3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 翠玉の夢 編

 2023年3月14日開始のイベント「翠玉の夢」のストーリーを整理していきます。

1.ライン生命の基礎知識

 背景知識として、ライン生命の過去の話を時系列順に整理していきます。

1-1. ライン生命の10課

 ライン生命の創立の話から始めます。
 15年前、トリマウンツは単なる荒れ地でした。空を飛ぶ翼を研究していたライト夫妻のもとに生まれたクリステン・ライトは純粋無垢な科学の天才。亡くなった両親の意志を引き継ぎ、研究に打ち込みます。そのころのクルビアの科学界はお金と名誉ばかり追い求めるひとばかり。トリマウンツ工科大学の同級生だったサリアとともにライン生命を立ち上げて、天災も鉱石病もまとめて消してしまおうとメンバーを集めました。
 一番の古株はパルヴィスとミュルジスだったと言われています。少ししてフェルディナンドが加わりました。彼は資金を集めるのが非常に上手だったため、ライン生命は急速に成長を遂げました。
 いまでは科学研究科が5つと事務課が4つ、そしてすべてを束ねるコンポーネント統括課という構造になっています。日本語の感覚で言うと「主任」がトップにつく「課」というと事業部の中の小さな一機能に感じますが、「主任」はDirector、「課」はSectionと英訳されるため、「本部長」が導く「事業本部」のような規模感なのだろうと思われます。
 一番最近設立されたのが今回の主役、ドロシー率いるアーツ応用課でした。

1-2. ローキャン水槽ラボの終焉

 クルビア科学界の歴史を語る上ではローキャン水槽ラボが外せません。
 ローキャン・ウィリアムズはケルシーもが認める天才科学者。天才ではあるものの無感情で残虐非道。ケルシーはローキャンの師匠とともに彼を学会から追放して、残虐な実験をやめさせようとしました。しかし資金調達に困った彼は、注目を集められる実験結果を求めてロスモンティスに魔の手を伸ばしました。
 脳に人造の感染機関を埋め込み、アーツユニットに頼らない、そして鉱石病に侵されることもない感染者術師を作るのが彼のプロジェクトの目標でした。ローキャンはそれをやり遂げてしまったのですが、可哀そうなロスモンティスは自らの力を制御できず、ローキャン水槽ラボは天災に踏みつぶされたように崩壊しました。
 ロスモンティスはマイレンダー児童基金という団体に保護され、クルビア国外へと輸送されました。数奇な巡り合わせでロスモンティスはケルシーのもとへとやってきて、ロドスで治療と訓練を受けることになりました。
 マイレンダーはいままで名前だけが出ていた組織です。ロスモンティスを助けてくれはしましたが、実験個体の生死は問わないとされていて、それ以上の情報はありませんでした。「翠玉の夢」ではマイレンダーの代表ホルハイヤが出てきましたが、彼女がロスモンティスにどのくらい関わっていたかはわかりませんでした。
 ロスモンティスに破壊されたローキャン水槽ラボは、クルビアの多くの科学企業にとって宝の山でした。天才ローキャンが提唱した最先端の理論や、非道な人体実験で得た興味深いデータが眠っていたのでしょうね。ライン生命も秘密裏に情報を掘り起こしていたと言われていました。

1-3. サイレンスと9号デバイス

 サイレンスがライン生命に入社したタイミングがこのへんにくるはずです。
 サイレンスはライン生命の巡回展を見てこの会社に憧れ、猛勉強の末に採用試験をパスしました。その後不慮の事故で感染者になってしまうのですが、構造課主任のパルヴィスに才能を認められて無事入社することができました。サイレンスはパルヴィスに非常に感謝をしています。
 構造課で最初に担当する業務を決める際に、サイレンスが選んだのがジョイスの治療でした。2人は患者と主治医という関係ですが、同時に友情も育んでいきます。
 ジョイスは友人のダラレイドの実験の被験者になりました。実験の過程で彼女は脳に損傷を負い、脳の機能を補佐するために9号デバイスというチップを脳に直接埋め込まれました。
 超人的な計算能力などを得たのですが、副作用に苦しんでいます。機械的な喋り方をしたり、夢を見るせいでまともに寝ることができず、日中に突然眠り込んだりしてしまいます。
 9号デバイスは基礎理論すら固まっていなかった段階だったのですが、ダラレイドになんらかの圧力がかけられ、実験が進められたようでした。
 源石にはこの大地の情報が保存されている、というのがダラレイドの持論でした。9号デバイスはそれに近づくようなものだったのかもしれません。ダラレイドはジョイスの後を追って自分にも同じ実験を施そうとして亡くなったようです。
 パルヴィスは優秀な研究員だったジョイスの復帰を願っています。サイレンスはジョイスの治療において功績をあげてパルヴィスの信頼を得ました。

