ネタバレします!!
43話はマウラがイリスとバトルする回です。今回もバトルの決着の付き方が面白く、演出もお見事でした。また、マウラが自身の運命と向かい合っていく様子の描き方も良かったですね。
マウラ vs イリス
バトルが始まるのは中盤からですが、先にバトルの内容を見ていきます。
1ターン
2ターン
レリックプリズム
2コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:相手のフォロワー1体に2ダメージ
ラストワード:ランダムな遺物カードを自分のデッキから1枚手札に加える
2コスト2点除去は少し弱いですが、ラストワードでドローがついているので妥当な能力です。これでラビットヒーラーを破壊します。
「指揮官」や「自然」と同じように、「遺物」というタイプがついたカードです。レリックシリーズのアミュレットは見た目と名前が似ているので区別がつきにくいですが合計4種類出てきます。
3ターン
「私の遺物カードはただのカウントダウンアミュレットではありません。いまは小さなカケラですが、積み重なれば大いなる力を呼び、覚醒します」とのことです。
レリックプラトン
3コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:体力4以下の相手のフォロワー1体を消滅させる
ラストワード:ランダムな遺物カード(レリックプラトンを除く)を1枚手札に加える
3コスト4点消滅は普通ぐらいです。ラストワードを多用するデッキには強く使えます。これでスレッジエクソシストが消滅します。
イリスは遺物アミュレットのラストワード効果について、レリックプリズムは「遺物カードをデッキから手札に加える」と言っていますが、レリックプラトンは「他の遺物カードを手札に加える」と言ったので、トークンとして生成するものと思われます。イリスはこのバトル中にレリックプリズムを5枚使用するため、少なくとも2枚はトークンとして生成されています。
4ターン
アニメオリジナルカードのカースメイデンをプレイします。ファンファーレでカウントダウンを1つ進めます。
レリックトーラス
2コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:レリックガーディアンを1体場に出す
ラストワード:ランダムな遺物カード(レリックトーラスを除く)を1枚手札に加える(確証なし)
このアミュレットは除去効果ではなく、0/2守護のフォロワーを横に出す効果です。このカードもラストワードで遺物カードを手札に加える演出は映りますが、厳密にどういう効果なのかは不明です。
レリックガーディアン
2コスト0/2
守護
このトークンフォロワーが何かしらの効果を持っているかどうかはアニメだけではわかりませんでした。
そしてもう1枚アニメオリジナルカードをプレイします。
レリックプリースト
2コスト2/2
進化時:自分の場の遺物カードのカウントダウンを1進める
このカードを進化して前のターンに置いたレリックプラトンのカウントダウンを進めます。マウラの場のカースメイデンを上踏みします。
2/2/2の進化時効果でカウントダウンを進めるフォロワーは本家に既にありそうなのですが意外といません。
5ターン
レディアンスエンジェルをプレイして、ファンファーレで1ドローします。
ホーリーファルコンで0/2守護のレリックガーディアンを破壊、レディアンスエンジェル進化で4/3のレリックプリーストを破壊します。
漆黒の法典でホーリーファルコンを消滅させます。このターンはひたすら守るプレイです。
6ターン
カットされていない場面から進化権の使い先が確定しており、このターンは進化権を使いません。
というわけで詠唱:異端審問を置いて、見習いシスターでカウントダウンを進めてすぐに割ります。これでゴッド・オブ・カースを破壊します。
ゴッド・オブ・カースが来ること読めていれば、漆黒の法典かレリックプラトンを温存しておき、消滅させてラストワードを働かせないというプレイも考えられましたが、さすがにそれは難しいですね。
7ターン
マウラの手札に見えているのは邪悪なる預言者・ダムス、煌角の戦士・サリッサ、エンシェントレオスピリットです。
このターンは7PPあるので素直に7コストのサリッサをプレイします。
突進を持っているので見習いシスターを上踏みします。
ターン終了時にゴッド・オブ・カースの効果が働き、イリスの体力上限は15になります。
敬虔な修道女をプレイして、進化してサリッサを破壊します。
4ターン目にプレイしたレリックトーラスを再びプレイし、0/2守護のレリックガーディアンが場に出ます。
8ターン
邪悪なる預言者・ダムスをプレイします。ここはカットされています。
エンシェントレオスピリットをプレイして、進化します。ここからアニメに映ります。
