ネタバレします!!
40話はアリスとルナがバトルする回です。小倉唯さんの1人劇場なのですがきっちり演じ分けられていて感動しました。面白いバトルの決着の仕方と、気合いの入った作画にも注目です。
アリス vs ルナ
バトルが始まるのは中盤ですがまずはバトルの内容を見ていきます。
2人がバトルをするルナ家の大部屋は、本家のネクロマンサークラスのステージがちゃんと再現されていました。
1ターン
ネクロテンプテーション
1コストスペル
自分のデッキのランダムなカード5枚を墓場に送る
アニシャドのカードプールだと1コストで墓場が6も貯まるそこそこ優秀なカードという感じですが、本家にこのカードがあるとゲームバランスが崩れるぐらいにはすごいカードです。
死期を視るもの・グレモリーは自分のデッキの枚数が墓場の枚数より少なくなったらデッキから直接召喚され、1ターンに1回、ネクロマンスをするとPPを回復するというすごい状態になります。
デッキを圧縮しつつ墓場を貯められるネクロテンプテーションというカードはグレモリーの条件達成にうってつけのカードです。
2ターン
魂の妄執
2コストスペル
相手フォロワー1体に3ダメージ
ネクロマンス4:カードを1枚引く
ありそうでなかったネクロマンスでドローをする除去カードです。ゾンビドッグを破壊しました。ゾンビドッグは手札に戻ってしまいますが、ルナ側もドローをしているのでトントンといった感じです。
「猛襲」かと思ったのですが良く見てみるとカード名が見えて「妄執」でした。
3ターン
手札が見えているのでこのターンの動きは確定です。スパルトイソルジャーを出します。
スカルビーストが攻撃できるのでリーダーを攻撃します。
1コスト余るので手札に見えていたスケルトンファイターもプレイしたものと思われます。ネクロマンスは2あるので+1/+1されます。
4ターン
このターンは再生の呪印を場のスカルビーストに使い、+2/+0してラストワード「ゾンビを出す」を付与したものと思われます。
これでルナの盤面のスケルトンファイターと相討ちすることで、ゾンビが場に出てきます。
ソウルネクロマンサー
4コスト2/2→3/3
ファンファーレ:場が上限になるまでデッキからフォロワーをランダムに出し、それらは能力をすべて失って破壊される
進化時:このターン中に破壊されたコスト2以下のフォロワーをすべて場に出す
ファンファーレの処理は旧ネフティスと似ています。
ネフティスと違って場に出たカードの能力は失われるため、ラストワードは働きません。ただただ墓場が肥えるだけですがネクロマンサークラスにとってはそれだけでも優秀な能力と言えます。
進化を使うとこのターンに破壊された2コスト以下のフォロワーが復活します。もともと盤面にフォロワーがいて破壊されていればそれも復活しますね。
進化時効果はデッキから2コスト以下のフォロワーをどのぐらい引っこ抜けるかという運要素の強い効果です。デッキ中の1, 2コストフォロワーを多めにしておけばたくさん出てきますが、それではあまり強いデッキにならないのが難しいところです。
5ターン
アリスの手札で見えているカードは腐の嵐、ソウルハント、ゾンビドッグです。
ルナの場には4面並んでいますがアリスの体力は7ターン目まで20のままのため、ここは腐の嵐で処理をしたものと思われます。
2コスト余るのでゾンビドッグを置いておいたものと思われます。
ルナの体力はカットされている間に2点削れていたため、このゾンビドッグは無視して、次のターンにリーダーに攻撃をされたのだと予想します。ゾンビドッグは破壊しても手札に戻るため、無理に破壊するメリットも薄いです。
ルナの手札の枚数的にここはカード2枚を消費しているので、怪犬の墓守と3コストフォロワーを出してターンエンドが自然かなと思います。
3コストフォロワーはネクロマンスを増減させなければなんでもいいので死を追う者だったということにしておきます。
6ターン
一方アリスの体力は削れていなかったため、ルナの場の2面は処理したものと思われます。3コスト除去カードであるソウルハントが手札に見えているのでこれでまずは死を追う者を破壊します。
3コストフォロワーを進化させて怪犬の墓守を破壊すると自然な動きになるので、以前も使っていたネクロエレメンタラーを進化させたことにします。
