ネタバレします!!
28話はアリスとカイが伝説のカードを手に入れる回です。アリスが主役の回は物語も作画も本当にすごい…!圧巻です。
虚無への道
今回は先にバトルの展開について書いていきます。ジュスティーヌ姉妹が同時のこのカードをプレイするところからバトルが再開されます。
虚無への道
4コストアミュレット
自分の墓場にシャドウ化したフォロワーが15体以上あるなら、自分のターン終了時に相手のフォロワーすべてに5ダメージを与え、シャドウアサルトを1体場に出す
シャドウアサルト
5コスト5/5→7/7
このフォロワーは相手のフォロワーを攻撃することができない。
このフォロワーは相手の守護を持つフォロワーを無視して相手のリーダーに攻撃することができる
起動してしまえば強いですが、起動させるために2枚のパーツが必要になるのが辛いカードだなと思いました。0コストスペルの「侵食する災い」は墓場のカードもシャドウ化させるので、15体貯まるまでに引けばセーフということにはなりますが。
シャドウアサルトは本家アプリのストーリーに出てきた、大きいほうの虚ろの影と同じ姿をしていました。
アリス vs ビビアン
8ターン
後攻7ターン目にアリスのスケルトンナイトが進化して場にいたはずなのですが、いつの間にかスケルトンに代わっていたため、虚無への道をプレイする前に除去スペルを撃ったようです。
また、場残りしていたシャドウソルジャー1体がリーダーへと攻撃をしています。
ターン終了時に虚無への道の効果が発動し、スカルビーストとスケルトンが破壊され、シャドウアサルトが場に出ます。
永続起動するアミュレットの強さが発揮されているシーンですね。
9ターン
せっかく削った体力を戻されてしまってアリスはかなり苦しい展開です。
アリス:「汝は魂の支配者。永遠の番人。私のすべてをあなたに込める!デッドソウルテイカー!」
デッドソウルテイカー
9コスト4/7
ファンファーレ:ネクロマンスXX:このバトル中に破壊されたすべての自分のフォロワーを場に出す
相手のターン中に自分のフォロワーが破壊されたとき、同名のカードを場に出す
※ネクロマンス値は不明
ヒイロのもらったドラゴンの伝説のカードよりは見劣りするなあという感じです。ライフを詰められないカードは評価が落ちますね。
ネクロマンサーは基本的にフォロワーで戦うデッキなので、ファンファーレ効果で場に戻ってくるカードを絞ることは難しいです。スケルトンレイダーが出てきたのはラッキーでしたが、あとはスカルビーストやゾンビドックが出てきてしまっています。
ネフティスに始まり、こういうガチャを引くようなレジェンドカードがネクロマンサーには多いのが特徴です。伝統をしっかり受け継いだカードと言えます。
2番目の能力はなかなか強くて、守護を持つフォロワーが出てきたら永遠にリーダーを守る盾になります。スペルなどでデッドソウルテイカー本体を破壊できないと詰みです。
4/4のスケルトンレイダーでは6/6のオルクスも5/5のシャドウアサルトも破壊できないので、相手のリーダーを攻撃しました。
9ターン
虚無への道がデッドソウルテイカー以外を吹き飛ばすため、ビビアンは相手のリーダーに総攻撃をしかけます。ビビアンがデッドソウルテイカーの効果を読んでいたなら負けないようにプレイすることは可能でした。オルクスを進化してデッドソウルテイカーを先に破壊していれば、効果で他のフォロワーが復活することはありませんでした。
カードゲーム的にはちょっと残念な決着でしたね。
ビビアンの体力は13点です。スカルビースト1点、ゾンビドッグ2点、ネクロアサシン3点、スケルトンレイダー4点、デッドソウルテイカー4点の14点パンチでアリスの勝利です。
カイ vs ヴァネッサ
9ターン
後攻8ターン目にクロノウィッチの効果で蘇った7/7のフレイムデストロイヤーが他のフォロワーと一緒に破壊されていたので、フレイムデストロイヤーに除去スペルを撃っていたのではないかと思います。
スペルブーストでコストが下がるフォロワーなのですが、カイは9コスト払ってプレイしていました。もったいないですね。
ROBで実装されて以来、長らく環境の中で戦い続けた名カードです。手札のフォロワーのコストを下げて、1ターンで一気に強い盤面を形成することを、物の例えとしてドロシー展開と言うことがいまだにありますね。
このターンはコストが下がっていないドロシーをプレイして、手札を補充しただけの動きになりました。
10ターン
先攻8ターン目にネフティスからモルディカイが出てきたのですが、後攻8ターン目にマジカルキャットによって手札に戻されていました。
マジカルキャットは先日のシャドウバースチャンピオンバトルの特別番組で初めて効果が分かったカードです。
