3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【原作勢目線】アニメシャドウバース6話感想-強さの理由

ネタバレします!!


 夜那月ルシアが主役の回でした。こうやって各キャラを掘り下げていく流れが良いですね。主人公格のキャラのそれぞれにバックグラウンドがあって、背負うもののためにバトルをしていくのですね。王道です。

オープニング前

 なにやら思い悩んでいるルシアの独り言から6話はスタートです。「今の僕に将来なんていらない、今の僕に必要なのは…」というところでヒイロとすれ違って、考え事が途切れてしまいます。ここがラストへの伏線になっていますね。ルシアがいま必要としているものはなんなのか。ヒイロが急に現れたので、それはヒイロのことではと思ってしまうのですが、ちょっと違いました。
 ヒイロはルシアにバトルを持ち掛けますが、遅刻しそうなのでやめておくことに。そこでカイと出会って、実は今日学校が休みだったことに気づくという。いかにも主人公っぽいムーブをかましてきますね。

ルシアの学校生活

 木の上から双眼鏡でルシアを観察するカイと、全く興味のないヒイロ。ルシアは文武両道な生徒だということがわかりますが、それはシャドバの強さの秘訣ではないのではとカイは考え込みます。まあ当たりですね。ルシアがシャドバをする理由はほかにあることが最後にわかるわけです。
 ヒイロとカイは校門で待ち構えているのですが、ルシアは「君とバトルするにはまだ早い」と言って避けてしまいます。これ、どういうことでしょうね。いま戦ったとしてもどうせルシアが勝っちゃうということですかね。
 裏口から出ようとしたところで、謎の新キャラに出くわします。割と自然に登場するものだから、前にも出てきたのかなと一瞬自分の記憶を疑ってしまいました。この学院のOB、シャドバプロプレイヤーの牙倉セイヤという人物だそう。名前が特徴的なので、1話に出てきた牙倉タクマの兄だとすぐにわかりますね。
 最近まですごく荒れてたけど、とある人物とバトルをして、考えを改めたとタクマは言っていたとのこと。ルシアは胡散臭そうに聞いていますが、ヒイロがすぐに頭に浮かんでいるので、自分ではないなとすぐに判断したのでしょう。プロプレイヤーとバトルをしたいから誘いには乗りつつ、自分ではないですよとちゃんと教えてあげるのが偉いです。

ルシア vs セイヤ(前半)

 今回も最後に棋譜を載せているので、気になる方は棋譜も見ながらどうぞ。
 ルシアの変身バンクは前回通りですが、セイヤにもバンクがあるのが意外でした。彼はトランプが舞い散るマジシャンをモチーフにした変身バンクでした。この時点でなんとなくウィッチっぽいかなーという感じですね。セイヤは秘術ウィッチまたは土ウィッチと呼ばれているデッキタイプの使い手でした。
 ウィッチクラスは初期の段階から、明確にスペルブースト系列と土の秘術系列の2系列が実装されているクラスでした。両者のかみ合わせは微妙なので、どちらかに特化させたデッキを作るのが基本です。カイがスペルブーストウィッチ、セイヤが秘術ウィッチと役割を分けているのですね。こうすることで、主人公格以外のキャラにも、特色のあるデッキを使わせることができるようになります。
 秘術ウィッチは場に土の印というトークンを出したり割ったりしながら戦うデッキです。トークンの形状はアニメオリジナルでした。良い表現方法でしたね。

 ルーキーマジシャン・サミーが可愛かったですねー。「よってらっしゃいみてらっしゃーい」という登場ボイスが耳に残るカードなのですが、声優さんを使うボイスは一切カットされているのが残念。

 セイヤの先攻3ターン目、サミーで相手のリーダーを攻撃したのですが、ここは蠢く死霊を攻撃しても良かったのではと思いますね。サミーの体力が1になって、ヴェノムコブラにとられてしまうのを警戒したのかもしれませんが、3/4で守護のルーンガーディアンが出るので、2/1のサミーをとるのは難しかったはずです。ヴァンパイア相手に盤面を放棄してリーダー体力を削りにいくと、復讐に入られてアドを取られるのは本人もわかっているはずなのに。

 セイヤのハンドには上級アルケミストという回復カードがあるため、多少リーダーの体力が削れてもいいから強気に動こうという意思だったのでしょうか。

 ルシア側は鋭利な一裂きを使います。ヒイロ戦でも出てきたカードなので説明省略でしたね。相手のリーダーに向けて撃てるのが強いカードであって、このようにフォロワーに撃たされるのはあまり良い展開ではありません。


