ネタバレします!!
31話はミモリとカズキが伝説のカードを手に入れる回です。前半でミモリ戦の決着が着き、その後はカズキのバトルが展開されます。
ミモリ&タクマ vs セイヤ
ミモリの覚悟
絶体絶命のピンチに追い込まれたミモリのターンから31話はスタートです。体力は1対20で、セイヤの盤面にはデカいフォロワーがたくさんいます。
ミモリ:「セイヤさんの言う通り、世界には悪い人もいる。酷いことをする人もいるかもしれない。でも、手を取り合える日が必ず来るから。だから私は、人の可能性を信じるって決めます。それが、私の覚悟です」
ミモリが伝説のカードに認められるときのセリフです。「特別になれない普通の女の子」という文脈からアリサが出てくるのかなと予想していたのですが、違いました。
これは1話からの伏線なのではないかと思います。実に30話ごしのロングパスです。1話で自分のスマホを奪った張本人が横にいて、一緒に世界の危機に立ち向かってくれているというこの状況を引き合いに出して、酷いことをする人ともいつか手を取り合えると言っているのです。
ミモリはアリスとの絡みの中で「普通vs特別」の価値観争いには折り合いをつけて、さらにもう1歩前に進もうとしているのだなと思いました。本当に強くなりましたよね。
13ターン
決着のターンを見ていきましょう。
グロリアス・スラッシュ
10コストスペル
相手のフォロワー1体を破壊する。
相手の場のフォロワーの数が自分より多いなら、グロリアスパラディンを1体場に出す。
聖騎士の剣
?コストアミュレット
自分がフォロワーをプレイしたとき、それは疾走を持ち、このカードは消滅する
グロリアス・スラッシュで相手のフォロワーを1体破壊、グロリアス・パラディンでもう1体破壊してそのターンはしのぎ、ラストワードで出てきた聖騎士の剣でフィニッシュを狙うというカードのようです。時間がかかるのでそこまで強くはないですね。
このターンにミモリはフォロワーを5面展開するため、聖騎士の剣は発動すると消えるはずです。
副題の「勇者の剣」は31話に出てくる2本の剣のことを指しています。1本目はタクマが残した剣です。タクマも勇者の1人ということではないでしょうか。
ミモリ:「汝、生い茂る新緑。数多の妖精を統べし者。お願い、シャイニングヴァルキリー!」
ミモリの口上があって伝説のカードが出てきます。
シャイニングヴァルキリー
5コスト2/5→4/7
ファンファーレ:フェアリーを1枚手札に加える。前の相手にターンに自分のリーダーが5ダメージ以上受けていたらさらに2枚フェアリーを手札に加える。この効果で加えたフェアリーのコストを0にする。
攻撃時:自身を+X/+0する。Xは自分の場のフェアリーの攻撃力の合計である。
普通にプレイをしたら0/1/1がくっついているだけの5/2/5バニラということで、あまり強くないカードだなと思います。本体に疾走がついていて全然良かったレベルです。
5ダメージ以上受けていたらファンファーレで0コストフェアリーを3枚ゲットなので、リノセウスの打点向上には活用できます。フェアリーを集めるためにプレイをして、相手がこのカードを破壊してこなかったら返しのターンでフェアリーを並べちゃうぞと構えるのが基本の使い方になるでしょうか。
ミモリは5コストのシャイニングヴァルキリーをプレイし、0コストのフェアリーを3枚、そして5コストのブリリアントフェアリーをプレイします。
ブリリアントフェアリーの効果でシャイニングヴァルキリーが+1/+1、フェアリーすべてが+2/+0されて疾走します。フェアリー(3/1)3体で9点、シャイニングヴァルキリー(2/5+1/1+9/0)で12点の21点パンチで大逆転フィニッシュでした。
タクマとセイヤ
セイヤは虚ろの影が抜けて、すぐに気を失ってしまいます。
セイヤ:「ありがとう、お嬢さん。それと、僕の…自慢の…」
タクマとセイヤの物語に用意された結末は、多くの言葉を用いないシンプルなものでした。
虚ろの影に乗っ取られて世界を崩壊へと導いてしまいかねなかったセイヤを、タクマはバトルで撃ち破ります。タクマは何をしても勝てなかった兄を乗り越え、世界を救う手助けをしたわけです。
