3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【原作勢目線】アニメシャドウバース44話感想-ルシアと不死の王

ネタバレします!!

 44話はルシアとユリアスがバトルする回です。ルシアの安寧の夢は幸福に満ち溢れていて、だからこそとても悲しいのですが、ちゃんと最後には前を向けていて安心しました。

ルシア vs ユリアス

 バトルが始まるのはCM明けでした。バトルの内容から見ていきます。

1-5ターン

 先攻6ターン目までカットされています。カットされているターンが長いので推測することはできません。
 先攻はルシア、後攻はユリアスです。先攻6ターン目の時点でユリアスの体力は8まで削れていることから、先攻側がフォロワーを展開して序盤から体力を詰める展開になったものと思われます。
 ユリアスは先攻6ターン目の時点で手札が8枚もあるので、パスをしたり血の取引を使ったりして手札を増やしたはずです。手札にはバハムートやダークエンジェル・オリヴィエなどコストが重いカードがたくさん見えるので、デッキはコントロールヴァンパイアであることがわかります。

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 細かい話ですがルシアは先攻5Tと6Tで進化権を使い切り、ユリアスは後攻4Tと5Tで進化権を使って、最後の1つを温存しているというのはわかります。

6ターン

先攻6T:ルシア
 このターンの途中からアニメに映ります。
 ルシアは6pp使い切っていて、ルシアの場には進化後のワードローブレイダーがいます。

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 ユリアスの場にはサーペントチャーマーと人狼の群れ長がいます。

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 進化したワードローブレイダーでサーペントチャーマーを攻撃します。サーペントチャーマーは破壊され、ラストワードでユリアスに2ダメージが入ります。ルシアの体力は17で、ユリアスの体力は6です。


後攻6T:ユリアス
 場残りした人狼の群れ長でワードローブレイダーと相討ちします。
 アニメオリジナルカードを使います。

テラーバイト
6コストスペル
自分のリーダーは夜の王状態(「自分のターン開始時に自分の体力を10にする」を持ち、一部のカードの復讐時効果がパワーアップする)になる
自分の手札のランダムな3枚のカードを「ナイトメアタイム」「ブラッディネイル」「ドレッドオーラ」にそれぞれ変身させる

 ユリアスの手札にあったアビスビースト、ジャガーノート、フリアエが変身します。
 「お前たち人間が呼んだのだろう?この私が、夜の王であると」と言いますが本家で夜の王という表現がなされたことはありません…。44話のタイトル回収をするなら不死の王状態でも良かったかも…。
 ナイトメアタイムは0コストなのでこのターン中にプレイすることができます。

ナイトメアタイム
0コスト
自分のリーダーは「自分のターン開始時にカードを1枚追加で引く」を持つ

 6コスト払って盤面に一切干渉できないのでかなり隙が大きいカードです。撃てれば次のターンからどんどんアドを稼ぐことができます。毎ターン開始時に体力が10になるので、チマチマと削るデッキには負けなくなります。

7ターン

先攻7T:ルシア
 ダークエンペラーをプレイします。
 ユリアスが「本来は復讐状態でプレイすべきカードでは?」と指摘をして、ルシアが「破壊とダメージに耐性があるんだぞ」と返すのは至極まっとうなやりとりでした。
 ユリアスは体力が10になるのでダークエンペラーを除去しないと負ける可能性が出てきます。スペルでは破壊できないため厄介な押し付けになっています。

後攻7T:ユリアス
 ナイトメアタイムの効果がここでわかります。ターン開始時にカードを1枚追加ドローします。
 ブラッドレイジをプレイします。ルシアもよく使っているカードですね。

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 本来はフォロワー1体に6ダメージなので効果ダメージ耐性があるダークエンペラーには効きません。しかしユリアスはテラーバイトを使って夜の王状態になっているので、ブラッドレイジの効果が「相手のフォロー1体を消滅させる」にパワーアップしており、ダークエンペラーは消滅します。
 テラーバイトで加えたトークンスペルを撃ちます。

ブラッディネイル
2コストスペル
自分のリーダーは「相手のフォロワーを破壊するたびに相手のリーダーに1ダメージを与える」を持つ

 血餓の女帝の効果がリーダーに付与されるようなイメージですかね。このターンに効果は働きません。

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8ターン

先攻8T:ルシア
 吸血貴・ヴァイト、ヴァンパイアライカン、ナイトメアをプレイします。ヴァイトは守護と交戦時能力がありますが他の2枚はバニラです。
 前のターンは大きいフォロワーを置いてプレッシャーをかけ、このターンは横に広げてプレッシャーをかけます。