ルシア vs セイヤ(後半)

 Bパートは、4ターン目と5ターン目が飛んで6ターン目からスタートです。いきなりフォレストバットが4体も並んでいて、カードを知らない人はびっくりしちゃうと思うので、補足があっても良いと思うのですがね~。ヴァイトが2回交戦して、眷属の召喚を使ったようです。


 セイヤが「僕の方が有利みたいだね」と言います。これはほとんど視聴者に向けたセリフだと思うのですが、果たしてこの盤面でセイヤの方が有利と言えるかは微妙なところです。フォレストバットは1/1ですがヴァンパイアクラスの特殊トークンなので、いろいろなカードとシナジーがあります。例えばこの盤面でルシアが夜の群れを使うと、4コストで5ダメージを与えつつさらにフォレストバットが出てきたりします。

 吸血鬼の古城なんかもこの盤面で強いカードですよね。いずれもアニメのカードプールの範囲内のカードです。

 4, 5ターン目は回想のような形で試合展開が要約されます。気になるのが、旋風の魔術師というカードをセイヤが使っている点。このカード、土の秘術とは全く関係のないカードで、どちらかというとスペルウィッチのカードなのですが、いったいなぜ採用しているのでしょう。間違えてデッキに入れてしまったようにしか見えません。

 ルシアは「ようやく好機が訪れた」と言っているので、ここが攻め時の盤面だと判断しているようです。キャタラクトビーストを進化してグランドガーゴイルを攻撃しに行きますが、こうするとせっかくのキャタラクトビースの大きなスタッツが活かせないので微妙なプレイだったなと思います。キャタラクトビーストをプレイして、グランドガーゴイルは無視し、場のフォレストバットを進化して、相手のリーダーへのダメージを増すのが良さそうに見えました。グランドガーゴイルは破壊される土の印を場に出すので、セイヤにとっては破壊してほしいカードです。もし、返しのターンでグランドガーゴイルがリーダーに攻撃してきたら、ルシアは復讐状態に入るので、有利に立ち回れるはずです。

 ここで「中学生とは思えないな」という衝撃のワードが飛び出るのですが、ルシアたちって中学生なんですね。以前教科書がちらっと映るシーンで「数学I」と書いてあった気がするのですが、高校生の内容を中学で先取りしているんでしょうか。天才ですね。
 返しのターン、セイヤの先攻7ターン目。アニメオリジナルのゴールドカードをセイヤがプレイしました。グレイトマジシャン。相変わらずオリジナルカードは名前がシンプルですね。「6コスト5/6。進化後も5/6、進化時に相手の体力3以下のフォロワーを消滅させる。土の秘術:消滅させた相手のフォロワーを自分の場に出す(進化しているならそのまま)」。効果の強さが相手依存になるので、シャドバではあまり好まれないタイプのカードです。この盤面ではたまたま、1/1のフォレストバットが4体並んでいるときに、キャタラクトビーストのコントロールを奪ったので、とても強力なムーブになりました。


 ゲームでは確認できない仕様なのですが、進化後のフォロワーは場に出たターンでも攻撃ができるという裁定になるようです。ゲームだと、場に出てきてそのあと進化するという流れの効果ならあるのですが、進化後のフォロワーがそのまま場に出てくるという効果がありません。デフォルトで突進を持っている扱いですね。
 ルシアは「土の秘術を警戒すべきだったか。僕のミスだ」とすぐにミスを認めます。これがなかなか難しいのですよね。勝負の中でどのプレイが勝ちと負けの分岐だったのか、そもそも気づけないことが多いのです。そういう意味でルシアは強いプレイヤーです。今回はグランドガーゴイルにかまってしまったのが明らかにミスなのでわかりやすいですが。
 次のルシアのターンは5/6と6/8が並んでいる盤面に対して、獰猛な捕食を撃って終わり。けっこう苦しいターンですが、コントロール寄りの復讐ヴァンパイアなら、まだまだやれるかなという展開です。

