3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【原作勢目線】アニメシャドウバース42話感想-カイと禁忌の魔法

ネタバレします!!

 42話はカイとイザベルがバトルする回です。アニメオリジナルカードが炸裂し合う面白い展開でした。カイ君は精神的にかなり強くなったなあと思います。

カイ vs イザベル

 バトルが始まるのは中盤でしたが先にバトルの内容をみていきます。
 イザベルの隠れ家は、本家シャドウバースのウィッチのステージと同じような感じでしたね。

f:id:ytera22:20210212160023p:plain


1ターン

先攻1T:カイ
 知恵の光をプレイします。

後攻1T:イザベル
 アニメオリジナルカードをプレイします。2個目の能力はここでは働かないので、イザベルも知恵の光を撃ったのと同じ状況です。

アクアウィズダム
1コストスペル
カードを1枚引く
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、さらに1枚カードを引く

2ターン

先攻2T:カイ
 ゴーレムの錬成をプレイします。
 このあとイザベルが、「①知恵の光を撃って手札を確認した」「②ゴーレムの錬成を撃ったのにクレイゴーレムに視線を移さなかった」「③表情」と言ってカイのデッキがスペルウィッチであることを見破る推理を披露します。
 知恵の光を撃つウィッチは99%スペルウィッチなので1ターン目の時点で大体分かると思いますが…。

後攻2T:イザベル
 再びアニメオリジナルカードをプレイします。ここで四大元素スペルのコンボが明らかになります。

グランドサモン
2コストスペル
クレイゴーレムを1対場に出す
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、ジャンクゴーレムを場に出す

 四大元素スペルはコンボなしで使っても普通のスペルと同程度のスペックがあって、コンボが発動するとちょっとオトクなカードたちです。
 本家シャドウバースで、自分が使ったカードをターンをまたいで参照する効果はありません。単純な効果ですが本家にないので真新しく見えますね。四大元素スペルを使ったことでリーダー付与能力が発生するという形なら本家でも同じような処理はできそうです。
 ちなみに本家でイザベルが「四大元素」という言葉を発することはありません。

3ターン

先攻3T:カイ
 このターンからカットされています。
 カイの手札にあるのはベビーウィッチ・エミル(2ブースト)、運命の導き(2ブースト)、ゲイザー(2ブースト)、ウィンドブラスト(1ブースト)です。
 イザベルの体力をかなり押し込んでいたため、どんどんスペルブーストしてフォロワーを展開していかないと辻褄が合いません。
 このターンの開始の1ドローで知恵の光を引き、その知恵の光からエンジェルスナイプを引いたものと思われます。エンジェルスナイプは相手のリーダーに撃ちます。
 これで運命の導きが1コストまで下がるので撃ちます。この2ドローでドロシーを引いていないとスペルブーストが間に合わないのでここで引いていたものと思われます。
 ゲイザーとエミルが0コストになるのでプレイし、場のクレイゴーレムでジャンクゴーレムを攻撃します。


後攻3T:イザベル
 イザベルの手札で見えているのは氷像の召喚、二重錬成、ウィンドブリーズです。ウィンドブリーズは後で使うのでイザベルの動きは確定です。
 ここは氷像の召喚を撃って5/5守護のフリーズゴーレムが場に出ます。

f:id:ytera22:20210212160518p:plain
f:id:ytera22:20210212160539p:plain

 守護が出たとはいえカイの盤面がだいぶ強いので、場のクレイゴーレムはカイのクレイゴーレムと相討ちしたものと思われます。


4ターン

先攻4T:カイ
 フリーズゴーレムを突破してリーダーに攻撃しないと体力の辻褄が合いません。もともと手札にあったウィンドブラストが4ブーストしているのでフリーズゴーレムを倒せます。
 この後のターンでクレイゴーレムがカイの盤面にいるので、このターンもゴーレムの錬成を使ったものと思われます。
 ゲイザーとエミルでリーダーを攻撃します。これでイザベルの体力は14です。