1-4. 炎魔計画

 サイレンスが構造課で活躍していたとき、炎魔事件が起こりました。まずはプロジェクトの計画部分から。
 発端はクルビア国防部。アメリカの国防総省のようなイメージでしょう。彼らは炎魔の力を軍事利用できないか検討をしていました。クルビアを守るための軍事力を求めていたのだと思われます。
 炎魔というのは滅びてしまった古代サルカズの一族です。その名の通り炎を操り、王宮に仕えた王庭炎魔は特に力が強かったのだとか。彼らの遺体から採集した炎魔のかけらを用いて、炎魔を現代に蘇らせようとしていました。
 炎魔のかけらを扱うには大規模な設備が必要のため、クルビア国防部はライン生命に発注を出しました。しかしリスクの大きいプロジェクトに直接関わりたくないライン生命は、ハイドン製薬という小さな会社の株式を操作して制御下に置き、この実験を外注しました。
 ハイドン製薬が担当したのは初期実験のみだったのことでしたが、その実験をイフリータは耐え抜きます。彼女の暴走によってハイドン製薬は消し炭になり、社長も死亡。サリアが駆けつけてイフリータはライン生命に運び込まれました。
 イフリータが構造課のパルヴィスのもとに来たのは偶然ではなかったはずです。パルヴィスは源石を人体に埋め込むことで体内の源石を吸着して鉱石病を治療する源石嵌合という技術を研究していたのですが、その埋め込む源石を炎魔のかけらにすり替えることで、炎魔を誕生させようとしていたのでしょう。その治療を担当したのは何も知らされていなかったサイレンスでした。
 パルヴィスの実験は事実上イフリータへの人体実験でした。サリアはイフリータとライン生命そのものを守るために、この実験に介入を行います。しかし課の権限を越えた行為にパルヴィスも反発し、統括の決済を仰ぐことになりました。
 クリステンは両者の言い分を聞きましたが、イフリータの治療が進んでいること、パルヴィスの実験が悪影響を及ぼしている直接的証拠がないことを理由に、サリアの提案を却下しました。証拠がないなら探究するのが正しい姿勢だと。

1-5. 炎魔事件の集結

 最終的に炎魔計画は、炎魔事件としてライン生命を揺るがしました。
 統括にハイドン製薬の深追いをやめろと言われたサリアとミュルジスですが、真相の解明を諦めきれません。ミュルジスのツテで正義の組織と噂されていた謎の集団にコンタクトをとり、ついにブリキの男のアジトまでたどり着きました。
 ブリキの男に告げられて初めて、サリアとミュルジスはライン生命の関与を知ります。統括からの圧力も、パルヴィスの実験も怪しく見えてきます。
 そんなとき、イフリータが暴走したという連絡がサリアのもとに入ります。サイレンスがイフリータを逃がそうとして、自らが調合した眠獣の毒素の麻酔薬で心肺停止の状態にさせたのですが、それが炎魔化のトリガーになってしまいました。
 サリアは暴走したイフリータを殺すしかないと刃を振り上げるのですが、イフリータは正気に戻り、サイレンスが止めに入って事なきを得ました。サイレンスが薬を盛ったイチゴのアメを、イフリータは半分しか食べていなかったからです。サリアへのプレゼントにしようと。
 サリアはクリステンに目を覚ますよう最後の説得に出向いたのですが、暴力による実力行使でも交渉は決裂。サリアはライン生命の外からこの会社を正そうと退社を告げます。「翠玉の夢」で統括の部屋の天井に穴が開いたけれど、本人には傷一つ付かなかったと言われていた逸話は、オリジニウムレコードで戦闘シーンとして描かれていました。
 また、イフリータの治療がロドスに移された経緯もオリジニウムレコードで描かれていました。ミュルジスからのヒントでロドスを知ったサイレンスは、ライン生命とロドスが協定を結ぶ許可をパルヴィスおよびクリステンから取り付けました。パルヴィスはイフリータに死なれたら困るから、逆にクリステンはどうでもいいと思っていたから許可が出ました。
 サイレンスは自らの正義感ゆえに過酷な道のりを歩いていくことになります。パルヴィスは教え子に裏切られた形なのですが、いまだにサイレンスの能力と野心には期待を寄せています。サイレンスは研究者として類まれな素質を持っているのです。
 サイレンスはサリアの行いを許していません。勘違いをしているわけではなく、サリアの考えを理解した上で、もっと別のやり方があっただろうと怒っているわけです。イフリータを守りたいという共通の想いがあるにも関わず、2人の間柄が険悪な理由がこれです。



