラゴンの本体の効果が働き、5コストの変異の巨竜が破壊され、ソウルブレイドが+5/+5されます。変異の巨竜はまた同じ役回りでしたね…。作画コストの節約です。
 ソウルブレイドはリーダーにしか攻撃できないのでリーダーに攻撃します。デッドエンドドラゴン・第二形態は派手なのですが本体と翼の攻撃力が0のため手数が少ないですね。

後攻10T:ヒイロ
 イグニスドラゴンでガーディアンウィングを攻撃します。パーツカードはソウルブレイドしかないのでダメージが通ります。
 インフィニットフレイムドラゴンをプレイします。ローウェンたちとのバトルでは伝説のカードは一切出てこなかったので、久しぶりの登場です。

インフィニットフレイムドラゴン
10コスト10/10
ファンファーレ:相手のリーダーに5ダメージ
攻撃時:このカードの攻撃力分のダメージを相手のリーダーに与える
進化時:相手の場の体力5以下のフォロワーをすべて破壊し、破壊した数と同じだけ相手のリーダーにダメージ

 ファンファーレで相手のリーダーに5点与えます。
 インフィニットフレイムドラゴンを進化します。進化時効果で体力5以下の相手のフォロワーをすべて破壊しますが、他のパーツカードがある限りデッドエンドドラゴン・第二形態(本体)は破壊されないため、ソウルブレイドのみが破壊されます。
 本体が破壊されないことはヒイロにとっては好都合です。インフィニットフレイムドラゴンで本体を攻撃して破壊し、10ダメージを与えます。これでエイジの体力は14です。
 前回のバトルはデッドエンドドラゴン・第2形態を破壊すると同時にヒイロが勝利したのですが、今回はバトルが終わらなかったためラストワードが発動します。シャドウ・イグニスドラゴンが場に戻ってきます。

11ターン

先攻T:エイジ
 初登場のアニメオリジナルカードをプレイします。

シャドウ・ハウリング
10コストスペル
自分の場のシャドウ・イグニスドラゴン1体の攻撃力と体力は10になり、必殺、守護、ドレイン、「自分のターン終了時に他のフォロワーすべてに5ダメージ」を持つ

 シャドウ・イグニスドラゴンは相手のターン終了時に場に出ているため、相手のリーダーを攻撃できます。これでヒイロの体力は1、エイジの体力は24です。
 イグニスドラゴンとインフィニットフレイムドラゴンが残るので、また合体のチャンスを与えちゃうじゃんと思ったのですが、ちゃんとそこはケアをしていました。5点AOEが2回働くことにより、ヒイロの盤面はすべて破壊されます。
 伝説のカードが破壊されたのは初めてですかね。もしかしたらラストワードがあるかもしれません。45話はここで終わりでした。
 ここまでのバトルの展開はあえて35話+36話の内容と近いものにして、最後の最後にイグニスドラゴンとインフィニットフレイムドラゴンを倒し、絶望に叩き込むような演出でした。とても上手だと思いますが、45話自体が前フリのような感じにはなってしまうのはしょうがないですね。


天空の城へ

 45話の開始時には主人公たち7人が塔のもとへと集まっています。

マウラ:「あなたはどうなんです?竜ヶ崎ヒイロ。楽しめましたか?」
ヒイロ:「そうだなあ。好きだった。けど、前に進まないと始まんないだろ?だから、これでいいんだ」

 「嬉しい」とか「悲しい」ではなく「好きだった」とコメントさせるのがすごいセンスだなと思いました。ヒイロの夢は叶う可能性があるのですが、叶わない夢かのような言い回しで胸がキュッとなりました。
 扉が開くと虚ろの影の大群に襲われ、ヒイロ以外のメンバーが相手をして、ヒイロだけ塔を登っていきます。踊り場のようなところでエイジが現れ、エイジとのバトルが始まります。
 この世界が現実なのかどうか分かりにくいですが、現実世界はいまネクサスによって安寧の眠りについていて、ヒイロたちもまだ夢の世界にいます。夢の中にいるけどこれが夢の世界だと気づいているという感じでしょうか。ローウェンたちと出会ったのはまた別の異世界ですね。
 今回のサブタイトル「天空の城」にぴったりなカードがアニシャドのカードプールにもあるのですが…。さすがに出てきませんでしたね。

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カードが駒である

 2回目のヒイロとエイジの戦いが始まります。
 45話で強調されたポイントは、カードが駒であるか否かという点でしょうか。

エイジ:「すべては駒にすぎん。目的を果たすためのな。お前もそうだろうヒイロ。目的を果たすためにシャドバを用いる。そのカードを使っている」
ヒイロ:「違う!オレのカードは、オレの駒なんかじゃない。コイツらは、1枚1枚がオレの相棒なんだ」

 次週の決着のタイミングで活かしてきそうだなという対立ポイントです。
 カードゲームアニメでよく出てくる完全な悪役をエイジが担当していますね。エイジの人格が変わってしまった経緯は今回明らかになったので救いはありますが…。
 エイジは駒にすぎないと言っていたシャドウ・イグニスドラゴンをめちゃくちゃ有効利用しているのでツンデレだなと思いました。

レオンの玉座

 バトルの途中でレオンの姿がちらっと映ります。お城のようなところにいて、悠々と玉座に腰かけています。彼の前にはネクサスに乗っ取られたアサギがいます。
 レオンはジェネシスアイランドから指令を送っていたのですが、ヒイロたちが安寧の夢に旅立っている間に移動したようです。天空の城にて待ち構えているということでしょうか。
 ジェネシスカンパニーでアサギやエイジと一緒に研究していたころとは思想が変わってしまって、世界の敵側に裏切ってしまったということなのでしょうか。だとするとヒイロたちを伝説のカードへと導いたことと一貫性がとれていないので、また別の行動原理があるような感じはします。
 レオンが手袋を外すと青いオーラが出ています。こういう演出は過去なかったので何を匂わせているかは良く分かりません。ネクサスの力を一部もらっているということでしょうか。

エイジの望み

 エイジがいまのような姿になって、いまのような考えを持つようになった経緯が明かされました。

エイジ:「諦めた先にしか道はなかったからさ。生贄となったアサギを救うため、オレは災いの樹に入った。そのオレを待っていたのは、永遠の絶望だった。災いの樹の中は、現実とは異なる時間が流れている。1秒が100年、1000年にもなるような世界。ただひたすら、アサギを探し続けた。だが、孤独、疲労、焦燥、すべてが混ざり合い、絶望に沈んだオレは、だんだんとオレではなくなっていった。」

 災いの樹の中の様子は本家では語られたことはありませんでした。あんなふうになっているのですね。流れている時間よりも体感時間が異様に長い世界でアサギを探しまわっていたということですかね。

ネクサス:「汝何を望む?何を成す?その欲望、我が礎とならん」
エイジ:「望み、オレの望みは、アサギ、お前を救いたい」
ネクサス:「ならば我が眷属となり、世界を安寧の夢へと閉じ込めよ。さすればこの器を解放しよう」

 この話を聞くと、災いの樹の中がしんどいからネクサスの手下になったという側面があるようにも見えました。35話でエイジの考えが明かされたとき、「息子+その他世界すべて」よりも「妻」を選ぶ変な人という印象を持ちましたが、多少はしょうがなかったのかなという気分になりました。純粋に2つを天秤にかけたわけではなくて、永遠の苦痛から逃れるためだったということですね。

エイジ:「あのとき、オレは世界を諦めた。ネクサスの目的を叶えれば、ネクサスはアサギの体を捨て、別の世界へと消える。アサギは解放されるのだ」

 エイジはネクサスの目的が叶えばアサギは解放されると言っていますが、その保証はありません。「管理者」とは神様のような上位存在です。ちっぽけな人間1人の意思などお構いなしです。
 エイジは妻1人を助けようとして失敗してしまい、世界そのものを滅ぼそうとするネクサスに協力しているわけです。仮にアサギが開放されたとして世界が滅んでいるなら何の意味もないのに。この辺の常識的な判断ができないぐらいには災いの樹の中で追い詰められたのでしょう。

エイジ:「理解し、なおもあがくか」
ヒイロ:「ああ、だって、ようは父さんがオレを信じられないってことなんだろ?オレは父さんも母さんも世界も救う。救って見せる。父さんにオレの強さを見せる。それでオレの言葉を信じてもらう」

 この話を聞いて、父が自分を信じられていない現状を変えれば良いというふうに解釈するヒイロくん、相変わらず鋼のメンタルだなと思いました。アホな父さんが息子である自分と世界そのものよりも妻を優先しているという話だったのに、メンタルの揺らぎが1ミリも見えません。怒ったり悲しんだり呆れたりするでしょう普通。

エイジ:「なぜそこまで自分を信じられる?」
ヒイロ:「オレには仲間がいる。仲間との絆がある。だからオレは、オレをどこまでも信じられるんだ」

 ホビーアニメ的な都合の付け方としては、ヒイロは仲間を信じているからということでした。美しいですね。眩しいです。
 アサギがいまのエイジの行動を善しとしないことをエイジ自身が認識しているのは良かったなと思いました。謎の少女が必死にヒイロたちを導いていることと重なりますね。

棋譜

 棋譜にはあまり表れないですがデッドエンドドラゴン・第二形態は効果がややこしいですね。
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 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 44話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


 感想の一覧はこちら。
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【アズレン】イベントストーリー考察:暁射す氷華の嵐 編【アズールレーン】

 2021年2月25日開始のイベント「暁射す氷華の嵐」のストーリーを考察する記事です。アズレンの世界観の根幹に切り込む話題が多かったためテキスト量も多めです。

1. イベントの時系列整理

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 時系列を整理すると「暁射す氷華の嵐」は「極夜照らす幻光」の後、セイレーン作戦の前のお話だと予想することができます。

1-1. 判断ポイント1:セイレーン作戦開始

 セイレーンが突如として後退を始めたので、これを機に攻め込もうとしているという状況はセイレーン作戦Chaptar1で語られた内容と同じです。セイレーン作戦の開始直前であることが伺えます。

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 「暁射す氷華の嵐」の最後では主要陣営が連名で指揮官のユニオンへの支援を要請しています。主要陣営の全てが絡むセイレーン作戦の実行に備えての措置だと考えられます。セイレーン作戦で指揮官はユニオン艦隊と一緒にNYシティから出撃していることとも合致します。

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 ちなみに会合が行われたピッツバーグという都市はアメリカの内陸部にあります。なぜこんなところでKAN-SEN同士の話し合いが行われたのかは謎です。
 アビータ側の動きを照らし合わせても時間軸が合います。セイレーン作戦の海域にはEmpress以外のアビータが3体出現していて、彼女たちはコードGを追っていると言っていました。これがオブザーバー・零の指令だったことがわかりました。

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1-2. 判断ポイント2:フリードリヒ・デア・グローセの存在

 「暁射す氷華の嵐」の時点で指揮官はフリードリヒ・デア・グローセの存在を認識しています。しかし、今までのイベントで彼女は表舞台に出てきていないので、指揮官が彼女の存在を知るタイミングはなかったはずです。

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 グローセは「極夜照らす幻光」で突如黒幕として現れました。「暁射す氷華の嵐」はそのあとのストーリーであり、彼女の存在が公に明かされる出来事がその前の時系列として起こったはずです。上の時系列図ではそれを空白期間としています。
 上で「かの再現」と指揮官が語る出来事も正体が分からないです。「極夜照らす幻光」のラストで鉄血がスカパフローを襲撃したことに端を発する、鉄血vsロイヤルの戦争を示しているのではないかなと思います。

2. アズレン世界全体の時系列整理

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 今回のイベントではアズレンの世界観全体の時系列に関する重大なヒントが得られました。もともと2つの世界線があることはなんとなくわかっていましたが、その交わり方なども含めて詳細な情報が語られました。

2-1. ユーザが見ている世界線

 「前の大戦」からセイレーンはこの世界で暗躍していたとベラルーシアは言っています。

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 ここで言う「大戦」というのは第一次世界大戦(WW1)か第二次世界大戦(WW2)のどちらかしかなく、我々ユーザがゲームのシナリオとして追いかけてきたのはWW2を元にしたストーリーですから、ベラルーシアが言っている「前の大戦」というのはWW1だと思われます。
 となるとこの世界線ではWW1が我々のよく知るような形で起きたのではないかと思われます。WW1の段階ではセイレーンが人類の前に姿を現していませんから、同じ推移をたどるはずです。
 WW2は人類史上最大最後の世界大戦であり、KAN-SENたちのベースとなる情報が作られた戦争です。セイレーンたちにとっては、ここが一番実験に向いていると判断して、このタイミングを見計らって飛んできたのではないかと予想することができます。
 KAN-SENたちがこの構図に気づき始めているというのは朗報でしたね。アズールレーンとレッドアクシズに分かれて争っているのはセイレーンが「再現」をしようとしているからであり、それ以上の必然性はありません。ただ、人類のためを想うとKAN-SENたちには覚醒をしてもらわねばならないため、争ってくれていたほうがいいのかもしれません…。