後攻4T:イザベル
 二重錬成をプレイします。

f:id:ytera22:20210212160628p:plain
 
 片方のクレイゴーレムを進化して、ゲイザーを上踏みします。イザベルは苦しいターンが続きます。

5ターン

先攻5T:カイ
 このターンの途中からアニメに映ります。
 カイは5コスト分すべて使い切っていて、イザベルの場の進化後クレイゴーレムはいなくなっています。
 マジックミサイルで進化後クレイゴーレムを倒します。

f:id:ytera22:20210212160712p:plain

 スペクトラルウィザードをプレイして進化します。

f:id:ytera22:20210212160726p:plain

 これで手札のドロシーのブーストを進めることができます。
 二重錬成で出てきたもう片方のクレイゴーレムをスペクトラルウィザードで上踏みします。エミルとクレイゴーレムで相手のリーダーを攻撃します。これでイザベルの体力は10です。

後攻5T:イザベル
 アニメオリジナルカードを使用します。

ウィンドブリーズ
3コストスペル
コスト3以下のランダムな相手フォロワー1体を手札に戻す
このバトル中に他の四大元素スペルをプレイしていた場合、1体ではなく2体。

 素で使うと劣化版の虹の輝きという感じのカードですが、追加効果が発動しているとまあまあ強いカードです。
 エミル、クレイゴーレム、スペクトラルウィザードはいずれも3コスト以下なのでどれが戻るかは確定ではありませんでした。スペクトラルウィザードが手札に戻ると再び進化を切られてしまう可能性がありましたが、スペクトラルウィザードだけが場に残りました。
 ゴーレムの錬成をプレイし、クレイゴーレムを進化してスペクトラルウィザードを上踏みします。クレイゴーレムだらけでわかりにくい展開ですね。


6ターン

先攻6T:カイ
 このターンから再びカットされます。カイの手札にはドロシー(5ブースト)、エンジェルスナイプ、エミル(0ブースト)、クレイゴーレムがあります。
 次のターンでドロシーが0コストになっているため、このターンで4ブースト以上しなくてはいけません。手札にあるスペルはエンジェルスナイプのみなので、トップドローはスペブが貯まるカードでないと辻褄が合いません。
 ここは魔力の蓄積を引いたものと思われます。

f:id:ytera22:20210212160920p:plain

 これでドロシーが3ブーストされ、手札にあったエンジェルスナイプで進化後のクレイゴーレムを倒し、ドロシーのコストは0まで落ちます。
 残りの2コストで攻撃力2のフォロワーを出せば、次のターン以降の辻褄が合います。このターンではクレイゴーレムが手札から出ていっていなかったため、他の2コストフォロワーを引いたものと思われます。ここは古き魔術師・レヴィだったということにしておきます。

f:id:ytera22:20210212161019p:plain

 このターンにドロシーが0コストになっており、相手の場にはフォロワーがいないので、絶好のドロシープレイチャンスなのですが、カイはなぜか温存をしています。手札にあるのはクレイゴーレムとエミルだけのため、捨ててしまって何の問題もないはずです。謎です。

後攻6T:イザベル
 次のターンからアニメに映りますが、そのとき7/5の進化後ガーディアンゴーレムが場にいます。ガーディアンゴーレムが+2/+2されて、さらに進化を切ると7/7サイズになるので、そういう効果を持つカードをプレイしたものと予想がつきます。
 また実験開始が手札にあることが見えています。

f:id:ytera22:20210212161103p:plain

 というわけで、実験開始で土の魔片を出し、ゴーレムプロテクションを撃ったものと思われます。

f:id:ytera22:20210212161119p:plain

 ガーディアンゴーレムを1体場に出し、土の秘術で+2/+2して5/5サイズになります。ガーディアンゴーレムに進化を切ってレヴィを上踏みします。これで7/5のガーディアンゴーレムが場に残ります。
 イザベルのデッキは四大元素スペルに土の秘術がちょっと混じっているデッキのようです。