盤面にいるネフティスとシャドウアサルトでリーダーを攻撃します。カイの盤面にいるドロシーは虚無への道で破壊されます。
カイ:「汝、七つの知恵にて全能に至る者。出でよ、セブンズフォースソーサラー!」
セブンズフォースソーサラー
8コスト2/8→4/10
スペルをプレイしたとき、それがこのターン中に7枚目なら相手のリーダーに20ダメージを与える
進化時:自分の手札のコスト3以下のスペルカードのコストを0にする
楽しいカードですね。まさにロマン砲の極致です。実戦で決まったら最高に気持ちいいでしょうね。
現実的に考えると8Tまで進化権を残しておかねばならず、3コスト以下のスペルか、スペルブーストでコストが下がるスペルを大量に手札に抱えておかねばなりません。
今回のカイのように、10Tでプレイすると2コスト分余裕があるので、条件達成の縛りは緩くなりますが、その分キルターンが後ろに伸びるのが辛いところです。
専用構築を組むならまだ魔道具専門店の方が強い気はします。
カイは無事に下記7枚のスペルをプレイして勝利しました。
①知恵の光
②魔力の蓄積
③実験開始
④変性の魔術
⑤エラスムスの秘儀
⑥ウインドブラスト
⑦炎の握撃
アリスとカイの変化
アニシャドはキャラクター同士の関係性から生まれる正のフィードバックを描くことが本当にお上手なのですが、この28話でもそれが炸裂していました。
アリスとカイはそれぞれが抱える自分の弱点を克服して伝説のカードを掴み取ります。その過程で27話のゲームセンターでの会話が活きてくるという構成になっています。
アリス:呪縛の解放
アリスが抱える闇はずっと前から提示され続けてきました。
4話のミモリ戦では変装をしないと自由にシャドバができない様子が描かれ、8話のヒイロ戦では使用するカードを大人に決められてしまうという話が披露されました。16話のジュスティーヌ姉妹戦、17話のミモリ戦を通じてミモリとの和解は果たしましたが、アリス自身のアイドルとシャドバの両立という問題は解決されぬままでした。
アリス:「アイドル、好きじゃなかった。大人の期待に応えるのも、ずっと1人でいるのも。だから心の中でブレーキをかけて、冷静にいられるようにしてた」
アイドルという職業は、もともとは好きではなかったとアリスは認めていますね。母親がマネージャー代わりになっているようでしたし、親のゴリ押しで事が進んでいってしまったのではないかと思います。
アリス:「シャドバは大好きだった。でも、大人に使うカードを選ばれて、それに従うことしかできなくて、勝っても負けても、どうせ自分が望んだバトルじゃないから…どうせ…。アイドルのアリスがいて、シャドバするアリスがいて、どっちのアリスも、中途半端」
一方で、シャドバはもともと好きだったと言っています。しかし、アイドルという職業と合わさったことで、自分の好きなように勝負させてもらえなくなり、シャドバに対する想いも中途半端になってしまいました。
「でもね、半端じゃないって、減ったり割ったりじゃなく、掛け算だって、言ってくれた人がいた。アリスは分かってたんだ。アイドルだからみんなを笑顔にできた。アイドルだから誰かの憧れになれた。シャドバでバトルしたから仲良くなれた。アリスにとって、私にとって、アイドルもシャドバも大事なもの。どっちも大好きなものなんだ」
そんなアリスを救ったのは、ヒイロ、ミモリ、そしてカイの言葉だったということが、回想を挟みながら示されます。アリスの抱える闇は相当に深かったと思います。それを1回のバトルで解決するのではなく、数回に分けて解決へと導いていった1つのゴールが今回示されました。
アリス:「半端じゃない。この気持ちは100%掛ける2!本気のアイドルで、本気のシャドバプレイヤー。それがアタシ、黒羽アリスなんだよ!」
もともと嫌いだったアイドルという職業の尊さを教えてくれたのがミモリで、本気で勝ち負けを争ってシャドバすることの楽しさを教えてくれたのがヒイロで、そしてその両方を持っているからアリスがアリスたりえているということを示してくれたのがカイというわけですね。
構成を分かりやすくしているからすごく単純な話に思えるのですが、毒親と資本主義に歪まされた子供の自意識を、ここまで美しく納得できる形で方向転換させる様子を描いているのはすごいと思うんですよね。
その完璧に設計された物語に、作画班も本気の作画で答えているわけです。ビビアンの鬼気迫るプレッシャーと、心の内側に巣くう闇に苛まれたアリスが、仲間の力を借りてすべてをはねのける様子。美しいとしか言いようがありません。
アリスの強い決意に呼応して、伝説のカードが光ります。ルナとアリスの声色を絶妙に使い分ける小倉唯さんの演技が光りますね。
カイ:計算よりも大事なもの