2-2. 人類がエックスと戦う世界線

 ここが今回のイベントの肝です。人類がエックスと戦う世界線はユーザが見ている世界線とは全く別の舞台であり、時間軸も全然違います。おそらく遠い未来なのではないかと思いますが、詳細は不明です。
 オースタ博士とアンジュ博士という2人の博士が出てきます。時系列に沿ってみていくと、まずはアンジュ博士がKAN-SENの祖にあたるものを開発したようです。しかしこの人形には感情がないと指摘されています。

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 メンタルキューブの適性がある人間がいれば、この問題が解決すると言っています。つまり、この時点でメンタルキューブの開発には成功していて、メンタルキューブからKAN-SENのプロトタイプのようなものは作れるところまで開発は進んでいたものの、感情を持たせられることができなかったということですね。

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 時が少し進み、メンタルキューブの適性を持つ人間が現れました。オースタ博士が意気揚々と紹介をします。キューブ適性があるという点から、この人物は指揮官と繋がりのある人に当たるため、ここでは便宜上「another指揮官」と呼びます。

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 「another指揮官」の登場によってKAN-SENの研究は進み、我々がよく知る形のKAN-SENが出来上がったものと思われます。
 「開かれし紺碧の砂箱」で出てきた正体不明の人物は、おそらくアンジュ博士です。彼女が下で主張しているように、KAN-SENは心を持つ「ヒト」になっています。研究が進んだということですね。

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 KAN-SENが出来上がると、つぎにアンチエックス(=セイレーン)が生み出されます。

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 「闇に堕ちた青き翼」でオブザーバーはコードGに対して上のようなセリフを言っています。このセリフと下のオースタ博士のセリフが結び付きます。

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 WW2で最高の活躍をしたKAN-SENであるエンタープライズを元にして、オースタ博士がアンチエックスを作り出したようです。だからここで彼は「私のアンチエックス」と言いますし、コードGを特別気にかけています。
 アンチエックスとKAN-SENの基本構造が似ているという話をベラルーシアたちがしていましたが、それも当然です。KAN-SENをもとにアンチエックスは生み出されているのですから。
 このあと、アンジュ博士は大失敗をやらかしてしまったようでした。

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 この失敗が何だったのかは謎です。そして、ここの会話の内容が終始不穏だったように、おそらく人類の敗色は濃厚だったことでしょう。このあと人類の最後の望みをかけた作戦が始まるのですが、その内容は後で詳しくみます。
 一方、博士たちが生み出したKAN-SENとアンチエックス、そして本部にいた記録機構は非常に賢くてタフな機械生命体です。エックスとの戦いで彼女らは生き残ってしまったのではないかと予想できます。
 生き残ったKAN-SENは余燼へ、アンチエックスはセイレーンへ、記録機構はオブザーバー・零へと姿を変えて、我々ユーザの見ている世界線へとやってきます。

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 「闇靄払う銀翼」でオブザーバーが言っていた、「時間跳躍装置」は人類のためにあるべきもの、という言葉の意味がぼんやりとわかってきましたね。セイレーンや余燼たちはこの装置を使って世界線を飛び回っているのではないかと思います。
 KAN-SENを覚醒させてエックスに対抗できる戦力を用意することがセイレーンの目的のようだと今まで言われていましたが、色々なことが明らかになった今、果たしてそれだけが狙いなのかよくわからなくなってきました。
 WW1が始まる前にセイレーンがこの世界にやってきたことで、我々ユーザが見ている世界線は枝として分岐をしたものと思われます。セイレーンが世界に干渉した結果未来が変わってしまって、新たにできたifのルートということですね。


3. 人類 vs エックス - 博士の作戦

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 博士たちに何が起きたのかをもう少し詳しくみてみます。
 指揮官たちが探索している秘密領域と呼ばれる場所は、オースタ博士たちが協議をしていた場所と同じです。オースタ博士はここを地下指揮本部と呼んでいます。ここには少なくとも4人の人物がいます。
 1人称が「わし」の人物は将軍と呼ばれていて、軍部を指揮する立場にあるようです。将軍はオースタ博士に作戦を提案します。一方でアンジュ博士とanother指揮官はその作戦の実行には関わらかなったようなので、分けて見ていきます。

3-1. オースタ博士の作戦

 この作戦はアンチエックス、KAN-SEN、軍の力を結集した作戦です。

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 どういう作戦だったかというと、「曙光」と「時間跳躍装置」を起動させている間に、軍や残った戦力を使ってできるだけ時間を稼ぐというものでした。

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 「施設を守るために時間を稼ぐ」という点が繋がることから、この作戦は秘密領域で指揮官たちが見つけた記録上のものなのだろうと予想することができます。できる限りの戦力を使って、小さな島を守ろうとする作戦ですね。この場所は指揮本部であると同時に、守るべき「曙光」と「時間跳躍装置」を配備した拠点だったということでしょう。

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 オースタ博士が守ろうとした「島」と、いま指揮官たちがいる秘密領域がイコールで結ばれていることは、後々指揮官本人も気づいています。

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 この経緯は後程詳しく書きます。
 ソユーズたちが指摘しているように、この作戦は無謀です。おそらく最後はエックスの軍勢に飲み込まれてしまったことでしょう。
 以前のイベントでセイレーンやオブザーバー・零が審判者様が生きているかのような口ぶりでしゃべっていたことがあったため、オースタ博士がここで死んでしまったのかどうかは謎です。

3-2. アンジュ博士の作戦

 一方でアンジュ博士はNYシティに行くことで時間稼ぎをしようとしています。

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 指揮官の意識がリンクするanother指揮官もNYシティへと向かったようです。そこで何らかの役割を果たしたあと、サモスへと行く予定だったと言われています。サモスは地中海のギリシャ領の島です。

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 「彼女たちが助けに戻ってくる」とanother指揮官はアンジュ博士に対して言います。彼女たちというのはおそらくKAN-SENたちのことでしょう。

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 オースタ博士がどうなってしまったのか、KAN-SENたちは戻ってきたのか、アンジュ博士とanother指揮官はサモスへ行ったのか、などなどこのあと何が起きたのかは不明です。

4. アンチエックスとオブザーバー・零とアビータ

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 アンチエックスとオブザーバー・零とアビータの関係に関しても情報が得られたので整理します。
 上述の通り、アンチエックスはコードGの因子を元に作られました。生みの親はオースタ博士です。KAN-SENを模倣して作った機械生命体ということで、高い戦闘能力を有しています。
 指揮官は秘密領域のホールで、記録機構と呼ばれる機械生命体と出会います。記録機構はいままでイベントに出てきたオブザーバー・零と全く同じ外見をしています。

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 記録機構のことをオースタ博士は「零」と呼ぶことから、もともと「零」という名称がついていたようです。

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 この「零」はオースタ博士を補佐する端末であり、アンチエックスと同様に博士が作りだしたものではないかと予想できます。エックスとの戦いで生き残ってしまい、オブザーバー・零と名乗って別の世界線の人類に接触をしています。
 いままでの動きから見ると、オブザーバー・零はアンチエックスとは一枚岩ではありません。むしろ対立するような素振りを見せてきました。生みの親が同じなのに、なぜ対立してしまっているのかはよく分かりません。

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 アビータとは何なのか?という謎にも解決の糸口が見えました。
 アンチエックスが戦闘能力を有しているのに対して、おそらくですがオブザーバー・零には戦闘能力がありません。そのため、オブザーバー・零はアビータを戦闘部隊として指揮しているのではないかと予想できます。
 過去のイベントでセイレーンたちが「下級端末」であるのに対して、アビータは「中層端末」であるという表現がなされたことがありました。アビータもアンチエックスという括りの中に入るのか、それとも違う作られ方をしたのかはいまだに謎です。
 アビータはアルカナの番号と名前を持っているため、0番から21番までの22個体いるものと思われます。セイレーン作戦で出てきた個体を含めると、いままで4体のアビータの姿が明らかになっています。3女帝、8力、9隠者、14節制です。
 アビータはセイレーン作戦や今回のイベントのボスであるエンフォーサーを使役することができるようです。なのでエンフォーサーは実質的にアンチエックスたちと同じような階級ということになるでしょうか。
 Empressが使役するエンフォーサーの3番には【Harvest】という名前がついています。なぜこの子にだけ別途名前があるのかは謎です。

5. 曙光、光の都市、秘密領域の戦いの謎

 解決せずに残った謎を整理していきます。

5-1. 曙光と光の都市とは一体何なのか?

 指揮官がメンタルキューブを使ってこの施設を起動させると、光の都市が出現しました。これがおそらく「曙光」なのではないかと思うのですが、確信には至りません。

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 この施設の防衛装置なのかなというのが私の予想です。エックスと戦うときは人類を守る盾になってくれましたが、我々の見ている世界線では指揮官たちが侵入者とみなされてしまい、攻撃を受けてしまったのではないかという説です。

5-2. 枝切りとは何か?

 光の都市が出現したあと、指揮官とKAN-SENはたびたび気を失います。
 Empressは指揮官がこの時間軸から消失し、再度出現したと言っています。オブザーバー・零は「跳躍」ではなく「枝切り」と言っています。どちらも要領を得ません。

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 量子時間跳躍ではない別の方法で、指揮官は世界線を渡り歩いていたということなのでしょうか。それは「曙光」のせいなのか、指揮官本人の持つ力なのか、そのへんも全然分かりません。

5-3. セイレーンは何を「再現」したのか?

 指揮官たちはセイレーンに襲われます。その襲来はセイレーンが「敵」との「再現」を「演じた」と記載されています。

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 エックスがこの島を襲ったときのことを、セイレーンは「再現」しようとしたのだろうと予想することができます。セイレーンは「エックス役」、指揮官は「オースタ博士役」を演じて、「再現」をしましょうよということですね。
 戦いの直前で指揮官は、この秘密領域が海に沈むただの施設ではなく、オースタ博士が守ろうとした「島」だと気づいています。

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 上の発言から、指揮官はセイレーンの「再現」とその構図のすべてを見抜いているように見受けられます。鋭いですね。「島」はムルマンスクが資料を読み上げてくれたときに記憶に引っ掛かっていたのでしょう。

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 オースタ博士の作戦に退くという選択肢はありませんでしたし、そもそも島は全方位をエックスに囲まれていました。だから指揮官は自分にも逃げ道がないことを悟っていたものと思われます。

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 戦っても勝てない、そして逃げ道がないのであれば、残された手段は記録機構の言っていた言葉に縋りつくしかありません。

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 結果的に数時間あまり指揮官たちは戦い続けて、「曙光」が消滅し、生き延びることができました。
 オースタ博士によると「曙光」が消えると「時間跳躍装置」も止まると言われていました。指揮官たちは「時間跳躍装置」がストップするまで戦い続けたのかもしれませんし、「時間跳躍装置」はもうこの場所にはなかったのかもしれません。
 仮に「時間跳躍装置」がONになっていたとしたら、ユーザが見ている世界線とオースタ博士たちがいた世界線が交わっていたのではないかと予想することができます。つまり指揮官とKAN-SENたちはオースタ博士の世界戦に半分足を突っ込んでいたのではないかということですね。
 しかしここまで考えてみると、セイレーンはなぜ「時間跳躍装置」がONになっている間だけ「再現」をしていたのかという謎にぶち当たってしまいます。セイレーンたちはユーザが見ている世界線に来ているので、時間跳躍の向こう側には入れないはずです。
 強引に解釈するなら、世界線が繋がっているから「再現」ができる、世界線の繋がりが途絶えてしまうと「再現」することができなくなる、という感じでしょうか。この話題は根拠のない憶測が増えてしまうのでこの辺で畳んでおきます。


5-4. アビータが「再現」をかく乱をしたのはなぜ?

 Empressはオブザーバーの「再現」をかく乱したと言っていました。

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 アンチエックスたちとオブザーバー・零が対立しているとするならば、Empressの行動は理解できます。深い理由はわかりませんが、アンチエックスの思い通りにしたくなかったということでしょう。
 見方によっては指揮官を助けてくれたと捉えることもできるのですが…。果たしてどうなのでしょうか。
 ボスとして指揮官たちが戦った相手はエンフォーサーでした。道中に出てくる目玉のような新しい敵もEmpressの横に浮いていている目玉と同じ模様です。かく乱をすると言っておきながら、思いっきり指揮官を潰しにかかっていたのではないかと疑ってしまいます。
 今回行われた戦闘はとにかく謎だらけでした。

6. キューブからKAN-SENを建造する仕組み

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 最後はストーリーの本筋とは少し外れた話題です。ベラルーシアやソユーズたちと、KAN-SENがメンタルキューブからどのように建造されるのかという議論が交わされ、いままで謎だったその仕組みが明らかになりました。
 メンタルキューブの中には艦船の情報が詰まっています。そこから1つの艦船の情報を取り出したときに、その艦船のカンレキが十分であるかどうかを確認して、カンレキが十分であればそのまま実体化し、十分でなければ竜骨編纂を行って実体化させるという流れだそうです。
 カンレキというのは艦船をその艦船たらしめる情報だと言っていました。艦船として活躍した歴史と捉えればOKだと思いますが、計画だけだったとしても、その艦船だと十分にわかるものであれば、実体化させることができるようです。
 KAN-SENの情報から機械である量産型が生み出され、KAN-SENはそれを操ることができるとも言われていました。セイレーンも同様に量産型を作り出し、それを操ることができます。
 ゲーム中の小型建造と大型建造では使うキューブの個数が違うので、取り出される情報の種類が変わるということなのでしょうか。指揮官がもっと狙いをつけて情報を取り出すことができれば、ガチャなんてなくなってしまいますね。

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 というわけで今回の考察は以上です。世界観の根幹に迫る内容が次々に明らかになりましたが、まだまだ謎がたくさんあります。今後の展開が楽しみです。


 何かありましたらTwitterにてご連絡ください。
https://twitter.com/YT22_azurlane


 過去のイベントストーリー考察です。

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【原作勢目線】アニメシャドウバース44話感想-ルシアと不死の王

ネタバレします!!

