ネタバレします!!
33話は闇堕ちしてしまったマウラに対して、ヒイロとルシアがタッグを組んで挑むお話です。今までとは異次元のインチキカードが出てきて、クライマックス感がでてきました。
ヒイロ&ルシア vs マウラ
32話のラストでマウラは虚ろの影に乗っ取られてしまいました。両手足が水色に変色し、顔にも同じ色のあざが出現します。
マウラは叫び声を上げると周りの建物が粉々になるほどのパワーを得ています。シャドバならなんとかなるかもしれないと、ルシアとヒイロはマウラにバトルを挑みます。めちゃくちゃな世界観ですがこれぞカードゲームアニメという感じで好きです。
マウラの腕からは、スマホを装着するホルダーが消滅しています。デバイスに頼らずともシャドバができる体になったようです。全身シャドバ人間…!カードの動きもマウラは微妙に異なっています。
1ターン
ギルティ・シールド
1コストスペル
自分のリーダーは「ダメージを受けるときそれを-2する」を持つ
(おそらく「この能力は重複しない」というテキストもあるはず)
今までアニメオリジナルのカードはいろいろと出てきましたが、どれも現実的な能力を持っていました。しかしこのカードは突き抜けています。カードパワーが異次元に高く、このカード1枚でゲームに勝ってしまうこともあるでしょう。
アグロタイプのデッキは序盤から細かく打点を積み重ねていくため、コスト1のスペルでダメージが防がれるようになると手立てがありません。
アグロ以外にも、背徳バアルヴァンパイアや魔道具専門店ウィッチといったデッキは1点や2点の細かいダメージを何度もリーダーに飛ばして体力を削るデッキなので、ギルティ・シールドを使われた瞬間負けてしまいます。
あと、大きな意味はないですが、カード紹介でギルティ・シールドはネメシスクラスのカードという表示がありましたね。
蠢く死霊をプレイします。お互いのリーダーに1ダメージを与えるカードです。ギルティ・シールドの効果がここでわかります。
ギルティ・シールドというカードがヤバいカードであるということが判明する瞬間です。1話から32話までやってきたバトルとは異質のものが展開される予感がありました。
2ターン
竜の託宣をプレイします。相手がインチキカードを使っているので、PPをブーストして対抗せねばなりません。
せっかくルシアが1ターン目からフォロワーを置いたのに、ギルティ・シールドに防がれるため攻撃できません。
3ターン
カースメイデン
3コスト1/2
ファンファーレ:自分のアミュレット1つのカウントダウンを1進める。
自分の場のアミュレットが破壊されたとき、デッキからラストワードを持つカードを1枚手札に加える。
次のターンに詠唱:獣姫の呼び声が割れます。攻撃可能な1/2と2/1がいて、4/4も横に出てきます。
ルシアの手札からとれる選択肢は、「貴き血牙+ブラッドウルフ」「ダークジェネラル」「ジュエルデビル・モリアナ」ぐらいでしょうか。
ルシアが説明してくれている通り、4/3のダークジェネラルを置いておくことで圧力をかけるプレイが選ばれました。
あえて補足するなら、4/3のダークジェネラルは場に残ると、せっかく作った4/4のホーリーフレイムタイガーと相討ちができるので、マウラにとっては邪魔くさいということですね。
このターンも本来なら蠢く死霊が攻撃できたターンです。
4ターン
カースメイデンとホーリーファルコンでダークジェネラルに攻撃します。手札に除去カードがあればリーダーの体力を削れましたが、ルシアの狙い通りの展開になりました。
詠唱:清浄の狐をプレイして、継続的にカウントダウンアミュレットで攻めていくことを狙います。
相手はビショップなので、アイラが漆黒の法典で消滅される可能性があります。2ターンに1回しか行動できないタッグバトルで、キレイに相討ちできたのはラッキーですね。
このターンも本来なら蠢く死霊が攻撃できたので、合計で4点分カットされてしまいました。
5ターン
マウラはカウントダウンアミュレットを配置してじっくり戦う構えです。詠唱:神域の守護者と詠唱:白翼への祈りをプレイして、気高き教理で神域の守護者のカウントダウンを進めます。
4/2のムシュフシュが相手の場に残っているのが多少気になります。気高き教理を白翼への祈りの方へ撃てば、出てきたホーリーファルコンでムシュフシュを破壊できました。