ダークコンジュラーをプレイします。ダークコンジュラーの効果でゴーストが1体出てきます。このゴーストを使うことで邪魔なゾンビドッグが綺麗に破壊できます。
7ターン
ネクロマンスは十分に貯まっているのでギルティークーリエに4ダメージを飛ばして破壊します。
このターンはPPを使い切っていたので、3コストの死の一閃を使ってダークコンジュラーを破壊したものと思われます。
これでアニメの状況と一応符合させることができます。
クルーエルゴースト
3コスト0/5
自分のフォロワーが攻撃するたび、ランダムな相手フォロワーに1ダメージ
ラストワード:エイドゴーストを1枚手札に加える
攻撃が0でラストワードがあるため、対戦相手としては破壊せずに放っておきたいカードです。常駐の効果をどれだけ強く使えるかという感じのカードです。
ファントムハウルをプレイします。
コンボですね。疾走フォロワーを出せばどんな状況であろうと攻撃ができるので、クルーエルゴーストとの噛み合いが良いです。
8ターン
ネクロアサシンの効果でクルーエルゴーストが破壊されます。手札に戻ってきたゾンビドッグを再び場に出します。
エイドゴースト
3コスト0/5
自分がネクロマンスするとき、そのネクロマンスの値を0にする
ターン終了時:自分のリーダーを5回復する
ラストワード:アブソリュートゴーストを手札に加える
ミントのような効果です。
ミントの場合は墓場を+20して、今貯まっている墓場までのネクロマンスが自由に使えるようになります。エイドゴーストはネクロマンスを0にすると言っていたので、その上位互換でなんでも好きに使えるようになるみたいです。レジェンドカード並みの強い能力です。
クルーエルゴーストと違ってエイドゴーストは早く破壊しないとやりたい放題やられてしまいます。ターン終了時の5点回復も強いですね。しかしラストワードを持っているのがいやらしいカードです。
デッドリーウィドウと双翼の警護者をプレイして、ネクロマンスを働かせます。デッドリーウィドウは+2/+2され、双翼の警護者の効果でゾンビドッグに2点を与えて破壊します。
双翼の警護者を進化してネクロアサシンを破壊します。
9ターン
ゾンビドッグをプレイします。
怨嗟の声をプレイしてゴーストを2体出します。
ゾンビドッグを進化してエイドゴーストに攻撃することでルナの盤面のフォロワーをを全て破壊します。
アブソリュートゴースト
9コスト0/3
能力によって選択することができない
相手のフォロワーに攻撃されたとき、デッキからランダムな3枚のカードを墓場に送り、攻撃したフォロワーを破壊する
攻撃時:ネクロマンス20:自身を+10/+10する
9コスト払う割にスタッツが貧弱です。攻撃無効と選択不可効果を持っていますが、軽めのAOEで吹き飛ばされてしまいます。ランダム破壊も効きます。腐の嵐、ネクロアサシン、よろめく不死者あたりがもう1枚あれば簡単に破壊できました。
10ターン
ファンファーレで相手のフォロワーを破壊する効果は、選択不可のため不発となります。疾走があるのでそのままアブソリュートゴーストを攻撃しようとして、効果に阻まれて破壊されてしまいました。
効果が分かっていれば相手のリーダーを攻撃するべきだったターンでしたが、ここでデッキを3枚墓場に送らせていなかったら勝っていないので、結果オーライという感じでしたね。
このターンは進化後のゾンビドッグが攻撃可能な状態で場にいるのですが攻撃しませんでした。バトルの決着には影響ありません。もしかしたらアブソリュートゴーストは守護を持っていたという可能性もあります。
アブソリュートゴーストでリーダーを攻撃します。攻撃時にネクロマンス20が働いて自身を+10/+10します。スケルトンオーガみたいな感じですね。
これでルナの体力は6です。
ターン終了時にスプリットゴーストの効果が働きます。
スプリットゴースト
6コスト5/5
自分のターン終了時:クルーエルゴーストとエイドゴーストを1枚ずつ自分のデッキに加える
5コストのカードがデッキに2枚入ったところで何も起きないのであまり強くないカードです。
11ターン
まずは盤面に残っているゾンビドッグでアブソリュートゴーストを攻撃します。これでルナのデッキは12枚です。
手札に戻ってきたゾンビドッグをプレイし、さらにデッキから引いたゾンビキャットをプレイします。
ゾンビキャット
8コスト6/6