 44話はルシアとユリアスがバトルする回です。ルシアの安寧の夢は幸福に満ち溢れていて、だからこそとても悲しいのですが、ちゃんと最後には前を向けていて安心しました。

ルシア vs ユリアス

 バトルが始まるのはCM明けでした。バトルの内容から見ていきます。

1-5ターン

 先攻6ターン目までカットされています。カットされているターンが長いので推測することはできません。
 先攻はルシア、後攻はユリアスです。先攻6ターン目の時点でユリアスの体力は8まで削れていることから、先攻側がフォロワーを展開して序盤から体力を詰める展開になったものと思われます。
 ユリアスは先攻6ターン目の時点で手札が8枚もあるので、パスをしたり血の取引を使ったりして手札を増やしたはずです。手札にはバハムートやダークエンジェル・オリヴィエなどコストが重いカードがたくさん見えるので、デッキはコントロールヴァンパイアであることがわかります。

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 細かい話ですがルシアは先攻5Tと6Tで進化権を使い切り、ユリアスは後攻4Tと5Tで進化権を使って、最後の1つを温存しているというのはわかります。

6ターン

先攻6T:ルシア
 このターンの途中からアニメに映ります。
 ルシアは6pp使い切っていて、ルシアの場には進化後のワードローブレイダーがいます。

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 ユリアスの場にはサーペントチャーマーと人狼の群れ長がいます。

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 進化したワードローブレイダーでサーペントチャーマーを攻撃します。サーペントチャーマーは破壊され、ラストワードでユリアスに2ダメージが入ります。ルシアの体力は17で、ユリアスの体力は6です。


後攻6T:ユリアス
 場残りした人狼の群れ長でワードローブレイダーと相討ちします。
 アニメオリジナルカードを使います。

テラーバイト
6コストスペル
自分のリーダーは夜の王状態(「自分のターン開始時に自分の体力を10にする」を持ち、一部のカードの復讐時効果がパワーアップする)になる
自分の手札のランダムな3枚のカードを「ナイトメアタイム」「ブラッディネイル」「ドレッドオーラ」にそれぞれ変身させる

 ユリアスの手札にあったアビスビースト、ジャガーノート、フリアエが変身します。
 「お前たち人間が呼んだのだろう?この私が、夜の王であると」と言いますが本家で夜の王という表現がなされたことはありません…。44話のタイトル回収をするなら不死の王状態でも良かったかも…。
 ナイトメアタイムは0コストなのでこのターン中にプレイすることができます。

ナイトメアタイム
0コスト
自分のリーダーは「自分のターン開始時にカードを1枚追加で引く」を持つ

 6コスト払って盤面に一切干渉できないのでかなり隙が大きいカードです。撃てれば次のターンからどんどんアドを稼ぐことができます。毎ターン開始時に体力が10になるので、チマチマと削るデッキには負けなくなります。

7ターン

先攻7T:ルシア
 ダークエンペラーをプレイします。
 ユリアスが「本来は復讐状態でプレイすべきカードでは?」と指摘をして、ルシアが「破壊とダメージに耐性があるんだぞ」と返すのは至極まっとうなやりとりでした。
 ユリアスは体力が10になるのでダークエンペラーを除去しないと負ける可能性が出てきます。スペルでは破壊できないため厄介な押し付けになっています。

後攻7T:ユリアス
 ナイトメアタイムの効果がここでわかります。ターン開始時にカードを1枚追加ドローします。
 ブラッドレイジをプレイします。ルシアもよく使っているカードですね。

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 本来はフォロワー1体に6ダメージなので効果ダメージ耐性があるダークエンペラーには効きません。しかしユリアスはテラーバイトを使って夜の王状態になっているので、ブラッドレイジの効果が「相手のフォロー1体を消滅させる」にパワーアップしており、ダークエンペラーは消滅します。
 テラーバイトで加えたトークンスペルを撃ちます。

ブラッディネイル
2コストスペル
自分のリーダーは「相手のフォロワーを破壊するたびに相手のリーダーに1ダメージを与える」を持つ

 血餓の女帝の効果がリーダーに付与されるようなイメージですかね。このターンに効果は働きません。

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8ターン

先攻8T:ルシア
 吸血貴・ヴァイト、ヴァンパイアライカン、ナイトメアをプレイします。ヴァイトは守護と交戦時能力がありますが他の2枚はバニラです。
 前のターンは大きいフォロワーを置いてプレッシャーをかけ、このターンは横に広げてプレッシャーをかけます。

後攻8T:ユリアス
 3枚目のトークンスペルを撃ちます。

ドレッドオーラ
2コストスペル
自分のリーダーは「自分のターン中にリーダーがダメージを受けるなら、自分ではなく相手のリーダーがそのダメージを受ける」を持つ

 ブラッディ・メアリーの効果がリーダーに付与されます。

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 前のターンで2pp余っていたので、このカードも撃つことができたと思うのですがなぜ撃たなかったのでしょうか。同じターンには使えないという制限があるのでしょうか。
 デモンストームをプレイします。

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 ルシアの場にいる3体のフォロワーが破壊され、お互いのリーダーに3ダメージが入ります。
 ブラッディネイルの効果で3体のフォロワーが破壊されて3ダメージ、ユリアスが受けるはずだった3ダメージがドレッドオーラの効果でルシアに入って3ダメージです。これでルシアの体力は8です。


9ターン

先攻9T:ルシア
 暗闇の蝙蝠とサイレントライカンをプレイします。
 暗闇の蝙蝠は久しぶりの登場です。

暗闇の蝙蝠
5コスト1/5
守護
ファンファーレ:復讐状態なら必殺を持つ
ラストワード:自分のリーダーを3回復してカードを1枚引く

 サイレントライカンの効果は次のターンに分かります。

後攻9T:ユリアス
 ソウルディーラーをプレイします。

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 体力を半分にするカードです。半分になるということは体力が満タンの20であろうと復讐状態に入れます。リスクが大きすぎて使うのが難しいカードでした。ここではドレッドオーラの効果でリーダーが受けるはずの5ダメージがルシアへと飛んでいきます。
 デモンコマンダー・ラウラをプレイします。

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 復讐状態で他のフォロワーを疾走させるカードです。夜の王の効果で疾走にプラスして「能力によって破壊されない」も付与します。ソウルディーラーを疾走させて、必殺と守護を持っている暗闇の蝙蝠に攻撃します。能力によって破壊されなくなるので、必殺も効きません。
 モルモをプレイします。

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 夜の王状態なら「このターンに相手のフォロワーを破壊していたなら、フォレストバットに疾走を付与する」を持ちます。片方のフォレストバットを進化して攻撃します。ルシアの体力は1です。
 「このターンに相手のフォロワーを破壊していたなら」という条件がなければ、ソウルディーラーがルシアを攻撃することができたのでユリアスの勝ちでした。


10ターン

先攻10T:ルシア
 デッキトップから引いたのは獰猛な捕食でした。

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 これをモルモに撃って1ドローします。本来ソウルディーラーに撃つべきところでしたが、ルシアの手札にはディアボリックドレインがすでにあったので、どっちでも良かったのかなと思います。
 群れなす飢餓でフォレストバットを2体破壊します。ディアボリックドレインでソウルディーラーを破壊して2回復します。場残りしていたサイレントライカンでラウラを破壊します。これでユリアスの盤面は全処理されました。
 サイレントライカンの効果が発動します。

サイレントライカ
4コスト2/4
潜伏
相手のフォロワーが破壊されるたび、このフォロワーを+1/+0する
このフォロワーの攻撃力が7以上になったとき、このフォロワーは「1ターンに2回攻撃できる」を持つ

 相手のフォロワーを倒しているときにどんどん攻撃力が上がっていたはずなのですが、まとめて攻撃が上がるという演出になっていました。そのぐらいはご愛敬ですね。
 このカードを潜伏で伏せられると、相手はフォロワーを4体までしか出せません。5体倒されると14点パンチが飛んできてしまいます。
 サイレントライカンの2回目の攻撃でユリアスに7ダメージ、手札にあった鋭利な一裂きで3ダメージでルシアの勝利でした。ディアボリックドレインで回復していなかったら、自傷ダメージが先に入るのでルシアの負けでした。
 鋭利な一裂きをラウラに撃てば、サイレントライカンが2回ともリーダーを攻撃できたので、最大打点は14点でした。勝ちであることには変わりはありません。
 鋭利な一裂きで勝つというのは絵としては地味ですが、2話でヒイロに撃たなかったカードでけじめをつけるという点では意味のある終わり方でしたね。
 今回もきっちり敗北ボイスを回収してくれました。

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ルシアの安寧の夢

 44話のスタートは、ヒイロと触れ合う前のルシアのセリフを引用していました。

ルシア:「繰り返しの日々、くだらない毎日。この道の先に何がある。わからないけど。でも…。(中略)この道がどこに続くかはわからない。でもシオリが笑ってくれている。だから、いまだけは…きっと…」

 シオリがこんなに元気なのに、ルシアの心の中は意外とブルーなんだなと驚きました。

謎の少女:「ゆりかごの無知なる赤子。でも、あなたの瞳は確かに揺れている。あなたの願いは彼女の幸せ。すべては虚ろ、嘘、まやかし。それでもあなたは焦がれて祈る。残された時間は、もうわずかよ。夢はいつか、覚めるものだから」

 謎の少女がこう言っているので、マウラと同じくルシアも起きているのかもなとこの時点で匂わせがあります。
 スタジアムでシャドバをしているシーンでは、ルシアが目覚めているならそのへんのモブに負けるはずがないので、やっぱり起きてないのではと疑いました。振り返ってみてみると、わざと負けて早くシオリのバトルを見てあげたいということだったのかなとも思いました。
 夜那月宅に帰ると料理が置いてあって、両親が健在であることがわかります。ルシアの願いはシオリの病気が治ることだけにとどまらず、両親が事故死せずに元気に生きていることも含んでいるのですね。家庭がめちゃくちゃにぶち壊されているルシアの人生の過酷さが浮き彫りになります。
 シオリがルシアにシャドバの女性キャラだと誰が好きですか、とさらっと爆弾を投げ込んでるのが面白かったです。ヴァンピィちゃんとか言っておけばセーフ?

与えられた幸福

 夜にシオリが眠ったタイミングを見計らって謎の少女が現れます。

謎の少女:「起きて」
ルシア:「起きてるよ。もう十分だ」
謎の少女:「虚ろの夢と知りながら尚も演じていたのは、彼女のためね」
ルシア:「どうだろう…。シオリが笑ってくれている。僕にとってはそれがすべてだ。でも、永遠には続かないってこともわかってた。与えられた幸福だから。いつなくなっても文句は言えない」

 この世界が嘘だと分かっていたなら、ルシアはシオリに優しくしようが無駄なことです。それを分かっていても優しい兄を演じていたのは、やはり心のどこかでこの世界に惹かれていたのではないかなと思いました。外的存在が自分に接触してくるまでは、この夢に身を任せていようと思っていたのかもしれません。
 与えられた幸福だから、なくなっても文句は言えないというのはすごい人生観ですよね。誰かから与えられる幸福だとしても、手に入るなら自分のものにして良いでしょと僕は思うのですが、ルシアはそう思ってないみたいです。幼少期から過酷な人生を歩んでいるがゆえ、とても悲観的な見方をしているのでしょう。
 決意を固めて、ルシアは戦いの場へと進みます。

ユリアスの城

 ルシアの前に現れたユリアス・フォルモンドは伝説のヴァンパイアです。あまりに力が強く、たくさんの人間を殺しただけでなく、同族のヴァンパイアすらもすべて撃ち果たしてしまいました。しかし当時の王であるヴァルタザールとの一騎打ちに敗れ、長い間封印をされることとなりました。

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 天井に吊り下げられた棺の中に封印されていたというのは、アニメでも同じような表現でした。
 本家では、封印から解かれたユリアスは、かつてのヴァルタザールとの決闘のような心躍る戦いを求めてさまよいます。強そうな敵を見かけたら所かまわず襲い掛かるような危険な人物でした。
 アニシャドのユリアスは「おまえを計るものだ」と言っていて、闘争本能が抑えめで自分の使命をわきまえた人になっていましたね。