カイは自分の計算能力に自信があるがゆえ、その反面にある心のもろさをたびたび露呈してきたプレイヤーです。しかし、数々の試練を乗り越えて、ヴァネッサの挑発に屈することなくあらがい続けます。
カイ:「僕は3つ過ちを犯しました。まず1つ、僕がいるのは数学の世界ではなかった。ゆえに絶対はない。2つ、世界のためにバトルすると言ったこと。3つ目、あと1つは、彼女を見捨ててここにきたこと。あのとき僕は超天才ではなかった。ただの凡人だった。でも、僕はもう一度超天才に戻り、過ちを完璧に訂正します。僕は仲間のためにバトルする!そしてあなたを倒して、仲間を救いにいく!」
言葉遊びが入っているためここは少し分かりにくかったですが、アリスとのやりとりを自分の中で反芻することで、カイは自らの考えが間違っていたことに気づけたわけですね。
1つ目はアリスに気づかされたことです。数学の世界には絶対の答えがありますが、それはシャドバに当てはまるというものではないということ。これはカードゲーマーからすると眉唾ですがアニシャドの世界ではいろんなことが起きますからね。
2と3は一緒のことを言っています。世界を救うということをカイは口にしていましたが、はっきりと実感を持って捉えているモチベーションではなかったということでしょう。それよりも、仲間のために戦うことの方がよっぽどカイにとって重要で、力が湧いてくるモチベーションなのだと認識を改めたのではないかなと思います。
「効率も計算も必要ありません。いま僕が求めているのは、心の力!それが起こす奇跡!ただ1つ!」
いじられキャラという側面があるためちょっとわかりにくいのですが、カイは他人に対して冷淡なところも見え隠れするキャラでした。自らの有能性を示すためではなく、本気で仲間を想って戦おうと決意することは、実は彼にとって大きな変化だったのだと思います。
カイが戦うための意義、そしてこの場を逆転するための手段を正しく認識した瞬間、伝説のカードが光ります。イザベルはカイの背中側に立っていましたが、これは胸元がどうなっているか考えさせないための演出なのかなと思いました…。
バトル後のアリスとカイ
試合が終わったあと、カイは災いの樹へ向かう最短ルートを外れて、アリスの遺跡の方へと向かいます。
アリスはいつもの調子でカイをからかうわけですが、そのときに見せる笑顔が、これまでに見たことのない本気の笑顔だったのがまあ本当に尊いなと思いました。
あの笑顔が、27話の"作り物っぽい笑顔"に対する回答だったのだろうと思っています。カイは恥ずかしがって何も言ってくれませんでしたが、ポスターの笑顔よりもよっぽど素敵だと思っていたに違いありません。アリスの中で大きな変化が起きたから、本気で笑えるようになったのでしょう。
カイ:「絶対のないこの世界では、効率よりも計算よりも、仲間の方が大切だと、そう理解したからですよ」
アリス:「ふーん、何言ってるかわっかんない」
カイ:「そうですか」
アリス:「ま、アリスもおんなじ気持ちだけど」
カイの中でもちゃんと変化が起きていることが、セリフの中で言語化されます。効率を重視するよりも、仲間を想って行動することが大事だと、ちゃんと気づけたわけですね。
アリスの方も、そこまで仲間を強く信頼するキャラではなかったのですが、カイとのやりとりを通じてちゃんと同じ気持ちが芽生えていることが確認できます。
この2人は伝説のカードにふさわしい心構えを持つことができました。タイトルの「重なる答え」というのもエモーショナルで良いですね。
「重なる想い。生まれる奇跡!」って感じです。
認めてもらえないルシアとマウラ
一方で伝説のカードにふさわしくないと判定されてしまったのがルシアとマウラです。スマホの中でグレーアウトしている状態は、手に入れたけど使えないということを示していたわけですね。
ルシアが伝説のカードを手に入れる瞬間が冒頭で描かれますが、一瞬現れたユリアスはルシアに話しかけてくれません。ルシアのことを認識はしているようでしたが、話しかける価値がないかのように。
この構成も対照的で本当に見事なんですよね。仲間のためにバトルすることに気づいたアリスとカイは伝説のカードを手に入れて、それに気づけないルシアとマウラは認められていないわけです。
次回予告を見る限り、ルシアは次回試練を与えられるようです。マウラはどうでしょうか。レオンがカギになるのではと思っていますが、どのように克服するのでしょう。楽しみですね。
今回は棋譜なしです。何かあればご連絡ください。
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27話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
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