3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

アズレンのストーリー考察考察:悲嘆せし焔海の詩編

イベントストーリーのネタバレをします

 

 2019年9月11日から始まったイベント「悲嘆せし焔海の詩」はタラント空襲とマタパン岬沖海戦がモチーフになっています。この2つの戦いは、イギリス海軍がイタリア海軍をぼこぼこにした戦いです。

 アズールレーンのイベントでもサディア帝国は良いところを見せられず仕舞いだったわけなのですが、1つの大きな転換点を迎えました。サディア帝国はレッドアクシズに合流しませんでした。

 史実と照らしあわせてイベントの流れを振り返りつつ、今後の展開に関わってきそうなところを書き出してみます。

史実のタラント空襲

 タラントはブーツ型のイタリア国土のヒール部分の内側にある港です。地中海の南部方面への作戦を遂行するための一大拠点でした。1940年11月、敵対するイギリス海軍は、航空部隊による夜間空襲によって、このタラント港を攻撃しました。

 イラストリアスから出撃したソードフィッシュ部隊のみが攻撃を行い、イタリア海軍は大損害を被ります。リットリオ、コンテ・ディ・カブール、カイオ・ドゥイリオ(未実装)の戦艦3隻が戦闘不能に陥りました。イギリス海軍にとっては十分すぎる戦果を挙げたと言えます。

史実のマタパン岬沖海戦

 タラント空襲の結果も相まって、イタリアは兵力を温存し抑止力として働かせる現存艦隊主義の動きを強めます。しかし、イギリスがギリシャへと兵力を送り込んだことと、ドイツに外交的圧力をかけられたことにより、イタリア海軍は連合国側のエジプト・ギリシャ間の補給路を攻撃することになります。これをイギリスが迎え撃ったのが、1941年3月のマタパン岬沖海戦です。マタパン岬は地中海に突き出たギリシャの先端部分にあります。

 この戦いで活躍をしたのが空母フォーミダブルと戦艦ウォースパイトです。レーダー装備の有無が勝敗の分かれ目となり、イギリス海軍はほぼ損害を被ることなくイタリア海軍を撃破しました。重巡洋艦ザラ、ポーラ、フィウメ(未実装)と駆逐艦2隻が沈没し、戦艦ヴィットリオ・ヴェネトが大破。イタリアにとっては手痛い敗戦となりました。

 これらの戦いは、(フォーミダブルがイベント内でも言っていましたが)イギリスがイタリアをぼこぼこにした戦いと言えるでしょう。イギリスが圧倒的な軍事力を見せつけただけにも見えますが、以後の戦争に大きな影響を与えた戦いだったと言われています。

 1941年5月、アズレン内でもイベントになったビスマルク追撃戦が発生しました。このとき、イギリス海軍の様々な艦船たちが戦闘に駆り出されましたが、直前でイタリアをぼこぼこにしておいたおかげで、戦力を割くことができたと言われています。(このころのイギリスは戦ってばかりですね…)

 また1941年12月、太平洋では日本軍による真珠湾攻撃が行われましたが、これはタラント空襲を参考にして立案された作戦だと言われています。どちらも航空機が大活躍し、戦艦巨砲主義の終焉を予感させる出来事でした。

 では、アズールレーンのゲーム内イベントの内容を見ていきましょう。

悲嘆せし焔海の詩・前編A1-A3

 A3がタラント空襲本番です。図鑑の思い出でいうところの#10, #11, #12ですね。そこまではアズレンのオリジナルの部分が多いと思われます。

 「#1:焔海の扉」の時点で、サディア帝国はレッドアクシズへ参加していることになっています。

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 ちなみに、「ここにいるだけの私たち」というのが現存艦隊主義への皮肉でしょう。リットリオは真正面から戦おうとしない軍人たちを良く思っていないようです。

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 「#2:脅威」「#3:小休止」はサディア側の視点で、地中海に現れたセイレーン艦隊を蹴散らす場面です。今回のイベントの登場人物を紹介するためのステージでしょうか。この様子をロイヤルは航空機で偵察していました。