意志と闘争

 本家のユリアスは、意志と力の両方を兼ね備えているのが真の強者だ、という考え方を持っています。
 44話を見る前に僕が予想していたのは、ルシアには力はあるけど意志はないと告げるユリアスの姿でした。ユリアスと対峙する中で、ルシアは己の使命を認識していくという流れなのかなと想像していました。
 しかしその予想は外れました。逆でした。

ユリアス:「意志は感じるが、しかし、意志に見合うだけの力があるかが重要だ」

 ルシアはヒイロたちとの触れ合いを通して、しっかりとした意志を身に着けた人物になっていました。ユリアスという強敵とのバトルの中でも、ルシアは精神的に余裕を持って戦っている様子で、すごく成長を感じました。

ルシア:「あなたは強い。だから面白い。だから超える。それだけだ」
ユリアス:「はっはっはっはっは。いや、たしかに。その通りだ。強敵との闘争。それに勝る喜びはない。よかろう人間、いや夜那月ルシア。ならばお前の全力を持って、私に挑んでくるがいい」

 最初期のルシアは、強くなってシオリを守る力を得るために、強敵との闘争を求める人物でした。今ではそこに、闘争が「面白い」という考え方も加わるようになりました。ちゃんとシャドバを楽しめるようになったんだなと嬉しくなります。ヒイロのおかげですね。
 「闘争を追い求める」という要素においては、ルシアはユリアスに似ているのだなと思いました。だからユリアスに選ばれたのだろうなと思いますし、一貫性をちゃんと作ってくれるアニシャドには好感が持てます。

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 勝利したルシアは夢の中に戻ってきます。そこにはもうシオリはいません。

ルシア:「ごめんな、シオリ。でも、この夢よりもいいものを、僕が必ずあげるから」

 すべてを乗り越えた世界が、ルシアにとってもシオリにとっても理想です。頑張ってほしいですね。


棋譜

 いままでで一番不明ターンが長いバトルだったかもしれません。

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 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 43話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


 感想の一覧はこちら。
アニメシャドウバース カテゴリーの記事一覧 - 3度目のサザンドラ

【アークナイツ】テラの世界地図を書いてみたので地理の話をする

 アークナイツの地理的情報をまとめたいなと思ったので世界地図を作ってみました。これを見ながら想いを巡らせることにします。

参考にした情報源

 アークナイツ公式が作成した「アークナイツ TERRA EXPLORATION」という動画がYoutubeにあがっています。非常にカッコイイ動画なのでぜひ一度見てみてください。
 その最後にテラの概観が映るのですが、モノトーンで国境線が良く分からないのと、斜めから見ているため南北方向にひしゃげているのと、文字が小さくて見えないという問題があり、イメージが湧きにくいものになってしまっています。

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 本家の持つスタイリッシュさはゼロになってしまいますが、単純化すると下図のようになります。

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 今回はこれを見ながらテラの地理について想像を巡らせたいと思います。

大陸の外側

 「TERRA EXPLORATION」の中で、テラの外側は「UNEXPLORED AREA」という表記があります。テラの外側は海ではなく、未踏破エリアが続いているということになります。
 テラはオーストラリア大陸のように海に囲まれているわけではなく、もっと大きな大陸の一部であるということですね。ここは要チェックポイントです。アークナイツのストーリーの中で海はすごく大きな意味を持っているのですが、海がどこにあるのかがまだわかりません。
 シエスタのビーチは海ではなく湖だと言われていますが、外海に繋がっているのかもしれないという記述もありました。イベリアもエーギルに関わる地域のため、シエスタとイベリアの間のあたりに海があるのかも?という予想はできます。

都市が移動する

 テラの近代的な都市はほとんどが移動都市だと言われています。

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 天災から逃げるためには都市を遠くへ移動させる必要があります。そのため領土内にぎっしり都市があるのではなく、ある程度の間隔を持ってポツポツと移動都市が点在しているのがテラの在り方なのではないかと思います。
 領土という概念が現実世界とは少し変わってきそうですし、国境も少しだけ曖昧になるのかなと思いました。「TERRA EXPLORATION」で示された各国の国境線がでこぼこしていたり、飛び地が多く見られたりするのはそういう理由なのかなと思います。


メインストーリーの舞台

 アークナイツのメインストーリーの始まりの舞台はチェルノボーグです。チェルノボーグはウルサスの辺境部にあります。
 メインストーリーの2章から舞台は龍門に移ります。龍門は炎国の端っこにあります。

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 この2都市はとても近い位置にあるというのが、メインストーリーの流れを理解していく上で重要なポイントです。
 また、メインストーリーのお話は広大なテラの大地のごく一部の地域で行われているいざこざにすぎないというのも理解しておく必要があります。アークナイツの主役であるロドスの持つ影響力は大きなものではなく、この大地のすべてを救うなんて理想は遠い夢物語なんですよね。

イベントストーリーの舞台

 一方でメインストーリーにまで目を広げてみると、テラの大地の大部分が舞台になっていることがわかります。

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 1回目のイベント「騎兵と狩人」はカジミエーシュ、2回目「青く燃ゆる心」はシエスタ、3回目「喧騒の掟」の舞台は龍門でシラクーザとラテラーノへの言及があり、4回目「ウォルモンドの薄暮」はリターニア、5回目「闇夜に生きる」はカズデル、レム・ビリトンそしてチェルノボーグへと至る物語でした。
 こう見るとテラの国々のかなりの部分へ言及していることがわかります。サイドストーリーを合わせるともう少し増えます。
 メインストーリーの舞台は狭くても、イベントでストーリーを展開することでテラの大地の様々な地域の状況を知ることができるようになっているというわけですね。


オペレーターの出身地

 イベントストーリーに加えて、オペレーターの人物プロファイルを見ることでさらに各国への理解が深まります。
 2021年2月に実装されているオペレーターの出身地を集計すると下図のようになっています。

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 テラの全地域からオペレーターが集まってきていることがわかります。出身オペレーターがいない地域はいまのところありません。
 ロドスは優秀なオペレーターを各国からリクルーティングしています。年齢、性別、種族は問いません。鉱石病がもたらすすべての問題を解決するために、テラの隅々から集まった優秀なオペレーターたちが日々奮闘しているのですね。

所在不明の地域

 現状、所在不明の地域が現状3つあります。

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 ヴイーヴル族の出身地「ヴイーヴル」、ドゥリン族の出身地「地下世界」、アビサル陣営と関係のある「エーギル」の3つです。
 ヴイーヴルは田舎であるという情報はありますが、所在地はわかりません。
 ドゥリン族が暮らす地下世界は地図には映らないでしょうが、どの国の地下に広がっているのかは気になります。
 スカジ、スペクター、グラウコスは種族が不明で出身がエーギルとなっています。エーギルという国があるのでしょうか?エーギルが握る秘密はアークナイツのストーリーの根幹に関わってきそうなので、今後明かされていくのではないかと思います。


 今回のお話は以上です。そのほか、アークナイツについて書いた記事を下に貼っておきます。

yterapokemon.hatenablog.com

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【原作勢目線】アニメシャドウバース43話感想-マウラの願い、叶わぬ思い

ネタバレします!!

 43話はマウラがイリスとバトルする回です。今回もバトルの決着の付き方が面白く、演出もお見事でした。また、マウラが自身の運命と向かい合っていく様子の描き方も良かったですね。

マウラ vs イリス

 バトルが始まるのは中盤からですが、先にバトルの内容を見ていきます。

1ターン

先攻1T:マウラ
 両者パスをするため先攻2ターン目までカットされています。

後攻1T:イリス
 パスです。

2ターン

先攻2T:マウラ
 ここからアニメに映ります。ラビットヒーラーをプレイします。

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後攻2T:イリス
 アニメオリジナルカードをプレイします。

レリックプリズム
2コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:相手のフォロワー1体に2ダメージ
ラストワード:ランダムな遺物カードを自分のデッキから1枚手札に加える

 2コスト2点除去は少し弱いですが、ラストワードでドローがついているので妥当な能力です。これでラビットヒーラーを破壊します。
 「指揮官」や「自然」と同じように、「遺物」というタイプがついたカードです。レリックシリーズのアミュレットは見た目と名前が似ているので区別がつきにくいですが合計4種類出てきます。

3ターン

先攻3T:マウラ
 スレッジエクソシストをプレイします。進化効果がありますが進化を切らないためただのバニラです。

後攻3T:イリス
 このターンも遺物アミュレットプレイします。
 「私の遺物カードはただのカウントダウンアミュレットではありません。いまは小さなカケラですが、積み重なれば大いなる力を呼び、覚醒します」とのことです。

レリックプラトン
3コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:体力4以下の相手のフォロワー1体を消滅させる
ラストワード:ランダムな遺物カード(レリックプラトンを除く)を1枚手札に加える

 3コスト4点消滅は普通ぐらいです。ラストワードを多用するデッキには強く使えます。これでスレッジエクソシストが消滅します。
 イリスは遺物アミュレットのラストワード効果について、レリックプリズムは「遺物カードをデッキから手札に加える」と言っていますが、レリックプラトンは「他の遺物カードを手札に加える」と言ったので、トークンとして生成するものと思われます。イリスはこのバトル中にレリックプリズムを5枚使用するため、少なくとも2枚はトークンとして生成されています。


4ターン

先攻4T:マウラ
 詠唱:白翼への祈りをプレイします。
 アニメオリジナルカードのカースメイデンをプレイします。ファンファーレでカウントダウンを1つ進めます。

後攻4T:イリス
 3種類目の遺物アミュレットを使います。

レリックトーラス
2コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:レリックガーディアンを1体場に出す
ラストワード:ランダムな遺物カード(レリックトーラスを除く)を1枚手札に加える(確証なし)

 このアミュレットは除去効果ではなく、0/2守護のフォロワーを横に出す効果です。このカードもラストワードで遺物カードを手札に加える演出は映りますが、厳密にどういう効果なのかは不明です。

レリックガーディアン
2コスト0/2
守護

 このトークンフォロワーが何かしらの効果を持っているかどうかはアニメだけではわかりませんでした。
 そしてもう1枚アニメオリジナルカードをプレイします。

レリックプリースト
2コスト2/2
進化時:自分の場の遺物カードのカウントダウンを1進める

 このカードを進化して前のターンに置いたレリックプラトンのカウントダウンを進めます。マウラの場のカースメイデンを上踏みします。
 2/2/2の進化時効果でカウントダウンを進めるフォロワーは本家に既にありそうなのですが意外といません。


5ターン

先攻5T:マウラ
 白翼への祈りが割れてホーリーファルコンが出てきます。
 レディアンスエンジェルをプレイして、ファンファーレで1ドローします。

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 ホーリーファルコンで0/2守護のレリックガーディアンを破壊、レディアンスエンジェル進化で4/3のレリックプリーストを破壊します。

後攻5T:イリス
 2ターン目に使ったレリックプリズムを再びプレイし、2ダメージでレディアンスエンジェルを破壊します。
 漆黒の法典でホーリーファルコンを消滅させます。このターンはひたすら守るプレイです。


6ターン

先攻6T:マウラ
 ゴッド・オブ・カースをプレイします。イリスが守っているため絶好のプレイチャンスですね。

後攻6T:イリス
 このターンからカットされます。イリスの手札に見えているのは見習いシスター、詠唱:異端審問、敬虔な修道女、何らかの遺物アミュレットです。
 カットされていない場面から進化権の使い先が確定しており、このターンは進化権を使いません。
 というわけで詠唱:異端審問を置いて、見習いシスターでカウントダウンを進めてすぐに割ります。これでゴッド・オブ・カースを破壊します。

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 ゴッド・オブ・カースが来ること読めていれば、漆黒の法典かレリックプラトンを温存しておき、消滅させてラストワードを働かせないというプレイも考えられましたが、さすがにそれは難しいですね。


7ターン

先攻7T:マウラ
 前のターンにゴッド・オブ・カースが破壊されたので、このターンの開始時に場に戻ってきて進化します。進化すると0/6潜伏になります。
 マウラの手札に見えているのは邪悪なる預言者・ダムス、煌角の戦士・サリッサ、エンシェントレオスピリットです。
 このターンは7PPあるので素直に7コストのサリッサをプレイします。

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 突進を持っているので見習いシスターを上踏みします。
 ターン終了時にゴッド・オブ・カースの効果が働き、イリスの体力上限は15になります。

後攻7T:イリス
 このターンもカットされていますが、次のターンにフォロワーが盤面に残っているため予測できます。
 敬虔な修道女をプレイして、進化してサリッサを破壊します。

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 4ターン目にプレイしたレリックトーラスを再びプレイし、0/2守護のレリックガーディアンが場に出ます。


8ターン

先攻8T:マウラ
 このターンの途中からアニメに映ります。
 邪悪なる預言者・ダムスをプレイします。ここはカットされています。

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 エンシェントレオスピリットをプレイして、進化します。ここからアニメに映ります。

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 進化時の2点ダメージでレリックガーディアンが破壊され、敬虔な修道女を攻撃して破壊します。
 ターン終了時にゴッド・オブ・カースの効果が働き、イリスの体力上限は10になります。

後攻8T:イリス
 4種類目の遺物アミュレットを使います。

レリックスフィア
8コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:相手の場の攻撃力最小のフォロワー1体と最大のフォロワー1体をそれぞれ消滅させる
ラストワード:レリックゴッデスを1枚手札に加える