2.イベント時系列

 ドロシーを中心としたイベントの時系列を見ていきます。

2-1. ドロシーの実験

 ドロシーはなぜ例の実験を始めることになったのか。
 359号基地はトリマウンツから100kmほど離れた荒れ地に建設された基地です。ここでドロシーは従来のアーツユニット代わる新技術の研究を行っていました。
 この研究の着想はドロシーの過去から来ています。開拓者の娘だったドロシーには溢れんばかりの才能がありました。大学のサマーキャンプに参加したとき、開拓地にいた母親は天災に飲み込まれ死亡。すべての人は才能のあるなしに関わらず平等に生きられるべきだという思想を抱くようになります。
 彼女はローキャンの理論に感化されます。服役中のローキャンに直接会いに行くほど。そこで実験の理論が固められていったのだと思います。フェルディナンドも、この成果をもたらしたのはドロシーの感情のおかげだったと言っています。
 エネルギー課がこの実験に協力していたのは、表向きは伝達物質の開発を担当していたからという理由でした。本当の理由はフェルディナンドの個人的な思惑によるもので、クルビア軍の「大佐」に取り入るためでした。ドロシーの実験を「大佐」は兵器として期待していました。フェルディナンドがクルビア軍に提供すれば、彼をライン生命の次期統括として後ろ盾になってやるという取引があったのです。
 フェルディナンドはエネルギー課としてエレナをドロシーのアシスタントにつけます。実験に協力しているので不自然ではないのですが、彼にはドロシーの監視が必要だったのですね。


2-2. ミュルジスのSOS

 フェルディナンドの不審な動きをミュルジスが嗅ぎつけました。
 ミュルジスはクリステンのお気に入りにして一番の支持者。クリステンが行方不明になってしまい、ミュルジスは居場所を調査していました。実はフェルディナンドがクリステンを本社に閉じ込めていただけなので、案外近くにいたのですが。
 ミュルジスはフェルディナンドが何か企んでいることを掴んでいたはずです。「大佐」に肉薄したことも書かれていました。
 しかしフェルディナンドの部下とホルハイヤに追撃され、ミュルジスは不覚を取ります。彼女は水分子を操って分身を作り出せるのですが、術者と水分子の繋がりを断ち切れるホルハイヤの方が一枚上手でした。
 ホルハイヤはミュルジスの正体を知っているようでした。エルフの血で若さを保っていると言っていたので、ミュルジスはエルフであり、実はかなり年齢を重ねているということになります。彼女は種族不明で、耳が横に長いのでエルフと言われても納得感はあります。
 ホルハイヤはフェルディナンドと一時的なパートナー関係にあると言っていました。利害が一致していたようですが、ライン生命の内輪揉めには興味がないとのこと。
 ミュルジスはサリアと合流する予定だったのですが、ホルハイヤに連行されてしまいSOSを発します。ミュルジスがやられてしまうというのは緊急事態。サリアはドクターに助けを求めました。自分一人ではさすがに手に負えないと判断したのでしょう。
 ドクターはエリートオペレーターのMechanistと一緒にトリマウンツにやってきました。Mechanistも元々クルビアで研究をしていたような口ぶりだったので、適任だと判断されたようです。


2-3. 359号基地と開拓隊

 359号基地にはライン生命を手伝う開拓隊がいました。
 開拓隊のサニーはドロシーの実験の正体に気づいてしまいます。開拓隊のメンバーがドロシーに連れていかれて帰ってこないことを不審に思っていたところ、後述する銀色の液体を覗き見てしまったのですね。
 サニーは開拓隊の仲間を救うべくドロシーを倒そうとしました。エレナとジョイスを誘拐して騒ぎを起こし、ドロシーに会おうとしました。これに対し、ジョイスと合流予定だったサイレンス&グレイと、サニーの幼馴染の保安官メアリーが説得に当たりました。
 フェルディナンドは警備課と保安局を支配下に置き、開拓隊の反乱を鎮めようとしました。彼にとっても大事な実験なのです。外部要因による失敗は許されません。
 天才科学者の集団であるライン生命の人たちは、たとえ感染者になっても前を向いて生きていくことができます。一方でクルビアの開拓隊の人々にとって鉱石病は絶望そのもの。悲しいですがそれはお互いがわかっていること。そこで活躍したのがグレイでした。彼は感染者として辛い思いをしたことがあるので、開拓隊と腹を割って話ができました。