 「#4:疑念」はロイヤルの視点です。現存艦隊主義に反する動きを見せたことで、サディアが何かをしでかそうとしているのではないかとウォースパイトとイラストリアスは疑いを持ち、クイーン・エリザベスに相談にお伺いを立てにいきます。

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 「#5:交渉」でウォースパイトがリットリオにアズールレーンへの復帰を求めます。ひとまず、地中海に現れたセイレーンへ対抗しようということで、共同作戦が行われることになりました。地中海の入り口はロイヤルが固めているため、地中海の中のどこかに鏡面海域があるのだろうという予測が立つわけですね。 

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 ここまではリットリオが描いた思惑通り。セイレーンに気を取られている間にタラント港に主力を集結させ、マルタ島を占領する作戦を彼女は計画していたのでした。(#3でサディアの主力の一部は半島の中央部のラスペツィアという港に向かっていたので、そこから移動してくるのでしょう)

 マルタ島は小さな島ですがイタリアの目と鼻の先にあり、地中海の交通の要所。ここをロイヤルに占領されているのは鬱陶しいことこの上ないのでしょう。しかし、#8, #9で明らかになりますがもともとクイーン・エリザベスにはこの作戦が疑われてしまっていたのですね。

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 「#6:戦闘」は対セイレーン共同作戦の一コマ。ロイヤルの重巡洋艦ヨークの特徴的なしゃべり方にサディア陣営が困惑するというほほえましい場面です。

 一転して「#7:魔砲の重巡洋艦」はサディアがロイヤルを裏切り、ヨークたちを取り囲む緊迫した場面。ここでヨークは信号弾を高々と打ち上げ、離れた場所にいるウォースパイトとイラストリアスに危機を知らせます。「#8:セカンドオペレーション」, 「#9:作戦準備」は時系列を遡り、ロイヤルがサディアを疑っていた理由と、対抗策の準備をしていたことが明かされます。

 「#10:悲嘆の焔海」,「#11:悲しき光」,「 #12:時既に遅し」がタラント空襲の本番の場面です。ザラたちがヨークたちに攻撃を仕掛けたということで、開戦の火ぶたは切って落とされました。

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  イラストリアスから発艦したソードフィッシュ隊がタラントの軍港に移動していたサディアの主力艦隊を攻撃します。史実ではイラストリアスは攻撃を受けていませんが、アズレン内ではリットリオと一戦交えたことになっていましたね。

 プリエーゼというのはリットリオのスキル「サディアの矜持」で再現されている、対魚雷の防御装置です。損害の軽減はしたものの、舵輪が損傷してリットリオはしばらく戦闘不能になりました。史実ではリットリオは空襲によって大損害を被って修理されることになりました。

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悲嘆せし焔海の詩・後編B1-B3

 「#13:地中海への招待」はロイヤル視点です。イラストリアスはフォーミダブルに地中海に行くように指令を出します。ここから、マタパン岬沖海戦のスタートです。次女のヴィクトリアスは準備が整っていないということを話していました。(史実ではどうだったのかはわかりませんが)

 「#14:選択肢」はサディア視点。タラント空襲ののちにロイヤルが地中海へどんどん進出していることが語らます。ヴェネトのもとにイラストリアスから「過去を水に流す」との電文が送られてきました。「カラブリアの宝石」の意味がここでは明かされませんが、サディアへの宣戦布告、さらには降伏してアズールレーンへ復帰せよというメッセージと読み取れます。史実では先に仕掛けたのはサディアでしたが、アズレンではロイヤルが地中海へと侵攻を開始します。

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 ヴェネトとリットリオは、闘志を漲らせロイヤルと真正面から戦うというよりかは、自分たちにとって味方が誰で、敵が誰かを見定めようとしています。史実では見方はドイツ、敵はイギリスだったわけですが果たして。

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  「#15:帝国の歓迎」「#16:旅の目的地」「#17:さらに奥へと」ではフォーミダブルとウォースパイトが、サディア艦隊と戦いながら地中海を進軍していきます「#18:情熱燃ゆる海」でウォースパイトがザラとポーラを打ち破りますが、史実ではこの二人はウォースパイトに沈められてしまっています。