7ターン

先攻7T:カイ
 このターンからアニメに映ります。1コストになっているエミルと0コストになっているドロシーをプレイします。

f:id:ytera22:20210212161234p:plain

 ドロシーから引いてきたカードはフレイムデストロイヤー、クロノウィッチ、クロノマジック、サモンスノー、エラスムスの秘技です。
 エラスムスの秘技でガーディアンゴーレムを破壊し、サモンスノーでスノーマンを3体出します。

f:id:ytera22:20210212161253p:plain
f:id:ytera22:20210212161307p:plain

後攻7T:イザベル
 双璧の召喚をプレイしてガーディアンゴーレムが2体場に出ます。0コストになっている炎の握撃でドロシーを破壊します。

f:id:ytera22:20210212161340p:plain

 ガーディアンゴーレムを進化してエミルを破壊します。カイの盤面が4つ埋まっているのでわざわざ進化しなくても向こうから当たってきてくれそうな場面ではあります。
 進化したガーディアンゴーレムが確定で相討ちされてしまうのも微妙なところです。

8ターン

先攻8T:カイ
 場のスノーマン3体で進化後ガーディアンゴーレムと相討ちします。
 前にも登場したアニメオリジナルカードをプレイします。

マジカルキャット
4コスト1/1
突進
攻撃時:攻撃したフォロワーを相手の手札に戻す

 スペルウィッチと噛み合う要素が一切ないのに、カイくんはこのカード好きですよね。ガーディアンゴーレムに攻撃して手札に戻します。
 7ブーストしているフレイムデストロイヤーをプレイします。
 

後攻8T:イザベル
 アクアウィズダムをプレイします。追加効果が働くので2ドローします。単純ですが1コスト2ドローは四大元素スペルの中で1番強いですね。
 4種類目の四大元素スペルをプレイします。

フレイムブラスト
1コストスペル
相手のフォロワー1体に2ダメージ
このバトル中に他の四大元素スペルを使用していた場合、2ダメージではなく4ダメージ

 1コスト2点は普通のラインです。1コスト4点になると除去力高めですね。フレイムブラストを2枚使ってフレイムデストロイヤーを破壊します。
 グランドサモンを2枚使って、クレイゴーレムとジャンクゴーレムが2体ずつ並びます。マジカルキャットが場残りします。

9ターン

先攻9T:カイ
 魔女の雷撃でジャンクゴーレムを破壊します。

f:id:ytera22:20210212162023p:plain

 8ブーストして5コストになったクロノウィッチをプレイし、進化してフレイムデストロイヤーを復活させます。
 クロノウィッチでジャンクゴーレムを破壊し、場残りしていたマジカルキャットでクレイゴーレムを手札に戻します。
 このターン、カイは単純なプレイミスをしています。先に6コストのクロノウィッチを出して進化させたあと魔女の雷撃を撃つと、魔女の雷撃の追加効果の1ドローをすることができました。アニメの演出としてクロノウィッチを使ったあとにスペルを撃つのがカッコ悪かったのでしょう。

後攻9T:イザベル
 アニメオリジナルカードをプレイします。

ユニオンマジック
9コストスペル
自分のリーダーを3回復
このバトル中にフレイムブラストを使用していた場合、相手のフォロワーすべてに5ダメージ
このバトル中にグランドサモンを使用していた場合、ガーディアンゴーレムを2体場に出す
このバトル中にアクアウィズダムを使用していた場合、自分の手札が7枚になるまでカードを引く
このバトル中にウィンドブリーズを使用していた場合、自分の手札のスペルをすべてアルティメットマジックに変身させる

 スペルウィッチはドローが多いので、8ターン目までに四大元素スペルを4種類撃ち切ることは難しくはなさそうです。派手な効果でアニメに映えます。
 基本的には9ターン目でユニオンマジックを使ったらその後はアルティメットマジックの連打になりそうです。


