アニシャドFの8話の感想文です。
フワリ vs スバル
ライトの期待のまなざしに負けてスバルがバトルすることになりました。
1ターン目
2ターン目
3ターン目
トリックデュラハン
3コスト2/1
このフォロワーが場に出たときゴーストを1体場に出す
ラストワード:自分のリーダーは「次の自分のターン開始時、トリックデュラハン1体を場に出し、この能力を失う」を持つ
ヘリオに似た使用感の効果です。ヘリオの効果は相手のターン終了時に働くため、出てきたゾンビはすぐに攻撃できます。一方でトリックデュラハンの効果は自分のターン開始時に働くので、復活したターンは攻撃ができません。
そのぶん、トリックデュラハンにはゴーストを出す効果がついてくるのがオトクです。この効果は場に出た時に働くので、リアニメイトで復活させても効果が働きます。恨みの語り部と同じようなコンセプトで、リアニメイトしてゴーストを利用してねというデザインになっています。
トリックデュラハンが生み出したゴーストでフェアリーを攻撃します。この攻撃先が物議を醸すものだったので後程書きます。
4ターン目
自然の導きをプレイします。メイを手札に戻してカードを1枚引きます。
メイを再びプレイ。ファンファーレで1ダメージを飛ばし、トリックデュラハンが破壊されます。トリックデュラハンのラストワードが発動します。
エルフガードをプレイします。このターンにカードを2枚プレイしていたので、自身を+1/+1して守護を持ちます。
悪戯なネクロマンサーをプレイして進化します。進化時能力でゴーストが2体場に出ます。
悪戯なネクロマンサーでエルフガードを破壊、2体のゴーストでメイとフェアリーを破壊。さらに1体ゴーストが余るので相手のリーダーに攻撃しました。
メイを再利用されてしまってフワリの盤面が少し広がりましたが、進化時効果で上手く盤面を取り返しました。スバルは幽霊部員を自称するだけあってゴーストをいっぱい使うデッキなんですかね。
スバルのプレイミス
後攻3ターン目のスバルのプレイにまつわる演出がとても興味深いものでした。
スバルの場に疾走を持つゴースト出て、フワリの場にいるフェアリーかベビーエルフ・メイのどちらに攻撃するかという場面で、スバルはフェアリーを選択しました。
観客A:「いまのはミス…だよな?」
観客B:「だな。エルフクラスはフォロワーを手札に戻してくるクラスだし」
観客C:「ゴーストで攻撃するのは、メイの方が良かったと思うけど」
観客の指摘通り、メイを自然の導きで手札に戻して再利用されてしまい、スバルもプレイミスに気づくという演出でした。
リリース時点から現在に至るまで、あらゆるシャドバプレイヤーが遭遇してきた問題だと思います。どっちを破壊しておくべきか問題。バニラのフェアリーの優先度は落とすべきだと思いますが、フェアリー限定でバフをかけるカードもあるのでケースバイケースです。
今回はスバルの場には2/1のトリックデュラハンしかいませんでした。メイを手札に戻せたら相手が大きくアドバンテージを稼いでしまうことを認識して、メイを攻撃できるかどうかがカードゲーマーとしての上手さの表現になっていました。観客はそれに気づいたけどスバルはそれに気づかないという違いを描くことで、スバルはシャドバがあまり上手くないよと視聴者に示したのです。
自然の導きやエンシェントエルフなど、メイが手札に戻るカードがなかったらスバルにとってはディスアドバンテージになっていませんでした。特定のカードを相手がたまたま持っていたからミスが顕在化してしまうことはよくあります。結果論だと切り捨てるのは簡単ですが、あらゆる可能性を考慮して小さな選択肢も疎かにしないのが上達のカギ。1%でも勝率を上げるために、上手な人たちはこういう細かい選択肢を真剣に検討します。
この微妙な差でスバルの立ち位置を描いたのが非常に繊細な演出だったなあと感激しました。1話でライトが1/2のゴブリンで2/2のドワーフアルケミストを攻撃したような、「始めたばかりの初心者」ではなく、「ちょっとやっているけど細かいケアに気づかない人」をシャドバらしく上手に描いたワンプレイだったなと思います。
2人が背負った期待
スバルとフワリが一緒に帰るシーンの会話の空気感が好きでした。
スバル:「有名人だから苦労してるんすよ、オレもね」
スバルの兄弟はプロプレイヤーのセブン・シャドウズの一員のようでした。7人の頂点のうちの1人が身内にいるのなら、シャドバカレッジでは有名人になっちゃうでしょうね。観客もスバルのことを知っているようでしたし。
フワリ:「はい~。大変です。でも、みなさん期待してくださってますから」
スバル:「期待なんて呪いだよ…」
フワリ:「そうですか?誰かのために頑張るってすごくいいことだと思いますけど」
スバルがシャドバをあまり真剣にやっていない理由がなんとなくわかります。嫌になってしまったのでしょうね。期待されることと、期待を裏切ってしまうことに。
8話ではスバルの紹介をしつつ、フワリのすごさを間接的に語っている構造も良いなあと思いました。期待をポジティブな燃料に変えて、日夜頑張り続けているのがフワリという人なんだなとわかります。胸のうちに秘めたものはまだわからないのですが、ただただのんきで優しいだけの人じゃない、"凄み"のようなものが漏れ出していて良かったなと思いました。
スバルからしてみれば他人からの期待はマイナスでしかないけれど、プラスに働くこともあるよねというのをフワリを使って描こうとしているのかなと思います。賛否あるものを語るとき、どちらか片方だけに寄りすぎない姿勢が素敵です。
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