体力を押し込まれているわけでもないので、焦って除去をする必要もないという判断だったのでしょうか。
6ターン
ガーディアンフォックスを進化してキャタラクトビーストを攻撃します。キャタラクトビーストの交戦時能力でガーディアンフォックスに1ダメージ入っているのですが、その演出はカットされていました。
ゴッド・オブ・カースをプレイします。このターンにゴッド・オブ・カースがキレイに着地できるように、アミュレットのカウントダウンを調整していた感じですね。
オレだけじゃゴッド・オブ・カースは倒せねえということで、ラストワード発動は諦めました。
7ターン
ホーリーファルコンが出てきたタイミングがぴったりで、進化したハイドラが簡単に破壊されてしまいました。
マイニュとホーリーフォックス・グリモーをプレイします。どちらも選択不可のテキストを持つカードです。
潜伏しているゴッド・オブ・カースを破壊できるカードはヴァンパイアにはほとんどないので、このカードが引けていてラッキーでした。
8コストの黙示録を7ターン目に撃てたのはヒイロがPPブーストをしたおかげなので、友情の力というのもあながち間違いではないですね。
ここからしばらく、BGMが大いなる決闘という曲のアレンジになります。世界大会でのみかかる勇ましいBGMで、聞いていると世界大会の名場面が脳裏に浮かんできます。
8ターン
エターナル・ドグマ
8コストスペル
自分のリーダーの体力上限値を40にして体力を最大まで回復する
このバトル中に自分がギルティ・シールドをプレイしていたならシャドウアサルトを5体場に出す
5, 6ターン目で決着がつくことがあるシャドバにおいて、8コストであるというだけで評価は低めになりますが、これもかなり強いカードです。
リーダーの体力の最大値を上げるだけでなく、ものすごい量を回復をするのがまずはすごいですね。体力が1まで追い詰められていたとしたら39点の回復となり、それだけで破格のコストパフォーマンスになります。
体力最大値を上げるカードは長い歴史の中で招来の大天使のみです。5点上がっただけでもリーサルラインがかなり遠のきます。
そしてついでのようにシャドウアサルトが5体出てきます。シャドウアサルトは以前も登場したトークンです。
シャドウアサルト
5コスト5/5→7/7
このフォロワーは相手のフォロワーを攻撃することができない。
このフォロワーは相手の守護を持つフォロワーを無視して相手のリーダーに攻撃することができる
ただのバニラが出てくるだけなら、細かい守護を並べられると盤面がロックされてしまうのですが、守護を無視するので圧力が高めです。
同じ8コストで、「復讐状態なら」という条件付きで5/5バニラを5体並べるカードがありました。このカードでも決まれば結構強かったので、いかにいまの盤面が絶望的かわかりますね。
5/5の5体は頑張ればなんとかなると思うのですが、ギルティ・シールドが守っている40点をどうやって0にするかは見当がつかないですね。ヒイロたちもインチキカードを使うのでしょうか。
あくまで既存のカードだけで戦ってくれるのだとしたら、ルシアが22話で使ったアザゼルが効果的に見えます。どれだけ体力があっても強制的に10にしてしまうカードです。
マウラとルシアの対比
タッグバトルというシステムが登場して以来、主人公とライバルのタッグもどこかでやってくれるだろうなと期待していましたが、ついにここでやってきましたね。
初めてのタッグということで、ヒイロとルシアは互いにコミュニケーションをとりながらバトルをする姿が印象的でした。いろいろなことがあって、だいぶ仲良くなりましたからね。
ヒイロが横に来たことによって、ルシアとマウラの対比が鮮明になったなあと思いました。苦労人という観点では、世界を救うことになった7人の中でマウラに一番近いのはルシアです。
ルシア:「ここまで来たのは何のためだ?君にも、守りたい何かがあるんじゃないのか?」
↑これはルシアらしい発言だなと思いました。シオリのことを念頭に置き、自分との共通点を探る意図だったと思うのですが、マウラの境遇は少し異質だったわけです。
マウラにはレオンとの約束を守りたいという想いは確かにあるでしょうが、その約束を果たすと自分の存在が消えてしまいます。約束と生きたいという願いに板挟みとなってしまったのがマウラという人間でした。何かを守りたいと単純に思っているわけではないんですね。