進化時の2点ダメージでレリックガーディアンが破壊され、敬虔な修道女を攻撃して破壊します。
ターン終了時にゴッド・オブ・カースの効果が働き、イリスの体力上限は10になります。
レリックスフィア
8コストアミュレット(遺物)
カウントダウン2
ファンファーレ:相手の場の攻撃力最小のフォロワー1体と最大のフォロワー1体をそれぞれ消滅させる
ラストワード:レリックゴッデスを1枚手札に加える
攻撃力最小のフォロワーは0のゴッド・オブ・カース、最大のフォロワーは4のエンシェントレオスピリットです。中間のダムスは場残りします。
ラストワードで遺物デッキのフィニッシャーを呼ぶので、多少無理やりにでも8ターン目に置きたいカードです。
9ターン
ガルラのファンファーレで神鳥の呼び笛のカウントダウンが一気に3進んで割れます。壮麗なる隼が出るとともに、ガルラのファンファーレで相手のリーダーに3ダメージ飛びます。
壮麗なる隼と場残りしていた邪悪なる預言者・ダムスで相手のリーダーに攻撃します。これでイリスの体力は1です。相手の体力が先に1になるという珍しい展開でしたね。
レリックプリズムを3枚プレイして、2点ダメージを3回飛ばします。壮麗なる隼に4ダメージ、ダムスに2ダメージで、マウラの盤面は全破壊されます。
また、ここでレリックゴッデスの特殊勝利条件についてイリスからアナウンスがあります。「もう時間がありません。マウラさん、答えを出してください。何のために生き、何のために勝つのか」ということで、マウラは決着を急かされます。
10ターン
獣姫の呼び声を置いて気高き教理の1ドローでデッキをめくりにいくという選択肢もありました。
マウラのデッキにカウントダウンを進めるカードがたくさん入っていて、それを引き当てることができれば獣姫の呼び声が割れるのでその時点で勝ちです。残り6ppになるので2枚目のガルラ、カースメイデン、気高き教理、見習いシスターなどが引ければ勝ちです。
マウラの採った選択肢は、ソウルコレクターと獣姫を置くことでした。結果論この選択じゃないと勝てていませんでしたね。
マウラは次のターンで気高き教理を撃って勝ちますよという宣言をしますが、イリスはそこに意志がないと勝てないですよと返します。
マウラ:「いや、これだけでは勝てない…?」
イリス:「ええ、そこにあなたの意志がなければ」
マウラ:「意志か…」
レリックゴッデス
10コスト8/8
ファンファーレ:自分のリーダーをX回復する。Xは自分の場の遺物カードの枚数の5倍
ラストワード:自分の場の遺物カードをすべて破壊する
遺物カードが場に存在する限り、このフォロワーと自分のリーダーはダメージを受けない
ターン開始時:このフォロワーと4枚の遺物カードが場に存在するならバトルに勝利する
ターン終了時:お互いの場のアミュレットのカウントダウンを3遅らせる
ファンファーレで体力が20回復します。
特殊勝利条件を持つアニメオリジナルカードです。自分の場にこのフォロワーと4枚の遺物カードがある状態で相手にターンを渡して、盤面がそのまま保存された状態で返ってくれば勝利です。
レリックゴッデスが10コストのため、前のターンから遺物カードを置いて準備しなくてはいけません。8Tレリックスフィア置き、9T遺物カード4枚置き、10Tレリックゴッデス置きの流れがほぼ決め打ちになるため、そのどこか1ターンでも妨害されると成立しないという非常に難しい工程を踏みます。
レリックゴッデスは自身の効果でダメージを受けなくなりますが破壊耐性がないため、確定除去カードであっさり破壊されてしまいます。遺物カードを破壊されても特殊勝利が成立しません。4重の工程をクリアすると特殊勝利になります。
マウラの場にはソウルコレクターの効果で出てきた詠唱:死の宣告があります。
レリックゴッデスの効果でターン終了時にカウントダウンが+3されるので、割るのは簡単ではありませんが、死の宣告が割れればレリックゴッデスは破壊されます。
本家に一番最初に実装された特殊勝利カードがビショップだったため、イリスのアニメオリジナルカードが特殊勝利というのはなかなか粋な演出だなと思いました。
このカードはカウントダウンを進めるカードを3枚手札に貯めこんでいれば、置いた次のターンで勝てるカードでした。
11ターン
場にはカウントダウン3の死の宣告と、カウントダウン5の獣姫の呼び声があります。
初登場のアニメオリジナルカードをプレイします。
大いなる聖櫃
3コストアミュレット
カウントダウン7
ファンファーレ:コスト最大のビショップフォロワーをランダムに1枚デッキから手札に加える
ラストワード:自分の場のフォロワーすべては疾走を持つ
ファンファーレでデッキから持ってきたのはこのカードでした。「意志に答えよ、スカルフェイン!」