そんなタクマを、セイヤは「僕の自慢の弟だ」というセリフで称賛します。セイヤなら普段からそんな言葉をタクマに対して使っていそうではありますが、この局面で出てくる言葉には重みがありますね。
タクマ側にとっても、虚ろの影に乗っ取られた兄を救ったこと、世界を救う手助けをしたことには充足感があるのでしょう。満足げな表情をしていました。
タクマ:「聞いたかよクソ兄貴。絶対世界救うってよ。そんな大それたこと平気な顔で言いやがって。普通じゃねえな、あいつ」
タクマのこのセリフを聞いて、セイヤはうっすらと微笑みます。こういうハプニングを乗り越えて、この兄弟はゆっくりと打ち解けていけそうだなという安心感を私は抱きました。
それと同時に、第三者から見ればミモリも「普通じゃない」側の人間に見えるという視点が提示されます。たった少しのセリフの中に、様々なニュアンスが込められていますね。
カズキ&ヒイロ vs ズオウ&コウ
ロイヤルの遺跡で待ち構えていたズオウとコウを相手に、カズキは1人でバトルをしています。18話でカイとタッグを組んで撃ち破った相手ですが、今回はヒイロが途中で乱入します。
1~3ターン目はカットされていますが推測可能です。
1ターン
2ターン
呪剣の吸血鬼でクイックブレーダーを破壊します。
3ターン
4ターン
ゴブリンスレイヤー・ルシウスをプレイします。ズオウはすべてのフォロワーに1ダメージと言っていましたが、正確に言うと1コストフォロワーのナイトとニンジャエッグには2ダメージが入っています。
4/4のバーバリックデーモンに対して横並べで対抗しようとしたカズキを阻むプレイとなりました。
相手の4/3と3/3の盤面に対してドラゴンウォーリアは完璧な回答でした。
5ターン
リリムを出して、処刑人の斧とメドゥーサの魔眼で効果を付与します。
処刑人の斧は1コストで突進を付与するカードです。
メドゥーサの魔眼はメドゥーサ本体が持っている、攻撃時に一方的に破壊する効果を付与するカードです。
どちらのカードも手札を消費してまでやりたいことではないので、基本的には使われないカードたちでした。
このターンはパーシヴァルを進化してリリムを破壊します。
6ターン
7コスト以下のフォロワーならなんでも可です。ドラゴンガードだったということにしておきます。
無償で大きいフォロワーを突破しつつ、アイラを置くことでPPもブーストできます。この試合はヒイロの動きが毎ターンキレイです。
7ターン
メドゥーサを進化してアイラを倒します。攻撃時能力があるので、体力が削れずに7/6のサイズで場に残ることができます。
ただ、アイラを破壊するとその場でPPブーストしてしまうので、わざわざ進化を切ってまで破壊する必要はなかったかなと思いました。結果論ですが、終盤カズキたちは残り体力2まで追い詰められるので、この進化権が残っていればズオウたちの勝利でした。
「きてくれたか!」とカズキは言っていましたがこのカードを引いていなければだいぶ厳しかったですね。
8ターン
まずは侵食する災いをプレイします。0コストでフォロワーがすべてシャドウ化するカードです。ジュスティーヌ姉妹も使っていたカードです。
そして虚無竜の笛というアニメオリジナルカードをプレイします。
虚無竜の笛
3コストアミュレット
ファンファーレ:自分の手札のシャドウ化したフォロワーすべてをシャドウ・フレイムドラゴンに変身させる
自分の手札にシャドウ化したフォロワーが加わるたび、シャドウ・フレイムドラゴンに変身させる
18話でズオウが使った竜呼びの笛のシャドウ化バージョンです。
ジュスティーヌ姉妹が使った虚無への道と同じく、侵食する災いをプレイしないと起動できないカードです。
竜呼びの笛はスペルやアミュレットも変身させますが、侵食する災いでシャドウ化するのはおそらくフォロワーだけなので、虚無竜の笛はフォロワーしか変身させられないのかなと思いました。
竜呼びの笛は手札をヘルフレイムドラゴンに変身させるカードですが、虚無竜の笛はシャドウ・フレイムドラゴンというカードに変身させます。
シャドウ・フレイムドラゴン
3コスト4/3