ファンファーレ:自分の場のコスト2以下のフォロワー1体は突進を持つ。選択したフォロワーがこのバトル中に破壊された数だけ、そのフォロワーを場に出す
自分の場にコスト2以下のフォロワーが出るたびに、それは突進を持つ
ネクロマンスを使わない代わりにパワーが低いヘクターみたいな動きのカードです。
ここまででゾンビドッグは5回ぐらい破壊されているので破壊された数は十分です。手札から出したゾンビドッグ1体と、復活したゾンビドッグ3体でアブソリュートゴーストを攻撃することで、ルナのデッキはちょうど0枚になります。
デッキがなくなって負けることを他のTCGではLO(ライブラリーアウト)と呼ぶのでシャドバでも慣例的にLOと呼ばれます。シャドバの公式の扱いは、デッキの一番下に死神のカードがあるという扱いで、「死神のカードを引くと負け」みたいな言い方をされます。
アニシャドではじめてLO負けが描かれた回となりました。本家のバトルでは泥仕合の果てにLOで決着が着くことはたまにありますが、意図的にLOさせるカードはありませんし、今回のように相手のカードを利用してLOで勝つこともほぼありません。本家を遊んでいる自分から見ても、今回のアリスの戦略は非常に面白かったです。
本家のキャラたちには敗北セリフを言わせるというノルマを今回も達成しました。ルナが本当に楽しそうだったのでほっこりするセリフでした。
今回は敗北セリフだけでなく、降参セリフも言ってくれました。
ミモリ戦とアリス戦
39話と40話でミモリとアリスのバトルが対になっていたのは面白かったですね。
ミモリ戦は意図的にLOさせてくるアリサに対して、デッキを最後まで掘り切るミモリの熱い"勇気"を描いたバトルでした。一方アリス戦は、デッキをガンガン墓場送りにしてネクロマンスを貯めるルナに対して、あえてLOを狙って勝つというアリスの冷静な"戦略"を描いたバトルでした。
視聴者への配慮という意味でも考えられた構成です。ミモリ戦でデッキがなくなると負けちゃうという情報を先にインプットしていたからこそルナのデッキが0枚になって負けたことに納得感が出ますし、ある種の伏線としても機能していたわけです。
アリスがミモリ戦をヒントにしてこの作戦を思いつく、みたいな演出があるともっと面白かったなと思いますが、尺が厳しかったみたいですね。
アリサの世界とルナの世界
39話でアリサのいる異世界にミモリが飛ばされた時、ちらっとアリスの姿を捉えていました。40話でもその描写が出てきたので、アリサの世界とルナの世界は地続きになっているようです。
もしかしたらヒイロとローウェンも同じ世界にいたのかもしれないですね。アリサとルナがいた場所はたまたま同じ森だったけど、ローウェンがいた荒野は少し離れたところにある、みたいな感じで。
本家でもアリサのいる森とルナのお屋敷は近かったです。
お屋敷の雰囲気もなんとなく本家のイラスト背景に似ていましたね。
ルナの両親
ゴスロリファッションの幼女が2体のリアルな幽霊を侍らせているルナの立ち絵は、初めてみたときは衝撃的でした。
理不尽に殺されてしまった両親の魂を、生まれ持った死霊術の才能で現世に縛り付けてしまっているのがルナという女の子です。しかしアニシャドのルナの背後に両親の霊はいませんでした。
本家のルナは、両親が自分のすぐそばにいると認識していて、ときどき話しかけたりもしています。
一方でアニシャドのルナは「パパ、ママ、どこ?」と言っていたので両親の行方を知りません。アリサがロザリアのことを口に出さなかったように、記憶を失っているのかなと思います。
ただ、ローウェンが黒竜に呪われていたように、力自体を失っているわけではないのかなと思いました。お屋敷には幽霊がいて、「ルナが怖いことをするから」と本人が言うようにルナが使役しているものと思われます。「死んだお友達」がいるということも言っていましたし、死霊術の力は健在なのだと思います。
そうなるとルナの両親はこの世界でも縛り付けられていたのだろうかという疑問は出てきますがそれは分かりませんでした。
アリスの覚醒のトリガー
アリスはルナの両親がいないという話を聞いたことをトリガーに、本来の記憶を取り戻します。
ルナ:「ルナ、よくわかんない。ずっと1人だったから。パパとママがいなくなってから、ずっとここで。ルナが怖いことするからって。」