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  「#19:嘆きの詩の終わり」でサディアは鉄血へ支援要請をしたが彼女らは来なかったことが語られます。これをヴェネトは、「再現」のために見捨てられたのだろうと考えます。ロイヤルに負けることが史実の再現ですから、鉄血はこの戦いにおいて歴史を覆そうとはしなかったことになります。

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 「#20:サディアの宝石」ではついにフォーミダブル・ウォースパイトとサディアの主力たちのご対面。史実ではイギリスが航路を守ろうとした戦いでしたが、アズレンではカラブリアの宝石=地中海を守るためにサディアが戦うという図式になったようです。クイーン・エリザベスの言う「カラブリアの宝石のもとに、過去を水に流す」というのは、地中海をロイヤルが征服すれば命までは取らぬよということだったのですかね。

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  ここでもヴェネトは語りますが、鉄血にとってサディアがどのような存在なのかは誰にも掴めていないようです。この戦いでロイヤルの力を見定め、歴史が「再現」されるのか、もしくは新しい未来の1ページを切り開くのか決めようと言っていました。もしサディアがアズールレーン側へ寝返ることになれば、史実と異なるifの物語になるわけですね。

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 「#21:旅の後」はロイヤル視点の後日談です。レーダーを積んでいなかったのが勝敗の分かれ目だったとフォーミダブルも言っていました。そして、情勢が落ち着いたら会おうとリットリオからイラストリアスへの伝言もありました。次回のサディアイベントはこの二人の会合から始まるでしょうか?

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 「#22:鉄血」でシャルンホルストグナイゼナウがこの戦いの趨勢を見守っていたことがわかります。結局見ていたんですね。ビスマルクが重い腰を上げてくれたと言っていたので、この後にアズレンの世界でもビスマルク追撃戦へと時系列が動いていくことがわかります。

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 グナイゼナウがサディアの監視を続け、鉄血を裏切るものには制裁を、と言っていますので、これも次回イベントに繋がってくるでしょうか?鉄血vsサディアとか?

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 「#23:結末」ではようやくセイレーンが登場してきます。戦いの結果がふわっとしたままだったのですが、「サディアは未来の1ページをつかみ取った」と言っているので、史実の再現とはならなかったようです。味方側は名前が緑、敵側は赤で表示されるのが通例ですが、ここでは誰からみて緑なのでしょうか…。サディアが闇落ちする未来もあり得るのかなと妄想が搔き立てられますね。

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今後の展開

 ちょっと地味目なイベントストーリーでしたが、アズレンの世界史の中ではなかなか大きな出来事だったのではないでしょうか。サディアはレッドアクシズからアズールレーンへ寝返ったようです。

 サディアのキャラクターが発表されたとき、レッドアクシズ側なのに重桜や鉄血のようにセイレーンの技術を取り込んだ形跡がないことが話題になりましたが、その種明かしとなるイベントになりました。彼女たちはセイレーンの技術を取り込むどころか、セイレーンにはほとんど接触をしていなかったのですね。

 さて、レッドアクシズはただでさえ負け戦なのに、サディアという勢力を取り逃してしまいました。鉄血は何を考えているのでしょうか。ビスマルクもティルピッツも戦闘不能になっているいま、まともにアズールレーンと対抗できるのは重桜の戦力のみになっているのでは?という状況です。

 ですがもともと2陣営の争いの前に、この世界の人類にはセイレーンに対抗せねばならないという大目標があるので、その目標に対しては前進と言っても良いのかもしれません。アズールレーンが再び1つにまとまり、セイレーンを打ち破ることは、人類にとっては悲願です。もちろん、ストーリーの大きな流れの中ではセイレーンは打倒すべき敵なのかはよくわからないので、この一件が未来に与える影響は現時点では全く分かりません。

 ヴェネトとポーラが未実装のまま今回のサディアイベントは終わりを迎えることになりました。2回目のイベントで実装されるでしょうか。2回目のサディアイベントはどんな展開になるか楽しみですね。

 その前に、ヴィシアとアイリスのイベントを開催してほしいものです。リシュリュージャンヌダルクを実装して、あの陣営も強くなってほしいなと思います。

 

 

 イラストリアスさんは今回も優雅で有能でした。

アズールレーン イラストリアス 1/8スケール PVC&ABS製 塗装済み 完成品 フィギュア

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