世界を守るために戦うモチベーションが異質だったため、ルシアはマウラの心に踏み込んでいけそうにありません。
ヒイロの偽善
ルシアですらマウラとは距離があるのだから、ヒイロが近づけるはずはありません。
マウラ:「生きたいなんてそんな感情、気づかなければよかったんです。そうすれば世界は救われたのにね」
ヒイロ:「そんなことない!お前を犠牲にして救った世界に、意味なんてないだろ!」
マウラ:「お優しいですね。だけどそれは偽善だ!そんな偽善じゃ僕の物語は変わらない!」
ヒイロのあらゆる言葉は、マウラの言う通り偽善にしか聞こえないんですよね。
たった1人の命を犠牲にするだけで世界70億人が救われるなら、その1人は犠牲になるべきです。子供でもわかる話です。
でも、ヒイロならそう言うだろうなという納得感も同時にあります。言うなればヒイロの"芸風"ですよね。これを続けた結果、ヒイロはルシアを救ってしまったのですから。
絶対に誰も見捨てない、諦めないというヒイロの圧倒的な主人公力があるから、周りの人間が深い闇へと堕ちていく様子が描けるのだなと思います。主人公が引っ張られて一緒に闇に堕ちているようでは、物語として成り立たないですから。
マウラの悲痛に満ちた運命を聞いたとき、ヒイロが悲しんだり落ち込んだり同情したりする方が違和感があっただろうなと思うぐらいには、ヒイロという主人公はブレずに描かれてきました。アリスのとき然り、ルシアのとき然り、ヒイロは諦めずにマウラを救おうとし続けるでしょう。
レオンは悪か?
ヒイロが正論を言うシーンは少し上滑りして聞こえるのですが、彼の考え方を聞けるシーンもありました。
マウラ:「僕は、僕であることさえ許されない」
ヒイロ:「それはレオンのせいだ!」
マウラ:「いいや、レオン様は何も悪くない!レオン様は僕をここまで育ててくれた。僕を導いてくれたんです。悪いはずがない!悪いのは僕ですよ。レオン様の期待通りにあり続けられなかった、この僕が!」
ヒイロの目線ではレオンが悪者という構図になっているみたいです。しかし、レオンの行動原理も世界を救いたいというものであり、レオン=悪という描かれ方もされてきませんでした。視聴者とヒイロの目線が意図的にずらされるのですね。
世界を救うために生贄を用意する必要があると知ったとき、息も絶え絶えの孤児を拾ってきてその使命を与えたレオンの行動を、悪だと断ずることはできないでしょう。
誰が間違っているとも言い切れない立体的な関係の中で、ヒイロ、ルシア、マウラ、レオンのそれぞれのキャラクターに宿る意思がきちんと見えるため、深みのある物語が分かりやすく理解できます。
生贄の解釈
世界を救う戦いのカギになるのは、生贄がどういう存在かということでしょう。
レオン:「伝説のカードを用いるだけでは災いの樹を一時的に封じることしかできない。災いの樹を消し去るためには、虚ろの影を取り込んで、大いなる力を得るものが必要なんだ。その者の力を用いれば、災いの樹を完全に消滅させることができる」
マウラ:「僕はどうなってしまうんですか?」
レオン:「キミという存在は消え、そして、1人の救世主が生まれる。マウラ、お前は何のためにここにいる?」
「虚ろの影を取り込んで大いなる力を得るもの」というレオンの言葉は、実はもうすでにいまのマウラがそうなっているのでは?と考えられますね。マウラは叫ぶだけで衝撃波を起こせるほどの力を得ています。
竜ヶ崎エイジが虚ろの影をけしかけてマウラに取り付かせたのは、てっきり災いの樹の破壊を邪魔するためだと思ったのですが、逆だったのかもしれません。救世主を生み出すような行動をしています。
ただ、レオンはエイジの行動をよく思っていないみたいだったので、結局何が起きているのかはよくわからぬままです。
マウラの顔のあざは災いの樹の色をしていて、メイシアやユアンの姿を想起させます。管理者の器のような存在になるのかもしれないですね。
棋譜
2話分割ということでカットなしでした。
何かあればご連絡ください。
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32話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
感想の一覧はこちら。
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