 攻撃力最小のフォロワーは0のゴッド・オブ・カース、最大のフォロワーは4のエンシェントレオスピリットです。中間のダムスは場残りします。
 ラストワードで遺物デッキのフィニッシャーを呼ぶので、多少無理やりにでも8ターン目に置きたいカードです。


9ターン

先攻9T:マウラ
 詠唱:神鳥の呼び笛と天空の守護者ガルラをプレイします。

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 ガルラのファンファーレで神鳥の呼び笛のカウントダウンが一気に3進んで割れます。壮麗なる隼が出るとともに、ガルラのファンファーレで相手のリーダーに3ダメージ飛びます。
 壮麗なる隼と場残りしていた邪悪なる預言者・ダムスで相手のリーダーに攻撃します。これでイリスの体力は1です。相手の体力が先に1になるという珍しい展開でしたね。

後攻9T:イリス
 レリックプラトンをプレイし、ガルラを消滅させます。
 レリックプリズムを3枚プレイして、2点ダメージを3回飛ばします。壮麗なる隼に4ダメージ、ダムスに2ダメージで、マウラの盤面は全破壊されます。
 また、ここでレリックゴッデスの特殊勝利条件についてイリスからアナウンスがあります。「もう時間がありません。マウラさん、答えを出してください。何のために生き、何のために勝つのか」ということで、マウラは決着を急かされます。

10ターン

先攻10T:マウラ
 マウラの手札にあるのはソウルコレクター、獣姫の呼び声、気高き教理です。
 獣姫の呼び声を置いて気高き教理の1ドローでデッキをめくりにいくという選択肢もありました。

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 マウラのデッキにカウントダウンを進めるカードがたくさん入っていて、それを引き当てることができれば獣姫の呼び声が割れるのでその時点で勝ちです。残り6ppになるので2枚目のガルラ、カースメイデン、気高き教理、見習いシスターなどが引ければ勝ちです。
 マウラの採った選択肢は、ソウルコレクターと獣姫を置くことでした。結果論この選択じゃないと勝てていませんでしたね。

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 マウラは次のターンで気高き教理を撃って勝ちますよという宣言をしますが、イリスはそこに意志がないと勝てないですよと返します。

マウラ:「いや、これだけでは勝てない…?」
イリス:「ええ、そこにあなたの意志がなければ」
マウラ:「意志か…」

後攻10T:イリス
 レリックスフィアのカウントダウンが0になり、レリックゴッデスが手札に加わります。10ppなのでそのままプレイします。

レリックゴッデス
10コスト8/8
ファンファーレ:自分のリーダーをX回復する。Xは自分の場の遺物カードの枚数の5倍
ラストワード:自分の場の遺物カードをすべて破壊する
遺物カードが場に存在する限り、このフォロワーと自分のリーダーはダメージを受けない
ターン開始時:このフォロワーと4枚の遺物カードが場に存在するならバトルに勝利する
ターン終了時:お互いの場のアミュレットのカウントダウンを3遅らせる

 ファンファーレで体力が20回復します。
 特殊勝利条件を持つアニメオリジナルカードです。自分の場にこのフォロワーと4枚の遺物カードがある状態で相手にターンを渡して、盤面がそのまま保存された状態で返ってくれば勝利です。
 レリックゴッデスが10コストのため、前のターンから遺物カードを置いて準備しなくてはいけません。8Tレリックスフィア置き、9T遺物カード4枚置き、10Tレリックゴッデス置きの流れがほぼ決め打ちになるため、そのどこか1ターンでも妨害されると成立しないという非常に難しい工程を踏みます。
 レリックゴッデスは自身の効果でダメージを受けなくなりますが破壊耐性がないため、確定除去カードであっさり破壊されてしまいます。遺物カードを破壊されても特殊勝利が成立しません。4重の工程をクリアすると特殊勝利になります。
 マウラの場にはソウルコレクターの効果で出てきた詠唱:死の宣告があります。

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 レリックゴッデスの効果でターン終了時にカウントダウンが+3されるので、割るのは簡単ではありませんが、死の宣告が割れればレリックゴッデスは破壊されます。
 本家に一番最初に実装された特殊勝利カードがビショップだったため、イリスのアニメオリジナルカードが特殊勝利というのはなかなか粋な演出だなと思いました。

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 このカードはカウントダウンを進めるカードを3枚手札に貯めこんでいれば、置いた次のターンで勝てるカードでした。


11ターン

先攻11T:マウラ
 決着のターンです。
 場にはカウントダウン3の死の宣告と、カウントダウン5の獣姫の呼び声があります。
 初登場のアニメオリジナルカードをプレイします。

大いなる聖櫃
3コストアミュレット
カウントダウン7
ファンファーレ:コスト最大のビショップフォロワーをランダムに1枚デッキから手札に加える
ラストワード:自分の場のフォロワーすべては疾走を持つ

 ファンファーレでデッキから持ってきたのはこのカードでした。「意志に答えよ、スカルフェイン!」

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 スカルフェインのファンファーレで死の宣告、獣姫の呼び声、大いなる聖櫃の順にアミュレットが割れます。
 死の宣告のラストワードでレリックゴッデスが破壊されます。
 獣姫の呼び声のラストワードで4/4のホーリーフレイムタイガーと2/1のホーリーファルコンが出てきます。
 最後に大いなる聖櫃のラストワードでスカルフェインを含めて3体のフォロワーが疾走を持ちます。大いなる聖櫃はカウントダウン7が遅すぎるため、ほぼスカルフェイン専用カードですね。
 この決着の演出はアニメとして素晴らしいなと思いました。前のターンでレリックゴッデスのファンファーレでイリスは20点回復していますが、ゴッド・オブ・カースで体力の最大値が10になっているため、実際の体力は10しかありません。
 4+4+2の10点パンチでマウラの勝利でした。ゴッド・オブ・カースからうまく意識をそらすことで、イリスの驚く様子と重なるように視聴者にサプライズが提供されました。
 本家のUIで自分の体力を意識しない瞬間はないので、実際はこんなことにはならないのですが、アニメとしては素晴らしいなと思いました。
 スカルフェインはリリースされてから2回能力調整が入ったので、いつの時代の効果なのかややこしいフォロワーです。

①初期リリース版
②アッパー版(=シャドウバースチャンピオンズバトル)
③ナーフ版(=現在の本家)

 アッパー版で「アミュレットをプレイするたびに手札のこのカードのコストを-1する」という効果がつき、ナーフ版では7コストから10コストへと変更されました。ナーフ後の10コストだったらppが足りなかったのでこの決着はありえませんでした。アニシャドは①か②なのですが、どちらなのかは判別不能でした。
 「素晴らしい腕前です。あなたならきっと…」ということで、本家の敗北ボイスにプラスアルファがありました。

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マウラの絶望

 43話の冒頭では、安寧の夢の中でマウラがレオン社長に大切にしてもらえている様子が描かれています。しかしマウラはこれが幻想だと見抜いています。どれだけ実感を伴っていても、レオンが自分に優しくすることなどあり得ないとわかってしまうのでしょうね。望んでいるのに絶対に手に入らないとわかっているなんて、悲しいですね。

マウラ:「何度も何度も祈りました。何度も祈って、届いたかと思ったんですけどね。僕が祈ったからあの人が現れたと思っていました。でも違った。僕はただ選択されただけだった」

 自分はただ選択されただけだと自嘲気味に言ってしまうぐらいにはレオンに対して期待をしていないのだなと感じます。

イリス:「あなたもまた絶望を知っているのですね」
マウラ:「課された役割を果たすべきだった。なのにできなかった。世界を裏切ったのに、悪として討たれることもなく、こうして生き長らえている。これを絶望と言わず何を絶望と言うのですかね」

 そのうえで、レオンに選択された意味、つまり世界を救うための生贄としての役割を果たせなかったことに対しては、レオンに対する申し訳なさと、世界に対する罪悪感の2つがマウラを責め立てているわけです。
 「生きたい」という当たり前の欲求が、課された役割と衝突してしまうことによる絶望。ヒイロたちに一応救い出された形のマウラですが、自暴自棄になってしまうのもわかります。

イリスの絶望

 マウラの絶望が語られたあとで、イリスも同様に絶望を知っていますよ、という話の流れになっていきます。

イリス:「マウラさん、私はあなたと同じく絶望を知っています。私はかつてとある村の司祭を務めていました。まるでこの世界のようでした。人は優しく作物は豊か。私はこの幸せがずっと続けばいいと思っていた。でも、あの日、村に戻った私が見たのは、何もかも奪われ、焼き尽くされた廃墟でした。その悪行を行ったのは隣村の方々でした。彼らは決して悪人ではなかった。ただ彼らの村は私たちの村に比べて、少しだけ土地が痩せていた。行き所のない嫉妬と怨嗟は、彼らを亡者へと変えた。私には、彼らを憎むことができませんでした。だから代わりにこの世界を憎み、この世界を裏切った」
マウラ:「ではあなたも」
イリス:「ええそうです。私はあのとき世界の敵になった」

 イリスがここで話した体験談は、本家シャドウバースのメインストーリーと全く同じです。表現の仕方もかなり似ています。ただ、最後の「この世界を裏切った」「世界の敵になった」というところはアニシャドでは語られませんでした
 本家のストーリーだと、この世界はあまりにも過酷に満ち溢れすぎていると考えたイリスは、この世界に安寧をもたらすべく、管理者たる安寧のネクサスを召喚してしまいます。
 安寧の夢の中に閉じ込められたアリサたちをイリスは観察しました。せっかく自身の願いが叶った理想の世界にいるのに、過酷な現実へと立ち向かっていく決意を固めるアリサたちの様子を見て、イリスは考えを改めます。ネクサスを呼び出したのは誤りだったと。

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マウラ:「どうしてあなたが僕と繋がったか、ようやく納得できましたよ」

 ネクサスによって世界が崩壊してしまうという事態を前にして、他のメンバーよりも少し責任の重い立場にあるというのがビショップクラスの2人であるというわけですね。
 しかしマウラは勝手に選ばれて勝手に生贄にされた身なので、厳密に言うとちょっと違うのではと思うのですが、イリスの言葉だからこそマウラに響くものもあるのかなと思います。

イリス:「あなたも私も一度は絶望に負けました。しかし、必ず立ち直れるはずです。仲間がいれば、必ず」
マウラ:「仲間ね。仲間なんていなくても、あなたに勝てれば問題ない」

 イリスがネクサスに立ち向かう勇気を持てたのは、アリサたちのおかげでした。イリスが仲間の必要性をマウラに説くのは、ちゃんと説得力があります。

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何のために生き、何のために勝つのか

 自身が抱えている絶望を越えて、世界を救う力を得るためにはマウラはどうすればよいのか、という点が43話のクライマックスでした。

イリス:「勝利への欲求。それだけでは絶望を超えることなどできません。ここより先の道のりは険しく、ここより先のすべては過酷。あなたに世界は救えますか、マウラさん」
マウラ:「世界を救う?そんなこと、そんなこと考えたことさえありませんよ。世界などどうでもいい。生きること、ただそれだけでいい」
イリス:「それがあなたの願いですか?」
マウラ:「ええそうですよ、だからあなたが、伝説のカードが目覚めたんでしょう?」
イリス:「それだけが、いまのあなたの願いですか?あなたはまだ気づいていない。気づこうともしていない。何のために生き、何のために勝つのか。その意志こそが絶望を超える力となる」

 災いの樹編に入るまでは、マウラは生贄になることを受け入れて諦めていました。33話と34話で自身の中にある「生きたい」という願いに気づき、それを正直に発露したことで、イリスに認められ伝説のカードを託されました。
 しかし「生きたい」という願いは自身に課された役割と衝突しているため、この願いだけでは絶望を超えることはできません。むしろ絶望を生み出す根源になっているのがこの衝突なのです。
 何のために生きるのかという意志を強く持つことが、絶望に抗うすべだとイリスは伝えようとしています。マウラに一歩先に進んでほしいとイリスは思っているのでしょうね。

マウラ:「もう終わりですね」
イリス:「いいえ、まだあなたは足りない」
マウラ:「何を言って…」
イリス:「あなたには力がある。ですが意志がない。私もかつて言われた言葉です」

 イリスに「意志がない」と言葉を投げかけたのはヴァンパイアのユリウスです。イリスのためを想った言葉というよりは、ユリウスの価値観であり、本家の主人公たちはだいたいみんなユリウスに同じような説教を受けています。
 この場面でマウラにも投げかけるぐらいには、イリスの中では大事にしている言葉なのでしょう。次回がルシアとユリウスの回なので、伏線として回収してくれるかもしれません。

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マウラの答え

 生贄として死ぬために生きていたマウラにとって、いきなり「なぜ生きるのか」なんて聞かれても答えられないでしょう。

マウラ:「なぜ生きるのか、なぜ勝つのか。ずっと、きっと逃げてきましたから、この問いは僕にとって難しすぎる。それでも分かったことだってある。彼らは止まらなかった。諦めなかった。だから僕も止まりはしない。諦めない。この道の果てに、答えがあると信じて進む。それが僕の意志、僕の答えです!」

 アニシャドは完結した答えを用意するのではなく、これから探していくよという緩やかな答えを用意してくれました。その答えでもいいのだとマウラが確信できたのは、仲間たちの姿のおかげですね。どんなことがあってもめげずに逃げずに戦い続けている仲間たちの姿を見ていたから、自分も同じように進んでいこうと考えることができたのかなと思います。

マウラ:「少しだけ迷いが晴れました」
イリス:「あなたの意志、確かに受け取りました」
マウラ:「紅茶、ごちそうさまでした。ウソの優しさよりずっと、ずっとおいしかった」

 完璧な答えが出たわけではありません。迷いが少しだけ晴れた程度なんですよね。しかし、アニシャドの中でのマウラの戦いはこれからも続いていきますから、このぐらいで全然良いのではないかなと思います。少年少女の主人公に将来の成長の余地を残す描き方は、ホビーアニメらしくて僕は好きです。

棋譜

 今回もオリジナルカードは多かったですが、飛ばされたターンは少ないバトルでした。
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 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 42話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


 感想の一覧はこちら。
アニメシャドウバース カテゴリーの記事一覧 - 3度目のサザンドラ

【原作勢目線】アニメシャドウバース42話感想-カイと禁忌の魔法

ネタバレします!!