10ターン

先攻10T:カイ
 手札には8ブーストしたクロノマジックがあり、トップドローは運命の導きでした。カイは一瞬ためらうような素振りを見せます。このターンはパスして次のターンにスペルを固めて使うのも一応選択肢ではありますが、そんな悠長なことはしてられないでしょう。
 運命の導きから知恵の光とウィンドブラストをドローします。知恵の光でエンジェルスナイプを引き、エンジェルスナイプをリーダーに撃ちます。ウィンドブラストは2ブーストされるので、ガーディアンゴーレムを破壊します。
 「この奇跡は二度訪れる!」ということでクロノマジックをプレイします。

クロノマジック
13コストスペル
スペルブースト:コスト-1
このターン中にプレイしたスペルの枚数と同じだけ、それぞれ名前の異なる「このバトル中に破壊された自分のフォロワー」をランダムに場に出す
このバトル中にクロノウィッチをプレイしていたなら、自分のリーダーは「相手のターン終了時に、このカードの効果で場に出たフォロワーを場に出し、この効果を失う」を持つ

 スペルとくっつけて使用しないといけないのが少し面倒なカードです。このターンはクロノマジックを含めてちょうど5枚のカードをプレイしたので、盤面いっぱいにフォロワーが復活します。
 復活したのは次元の魔女・ドロシー、フレイムデストロイヤー、ゲイザー、マジカルキャット、クロノウィッチでした。残りの候補はクレイゴーレム、エミル、スペクトラルウィザード、スノーマンだったため、考えられる中で一番良い引きをしました。
 マジカルキャットは突進を持っているので復活したターンにも攻撃ができます。ガーディアンゴーレムを相手の手札に戻しました。

後攻10T:イザベル
 「手加減なしよ!これがあたしの、本当の切り札!」ということで、ユニオンマジックの効果で加えたトークンスペルを撃ちます。

アルティメットマジック
10コストスペル
自分のリーダーの体力を10回復
ガーディアンゴーレムを5体場に出す
相手のリーダーと相手のフォロワーすべてに10ダメージ

 このスペルを2回撃ってバトルに勝ちますよ、という非常に分かりやすい効果です。決着がつくのが11ターン目以降になってしまうため、シャドウバースの基準で言うと強いカードではありません。ただ、プレイ指針が非常にわかりやすいため、カードゲーム初心者にもオススメしやすいデッキですね。
 掲げた両手の先に錬成陣が出ているポーズは、神撃のバハムートに出張したときのイラストですかね。

f:id:ytera22:20210212163929p:plain:w250

 上のイラストの方が好きでした。

f:id:ytera22:20210212163345p:plain

 というわけでイザベルの体力は20まで回復し、カイの盤面は吹き飛びます。カイの体力は10です。カイの手札はゼロのため、一体ここからどうやって勝つのだろうかと普通にドキドキしました。
 「言ったはずです、奇跡は二度訪れると!」ということでターン終了時にクロノマジックの追加効果が働き、もう1度フォロワーたちが復活します。予想外の効果だったので驚きました。良い演出でしたね。
 相手ターン終了時に復活するので、次の自分のターンに攻撃可能になるのが偉いです。防ぐのがなかなか難しい効果ですが、弱いフォロワーは倒さずに盤面に残しておくことで、強いフォロワーを復活させないようにすることはできます。
 クロノウィッチをプレイしていないといけないというのはそこそこ条件が厳しいですね。

11ターン

先攻11T:カイ
 決着のターンです。カイの盤面には7+5+4+3+1でちょうど20点あります。イザベルの場には3/3守護が5体います。
 カイのトップドローはアルケミックロアでした。

f:id:ytera22:20210212162038p:plain

 これでガーディアンゴーレムがすべて吹き飛び、カイの勝利です。
 毎度おきまりの敗北セリフも再現してくれました。

f:id:ytera22:20210212162058p:plain


カイとルシア

 42話のスタートは安寧の夢の中で超天才の自分に酔いしれるカイくんの様子が描かれていました。
 オブシディアン学園の制服に身を包み、連立方程式を華麗に解き、剣道で活躍し、シャドバで勝ちまくる…。これは6話でカイがルシアの強さを探ったときに見た光景そのものなんですよね。
 37話で安寧の夢の世界が初めて描かれたとき、カイはオブシディアン学園を受験して落ちてしまったから、安寧の夢の中ではオブシディアン学園の生徒になっているのかなと思っていました。
 でも、もしかしたらそういう過去はなくて、ただ単純にルシアに憧れていたという可能性もあるのかもしれないと、42話の演出を見ていると思いました。