ファンファーレ:相手のフォロワー1体に4ダメージ
自分の場に3体のシャドウ・フレイムドラゴンがいるとき、合体してシャドウ・トリプルドラゴンに変身する
同じ4点ですが、ヘルフレイムドラゴンは突進で、シャドウ・フレイムドラゴンはファンファーレで4点飛ばすので自身の体力が削れません。合体する効果も持っています。その分コストが1つ重い3になっています。
シャドウ・トリプルドラゴン
?コスト6/5
疾走
ラストワード:シャドウ・フレイムドラゴン1体を場に出す
比較的緩い条件でシャドウ・トリプルドラゴンに合体できます。ドラゴンが3体合体して三つ首になるのは、カードゲームのお約束です。
このターンは合体まではいかず、2体のシャドウ・フレイムドラゴンでフロントガードジェネラルとフォートレスガードを破壊します。
9ターン
増殖する虚無
1コストスペル
自分の手札を1枚捨ててシャドウソルジャーを3枚手札に加える
虚無竜の笛のためにあるようなカードです。侵食する災いをプレイしていなくても、シャドウソルジャーはシャドウ化したフォロワー扱いになったりするのでしょうか?
3体のシャドウ・フレイムドラゴンをプレイして相手の盤面を破壊し、シャドウ・トリプルドラゴンへと合体させます。
これがこのデッキの一番強い動きですね。盤面に4点を3回飛ばしつつ、6/5疾走で相手の体力を詰める動きです。手札を一気に消費するので、手札をいかに補充するかが大事になりそうです。
カズキ:「汝は世界を変える剣!切り裂け!レジェンドソードコマンダー!」
ビクトリーブレイダーに続いてこちらもイケメン剣士でした。
レジェンドソードコマンダー
9コスト5/5→7/7
突進
ファンファーレ:伝説の剣を1枚場に出す
伝説の剣が場に存在する限り、このフォロワーはダメージを受けない
伝説の剣
?コストアミュレット
自分の場のレジェンドソードコマンダーが攻撃するとき、相手のリーダーに3ダメージを与える
レジェンドソードコマンダーは破壊耐性がないのであっさり破壊されてしまうと弱いですが、破壊されない限りは5点で殴りつつ3点を飛ばし続けるカードです。どちらかが破壊されてしまうと途端に弱くなりますね。初期のロイヤルらしい堅実な性能という感じです。
伝説の剣というのはさすがに名前がシンプルすぎないでしょうか…。まあわかりやすいのは良いことですね。これが副題の「勇者の剣」の2本目です。
三つ首の竜を剣士がぶった切るという、これまたカードゲームのお約束の展開です。
シャドウ・トリプルドラゴンのラストワードでシャドウ・フレイムドラゴンが1体出てきます。継戦能力があって便利ですね。
10ターン
竜の知恵で手札を補充して、シャドウ・フレイムドラゴンを2体プレイし、合体させたシャドウ・トリプルドラゴンでリーダーを攻撃します。
前のターンにシャドウ・トリプルドラゴンのラストワードで出てきたシャドウ・フレイムドラゴンは、普通の処理に則ると攻撃可能です。シャドウ・フレイムドラゴンを合体させる前に攻撃して4点、合体させたシャドウ・トリプルドラゴンで攻撃して6点でズオウたちの勝ちだったのでは?と疑念が生まれるシーンです。
攻撃しないorできないのが正だとすると、以下の2つの可能性があります。
①シャドウ・フレイムドラゴンが「相手のリーダーを攻撃不可」というテキストを持っている説
↑この場合はズオウが説明するような気がします。
②攻撃権を使用したフォロワーが1体でも含まれていると、合体後のフォロワーは攻撃権を持たない説
↑こういう仕様があるのだとすれば、変身後のシャドウ・トリプルドラゴンで殴ったほうが2点分得なので、シャドウ・フレイムドラゴンではあえて攻撃しないという行動になります。
本家のフラム=グラス、メドゥシアナ、マリオネット・トレはいずれもターン開始時に合体してしまうため、この処理順を試すことができません。真相は闇の中です。
ヒイロがインフィニットフレイムドラゴンをプレイして勝つのかなと思ったのですが、あくまで今回はカズキの回ということで、カズキを立てるプレイをします。竜の力でレジェンドソードコマンダーを+3/+3して勝利でした。
花を持たせてあげるヒイロくん偉い!