 42話はカイとイザベルがバトルする回です。アニメオリジナルカードが炸裂し合う面白い展開でした。カイ君は精神的にかなり強くなったなあと思います。

カイ vs イザベル

 バトルが始まるのは中盤でしたが先にバトルの内容をみていきます。
 イザベルの隠れ家は、本家シャドウバースのウィッチのステージと同じような感じでしたね。

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1ターン

先攻1T:カイ
 知恵の光をプレイします。

後攻1T:イザベル
 アニメオリジナルカードをプレイします。2個目の能力はここでは働かないので、イザベルも知恵の光を撃ったのと同じ状況です。

アクアウィズダム
1コストスペル
カードを1枚引く
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、さらに1枚カードを引く

2ターン

先攻2T:カイ
 ゴーレムの錬成をプレイします。
 このあとイザベルが、「①知恵の光を撃って手札を確認した」「②ゴーレムの錬成を撃ったのにクレイゴーレムに視線を移さなかった」「③表情」と言ってカイのデッキがスペルウィッチであることを見破る推理を披露します。
 知恵の光を撃つウィッチは99%スペルウィッチなので1ターン目の時点で大体分かると思いますが…。

後攻2T:イザベル
 再びアニメオリジナルカードをプレイします。ここで四大元素スペルのコンボが明らかになります。

グランドサモン
2コストスペル
クレイゴーレムを1対場に出す
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、ジャンクゴーレムを場に出す

 四大元素スペルはコンボなしで使っても普通のスペルと同程度のスペックがあって、コンボが発動するとちょっとオトクなカードたちです。
 本家シャドウバースで、自分が使ったカードをターンをまたいで参照する効果はありません。単純な効果ですが本家にないので真新しく見えますね。四大元素スペルを使ったことでリーダー付与能力が発生するという形なら本家でも同じような処理はできそうです。
 ちなみに本家でイザベルが「四大元素」という言葉を発することはありません。

3ターン

先攻3T:カイ
 このターンからカットされています。
 カイの手札にあるのはベビーウィッチ・エミル(2ブースト)、運命の導き(2ブースト)、ゲイザー(2ブースト)、ウィンドブラスト(1ブースト)です。
 イザベルの体力をかなり押し込んでいたため、どんどんスペルブーストしてフォロワーを展開していかないと辻褄が合いません。
 このターンの開始の1ドローで知恵の光を引き、その知恵の光からエンジェルスナイプを引いたものと思われます。エンジェルスナイプは相手のリーダーに撃ちます。
 これで運命の導きが1コストまで下がるので撃ちます。この2ドローでドロシーを引いていないとスペルブーストが間に合わないのでここで引いていたものと思われます。
 ゲイザーとエミルが0コストになるのでプレイし、場のクレイゴーレムでジャンクゴーレムを攻撃します。


後攻3T:イザベル
 イザベルの手札で見えているのは氷像の召喚、二重錬成、ウィンドブリーズです。ウィンドブリーズは後で使うのでイザベルの動きは確定です。
 ここは氷像の召喚を撃って5/5守護のフリーズゴーレムが場に出ます。

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 守護が出たとはいえカイの盤面がだいぶ強いので、場のクレイゴーレムはカイのクレイゴーレムと相討ちしたものと思われます。


4ターン

先攻4T:カイ
 フリーズゴーレムを突破してリーダーに攻撃しないと体力の辻褄が合いません。もともと手札にあったウィンドブラストが4ブーストしているのでフリーズゴーレムを倒せます。
 この後のターンでクレイゴーレムがカイの盤面にいるので、このターンもゴーレムの錬成を使ったものと思われます。
 ゲイザーとエミルでリーダーを攻撃します。これでイザベルの体力は14です。

後攻4T:イザベル
 二重錬成をプレイします。

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 片方のクレイゴーレムを進化して、ゲイザーを上踏みします。イザベルは苦しいターンが続きます。

5ターン

先攻5T:カイ
 このターンの途中からアニメに映ります。
 カイは5コスト分すべて使い切っていて、イザベルの場の進化後クレイゴーレムはいなくなっています。
 マジックミサイルで進化後クレイゴーレムを倒します。

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 スペクトラルウィザードをプレイして進化します。

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 これで手札のドロシーのブーストを進めることができます。
 二重錬成で出てきたもう片方のクレイゴーレムをスペクトラルウィザードで上踏みします。エミルとクレイゴーレムで相手のリーダーを攻撃します。これでイザベルの体力は10です。

後攻5T:イザベル
 アニメオリジナルカードを使用します。

ウィンドブリーズ
3コストスペル
コスト3以下のランダムな相手フォロワー1体を手札に戻す
このバトル中に他の四大元素スペルをプレイしていた場合、1体ではなく2体。

 素で使うと劣化版の虹の輝きという感じのカードですが、追加効果が発動しているとまあまあ強いカードです。
 エミル、クレイゴーレム、スペクトラルウィザードはいずれも3コスト以下なのでどれが戻るかは確定ではありませんでした。スペクトラルウィザードが手札に戻ると再び進化を切られてしまう可能性がありましたが、スペクトラルウィザードだけが場に残りました。
 ゴーレムの錬成をプレイし、クレイゴーレムを進化してスペクトラルウィザードを上踏みします。クレイゴーレムだらけでわかりにくい展開ですね。


6ターン

先攻6T:カイ
 このターンから再びカットされます。カイの手札にはドロシー(5ブースト)、エンジェルスナイプ、エミル(0ブースト)、クレイゴーレムがあります。
 次のターンでドロシーが0コストになっているため、このターンで4ブースト以上しなくてはいけません。手札にあるスペルはエンジェルスナイプのみなので、トップドローはスペブが貯まるカードでないと辻褄が合いません。
 ここは魔力の蓄積を引いたものと思われます。

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 これでドロシーが3ブーストされ、手札にあったエンジェルスナイプで進化後のクレイゴーレムを倒し、ドロシーのコストは0まで落ちます。
 残りの2コストで攻撃力2のフォロワーを出せば、次のターン以降の辻褄が合います。このターンではクレイゴーレムが手札から出ていっていなかったため、他の2コストフォロワーを引いたものと思われます。ここは古き魔術師・レヴィだったということにしておきます。

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 このターンにドロシーが0コストになっており、相手の場にはフォロワーがいないので、絶好のドロシープレイチャンスなのですが、カイはなぜか温存をしています。手札にあるのはクレイゴーレムとエミルだけのため、捨ててしまって何の問題もないはずです。謎です。

後攻6T:イザベル
 次のターンからアニメに映りますが、そのとき7/5の進化後ガーディアンゴーレムが場にいます。ガーディアンゴーレムが+2/+2されて、さらに進化を切ると7/7サイズになるので、そういう効果を持つカードをプレイしたものと予想がつきます。
 また実験開始が手札にあることが見えています。

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 というわけで、実験開始で土の魔片を出し、ゴーレムプロテクションを撃ったものと思われます。

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 ガーディアンゴーレムを1体場に出し、土の秘術で+2/+2して5/5サイズになります。ガーディアンゴーレムに進化を切ってレヴィを上踏みします。これで7/5のガーディアンゴーレムが場に残ります。
 イザベルのデッキは四大元素スペルに土の秘術がちょっと混じっているデッキのようです。


7ターン

先攻7T:カイ
 このターンからアニメに映ります。1コストになっているエミルと0コストになっているドロシーをプレイします。

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 ドロシーから引いてきたカードはフレイムデストロイヤー、クロノウィッチ、クロノマジック、サモンスノー、エラスムスの秘技です。
 エラスムスの秘技でガーディアンゴーレムを破壊し、サモンスノーでスノーマンを3体出します。

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後攻7T:イザベル
 双璧の召喚をプレイしてガーディアンゴーレムが2体場に出ます。0コストになっている炎の握撃でドロシーを破壊します。

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 ガーディアンゴーレムを進化してエミルを破壊します。カイの盤面が4つ埋まっているのでわざわざ進化しなくても向こうから当たってきてくれそうな場面ではあります。
 進化したガーディアンゴーレムが確定で相討ちされてしまうのも微妙なところです。

8ターン

先攻8T:カイ
 場のスノーマン3体で進化後ガーディアンゴーレムと相討ちします。
 前にも登場したアニメオリジナルカードをプレイします。

マジカルキャット
4コスト1/1
突進
攻撃時:攻撃したフォロワーを相手の手札に戻す

 スペルウィッチと噛み合う要素が一切ないのに、カイくんはこのカード好きですよね。ガーディアンゴーレムに攻撃して手札に戻します。
 7ブーストしているフレイムデストロイヤーをプレイします。
 

後攻8T:イザベル
 アクアウィズダムをプレイします。追加効果が働くので2ドローします。単純ですが1コスト2ドローは四大元素スペルの中で1番強いですね。
 4種類目の四大元素スペルをプレイします。

フレイムブラスト
1コストスペル
相手のフォロワー1体に2ダメージ
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、2ダメージではなく4ダメージ

 1コスト2点は普通のラインです。1コスト4点になると除去力高めですね。フレイムブラストを2枚使ってフレイムデストロイヤーを破壊します。
 グランドサモンを2枚使って、クレイゴーレムとジャンクゴーレムが2体ずつ並びます。マジカルキャットが場残りします。

9ターン

先攻9T:カイ
 魔女の雷撃でジャンクゴーレムを破壊します。

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 8ブーストして5コストになったクロノウィッチをプレイし、進化してフレイムデストロイヤーを復活させます。
 クロノウィッチでジャンクゴーレムを破壊し、場残りしていたマジカルキャットでクレイゴーレムを手札に戻します。
 このターン、カイは単純なプレイミスをしています。先に6コストのクロノウィッチを出して進化させたあと魔女の雷撃を撃つと、魔女の雷撃の追加効果の1ドローをすることができました。アニメの演出としてクロノウィッチを使ったあとにスペルを撃つのがカッコ悪かったのでしょう。

後攻9T:イザベル
 アニメオリジナルカードをプレイします。

ユニオンマジック
9コストスペル
自分のリーダーを3回復
このバトル中にフレイムブラストを使用していた場合、相手のフォロワーすべてに5ダメージ
このバトル中にグランドサモンを使用していた場合、ガーディアンゴーレムを2体場に出す
このバトル中にアクアウィズダムを使用していた場合、自分の手札が7枚になるまでカードを引く
このバトル中にウィンドブリーズを使用していた場合、自分の手札のスペルをすべてアルティメットマジックに変身させる

 スペルウィッチはドローが多いので、8ターン目までに四大元素スペルを4種類撃ち切ることは難しくはなさそうです。派手な効果でアニメに映えます。
 基本的には9ターン目でユニオンマジックを使ったらその後はアルティメットマジックの連打になりそうです。


10ターン

先攻10T:カイ
 手札には8ブーストしたクロノマジックがあり、トップドローは運命の導きでした。カイは一瞬ためらうような素振りを見せます。このターンはパスして次のターンにスペルを固めて使うのも一応選択肢ではありますが、そんな悠長なことはしてられないでしょう。
 運命の導きから知恵の光とウィンドブラストをドローします。知恵の光でエンジェルスナイプを引き、エンジェルスナイプをリーダーに撃ちます。ウィンドブラストは2ブーストされるので、ガーディアンゴーレムを破壊します。
 「この奇跡は二度訪れる!」ということでクロノマジックをプレイします。

クロノマジック
13コストスペル
スペルブースト:コスト-1
このターン中にプレイしたスペルの枚数と同じだけ、それぞれ名前の異なる「このバトル中に破壊された自分のフォロワー」をランダムに場に出す
このバトル中にクロノウィッチをプレイしていたなら、自分のリーダーは「相手のターン終了時に、このカードの効果で場に出たフォロワーを場に出し、この効果を失う」を持つ