スカルフェインのファンファーレで死の宣告、獣姫の呼び声、大いなる聖櫃の順にアミュレットが割れます。
死の宣告のラストワードでレリックゴッデスが破壊されます。
獣姫の呼び声のラストワードで4/4のホーリーフレイムタイガーと2/1のホーリーファルコンが出てきます。
最後に大いなる聖櫃のラストワードでスカルフェインを含めて3体のフォロワーが疾走を持ちます。大いなる聖櫃はカウントダウン7が遅すぎるため、ほぼスカルフェイン専用カードですね。
この決着の演出はアニメとして素晴らしいなと思いました。前のターンでレリックゴッデスのファンファーレでイリスは20点回復していますが、ゴッド・オブ・カースで体力の最大値が10になっているため、実際の体力は10しかありません。
4+4+2の10点パンチでマウラの勝利でした。ゴッド・オブ・カースからうまく意識をそらすことで、イリスの驚く様子と重なるように視聴者にサプライズが提供されました。
本家のUIで自分の体力を意識しない瞬間はないので、実際はこんなことにはならないのですが、アニメとしては素晴らしいなと思いました。
スカルフェインはリリースされてから2回能力調整が入ったので、いつの時代の効果なのかややこしいフォロワーです。
①初期リリース版
②アッパー版(=シャドウバースチャンピオンズバトル)
③ナーフ版(=現在の本家)
アッパー版で「アミュレットをプレイするたびに手札のこのカードのコストを-1する」という効果がつき、ナーフ版では7コストから10コストへと変更されました。ナーフ後の10コストだったらppが足りなかったのでこの決着はありえませんでした。アニシャドは①か②なのですが、どちらなのかは判別不能でした。
「素晴らしい腕前です。あなたならきっと…」ということで、本家の敗北ボイスにプラスアルファがありました。
マウラの絶望
43話の冒頭では、安寧の夢の中でマウラがレオン社長に大切にしてもらえている様子が描かれています。しかしマウラはこれが幻想だと見抜いています。どれだけ実感を伴っていても、レオンが自分に優しくすることなどあり得ないとわかってしまうのでしょうね。望んでいるのに絶対に手に入らないとわかっているなんて、悲しいですね。
マウラ:「何度も何度も祈りました。何度も祈って、届いたかと思ったんですけどね。僕が祈ったからあの人が現れたと思っていました。でも違った。僕はただ選択されただけだった」
自分はただ選択されただけだと自嘲気味に言ってしまうぐらいにはレオンに対して期待をしていないのだなと感じます。
イリス:「あなたもまた絶望を知っているのですね」
マウラ:「課された役割を果たすべきだった。なのにできなかった。世界を裏切ったのに、悪として討たれることもなく、こうして生き長らえている。これを絶望と言わず何を絶望と言うのですかね」
そのうえで、レオンに選択された意味、つまり世界を救うための生贄としての役割を果たせなかったことに対しては、レオンに対する申し訳なさと、世界に対する罪悪感の2つがマウラを責め立てているわけです。
「生きたい」という当たり前の欲求が、課された役割と衝突してしまうことによる絶望。ヒイロたちに一応救い出された形のマウラですが、自暴自棄になってしまうのもわかります。
イリスの絶望
マウラの絶望が語られたあとで、イリスも同様に絶望を知っていますよ、という話の流れになっていきます。
イリス:「マウラさん、私はあなたと同じく絶望を知っています。私はかつてとある村の司祭を務めていました。まるでこの世界のようでした。人は優しく作物は豊か。私はこの幸せがずっと続けばいいと思っていた。でも、あの日、村に戻った私が見たのは、何もかも奪われ、焼き尽くされた廃墟でした。その悪行を行ったのは隣村の方々でした。彼らは決して悪人ではなかった。ただ彼らの村は私たちの村に比べて、少しだけ土地が痩せていた。行き所のない嫉妬と怨嗟は、彼らを亡者へと変えた。私には、彼らを憎むことができませんでした。だから代わりにこの世界を憎み、この世界を裏切った」
マウラ:「ではあなたも」
イリス:「ええそうです。私はあのとき世界の敵になった」
イリスがここで話した体験談は、本家シャドウバースのメインストーリーと全く同じです。表現の仕方もかなり似ています。ただ、最後の「この世界を裏切った」「世界の敵になった」というところはアニシャドでは語られませんでした
本家のストーリーだと、この世界はあまりにも過酷に満ち溢れすぎていると考えたイリスは、この世界に安寧をもたらすべく、管理者たる安寧のネクサスを召喚してしまいます。
安寧の夢の中に閉じ込められたアリサたちをイリスは観察しました。せっかく自身の願いが叶った理想の世界にいるのに、過酷な現実へと立ち向かっていく決意を固めるアリサたちの様子を見て、イリスは考えを改めます。ネクサスを呼び出したのは誤りだったと。
マウラ:「どうしてあなたが僕と繋がったか、ようやく納得できましたよ」