ルシア:「カイ、やるね。さすがだよ」
カイ:「あなたこそ、今日は何連勝しましたか?」
ルシア:「連勝?おかしなことを言うな。勝ったり負けたりだよ。キミのように強くないからね、ボクは」
カイ:「そうでしたね、ルシア。あなたが僕のライバルになれるはずが…なれるはずが…ない…」
ルシア:「その通りだよ、カイ。じゃあね」

 カイがシャドバで強くなることはカイの願望です。一方ルシアがシャドバで弱くなることはカイの願望というよりは、ルシアがそう望んでいるのかもしれません。弱くてもいいから妹と一緒にシャドバを楽しみたいと願っている…と。これはルシア編で明らかになりそうですね。

イザベルの世界

 謎の少女がカイの前に現れ、カイは異世界へと飛ばされます。カイはイザベルの部屋に飛ばされてしまったがゆえに怪しいヤツ認定されてしまったという流れで話が進んでいきます。
 41話のラストで「Wanted」のポスターでカイが指名手配されていたのはなんだったのでしょう。兵士たちはカイの顔は知らないみたいでした。カイがイザベルと一緒に逃げたあとに、あの指名手配の張り紙が制作されたということなのでしょうか。

イザベル:「どうしてあたしの実験室にいたの?」
カイ:「いつのまにかそこにいた、そう言ったら信じてもらえますか?」
イザベル:「そうね、信じるわ。だって、あなたもカズキも、この世界の人間じゃないんでしょ?」
カイ:「どうしてカズキさんの名前を?」
イザベル:「助けてもらったのよ。いい子ね、あの子。(逃がしちゃったのはもったいなかったけど)」

 カイがカズキ"さん"と呼ぶのも少し不思議です。37話でカイとヒイロがすれ違ったとき、お互いに目もくれないという演出がありました。安寧の夢の中ではカイは天晴学園の生徒ではないので、当然ヒイロやカズキのことを知りません。ここは「カズキって誰ですか?」と言わせる方が自然だったような気がします。
 この場面だけ本人も意識しないうちに記憶が戻っていたとか、安寧の夢の世界線でもカズキとカイは知り合う機会があったとか、解釈のしようはありますが。

イザベルの目的

 イザベルとカイの対比を作るときに、「目的があるかないか」がポイントになっていました。

イザベル:「あたしには目的がある。その目的のためなら手段は問わない。あなたにはそれだけの目的があるのかしら?」
カイ:「ありません。ですが、ですがこのバトルは負けられない。負けてはならないと分かるのです!」

 イザベルの目的とは亡くなってしまった恋人のカイルを蘇らせることです。

イザベル:「あなたは負けられないと言ったけど、それはあたしも同じこと。死んだあのひとを蘇らせるためなら、あたしはなんだってやるわ!」

 アリサ、ローウェン、ルナ、エリカの4人は、本家シャドウバースの世界で大事にしていた人たちのことをアニメでは語りませんでした。
 イザベルがカイルの蘇生を口にしたのは、禁忌の魔術師と呼ばれていること、投獄されていたこと、カイで人体実験をしようとしたことなど、いろいろなことに関わってくるためだと思われます。
 本家のイザベルは安寧の夢の中でカイルと再会したとき、カイルの言動に違和感を覚え、最終的には現実を直視してカイルを蘇らせることを諦めました。初期のイザベルはカイルを失ったショックで半ば錯乱状態でしたが、ギルド騒乱編のエレノア、機械反乱編のテトラとの交流を通じて、前向きに進んでいけるようになりました。
 アニシャドのイザベルは、精神的には落ちついているようでしたが、カイルを諦めきれていないという状態に見受けられました。