2-4. 銀色の液体とは何か

 359号基地のサイレンスたちと、トリマウンツのドクターたちは同じような時間帯に銀色の液体に出くわします。
 まずは359号基地から。ドロシーが行っていた実験は、銀色の液体を使って大人数の被験者の意識をコアに接続するものでした。ドロシーは被験者たちにチャンスを提示し、この実験の同意をとったうえで、彼らの意識を預かりました。
 銀色の液体は被験者たちに操られ、開拓隊を襲いました。ドロシーは359号基地にいた人々をラボの中へと招き入れて助けます。サニーはドロシーがこの液体と意思疎通を行っている様子を見かけてしまったので、彼女を疑っていたわけです。一方のエレナは被験者がこんなふうになっているとは知らなかったため困惑していました。
 同じころ、ドクターとMechanistはサリアからのメッセージを受け取り、彼女と合流しました。フィリオプシスに埋め込まれた9号デバイスを経由して359号基地側の状況もある程度は把握をしていました。
 ドクターたちはパワードスーツに襲われたのですが、Mechanistが無人機だと気づけないほどの操作が行われていました。それを実現していたのも銀色の液体です。これが神経伝達物質となって遠隔操作を実現していたのです。
 サリアはミュルジスと統括の行方を追っているのですが、この銀色の液体を開発して利用しているのは誰か引っかかっていました。

2-5. 酔っぱらった男の残した情報

 "酔っぱらった男"という人物がカギを握っていました。
 サリアは再びブリキの男から情報を得てこの男の居場所を突き止めました。サリアがバーで酔っぱらった男に銀色の液体を突き付けたところ、彼は自分の手術台で死んだ亡霊が戻ってきたのだと言っていました。
 元々この人はローキャンの元で執刀医として働いていた人物です。銀色の液体はローキャンの発明品で、ドロシーやフェルディナンドは巡り巡ってローキャン水槽ラボの遺産を利用していたにすぎないのかもしれません。ドロシーがローキャンに助けを求めていたのも道理かなと。
 酔っぱらった男はサリアに真相を白状しそうになるのですが、口封じにホルハイヤがやってきてしまいました。彼女はローキャン水槽ラボに投資をしていただけでなく、研究内容にも関わっていたかのような口ぶりでした。酔っぱらった男はローキャンに右手を実験台として差し出し、彼女たちに身体データを提供していました。執刀医なのにモルモットにされていたわけです。
 彼は苦しまずに自殺できるように、自分の歯に細工をして薬品を入れていました。ホルハイヤを見てその細工を発動させていたので、彼女のこともよっぽど恐れているに違いありません。サリアに救命措置をされて命は助かったようでした。
 サリアはホルハイヤに戦闘を挑みます。ホルハイヤ側としても銀色の液体をこれ以上は探られたくない様子でした。サリアのアーツと拳はホルハイヤに届いたかのように見えたのですが、何らかの技術でホルハイヤは空気中の成分を変化できるらしく、逃げられてしまいました。
 彼女を追いかけて行った路地で、ついにサリアはミュルジスを見つけます。ホルハイヤによってパワードスーツに押し込まれていました。ドクターが気づいていなければサリアがミュルジスを殺してしまったかもしれず、ホルハイヤの残虐さが際立つ描写となりました。


2-6. クリステンの居場所

 サリアとミュルジスは統括の行方に気づき、ドクターを連れて会いにいくことになりました。
 普段は全然オフィスにいないクリステンがオフィスにいるとは誰も思わないだろう。フェルディナンドはそんな思い込みを利用してクリステンを閉じ込めました。彼女自身は研究が捗ったと言っていて、フェルディナンドの企みなど気にもとめていない様子でした。
 サリアとクリステンは1497日ぶりの再会。炎魔事件の集結から大体4年が経過していることがわかります。最後に大喧嘩したときから、サリアはアーツの出力方法を変えました。彼女のアーツをただ一人見破ったクリステンのために。
 サリアとドクターはフェルディナンドの企みを止めたいということで思惑が一致していました。359号基地の実験は、ライン生命に危険をもたらしますし、ロドスのオペレーターの身も脅かします。
 サリアの調査とフィリオプシスの9号デバイスのおかげで、ロドスが359号基地の情報を持っていることがクリステンとの交渉の切り札になります。クリステン個人ではなくライン生命という会社を脅すネタに使えるわけです。他の勢力に渡せば喜んでライン生命への攻撃の材料にするでしょう。
 一方、ミュルジスの立場は不透明でした。彼女はサリアに協力してくれていましたが、忠誠を誓っているのはクリステンです。わざと警備課を呼び寄せたりと時間稼ぎをしていて、ドクターに真意を尋ねられても誤魔化していました。おそらくは彼女の身体を流れるエルフの血に関わっているような気がするのですが、「翠玉の夢」の中では狙いがわかりませんでした。
 もう1人狡猾に立ちまわっていたのがパルヴィスでした。統括の座を狙うフェルディナンドがクリステンに勝てるのかどうか慎重に見極めようとしていました。


