3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 帰還!密林の長編

 2021/02/25開始のイベント「帰還!密林の長」のストーリーを考察したり感想を書いたりする記事です。

※イベントストーリーのネタバレをします
※私は大陸版で公開されている情報は追っていません

1. ドクターが見た夢

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 イベントの冒頭、トミミのロケットランチャーで飛行機が撃ち落とされてしまい、ドクターは気絶をして夢を見ています。選択肢の分岐の先にさらに選択肢があり、謎の人物との会話を複数のパターンで見ることができます。最終的にケオベとガヴィルに起こされるのは同じです。


1-1. 「自由」と「失敗」と「苦しみ」

 「自由」というキーワードがまずは目を引きます。ドクターには本物の自由があり、この世のすべてと無縁になると言われています。

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 「苦しみ」と「失敗」というキーワードも気になります。ドクターは失敗と苦しみを経験して前に進んできたのだと言われています。

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 現在のドクターにはゲームをプレイしている我々自身の精神が投影されているという、たまに聞こえてくる仮説を裏付ける記述になったのではないかと僕は考えています。抽象的な表現が多く、確たる証拠にはならないのですが、以下根拠を記します。
 アークナイツをゲームとしてプレイしている我々は、テラの大地から見るととても自由です。このゲームをいつどんなふうにプレイしてもいいし、プレイするのを止めてしまってもいいわけです。
 アークナイツのメインであるタワーディフェンスゲームは試行錯誤を繰り返す遊びです。我々は何度も何度も失敗することを前提に、このゲームを遊んでいます。ロドスにとっては絶対に負けてはならない一戦だったとしても、我々プレイヤーは気軽にリトライボタンを押せます。失敗は本来ならば忌避すべきものですが、我々プレイヤーにとっては失敗は成長の元です。
 繰り返しますが確固たる証拠ではないため、ここの記述は仮説の補強材料にはならないと思っています。ただ、現時点でここのテキストをどういう風に解釈するのがいいかなと考えたときに、こういう解釈の仕方もあるよねという個人的な意見としてここに書いておきました。

1-2. 「存在国」と「虚無部第一書記」

 固有名詞が2つ出てきました。今後同じ単語が出てきたときに、同じ話題だと把握しやすくなるため、意識しておきたいなと思います。

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 1つ目が「存在国」。ドクターが「ここに王国を創ろう!」と言ったときに謎の人物が提案してきた国名です。2人の言う「ここ」とは、「大地よりも広い」と言っていますから、テラではないどこかということになります。「虚無の上に建つ」とも言っていますね。

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 謎の人物はドクターのことを「虚無部第一書記」と呼びます。虚無というワードは上とも繋がります。
 「第一書記」という役職をどのような意図で書いているのか解釈が難しいところです。できれば英語版でなんと訳しているのか知りたいところです。
 素直に読むと書記を務める人物ということになります。ドクターと会話をしている人物はドクターよりも役職が偉く、ドクターは会議の議事録をとるなどの仕事を任されているということでしょうか。
 もしくは「第一書記」そのもので、共産主義政党の党首を示す言葉として捉えることも可能です。党首ではあるが「書記の一員」であることを含意している言葉ということです(Wikipediaより)。仮にこちらの意味だったとしても、なぜ急に共産主義が出てきたのか意味不明です。
 「存在国」も「虚無部第一書記」も固有名詞とはいえ非常に曖昧な言葉です。頭の片隅に置いておく程度で良いのではないかと思います。
 ここまで書いてきておいてアレですが、このドクターの夢についてはそこまで重要な話ではないだろうなと個人的には思っています。こういう曖昧な話は今後も繰り返されていくのかなと思います。

2. 大祭司とは何者なのか?

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 ユーネクテスの部族には大祭司という謎の人物がいました。彼がどのような存在なのかという問いは、いままで謎だったエンペラーの正体にも繋がってくると思います。

2-1. 物理法則と時間概念から超越している?

 大祭司は自分の姿を思うがままに消すことができたり、瞬間移動をしたりすることができます。

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 我々の知る物理法則が通用しません。

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 彼の持つ時間の概念も我々とは異なっているように思います。

2-2. リーベリなのか?鳥なのか?

 部族のアダクリス人は大祭司をリーベリだと言っています。

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 「鳥っぽい見た目」で「人間の知性を持っている」という2点からリーベリだと判断しているのだと思います。
 我々の知っているリーベリ族は現実の人間に近い姿をしています。一番鳥っぽい見た目の人でもサイレンスあたりでしょうか。ここのアダクリス人たちが世間知らずだからこういう発言をしているのか、もっと鳥に近いリーベリ族がテラの大地にいるのかは不明です。
 ガヴィルは「普通のヤツなのか」と聞いているため、自分たちとは違う特別な存在である可能性も視野に入れているものと思われます。

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 また、テラの大地には普通の鳥もいるはずです。シルバーアッシュが連れているテンジンは普通の鳥だと思われます。

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 大祭司はリーベリでもなく鳥でもない第3の存在だと捉えるべきなのかなと思います。

2-3. エンペラーとの関係は?