 先攻8ターン目、セイヤは5/6のグレイトマジシャンが場に残りましたが、ルシアを攻撃しませんでした。とっても良い演出ですよね。グレイトマジシャンが攻撃するとルシアの体力は8になり、復讐状態に入ってしまいます。2話でヒイロがレイジングエティンでルシアを迷わず攻撃し、復讐状態にしてしまったのを伏線とした演出です。回をまたいだ伏線により、プロとヒイロの差を出したわけですね。お見事です。
 実戦でも割と意識すべきプレイです。ただ、デッキタイプによっては復讐のギミックを全く使わないヴァンパイアもあるので、ここまでで出てきている相手のカードから、デッキを予想していくことが必要になります。ヴェノムコブラや獰猛な捕食は復讐ギミックのカードなので、この場合セイヤが復讐をケアするのは正しい判断だと思います。

 後攻8ターン目、ルシアのこの動きはセイヤのさらに上をいく良いプレイでした。相手が復讐をケアして体力を詰めてこなかったところを、自分から復讐に入ってカウンターを決める動きです。貴き血牙は前の前のターンぐらいから手札にあったので、この動きを見据えていたのでしょう。ここの復讐の入り方と、ゲームBGMのアレンジがマッチしててとても良いですね。

 「確かに強い、ですが、それだけだ。それだけじゃ足りないんですよ」とプロを煽っていくルシア。自分の期待を超えてくれそうな人だったら満足するかもしれないと。プロだったら、もっととんでもないデッキで勝つとかしてくれないと不満ですよね、ルシア君なら。
 先攻9ターン目、セイヤは錬金工房+ゴーレムプロテクションを使い、盤面を守護で固めるプレイ。体力が危ういので5/7のダークエンペラーは破壊しておきたいところですが、カードの能力によって破壊されないので、無視するしかなくなりました。ルシアの体力を5まで削って、1体でも残れば勝ちという勝ち筋を見ます。勝ち負けがどちらに転ぶかわからない微妙な展開です。

 後攻9ターン目、決着のターン。群れなす飢餓と血餓の女帝は、本当にこれしかないというピンポイントなリーサルカードで、劇的な展開でした。カイが回想シーンでドロシーを使っていましたが、オリジナルカード以外のレジェンドカードが実際にプレイされるのは初めてでした。レジェンドらしく能力も派手ですからね、このカード。

 しかも、最後はちゃんとキリフダであるダークエンペラーの攻撃で締める展開なんですよね。キレイな棋譜でした。

試合後

 セイヤが本気だったかは怪しいところだと思いました。アニメのカードプールだと、秘術ウィッチは弱い部類のデッキで、ウィッチを使うならドロシー入りのスペルウィッチしかないと言われていた時代です。ネタデッキで戦ったら負けちゃったみたいなふうに見えます。
 「シャドバはやめないけどね」と付け加えるのが良い煽りだなと思いました。僕に負けたらみんなシャドバやめちゃうよと謎のイキリを放っていたルシア君ですが、ここまでで誰もシャドバをやめていないという。
 GENESISのロゴが入った招待状をルシアに渡してセイヤは去っていきました。オープニングにちらっと映っている人ですね。あと、ヒイロスマホGENESIS製だったかなと。
 ルシアはこの招待状のことを知っている様子でした。ヒイロとのバトルにふさわしい舞台だとも言っています。招待がないと行けない舞台なのに、なぜヒイロなのか。今の段階ではよくわからないですね。

病院にて

 病室の中へと場面が転換します。ルシアの妹のシオリが入院している様子。目と髪の毛の色が一緒ですね。高額な先進医療を提供する病院なので、シオリは費用のことを心配している様子。ルシアがずっと笑っていないとシオリは指摘しますが、シャドバしているときよりずっとルシアの表情は柔らかいのではと思ってしまいます。表情の書き方がすごい上手なアニメなので、この辺は今後の伏線になっていくでしょう。
 ラストはオープニング前に引いた伏線の回収。今のルシアに必要なのは勝利、そして勝利の先にある賞金。妹のために戦う孤高のライバルキャラというのはベタですが良い舞台装置ですよね。きっと主人公に助けられるのでしょう。

棋譜

 今回も棋譜を載せておきます。
 とっても細かい話なのですが、先攻6ターン目で映るバトルログの墓場の枚数があっていない気がします。試合の流れには影響がないのですが。
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 1ターン目で実験開始を撃ったところはちゃんと1とカウントしているので、スペルを数え落としたわけではない様子。一体どういうミスをしたのでしょうか。

 棋譜はこちらです。何かあればご連絡ください。
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