 スペルとくっつけて使用しないといけないのが少し面倒なカードです。このターンはクロノマジックを含めてちょうど5枚のカードをプレイしたので、盤面いっぱいにフォロワーが復活します。
 復活したのは次元の魔女・ドロシー、フレイムデストロイヤー、ゲイザー、マジカルキャット、クロノウィッチでした。残りの候補はクレイゴーレム、エミル、スペクトラルウィザード、スノーマンだったため、考えられる中で一番良い引きをしました。
 マジカルキャットは突進を持っているので復活したターンにも攻撃ができます。ガーディアンゴーレムを相手の手札に戻しました。

後攻10T:イザベル
 「手加減なしよ!これがあたしの、本当の切り札!」ということで、ユニオンマジックの効果で加えたトークンスペルを撃ちます。

アルティメットマジック
10コストスペル
自分のリーダーの体力を10回復
ガーディアンゴーレムを5体場に出す
相手のリーダーと相手のフォロワーすべてに10ダメージ

 このスペルを2回撃ってバトルに勝ちますよ、という非常に分かりやすい効果です。決着がつくのが11ターン目以降になってしまうため、シャドウバースの基準で言うと強いカードではありません。ただ、プレイ指針が非常にわかりやすいため、カードゲーム初心者にもオススメしやすいデッキですね。
 掲げた両手の先に錬成陣が出ているポーズは、神撃のバハムートに出張したときのイラストですかね。

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 上のイラストの方が好きでした。

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 というわけでイザベルの体力は20まで回復し、カイの盤面は吹き飛びます。カイの体力は10です。カイの手札はゼロのため、一体ここからどうやって勝つのだろうかと普通にドキドキしました。
 「言ったはずです、奇跡は二度訪れると!」ということでターン終了時にクロノマジックの追加効果が働き、もう1度フォロワーたちが復活します。予想外の効果だったので驚きました。良い演出でしたね。
 相手ターン終了時に復活するので、次の自分のターンに攻撃可能になるのが偉いです。防ぐのがなかなか難しい効果ですが、弱いフォロワーは倒さずに盤面に残しておくことで、強いフォロワーを復活させないようにすることはできます。
 クロノウィッチをプレイしていないといけないというのはそこそこ条件が厳しいですね。

11ターン

先攻11T:カイ
 決着のターンです。カイの盤面には7+5+4+3+1でちょうど20点あります。イザベルの場には3/3守護が5体います。
 カイのトップドローはアルケミックロアでした。

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 これでガーディアンゴーレムがすべて吹き飛び、カイの勝利です。
 毎度おきまりの敗北セリフも再現してくれました。

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カイとルシア

 42話のスタートは安寧の夢の中で超天才の自分に酔いしれるカイくんの様子が描かれていました。
 オブシディアン学園の制服に身を包み、連立方程式を華麗に解き、剣道で活躍し、シャドバで勝ちまくる…。これは6話でカイがルシアの強さを探ったときに見た光景そのものなんですよね。
 37話で安寧の夢の世界が初めて描かれたとき、カイはオブシディアン学園を受験して落ちてしまったから、安寧の夢の中ではオブシディアン学園の生徒になっているのかなと思っていました。
 でも、もしかしたらそういう過去はなくて、ただ単純にルシアに憧れていたという可能性もあるのかもしれないと、42話の演出を見ていると思いました。

ルシア:「カイ、やるね。さすがだよ」
カイ:「あなたこそ、今日は何連勝しましたか?」
ルシア:「連勝?おかしなことを言うな。勝ったり負けたりだよ。キミのように強くないからね、ボクは」
カイ:「そうでしたね、ルシア。あなたが僕のライバルになれるはずが…なれるはずが…ない…」
ルシア:「その通りだよ、カイ。じゃあね」

 カイがシャドバで強くなることはカイの願望です。一方ルシアがシャドバで弱くなることはカイの願望というよりは、ルシアがそう望んでいるのかもしれません。弱くてもいいから妹と一緒にシャドバを楽しみたいと願っている…と。これはルシア編で明らかになりそうですね。

イザベルの世界

 謎の少女がカイの前に現れ、カイは異世界へと飛ばされます。カイはイザベルの部屋に飛ばされてしまったがゆえに怪しいヤツ認定されてしまったという流れで話が進んでいきます。
 41話のラストで「Wanted」のポスターでカイが指名手配されていたのはなんだったのでしょう。兵士たちはカイの顔は知らないみたいでした。カイがイザベルと一緒に逃げたあとに、あの指名手配の張り紙が制作されたということなのでしょうか。

イザベル:「どうしてあたしの実験室にいたの?」
カイ:「いつのまにかそこにいた、そう言ったら信じてもらえますか?」
イザベル:「そうね、信じるわ。だって、あなたもカズキも、この世界の人間じゃないんでしょ?」
カイ:「どうしてカズキさんの名前を?」
イザベル:「助けてもらったのよ。いい子ね、あの子。(逃がしちゃったのはもったいなかったけど)」

 カイがカズキ"さん"と呼ぶのも少し不思議です。37話でカイとヒイロがすれ違ったとき、お互いに目もくれないという演出がありました。安寧の夢の中ではカイは天晴学園の生徒ではないので、当然ヒイロやカズキのことを知りません。ここは「カズキって誰ですか?」と言わせる方が自然だったような気がします。
 この場面だけ本人も意識しないうちに記憶が戻っていたとか、安寧の夢の世界線でもカズキとカイは知り合う機会があったとか、解釈のしようはありますが。

イザベルの目的

 イザベルとカイの対比を作るときに、「目的があるかないか」がポイントになっていました。

イザベル:「あたしには目的がある。その目的のためなら手段は問わない。あなたにはそれだけの目的があるのかしら?」
カイ:「ありません。ですが、ですがこのバトルは負けられない。負けてはならないと分かるのです!」

 イザベルの目的とは亡くなってしまった恋人のカイルを蘇らせることです。

イザベル:「あなたは負けられないと言ったけど、それはあたしも同じこと。死んだあのひとを蘇らせるためなら、あたしはなんだってやるわ!」

 アリサ、ローウェン、ルナ、エリカの4人は、本家シャドウバースの世界で大事にしていた人たちのことをアニメでは語りませんでした。
 イザベルがカイルの蘇生を口にしたのは、禁忌の魔術師と呼ばれていること、投獄されていたこと、カイで人体実験をしようとしたことなど、いろいろなことに関わってくるためだと思われます。
 本家のイザベルは安寧の夢の中でカイルと再会したとき、カイルの言動に違和感を覚え、最終的には現実を直視してカイルを蘇らせることを諦めました。初期のイザベルはカイルを失ったショックで半ば錯乱状態でしたが、ギルド騒乱編のエレノア、機械反乱編のテトラとの交流を通じて、前向きに進んでいけるようになりました。
 アニシャドのイザベルは、精神的には落ちついているようでしたが、カイルを諦めきれていないという状態に見受けられました。

似た者同士

 イザベルとバトルをしているうちにカイは本来の記憶を取り戻していきます。

カイ:「それに僕は知っています。あがき、もがくこと、僕はその意味を知っています。そう、知っていたんです。だからこそ僕は、あなたに選ばれた。そうでしょうイザベルさん?僕はすべてを思い出しました。楽しい記憶ばかりじゃありません。敗北の二文字を心に刻み、屈辱の二文字を体に刻み、それでも、僕はシャドバを諦めたくない。勉強でもスポーツでもない、僕はシャドバで一番になりたい!」

 安寧の夢で体験したような、勉強もスポーツもなんでもできる人間になるのではなく、シャドバで一番を目指すことこそが、自身の目的であることにカイは気付きました。安寧の夢から覚め、さらにそこで体験したことの中には自分にとって大事なこととそうではないことがあったという、いわば二重の覚醒があったように僕は思いました。
 そしてシャドバで一番になるという自身の目的に到達するためには、勝ったり負けたりを繰り返しながら一歩ずつ登っていくしかなく、スマートにはたどり着けないということも思い出しました。
 「だからこそ僕は、あなたに選ばれた」とカイがイザベルに向かって言うのは、イザベルにもそういう一面があり、カイはなんとなくそれを感じ取っているからということなのかなと思いました。
 初期のイザベルはカイルを生き返らせようと必死でした。自分一人の力では限界があると悟ると、ルナに死者と会話する方法を教えてもらおうとしたり、ヴァンパイアの血液を求めてユリアスに戦いを挑んだりしています。

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 魔術の理論を積み重ねるだけでは人体を蘇生することは不可能だということをイザベルは心のどこかで悟っているでしょうし、奇跡を願っているのではないかと思います。

カイ:「僕が欲しかったのはこれです!効率も計算もいらない。欲しいのは、奇跡!」
イザベル:「あたしたち、似た者同士ってわけね」

 目的を達成するために泥まみれの努力をするところ、そして最後には奇跡を願うところが、似た者同士だと言ったのかなと思いました。

イザベル:「あなたの目的を追いなさい。似た者同士のあなたのために、私も少し力を貸してあげるから。じゃあね、カイ。カズキによろしく。あの子は少し、昔のあの人に似てるわ」

 それから、カイルがカズキに似ているというのは新情報ですね。本家で見ている限り、似ているところは全然わからないのですが。カイとイザベルが似ていて、カズキとカイルが似ているということは…。


凡才からのスタート

 イザベルと別れたあと、カイは安寧の夢の中に戻ってきます。

カイ:「なるほど、これが僕の願いだったんですね。」
男の人:「超天才のバトル、また見せてくれよ!」
カイ:「いいえ、凡才からやり直しますよ」

 超天才としてチヤホヤされることが自分の願いだと今この瞬間に認識したようなセリフでした。いまさら自分の中の欲求に気づいた…なんてことはさすがにないと思うので、「これが僕の願いだったんですね」の解釈は自分の中ではしっくりくるものがありません。これが僕の願いだった【過去形】けど、いまは違うよということなんでしょうか。
 「凡才からやり直しますよ」はもがきあがきながらシャドバの道を究めていこうという決心の現れですね。アニシャドに登場した当初のプライドの高さから比べると、カイ君は本当に強くなったなとしみじみ思います。



棋譜

 カイの手札のスペルブーストを詳しく追っていかないと辻褄を合わせるのが大変そうだったので、手札の内容も記載しています。

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 何かあればご連絡ください。
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 41話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


 感想の一覧はこちら。
アニメシャドウバース カテゴリーの記事一覧 - 3度目のサザンドラ

【原作勢目線】アニメシャドウバース41話感想-カズキの大脱出!

ネタバレします!!

 41話はカズキがエリカとバトルするお話です。安寧の夢の中にあっても様子が変わらないカズキのすごさを知ることになる回です。

エリカ vs カズキ

 バトルが始まるのは中盤ですがバトルの内容から見ていきます。

1ターン

先攻1T:エリカ
 3ターン目までカットされていますが盤面の状況から経過はわかります。ここはパスです。

後攻1T:カズキ
 クイックブレーダーをプレイして相手のリーダーを攻撃します。

2ターン

先攻2T:エリカ
 不屈の兵士をプレイします。指揮官フォロワーを出すと攻撃力が上がるフォロワーです。この後のターンで何回か効果が発動します。

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後攻2T:カズキ
 アサルトナイトをプレイします。アニメオリジナルのカードで、指揮官フォロワーがいたら突進を持ちます。今回は指揮官がいないのでバニラの2/2です。
 クイックブレーダーが再びリーダーを攻撃します。

3ターン

先攻3T:エリカ
 フェンサーをプレイして不屈の兵士を+1/+1します。

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 不屈の兵士の効果で自身の攻撃力がさらに上がり、攻撃力4で相手のリーダーを攻撃するところからアニメに映ります。

後攻3T:カズキ
 ネイビールテナントをプレイします。アニメではカットされていますが、クイックブレーダーとアサルトナイトが守護を持ちます。

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 クイックブレーダーたちは守護を持ったためトレードするのではなく相手のリーダーを攻撃しました。

4ターン

先攻4T:エリカ
 3/3の不屈の兵士で2/2のアサルトナイトを、2/2のフェンサーで1/1のクイックブレーダーを上踏みします。
 「私の技は外道にして外法。正攻法が通用するとは思わないことです」ということでアニメオリジナルカードをプレイします。

シークレットスキル
4コストアミュレット
ファンファーレ:自分の場のフォロワーすべては潜伏を持つ
相手がフォロワーをプレイしたとき、自分の場に潜伏状態のフォロワーがいるなら、プレイしたフォロワーを破壊し、このアミュレットを破壊する。自分の場に潜伏状態のフォロワーが3体以上いるなら、プレイしたフォロワーだけでなく相手のフォロワーをすべて破壊する。

 カズキが驚いていたように、相手のターンに効果が働くアミュレットは珍しいです。このカードは緊急召喚のように、相手がフォロワーをプレイすることをトリガーにして起動します。

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 シークレットスキルは相手側が破壊されるカードを選べるのでバリューは低くなりがちですが、予約しておける4コスト確定除去なので有利な状態で使うとさらに有利を加速できるカードといった感じです。

