3度目のサザンドラ

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【原作勢目線】アニメアズレン5話感想 - 【再会】その手をさし伸べて

ネタバレ有です!!


 なんでKAN-SEN同士で戦っているんだっけ?という疑問に今まで以上にフォーカスがあたったお話でした。そんなことを言い出すと一見するとわかりにくくなってしまうのですが、このアニメのテーマだと思うので、今後すっきり解決されると良いですね。戦艦同士の砲撃船が大迫力で描かれたのが印象的でした。

包囲網

 とある島に逃げ込んだ3人。ヘレナ曰く、「昔は多くの住人が暮らしていたみたい」「セイレーンの襲撃で放棄された島」。第1次のセイレーン侵攻によって人類は数を減らしてしまったようです。
 島を無数のセイレーン量産型、重桜、鉄血の追撃部隊が取り囲みます。セイレーン艦については、翔鶴が「(黒キューブを持っている)向こうに操られない?」と心配をしていますが、「母体がオロチだから乗っ取られることはないって赤城先輩は言っていた」と瑞鶴が返すので、セイレーン量産型を生み出すシステムがあるのだなとわかります。
 翔鶴が「あの人いったい何を企んでいるの?」と訝しがっているので、ゲームと同様、この世界でも一航戦と五航戦の間には溝があるようです。

ヒトとKAN-SEN

 レパルスの「敵はよそにいるってのにさ、人類同士で何やってんだろね」というセリフはなかなか印象的。そこから、エンタープライズベルファストの会話に流れが繋がっていきます。
 「フネなのにメイドとか、女王とか」と不思議がるエンタープライズ。「まるで人間の真似事だと、そのようにおっしゃりたいのでしょうか」「変わりませんよ、ヒトもフネも違いはありません」「等しくココロを持つ、命でございます」ベルファストはKAN-SENをあくまで人間と同等の存在だと認識している。
 一方で、エンタープライズは「いや我々は戦うために生まれてきた」「人間とは違う」といつもの姿勢を崩しません。「強大な力を持つ我々には、大いなる責務があります」とベルファストも肯定するそぶりを見せます。「そうだ、敵を倒すことだ」。ゆるがないエンタープライズ
 しかしベルファストは「それだけでは足りません」「私たちは証明しなければならないのです」「どんな過酷な世界であっても、ヒトは気高く生きることができる」「迷える人々の模範となるため、私たちは優雅でなければならないのです」「優雅な人生を手助けする、それがメイドの仕事でございます」というように、ロイヤル艦隊の矜持を説きます。大戦の影響で貧しくみじめな思いをした国民に対して、海軍が気高き国民の象徴としてふるまう、というのは現実でも同じだったのかなと思いました。ベルファストは、KAN-SENは兵器以上の存在だと捉えているようですね。
 「ユニオンとは違う考え方だな」とエンタープライズ。「当然です。だからこそ、我々アズールレーンは手を取り合うのです」「ロイヤル、ユニオン、さらに東煌、アイリス、北方連合」とベルファストが言うと、「鉄血、重桜もだ。かつてはな」とエンタープライズ。ここはひとつキーになるはずで、もともとアズールレーンは1つだったという意識が残っているぐらいの時間軸の中でこの戦いは起きているのです。だから、元に戻りたいと考えているKAN-SENもいるはずで、その代表としてジャベリンたちの葛藤が描かれているのではないかと思います。
 綾波愛宕に相談をするシーンにもつながっていて、アズールレーンの基地内部の様子を知ってしまったので、未熟な綾波の心は揺れているのですね。昔は仲間だった陣営で、向こうには向こうなりの生活がある。それなのに何故戦わなければならないのかと。

レパルス・ウェールズオクラホマ vs 山城・扶桑・セイレーン

 シェフィールドたちが偵察機を叩き落としたところから状況が動き出し、アズールレーン側からの戦艦砲撃で開戦です。レパルスとオクラホマのスキル発動ボイスが原作再現でした。特にレパルスは発動回数が多いのでとても印象に残るんですよね。


ベルファストクリーブランド vs 高雄・愛宕

 主に戦闘機に使われる洋上迷彩を施したマントで島に向かうベルファストたち。これはヒトモードが使えるKAN-SENならではの動きですね。戦艦の派手な砲撃で気を引く作戦でした。ただ、愛宕は戦艦が陽動だと気づいていたので、ベルファストたちを迎え撃つことに成功します。
 他のシーンを挟んで、クリーブランドベルファストを逃がすことを決意。「本当は心配なんでしょ」と、ベルファストが姉であるエディンバラの救出に向かいたいということを見透かしているのですね。さすが姉妹が多いだけあります。「まとめてかかってきな!」も一応ゲーム内ボイスですね。使いどころばっちりで違和感がありません。