シャドバが弱いカズキ
カズキが伝説のカードに認められる場面は、他のキャラクターたちとは一風変わっていました。彼は誰の助けを借りるでもなく、1人で覚悟を決めます。
コウ:「この世界は弱肉強食。弱きものはすべて我ら強者に食われる」
ズオウ:「その通り。お前たちも、その仲間も、弱い奴らは全部オレたちの獲物だ!まとめて食ってやる!」
カズキ:「そんなこと言われたら、諦めるわけにいかないじゃんね。オレの弟たちも、弱いけど、みんなシャドバ大好きでさ。何度負けてももう一回って。そんな弟たちがオレは大好きなんだ。あいつらだけじゃない。父ちゃんや母ちゃん、シャドバ強くない友達だって、みんな大好きじゃんね。オレはバカだし、ヒイロやルシアほど強くもない。でも、好きなものを守りたいって気持ちは、誰にも負けてないじゃんね!」
ズオウ&コウが唱える弱肉強食という概念に反応して、カズキは自分の兄弟たちを回想します。カズキの兄弟のように、シャドバが弱い人も守りたいという気持ちが、伝説のカードを呼び覚まします。自分自身の中にトリガーがあったというのがカズキのすごいところです。
「カズキはバカでシャドバが弱い」という設定は、シャドウバースチャンピオンバトルの方でかなり補強されていて、エモーショナルなサブストーリーがついています。シャドバトを持っている方はやってみてください。
主人公格のキャラの中に"弱い"キャラを作ることは少し意外だなと思います。シャドバでは8リーダー横並びという考え方が底流しており、本家のストーリーでは8人の群像劇になっているためです。
一方、全年齢対象のホビーアニメという観点では、カズキのようなキャラがいてくれることに安心感を覚えます。カードゲームは1対1で勝敗がつくので、勝てる人と勝てない人の差がどうしても出てきてしまいます。勝てなくても好きでいていいのだというのは大事なメッセージなのだと思います。
カズキよりもさらにシャドバが弱い人たちの名前を挙げて、カズキ自身が弱者の代表として世界を守るために戦うという構図を作っているのですね。
ズオウ:「気持ちだけでオレたちに勝てると思ってんのか!」
コウ:「お前はもう負けるだけ」
カズキ:「いいや!まだ負けてない!負けてないってことは、勝てるってこと!オレはどんなときでも諦めない。それが、オレの覚悟じゃんね!」
ここは以前からカズキが繰り返し口にするセリフでした。
エリカさんは本家だと険しい顔や苦しい顔ばかりする人だったので、ニッコリ笑顔を見ることができて幸せになりました。
認められていないマウラ
バトルの合間にマウラが映りました。レオンと電話していたようです。
わかっていますよレオン様。たとえこの力を使いこなしたとして、世界が救えたとして、それで僕は…僕は…
とても不穏ですね。伝説のカードに認めてもらっていないのはこれでマウラだけとなりました。次回はマウラの回ということで楽しみです。
棋譜
久しぶりに棋譜が書けるぐらいヒントがもらえたバトルでした。
何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter
30話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
感想の一覧はこちら。
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