似た者同士

 イザベルとバトルをしているうちにカイは本来の記憶を取り戻していきます。

カイ:「それに僕は知っています。あがき、もがくこと、僕はその意味を知っています。そう、知っていたんです。だからこそ僕は、あなたに選ばれた。そうでしょうイザベルさん?僕はすべてを思い出しました。楽しい記憶ばかりじゃありません。敗北の二文字を心に刻み、屈辱の二文字を体に刻み、それでも、僕はシャドバを諦めたくない。勉強でもスポーツでもない、僕はシャドバで一番になりたい!」

 安寧の夢で体験したような、勉強もスポーツもなんでもできる人間になるのではなく、シャドバで一番を目指すことこそが、自身の目的であることにカイは気付きました。安寧の夢から覚め、さらにそこで体験したことの中には自分にとって大事なこととそうではないことがあったという、いわば二重の覚醒があったように僕は思いました。
 そしてシャドバで一番になるという自身の目的に到達するためには、勝ったり負けたりを繰り返しながら一歩ずつ登っていくしかなく、スマートにはたどり着けないということも思い出しました。
 「だからこそ僕は、あなたに選ばれた」とカイがイザベルに向かって言うのは、イザベルにもそういう一面があり、カイはなんとなくそれを感じ取っているからということなのかなと思いました。
 初期のイザベルはカイルを生き返らせようと必死でした。自分一人の力では限界があると悟ると、ルナに死者と会話する方法を教えてもらおうとしたり、ヴァンパイアの血液を求めてユリアスに戦いを挑んだりしています。

f:id:ytera22:20210212163149p:plain
f:id:ytera22:20210212163205p:plain

 魔術の理論を積み重ねるだけでは人体を蘇生することは不可能だということをイザベルは心のどこかで悟っているでしょうし、奇跡を願っているのではないかと思います。

カイ:「僕が欲しかったのはこれです!効率も計算もいらない。欲しいのは、奇跡!」
イザベル:「あたしたち、似た者同士ってわけね」

 目的を達成するために泥まみれの努力をするところ、そして最後には奇跡を願うところが、似た者同士だと言ったのかなと思いました。

イザベル:「あなたの目的を追いなさい。似た者同士のあなたのために、私も少し力を貸してあげるから。じゃあね、カイ。カズキによろしく。あの子は少し、昔のあの人に似てるわ」

 それから、カイルがカズキに似ているというのは新情報ですね。本家で見ている限り、似ているところは全然わからないのですが。カイとイザベルが似ていて、カズキとカイルが似ているということは…。


凡才からのスタート

 イザベルと別れたあと、カイは安寧の夢の中に戻ってきます。

カイ:「なるほど、これが僕の願いだったんですね。」
男の人:「超天才のバトル、また見せてくれよ!」
カイ:「いいえ、凡才からやり直しますよ」

 超天才としてチヤホヤされることが自分の願いだと今この瞬間に認識したようなセリフでした。いまさら自分の中の欲求に気づいた…なんてことはさすがにないと思うので、「これが僕の願いだったんですね」の解釈は自分の中ではしっくりくるものがありません。これが僕の願いだった【過去形】けど、いまは違うよということなんでしょうか。
 「凡才からやり直しますよ」はもがきあがきながらシャドバの道を究めていこうという決心の現れですね。アニシャドに登場した当初のプライドの高さから比べると、カイ君は本当に強くなったなとしみじみ思います。



棋譜

 カイの手札のスペルブーストを詳しく追っていかないと辻褄を合わせるのが大変そうだったので、手札の内容も記載しています。

f:id:ytera22:20210212170052p:plain
f:id:ytera22:20210212170112p:plain


 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 41話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


 感想の一覧はこちら。
アニメシャドウバース カテゴリーの記事一覧 - 3度目のサザンドラ