ラフィー・ジャベリン vs 綾波

 なぜか高雄たちとの接敵の時点で別行動になっていたラフィーとジャベリンに、綾波が襲い掛かります。
 こちらも他のシーンを何度か挟んで、魚雷攻撃で追いつめられるラフィーたち。反撃の意思は見せません。綾波は「どうして戦わないんですか」とつぶやき、ラフィーに思いっきり切りかかります。

瑞鶴・翔鶴 vs サンディエゴ・ヘレナ・サフォーク・ノーフォーク

 上空から艦載機とともに戦艦に襲い掛かる重桜空母に対して、サンディエゴとヘレナが対空射撃を繰り広げます。サンディエゴはいままでやられ役でいいとこなしでしたが、全艦トップの対空性能で大活躍。ヘレナよりも対空弾幕が濃くなっていて芸が細かいなあと思いました。
 洋上で迎え撃つサフォークの「敵さん強そうです」と、ノーフォークの「がんばります…!」もゲーム内ボイス。


 二人とも重巡洋艦なので砲撃は大振り、そして瑞鶴翔鶴の2隻はとても速力の早い船として有名なので、砲弾をかわされて置いてけぼりになってしまいました。
 迎撃機の存在を視認して、瑞鶴はエンタープライズがいるものと早とちりします。

プリンツオイゲン・Z1・Z23・ケルン vs シェフィールド・エディンバラ

 オイゲンが砲撃をしつつ、Z1とZ23の駆逐艦コンビが接近戦闘をするというバランスの良い攻撃で、シェフィールドが被弾。Z1は鉄血の駆逐艦をバフするスキル持ちなので、Z23が強くなっているのですね。

終局

 クリーブランドに逃がしてもらって、ベルファストエディンバラたちの救援に駆け付けます。「いいえ、一手の差で、私どもの勝ちでございます」の勝利宣言。
 瑞鶴翔鶴がエンタープライズだと思って突撃した先にいたのは妹のホーネットでした。同型艦なので、フネの姿を遠くから見ると、一緒に見えるのでしょう。艦載機も同じですしね。今回のレッドアクシズ陣営に2隻しかない空母が外海に引っ張られたことになります。
 エンタープライズベルファストたちのもとに現れて、勝負あり。プリンツオイゲンは撤退を指示します。もう少し説明をするとか、Z1が逆らうとかの描写があってもよかったかなと思いました。ぱっと見るとなぜこれで決着がついてしまうかわかりにくかったですね。
 空母が1隻だけ戦場にいると制空権を完全に支配されます。安全な上空から艦載機が狙ってくるので、見た目以上に厳しい戦いになります。エンタープライズに加えて護衛でベルファストも来ているので、多少の数的優位はあまり関係ありません。さらに鉄血艦隊はあまり飛行機との戦闘を意識しておらず、対空装備が脆弱だったという史実もあり、瑞鶴翔鶴の支援も見込めないとなると、レッドアクシズ側に勝ち目はほぼない戦いになります。
 そもそも、アズールレーンとレッドアクシズの戦いはどこか手ぬるいところがあるのですが、それは元々が1つの組織で、いつの日か戻れるかもしれないと思っているからなのかもしれません。いまは思想の違いで対立をしていますが、そこが解決をすれば一緒に戦えるはずなのです。

友達になりたい

 切りかかったはずの綾波は、刃を振り下ろせませんでした。「どうして戦わないんですか」2回目。鳥肌が立ちました。こんな声を出すんですね、この子は。対照的なラフィーの穏やかな表情。すべてを見透かしているようで、強者の風格が漂っています。
 「敵同士なのに!」「カンケーない。ラフィー、綾波と友達になりたい」。この一言をきっかけに、ジャベリンが自分の感情に初めて気づくという演出でした。まあやりたいことはわからんでもないですが、見えている動機が1話の出会いのみなので、もう少し肉付けが欲しかったところです。
 綾波側は潜入ミッションをしてしまったおかげで心が揺れ揺れしているので、動揺しているのはよくわかります。で、そこをラフィーに見透かされてしまっていて、綾波を寝返らせることから戦況を変えてしまおうというラフィーの策なのだとしたら、唯一神ラフィーという感じになりますね。