後攻8T:ユリアス
 3枚目のトークンスペルを撃ちます。

ドレッドオーラ
2コストスペル
自分のリーダーは「自分のターン中にリーダーがダメージを受けるなら、自分ではなく相手のリーダーがそのダメージを受ける」を持つ

 ブラッディ・メアリーの効果がリーダーに付与されます。

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 前のターンで2pp余っていたので、このカードも撃つことができたと思うのですがなぜ撃たなかったのでしょうか。同じターンには使えないという制限があるのでしょうか。
 デモンストームをプレイします。

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 ルシアの場にいる3体のフォロワーが破壊され、お互いのリーダーに3ダメージが入ります。
 ブラッディネイルの効果で3体のフォロワーが破壊されて3ダメージ、ユリアスが受けるはずだった3ダメージがドレッドオーラの効果でルシアに入って3ダメージです。これでルシアの体力は8です。


9ターン

先攻9T:ルシア
 暗闇の蝙蝠とサイレントライカンをプレイします。
 暗闇の蝙蝠は久しぶりの登場です。

暗闇の蝙蝠
5コスト1/5
守護
ファンファーレ:復讐状態なら必殺を持つ
ラストワード:自分のリーダーを3回復してカードを1枚引く

 サイレントライカンの効果は次のターンに分かります。

後攻9T:ユリアス
 ソウルディーラーをプレイします。

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 体力を半分にするカードです。半分になるということは体力が満タンの20であろうと復讐状態に入れます。リスクが大きすぎて使うのが難しいカードでした。ここではドレッドオーラの効果でリーダーが受けるはずの5ダメージがルシアへと飛んでいきます。
 デモンコマンダー・ラウラをプレイします。

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 復讐状態で他のフォロワーを疾走させるカードです。夜の王の効果で疾走にプラスして「能力によって破壊されない」も付与します。ソウルディーラーを疾走させて、必殺と守護を持っている暗闇の蝙蝠に攻撃します。能力によって破壊されなくなるので、必殺も効きません。
 モルモをプレイします。

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 夜の王状態なら「このターンに相手のフォロワーを破壊していたなら、フォレストバットに疾走を付与する」を持ちます。片方のフォレストバットを進化して攻撃します。ルシアの体力は1です。
 「このターンに相手のフォロワーを破壊していたなら」という条件がなければ、ソウルディーラーがルシアを攻撃することができたのでユリアスの勝ちでした。


10ターン

先攻10T:ルシア
 デッキトップから引いたのは獰猛な捕食でした。

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 これをモルモに撃って1ドローします。本来ソウルディーラーに撃つべきところでしたが、ルシアの手札にはディアボリックドレインがすでにあったので、どっちでも良かったのかなと思います。
 群れなす飢餓でフォレストバットを2体破壊します。ディアボリックドレインでソウルディーラーを破壊して2回復します。場残りしていたサイレントライカンでラウラを破壊します。これでユリアスの盤面は全処理されました。
 サイレントライカンの効果が発動します。

サイレントライカ
4コスト2/4
潜伏
相手のフォロワーが破壊されるたび、このフォロワーを+1/+0する
このフォロワーの攻撃力が7以上になったとき、このフォロワーは「1ターンに2回攻撃できる」を持つ

 相手のフォロワーを倒しているときにどんどん攻撃力が上がっていたはずなのですが、まとめて攻撃が上がるという演出になっていました。そのぐらいはご愛敬ですね。
 このカードを潜伏で伏せられると、相手はフォロワーを4体までしか出せません。5体倒されると14点パンチが飛んできてしまいます。
 サイレントライカンの2回目の攻撃でユリアスに7ダメージ、手札にあった鋭利な一裂きで3ダメージでルシアの勝利でした。ディアボリックドレインで回復していなかったら、自傷ダメージが先に入るのでルシアの負けでした。
 鋭利な一裂きをラウラに撃てば、サイレントライカンが2回ともリーダーを攻撃できたので、最大打点は14点でした。勝ちであることには変わりはありません。
 鋭利な一裂きで勝つというのは絵としては地味ですが、2話でヒイロに撃たなかったカードでけじめをつけるという点では意味のある終わり方でしたね。
 今回もきっちり敗北ボイスを回収してくれました。

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ルシアの安寧の夢

 44話のスタートは、ヒイロと触れ合う前のルシアのセリフを引用していました。

ルシア:「繰り返しの日々、くだらない毎日。この道の先に何がある。わからないけど。でも…。(中略)この道がどこに続くかはわからない。でもシオリが笑ってくれている。だから、いまだけは…きっと…」

 シオリがこんなに元気なのに、ルシアの心の中は意外とブルーなんだなと驚きました。

謎の少女:「ゆりかごの無知なる赤子。でも、あなたの瞳は確かに揺れている。あなたの願いは彼女の幸せ。すべては虚ろ、嘘、まやかし。それでもあなたは焦がれて祈る。残された時間は、もうわずかよ。夢はいつか、覚めるものだから」