アリス:「そっか。寂しいよね、それ。なんかさ、アタシたち似てるかもね。アタシも…。(回想:わかった。じゃあね、ママ。)そうだ、私もママが…。そっか、なんかおかしかったなって。ただ忘れてただけだったんだ」
「私もママが」と言っているので、アリスにとってマネージャーである母親は、自分にとっていないも同然だったというようなニュアンスに聞こえます。電話口で呼ぶときはママと呼んでいたのにスマホの登録名が「マネージャー」だったので、アリスにとってはマネージャーでしかなかったのかもしれません。闇が深いですね。
「普通」と「特別」の話がトリガーになるのかなと予想していたのですが、そうではなくて母親の話がトリガーになりました。アリスの中で母親という存在がもたらす問題意識が大きいのだろうなと思いました。ルナとアリスの間で共通の話題にできるのが母親だけだったということもあると思いますが。
アリスとルナの本気
母親をトリガーにして、アリスは自身が国民的アイドルであるという事実を思い出します。自由に遊ぶ暇なんて一切ありませんでした。安寧の夢を抜け出して元の生活に戻る決意を、いかにして固めたのでしょうか。
キーワードは「本気」でした。
アリス:「さっきさ、どうしてシャドバが楽しいのかって聞いたよね。あるよ、シャドバが楽しい理由。本気でぶつかり合うから、本気でやるからシャドバって面白いんだよ」
8話でヒイロとバトルしたときに、アリスの心に残った言葉だったのでしょう。この場面で口から出てくるなんて、よっぽど大切にしている考え方なのだと思います。
アリスがルナに対して投げかけた言葉なのですが、アリス自身も改めてこの言葉を噛みしめて、このバトルを楽しもうとしていたのかなと思いました。お互いが本気で勝ちを狙いにいった結果、あの劇的な決着が生まれたわけですね。
ルナとのバトルを通して「本気」の大切さを再認識したことが、最後の決意に繋がっていきます。
アリス:「アタシね、ママのこと好きじゃなかった。ママがアタシのこと好きじゃないって思ってたから。けど違ったんだよね、ママ。アタシはこの世界が嫌いだった。でもそれはママのせいじゃない。アタシがウソをついていたから。もう、ウソはつかない。アタシは本気で生きる。本気でシャドバして、本気でバトルする。それが黒羽アリスだって思い出した。ママ、好きだよ。ママのことも、この世界のことも。私は黒羽アリス、私はアイドル。本気でアイドル頑張るから、これから応援よろしくね!」
周りから求められるがまま、可愛いフォロワーだけを使ってバトルをしていたことを、アリスはウソをついていたと表現しています。そのせいでアイドルをやっていることに嫌気がさしていただけで、母親のことを嫌っていたわけではないのだということに気づいたのですね。アイドルの仕事自体は本人も好きと言っていましたし、母親を悪者にしない優しい解決だなと思いました。
アリスと母親の問題はアリス個人の話ではないため、解決することは難しいだろうなと思っていました。40話でけっこう明確に救いをもらたしたことは個人的には驚きでした。母親がアリスに依存している、という問題もあると思っていましたが、突っ込みすぎるとドロドロしてしまうため、このぐらいのあっさりした幕引きで良かったのかもしれません。
ミモリの言葉がアリスの背中を押したというのも感動でしたね。
ミモリ:「どんな自分でも、自分は自分ですから、認めて、前に進もうと思ったんです」
この言葉はアイドルミモリが言ったというよりかは、アイドルではないことに気づいた普通のミモリが言っていたように聞こえました。ゾンビが好きだということを周りになんと言われようと、自分は自分ということで、アリスはそれを貫く決意を固めたんですね。
ちなみにアリスとルナが本気でバトルするというところで、本家には「ルナの本気」というカードがあることを思い出しました。たまたまだとは思うのですが、エモいですね。
棋譜
今回は墓場とデッキの枚数も載せています。
何かあればご連絡ください。
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39話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
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