ネクサスによって世界が崩壊してしまうという事態を前にして、他のメンバーよりも少し責任の重い立場にあるというのがビショップクラスの2人であるというわけですね。
しかしマウラは勝手に選ばれて勝手に生贄にされた身なので、厳密に言うとちょっと違うのではと思うのですが、イリスの言葉だからこそマウラに響くものもあるのかなと思います。
イリス:「あなたも私も一度は絶望に負けました。しかし、必ず立ち直れるはずです。仲間がいれば、必ず」
マウラ:「仲間ね。仲間なんていなくても、あなたに勝てれば問題ない」
イリスがネクサスに立ち向かう勇気を持てたのは、アリサたちのおかげでした。イリスが仲間の必要性をマウラに説くのは、ちゃんと説得力があります。
何のために生き、何のために勝つのか
自身が抱えている絶望を越えて、世界を救う力を得るためにはマウラはどうすればよいのか、という点が43話のクライマックスでした。
イリス:「勝利への欲求。それだけでは絶望を超えることなどできません。ここより先の道のりは険しく、ここより先のすべては過酷。あなたに世界は救えますか、マウラさん」
マウラ:「世界を救う?そんなこと、そんなこと考えたことさえありませんよ。世界などどうでもいい。生きること、ただそれだけでいい」
イリス:「それがあなたの願いですか?」
マウラ:「ええそうですよ、だからあなたが、伝説のカードが目覚めたんでしょう?」
イリス:「それだけが、いまのあなたの願いですか?あなたはまだ気づいていない。気づこうともしていない。何のために生き、何のために勝つのか。その意志こそが絶望を超える力となる」
災いの樹編に入るまでは、マウラは生贄になることを受け入れて諦めていました。33話と34話で自身の中にある「生きたい」という願いに気づき、それを正直に発露したことで、イリスに認められ伝説のカードを託されました。
しかし「生きたい」という願いは自身に課された役割と衝突しているため、この願いだけでは絶望を超えることはできません。むしろ絶望を生み出す根源になっているのがこの衝突なのです。
何のために生きるのかという意志を強く持つことが、絶望に抗うすべだとイリスは伝えようとしています。マウラに一歩先に進んでほしいとイリスは思っているのでしょうね。
マウラ:「もう終わりですね」
イリス:「いいえ、まだあなたは足りない」
マウラ:「何を言って…」
イリス:「あなたには力がある。ですが意志がない。私もかつて言われた言葉です」
イリスに「意志がない」と言葉を投げかけたのはヴァンパイアのユリウスです。イリスのためを想った言葉というよりは、ユリウスの価値観であり、本家の主人公たちはだいたいみんなユリウスに同じような説教を受けています。
この場面でマウラにも投げかけるぐらいには、イリスの中では大事にしている言葉なのでしょう。次回がルシアとユリウスの回なので、伏線として回収してくれるかもしれません。
マウラの答え
生贄として死ぬために生きていたマウラにとって、いきなり「なぜ生きるのか」なんて聞かれても答えられないでしょう。
マウラ:「なぜ生きるのか、なぜ勝つのか。ずっと、きっと逃げてきましたから、この問いは僕にとって難しすぎる。それでも分かったことだってある。彼らは止まらなかった。諦めなかった。だから僕も止まりはしない。諦めない。この道の果てに、答えがあると信じて進む。それが僕の意志、僕の答えです!」
アニシャドは完結した答えを用意するのではなく、これから探していくよという緩やかな答えを用意してくれました。その答えでもいいのだとマウラが確信できたのは、仲間たちの姿のおかげですね。どんなことがあってもめげずに逃げずに戦い続けている仲間たちの姿を見ていたから、自分も同じように進んでいこうと考えることができたのかなと思います。
マウラ:「少しだけ迷いが晴れました」
イリス:「あなたの意志、確かに受け取りました」
マウラ:「紅茶、ごちそうさまでした。ウソの優しさよりずっと、ずっとおいしかった」
完璧な答えが出たわけではありません。迷いが少しだけ晴れた程度なんですよね。しかし、アニシャドの中でのマウラの戦いはこれからも続いていきますから、このぐらいで全然良いのではないかなと思います。少年少女の主人公に将来の成長の余地を残す描き方は、ホビーアニメらしくて僕は好きです。
棋譜
今回もオリジナルカードは多かったですが、飛ばされたターンは少ないバトルでした。
何かあればご連絡ください。
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42話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
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