 謎の少女がこう言っているので、マウラと同じくルシアも起きているのかもなとこの時点で匂わせがあります。
 スタジアムでシャドバをしているシーンでは、ルシアが目覚めているならそのへんのモブに負けるはずがないので、やっぱり起きてないのではと疑いました。振り返ってみてみると、わざと負けて早くシオリのバトルを見てあげたいということだったのかなとも思いました。
 夜那月宅に帰ると料理が置いてあって、両親が健在であることがわかります。ルシアの願いはシオリの病気が治ることだけにとどまらず、両親が事故死せずに元気に生きていることも含んでいるのですね。家庭がめちゃくちゃにぶち壊されているルシアの人生の過酷さが浮き彫りになります。
 シオリがルシアにシャドバの女性キャラだと誰が好きですか、とさらっと爆弾を投げ込んでるのが面白かったです。ヴァンピィちゃんとか言っておけばセーフ?

与えられた幸福

 夜にシオリが眠ったタイミングを見計らって謎の少女が現れます。

謎の少女:「起きて」
ルシア:「起きてるよ。もう十分だ」
謎の少女:「虚ろの夢と知りながら尚も演じていたのは、彼女のためね」
ルシア:「どうだろう…。シオリが笑ってくれている。僕にとってはそれがすべてだ。でも、永遠には続かないってこともわかってた。与えられた幸福だから。いつなくなっても文句は言えない」

 この世界が嘘だと分かっていたなら、ルシアはシオリに優しくしようが無駄なことです。それを分かっていても優しい兄を演じていたのは、やはり心のどこかでこの世界に惹かれていたのではないかなと思いました。外的存在が自分に接触してくるまでは、この夢に身を任せていようと思っていたのかもしれません。
 与えられた幸福だから、なくなっても文句は言えないというのはすごい人生観ですよね。誰かから与えられる幸福だとしても、手に入るなら自分のものにして良いでしょと僕は思うのですが、ルシアはそう思ってないみたいです。幼少期から過酷な人生を歩んでいるがゆえ、とても悲観的な見方をしているのでしょう。
 決意を固めて、ルシアは戦いの場へと進みます。

ユリアスの城

 ルシアの前に現れたユリアス・フォルモンドは伝説のヴァンパイアです。あまりに力が強く、たくさんの人間を殺しただけでなく、同族のヴァンパイアすらもすべて撃ち果たしてしまいました。しかし当時の王であるヴァルタザールとの一騎打ちに敗れ、長い間封印をされることとなりました。

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 天井に吊り下げられた棺の中に封印されていたというのは、アニメでも同じような表現でした。
 本家では、封印から解かれたユリアスは、かつてのヴァルタザールとの決闘のような心躍る戦いを求めてさまよいます。強そうな敵を見かけたら所かまわず襲い掛かるような危険な人物でした。
 アニシャドのユリアスは「おまえを計るものだ」と言っていて、闘争本能が抑えめで自分の使命をわきまえた人になっていましたね。


意志と闘争

 本家のユリアスは、意志と力の両方を兼ね備えているのが真の強者だ、という考え方を持っています。
 44話を見る前に僕が予想していたのは、ルシアには力はあるけど意志はないと告げるユリアスの姿でした。ユリアスと対峙する中で、ルシアは己の使命を認識していくという流れなのかなと想像していました。
 しかしその予想は外れました。逆でした。

ユリアス:「意志は感じるが、しかし、意志に見合うだけの力があるかが重要だ」

 ルシアはヒイロたちとの触れ合いを通して、しっかりとした意志を身に着けた人物になっていました。ユリアスという強敵とのバトルの中でも、ルシアは精神的に余裕を持って戦っている様子で、すごく成長を感じました。

ルシア:「あなたは強い。だから面白い。だから超える。それだけだ」
ユリアス:「はっはっはっはっは。いや、たしかに。その通りだ。強敵との闘争。それに勝る喜びはない。よかろう人間、いや夜那月ルシア。ならばお前の全力を持って、私に挑んでくるがいい」

 最初期のルシアは、強くなってシオリを守る力を得るために、強敵との闘争を求める人物でした。今ではそこに、闘争が「面白い」という考え方も加わるようになりました。ちゃんとシャドバを楽しめるようになったんだなと嬉しくなります。ヒイロのおかげですね。
 「闘争を追い求める」という要素においては、ルシアはユリアスに似ているのだなと思いました。だからユリアスに選ばれたのだろうなと思いますし、一貫性をちゃんと作ってくれるアニシャドには好感が持てます。

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 勝利したルシアは夢の中に戻ってきます。そこにはもうシオリはいません。

ルシア:「ごめんな、シオリ。でも、この夢よりもいいものを、僕が必ずあげるから」

 すべてを乗り越えた世界が、ルシアにとってもシオリにとっても理想です。頑張ってほしいですね。


棋譜

 いままでで一番不明ターンが長いバトルだったかもしれません。

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 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 43話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


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