 大祭司はエンペラーを知っているとのことでした。この会話をさせるためにペンギン急便の誰かが同行したという設定にしたくて、クロワッサンが選ばれたのだろうなという予感がします。

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 エンペラーも大祭司と同様に長い時を生きているようだなということは分かります。
 エンペラーはラップの神様とまで言われていますが、大祭司は歌がヘタクソなようです。ただ、歌にこだわりがあるという点では共通点にも見えます。

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 エンペラーも大祭司と同様に物理法則を超越したような人物でした。というよりエンペラーは生死すら超越しているのではないかというエピソードが多いですね。

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 鼠王もあれぐらいではエンペラーが死なないことを知っているようだったので、エンペラーだけが特別な存在というよりは、大祭司をはじめとして他にも同族がいるのかもなと思ったりしました。

2-4. エーギルとの関係は?

 この集落をたまたま訪れたAUSに対して、大祭司は意味深なことを言います。

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 Altyも大祭司がどういう人物か気づいているようでした。エーギルと関係があるようには見えませんが、このテラの大地の秘密を握るものという点では同じような立場にあるのかもしれません。
 というわけで大祭司の正体についてはヒントがいくつか出たのですが、答えは分からず仕舞いでした。

3. AUSの旅路とケルシーの鍵

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 ケルシー先生とエーギルを巡るイベントストーリーが今回も更新されることになりました。いままでを振り返りつつ整理してみましょう。

3-1. 「騎兵と狩人」

 「騎兵と狩人」では強引に鍵を手に入れようとするスカジの姿が描かれました。

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 もともとこの鍵は滴水村の村長に代々引き継がれていて、宝箱を開くための鍵でした。クランタ人の血を注ぎ込まないと崩れ落ちてしまうトラップつきの代物です。赤いのはグラニの血液です。

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 スカジはこの鍵と情報の交換をケルシーに要求しました。

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 ケルシーは「鍵」「コア」「記録装置」を求めているようです。その3つが同一のものを示しているのか、1つずつ対応するものがあるのかは不明です。

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 スカジが知りたがっている情報をケルシーはお見通しでした。

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 しかし結局、ケルシーがスカジに何を教えたのかは分かりませんでした。

3-2. 「青く燃ゆる心」

 「青く燃ゆる心」ではAltyがロドス号へと乗り込んできて、ケルシーに情報を要求します。

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 ケルシーがAltyに何を教えたのかも分からず仕舞いでした。ここのお話は「青く燃ゆる心」の考察記事で詳しく書いています。

yterapokemon.hatenablog.com


3-3. 「帰還!密林の長」

 今回のイベントではロドス号でのAltyとケルシーのやりとりのその後のストーリーが描かれていました。

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 スカジが手に入れた鍵はAltyの手へと渡ったようです。Altyはケルシーに情報を要求していたはずなのに、なぜかAltyの側から知識を提供し、交換で鍵をもらう運びになったようです。この鍵を使うことでエーギルの謎へとアクセスできるということでしょうか。
 Ayaが「手ぶらで帰るわけにもいない」と言っていることからAUSの4人には帰るところがあるようです。

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 Danが「行かなきゃダメか」と聞いていることから、AUSには何らかの使命があり、この鍵を使うべき場所をすでに知っているかのような雰囲気でした。

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 ただ、自分たちがその役目を果たさなくてもいいようで、誰かに渡すことも検討していました。この鍵はさらに別の持ち主の手へと移りそうな雰囲気ですね。一体この鍵は何なのでしょうか?このお話も全然分からないままイベントが終わってしまいました。

4. 感想

 ここからはただの感想です。
 ドクターが休暇を取るということで箸休め的なイベントになるのかなと思いましたが、しっかりと謎を用意していましたね。気が抜けないゲームです。
 ガヴィルとユーネクテスの対立は、「伝統vs革新」というテーマをアークナイツなりに料理したストーリーでした。外の世界に出ているのに伝統そのもののような生き方をするガヴィルと、中の世界に閉じこもっているのに革新を求めるユーネクテスの対比が面白かったです。
 どちらかが頂点に立つのではなく、人間のたくましさに任せようという落としどころにしたのも良かったですね。伝統vs革新に1つの答えなんてないと思うんです。
 2人にとってのターニングポイントがサルゴンの移動都市を見たことだったのが、アークナイツの世界観ならではでした。巨大な都市を移動させてしまうだけの技術を持つ人類と、ジャングルの奥地で原始的な暮らしを営む人類が共存しているのがテラの大地です。ダイナミックな世界観ですよね。
 1つの価値観に縛られるのではなく、多様な価値観を認め、自分を成長させていくことが大事なのだなあとポジティブな気分になれるお話でした。

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