2-7. 「覚醒」との戦い

 359号基地の実験は最終段階に入り、「覚醒」が顕現しました。
 ドロシーは「覚醒」を呼び出そうとはしていなかったので、フェルディナンド側がスイッチを握っていたものと思われます。ドローンによる攻撃も加えて、359号基地の何もかもを破壊して証拠隠滅を図ろうとしていました。被験者たち数十人で1人の術師となって操られているわけで、「覚醒」が持つ力は非常に強力です。
 「覚醒」は被験者たちの精神と繋がっています。ジョイスは9号デバイスで感情を受信することができていました。サイレンスとグレイと協力し、彼らはドクターのもとへとデータの送信に成功します。これで統括を動かす材料が増えたわけです。
 ドロシーは実験の成功を願ってこれまで研究をしていたわけなのですが、自分の真意に気づきます。彼女は辛い目に遭っている人たちを救済するために研究を行っていました。愛する人々と話がしたいと考え、ドロシーは自ら意識を「覚醒」へ接続させました。
 359号基地の実験のすべてを握っていたのはドロシーです。メインコアの位置は彼女しか知りません。「覚醒」を精神世界から操り、メインコアを破壊させることに成功しました。
 エレナはフェルディナンドと対面して、彼の本性を理解しました。フェルディナンドは一概にクズ野郎と切り捨てられる人でもなく、エレナの複雑な想いも表現されていました。失敗を乗り越えてエレナも成長していけるでしょう。
 事件後、サニーのもとには「Dなんとか」という人物からメールが届いていました。自分のもとで働かないかと。これはたぶんDijkstraのことだったのかなと思います。新生レユニオンで感染者のために戦っている人なので、感染者集団である開拓隊に声をかけるのも頷けるかなと。サニーもまたどこかで出てきてくれそうです。


2-8. フェルディナンドの末路

 フェルディナンドの末路について。
 サリアとドクターはクリステンを動かすことに成功しました。クリステンはフェルディナンドに電話をかけて自首を促したのです。つまり、統括としてこの事件の首謀者をフェルディナンドに指名し、断罪する意志を伝えたのですね。
 クリステンはサリアがまたライン生命を救ってくれたと評していました。クリステンが炎魔事件の二の舞を踏みそうになったわけですから、サリアは怒っていたでしょうが、丸く収まって良かったです。
 秘密の退路から逃げようとしたフェルディナンドを待っていたのはホルハイヤでした。フェルディナンドはようやく彼女がただ者ではないことに気づいた様子でした。クルビア軍に情報を流したのもおそらくホルハイヤだったのだろうという描かれ方をしていました。副大統領と直接電話をするぐらいなので、相当上の人と繋がっているのだなと。
 フェルディナンドが助かった可能性は限りなくゼロに近そうだなと思いつつ、明確に終わりを描かないのもアークナイツらしいなと思いました。


2-9. ホルハイヤの正体

 「翠玉の夢」はホルハイヤという人物に振り回されっぱなしのイベントだったなと思います。
 最終的にホルハイヤはクリステンと面会をしていました。クリステンはフェルディナンドを野放しにするフリをして、彼を利用して359号基地の実験を進めようとしていたのではないか。実験の中核部分をクリステンが回収したことを知っているホルハイヤはそのように指摘をしていました。お互い底が見えない人物です。
 ホルハイヤはクルビア占星術研究協会の名誉会長だと自分の立場を明かしていました。マイレンダーの代表というのも相当な地位だと思うのですが、占星術協会も絡んできてしまったので、何が何やらという感じです。
 アステシアとエレナの姉妹の一族は占星術の名門であり、クルビア国内で影響力のある地位を占めています。クルビアにおける占星術は一定以上の価値を持った学問と考えられるのです。
 クリステン・ライトが空に憧れ星を見上げていること、フィリオプシスが9号デバイスを通じて星空を見ていたこと、そしてホルハイヤが占星術に通じていること。クルビアとライン生命を巡るお話は科学の国のお話なのかと思ったのですが、もしかしたら道の果てにあるのは宇宙の神秘なのかもしれません。





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