後攻4T:カズキ
 ミラージュディフェンサーをプレイして、シークレットスキルの効果で破壊されてしまいます。アニシャドでは、「初登場のカードの効果は分からない」という暗黙の了解ですっとやってきているので、ここもむざむざ破壊されてしまうのはしょうがないところですね。
 2コスト以下のカードが手札に2枚以上あったわけでもないので、ここはどれかのフォロワーをプレイして破壊されなくてはならないターンだったかなと思います。
 2/3のネイビールテナントが場残りしていて、相手の場には潜伏フォロワーが2体ということで、ここはネイビールテナントを進化してリーダーを攻撃しました。攻めないと逆に押し込まれてしまうので良い判断だったと思います。


5ターン

先攻5T:エリカ
 ルミナスナイトとスニッピーガーデナーをプレイします。

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 ルミナスナイトが指揮官フォロワーなので、スニッピーガーデナーはファンファーレで自身を+1/+1し、不屈の兵士も自身を+1/+0します。
 スニッピーガーデナーを進化してネイビールテナントを上踏みします。不屈の兵士とフェンサーで相手のリーダーを攻撃します。これでカズキの体力は10です。
 エリカの場にフォロワーは4体、カズキの場にフォロワーはいません。カズキは気を抜くと負けが見えるぐらいの劣勢です。

後攻5T:カズキ
 ここからカットされています。
 カズキの手札に見えているのは勇敢なる旗手、ブリッツランサー、ジャイアントスレイヤー、ノーヴィストルーパーです。旗手は8ターン目に使います。
 このターンはエリカの場の4面フォロワーをできるだけ破壊せねばなりません。フェンサーは先攻7ターン目まで残っているので破壊できなかったようです。
 ノーヴィストルーパーで6/1のスニッピーガーデナーと相討ちします。

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 渾身の一振りで不屈の兵士を破壊して、ナイトを出します。

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 さらにナイトを進化して進化効果を持つルミナスナイトを破壊します。これでなんとか3面を返して、3/1のナイトが場に残ります。

6ターン

先攻6T:エリカ
 エリカの手札は見えないのでヒントはありません。カズキの体力が2削れているのでこのフェンサーはリーダーを攻撃します。
 先攻7ターン目にカズキの場に3/1のブリッツランサーがいることと、カズキがジャイアントスレイヤーを消化せねばならないことから、攻撃力5以上のフォロワーと攻撃力1のフォロワーが同時に出る戦場の騎兵を出したものと思われます。

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 エリカの進化権はここで2個目を使っているので、戦場の騎兵本体を進化してナイトを破壊します。

後攻6T:カズキ
 ジャイアントスレイヤーで戦場の騎兵を破壊し、ブリッツランサーでナイトを上踏みします。

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 エリカの場にはまだフェンサーが残っています。

7ターン

先攻7T:エリカ
 このターンからアニメに映ります。
 2/1で場残りしていたフェンサーでブリッツランサーと相討ちします。フェンサーは3ターン目から場に残り続けてめちゃくちゃ仕事をしました。
 コウガクノイチをプレイします。

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 3/3潜伏が2体場に出ます。

後攻7T:カズキ
 潜伏には触れないので、フロントガードジェネラルを出して守護を貼ります。

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8ターン

先攻8T:エリカ
 2体のコウガクノイチでフロントガードジェネラルと相討ちします。フロントガードジェネラルのラストワードでフォートレスガードが出てきます。
 ロイヤルセイバー・オーレリアをプレイします。

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 カズキの場のフォロワーはフォートレスガードのみなので5/3/6守護のフォロワーになります。ついでにスウィフトペネトレーターを出します。

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 進化後フォロワーはいないのでファンファーレは働きません。

後攻8T:カズキ
 ビクトリーブレイダーをプレイします。久しぶりの登場なのでおさらいしておきます。

ビクトリーブレイダー
8コスト5/8
ファンファーレ:次の自分のターン開始時まで、このフォロワーが受けるダメージは-3される
このフォロワーが場にいる限り、自分の他のフォロワーとリーダーが受けるダメージは-3される

 ビクトリーブレイダーを進化してオーレリアを破壊します。
 守護を持つフォートレスガードが場にいて、そこにも-3の効果がかかるので、ビクトリーブレイダーが守られる良い形になります。
 フォートレスガードでスウィフトペネトレーターを攻撃するか、リーダーに攻撃するかは判断が難しいところです。-3点がかかっているためスウィフトペネトレーターは無償で破壊できますが、守護を持っているのでスウィフトペネトレーターはどのみちフォートレスガードに当たってくるしか仕事がないと考えると、リーダーへ攻撃する方が強い選択肢のように見えます。一呼吸おいてカズキの判断ポイントを示してくれるのは良い演出でしたね。

9ターン

先攻9T:エリカ
 ツバキをプレイしてビクトリーブレイダーを破壊します。

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 ビクトリーブレイダーの効果はなかなか偉いのですがこういう確定除去系にはなんの耐性もありません。
 スウィフトペネトレーターでフォートレスガードと相討ちします。
 クノイチエッグとニンジャエッグをプレイします。


後攻9T:カズキ
 ファルコンランサーというアニメオリジナルカードをドローしますが、ここじゃないということで温存します
 勇猛なる旗手とセージコマンダーをプレイします。セージコマンダーの効果で勇猛なる旗手が+1/+1されます。
 エリカの場には7点分フォロワーがいて、カズキの体力は8なので1点でも打点を引かれると負けです。どのみち潜伏フォロワーには触れず、ドローもないのでこの選択肢しかありません。


10ターン

先攻10T:エリカ
 「これが我が奥義。闇に生きるものの力。なんと呼ばれてもかまわない。その言葉、勝利の後に受けましょう」ということでアニメオリジナルカードをプレイします。

グレートアサシン
6コスト5/5
ファンファーレ:シークレットスキル1枚を手札に加える
自分の場に潜伏状態のフォロワーが3体以上いる場合、自分のリーダーが受けるダメージは0になる

 ファンファーレ効果は単純にリソースを繋ぐという意味で優秀です。
 潜伏を3体並べて発動する効果は、シークレットスキルが潜伏を作ってくれるため相性が良く、追加効果の発動条件も同じです。しかし、グレートアサシンが6コストでシークレットスキルが4コストのため、他のフォロワーを出すコスト的な余裕がありません。フォロワーが場残りしていないと使いにくい効果です。
 効果を発動することができれば、相手は潜伏フォロワーをたくさん破壊しなければ勝てなくなります。大きめのAOEを撃つぐらいしか突破手段がないので、相手の行動を縛れるカードではあります。
 グレートアサシンの効果でリーダーが守られ、シークレットスキルの効果でカズキがフォロワーをプレイしたら盤面全破壊という状態になります。


後攻10T:カズキ
 決着のターンです。デッキトップからノーブルナイトを引いてカズキはがっかりしますが、勝利への手順を見出します。

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 ノーブルナイトを出してシークレットスキルが発動し、場のフォロワーが5体破壊されます。そしてアニメオリジナルカードのファルコンランサーをプレイします。

ファルコンランサー
5コスト2/4
疾走
ファンファーレ:+X+0する。ランダムな相手フォロワーをX体破壊する。Xはこのターン中に破壊された自分のフォロワーの数
攻撃時:+Y/+0する。Yはこのターン中に破壊された相手のフォロワーの数

 この盤面だと、Xは5でYは4になります。自分のターンに自分のフォロワーを能動的に破壊するためには、基本的には相手のフォロワーにぶつかりにいかねばなりません。しかしシークレットスキルのおかげでXを稼ぐことができ、エリカの場にもフォロワーがたくさんいたためYも大きくなり、勝利へと繋がりました。
 ファルコンランサー自体はピーキーなカードですが、上手く効果がハマった面白い決着となりました。
 毎度おなじみですが本家の敗北ボイスも再現してくれました。


囚われのイザベルとエリカ

 カズキは謎の少女によってエリカのいるお城に飛ばされ、衛兵に捕まって地下牢獄に入れられます。そこで同じく地下牢獄に捕まっているイザベルと出会います。
 イザベルがなぜ捕まっているのかは謎です。本家でそのような描写はありませんし、イザベルはエリカとは関わりがありません。本家でイザベルと関わりが深いのはローウェンの方でした。

エリカ:「まさか地下牢獄から抜け出すとは。さすが禁忌の魔法使い」
イザベル:「そっちこそ、さすがはお姫様の犬。よく鼻が利く」

 イザベルは死んでしまった恋人のカイルを生き返らせようとあらゆる手段を探している魔法使いです。エリカが「禁忌の」と言っていることから、その過程で何らかの罪を犯し、捕まってしまったのかなと予想できます。
 カズキの頑張りによってイザベルの手錠を外すことができ、2人は転移魔法で外へと逃げ出します。もう少しだけ遠くへ飛べればよかったのに…。

イザベル:「我は境界を超えるもの。式なき解は吹きすさぶ風。さあ、飛ぶわよ」

 さあ飛ぶわよは次元の超越を意識していますかね。本家でこういう魔法をイザベルが使ったことはありません。

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 エリカが率いていた兵隊たちは本家のイザベル編に登場しています。鎧に入っているエンブレムも大体同じです。

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 本家でエリカがこの兵隊たちを指揮している描写はありませんでしたが、エリカは王国の姫様に仕えているので、王国軍の兵士を動かせる立場にあっても不思議ではありません。



エリカの剣技

 転移魔法で逃がしてもらったカズキをエリカが追いかけてきます。描写がなくてわからなかったのですが、イザベルのことは兵隊に任せて、1人で追ってきたということなんですかね。
 エリカはバトルの中で、自分の剣技が卑怯であることを卑屈な姿勢で気にしている様子でした。

エリカ:「卑怯とは言わないのですか?気づいているでしょう。我が技は常道ではないと。身を隠し、不意を打つ闇の技だと。なのになぜ卑怯と言わず、ただまっすぐに向かってくるのですか?」

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 エリカは幼少期から暗殺者として生きていたところを、姫様に救われて、従者として生きるようになりました。姫様の温かさに触れたあとも、自分の手が血に汚れていることをずっと気にしていました。
 ローウェンが家族を、アリサがロザリアを、ルナが両親を忘れているように、エリカも姫様のことには言及しませんでした。そちら側を掘りすぎると収拾がつかないので、統一しているのかなと思います。
 エリカは本家の災いの樹編の中では自身の過去を吹っ切れず、ギルド騒乱編のリオードとのやりとりの中でようやく光を見出しています。このへんの時間軸の設定の仕方は難しそうだなと思います。
 エリカの使う剣は暗殺のための技です。それをシャドバでは潜伏を多用するというところで表現をしています。攻撃することができず、効果の対象に選ぶこともできない潜伏というテキストは、まあ確かに嫌われている時期もあったため、納得感はあります。

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 ただアニシャドを見ている視聴者からすると、あくまでカードゲームのルールに則って戦っているだけであり、エリカの言うことはちょっと大げさに見えてしまいますね。その気持ちはカズキが代弁してくれています。

カズキ:「だって、別に卑怯じゃないじゃんよ。こっちが攻めても効かないし、ビクトリーブレイダーも倒されたし、けど、それはアンタが強いってだけじゃん。それだけのことだろ?」
エリカ:「なるほど、そういえばあなたはそういう方でしたね」

 カズキのおバカ加減がエリカの生真面目さを中和して、ほんわかした気持ちで見ることができます。
 エリカは本家だと自身の境遇に悩んでいて、トゲトゲした印象の強いキャラクターでした。41話でも最初はそんな感じでしたが、徐々に柔らかく笑うようになって素敵だなあと思いました。

カズキの安寧の夢

 37話で安寧の夢の世界に生きるアニシャドの主人公たちが描かれたとき、カズキだけはほとんどなにも変わっていないような描写だったので、逆に一番目立っていました。どういう落としどころを用意しているのか楽しみでした。
 41話で謎の少女が「あなたの幸せにウソはないのね」と言ったことから、カズキは本当にいまの生活に満足していて、安寧の夢の中でも状況が変わっていないことがわかります。
 カズキらしい演出で面白いなと思うのですが、よく考えるとすごいんですよね。自分の現状に100%満足して、さらなる幸福を追い求める気が全くないということです。煩悩を超越した仙人でもそんな風にはならないのではと思います。
 例えば41話でも「オレはヒイロみたいに強くないけど」と言ったりするので、ヒイロみたいにシャドバが強くなった世界線を望むことだってできたはずです。でもそれを望んでいないみたいなんですよね。いまの自分が良いと心から思っている。ありえないほどの自己肯定感です。

エリカ:「あなたの純粋さは、世界に必要なもの。あなたはどうか、そのままで、カズキ」

 そういうカズキの性格をエリカは純粋さと表現していました。アニシャドはシリアスなお話にも踏み込んで描写をするアニメですが、カズキについては独自の立ち位置を確立させていて、嫌味を感じないのがすごいですね。
 カズキは安寧の夢の中であっても状況が変わっていないため、エリカと別れて食堂に戻ってきても本人の意識は特に変わりません。これで「目覚めた」ことになるのかはちょっと不思議なところです。一応、エリカの力がその身に宿ったというところだけが変化点になったのかなと思います。
 次回はカイ君の話になるかなと思います。カズキがイザベルを助けたことが、カイへのアシストパスになっていくのではないでしょうか。


棋譜

 ロイヤルミラーは地上戦になるので棋譜がわかりやすいですね。
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