3度目のサザンドラ

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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - ニアーライト前編「権力闘争編」

 2022年4月28日開始のイベント「ニアーライト」のストーリーを整理します。この記事は「権力闘争編」と題して、ロドスが巻き込まれたカジミエーシュの組織間抗争の経緯を振り返ってきます。



1. カジミエーシュ勢力図


 
 カジミエーシュの勢力図の概観を眺めるところから始めます。
 権力闘争の主役は監査会と商業連合の2つです。監査会は行政府であり、国防軍である征戦騎士を指揮する権限を持ちます。商業連合は企業の経済的結びつきで成り立つ組織で、莫大な資本の力を使ってカジミエーシュを牛耳っています。
 競技騎士は興行として戦いを披露するエンターテイナーです。感染者騎士法によって感染者も競技騎士になれるようになりましたが、満足のいく暮らしができるのはごく一部。感染者騎士たちが地位向上を目指して監査会と行った取引がカジミエーシュを大きく動かしました。
 商業連合は騎士たちに対抗する武力として無冑盟を抱えていますが、無冑盟が商業連合の支配から脱しよう反逆を起こしたのもニアーライトの大きな動きの1つでした。
 そのほか、騎士競技を司る騎士協会は、スポンサーである商業連合の傀儡同然となっているため、ニアーライトでは存在感がありません。国民議会は司法府と立法府を兼ねた組織のようで、立場的には監査会に近い組織だとは思うのですが、独自の意思を持って動くこともありました。
 各勢力の思惑が絡み合う中で、ロドスはより多くの感染者を救うために難しい舵取りを迫られます。協力か敵対かという単純な二元論では割り切れない権力闘争の中で、信念を貫くための戦いが始まりました。

2. 零号地の秘密

 権力闘争にロドスが深く関わることになってしまった原因は、感染者への治療、そして零号地にあります。
 ロドスがカジミエーシュを訪れたのはこの地の感染者に対してよりよい治療を施すことができると監査会に提案したからです。マーガレットをカジミエーシュに送り届けたいというもう1つの理由もありました。

 監査会はロドスの提案を受けます。感染者共同医療組織という監査会直轄の組織の構成メンバーにロドスを参加させ、医療チームが現地で活動できるように手配を整えました。ロドスが編成したチームは、シャイニング、ナイチンゲール、Touch、ハイビスカスを含む医療オペレーター中心の構成でした。彼女らは大騎士領の感染者の治療に追われることとなりました。監査会が感染者に医療を施していたのは、心から人道的支援を行いたかったというよりかは、大騎士領の民衆へのポーズの意味が大きかったようでした。
 治療に必要な物資や資金は商業連合が援助を行っていました。また、感染者共同医療組織のロドス以外の企業はカジミエーシュ内の大企業がほとんどです。監査会直属とはいいつつ、商業連合も強い影響力を持つ組織でした。
 商業連合は優秀なビジネスマンの集団です。より多くの利益を得るために常にアイディアを模索しています。大騎士領の感染者は鉱石病罹患のリスクが高い掘削業などの危険な仕事を斡旋することで利益をもたらすことができる存在ですが、働けないほどに病状が進んでしまった人に価値はありません。悪魔的な発想が実行に移されました。働けなくなった感染者を文字通り「処分」する場所を生み出したのですね。それが零号地です。
 零号地はミェシュコ工業が提供した小型のプラットフォームで、正式な提供リストには含まれていません。商業連合は秘密裏に感染者の処分を行っていましたが、監査会も噂を掴んでいたことでしょう。調査をするきっかけを探していました。
 そこで白羽の矢が立ったのがロドスです。ロドスは外部企業なので商業連合とのしがらみがありません。零号地への切り込みに監査会が必要としているカギは2点ありました。1. 正式な理由で零号地を調査できる口実。2. 商業連合が抱えている無冑盟に対抗できるだけの武力。これらを監査会がどのような手段で手に入れていくかを意識して物語を追いかけていきます。


3. ロイとムリナールとシャイニング

 前述の2つのカギを手に入れるため、監査会はレッドパイン騎士団に取引を持ちかけました。レッドパイン騎士団は条件を飲み、大騎士領に再び大分断を起こす計画を練りました。計画は当然秘密にしていたのですが、実はいろいろな人にバレてしまっていました。
 無冑盟にとっては大騎士領での盗聴や隠密調査など朝飯前です。レッドパイン騎士団がやろうとしていることはロイから商業連合に密告されてしまい、無冑盟に正式な形で任務が下ります。感染者騎士を掃討せよと。
 大分断作戦を事前に知っていた人物がもう1人いました。トーランドです。彼はレッドパイン騎士団に直接接触をして、彼女らの信頼を勝ち得ました。そしてその情報をムリナールへ流しました。ムリナールはさらにシャイニングへと情報を伝え、無冑盟の掃討作戦の実施場所で待ち合わせをしました。彼らは感染者を守ろうとしたのですね。
 その結果、三者が鉢合わせになり、勝てないと悟ったロイがダッサい言い訳をして撤退せざるを得なかったのがこのベンチのシーンでした。印象的でしたね。

 ムリナールはさっさと帰ってしまいましたが、シャイニングは守ってあげた感染者から話を聞き、零号地で起きている真相を知りました。シャイニングはのちにロドスに戻り、ドクターにカジミエーシュの感染者事情をいろいろと伝えました。しかしそのタイミングではすでにドクターは大部分を把握していると言っていました。グラベルやマルキェヴィッチを経由し様々なソースから情報を集めていたようでした。


4. 大停電作戦・計画フェーズ

 レッドパイン騎士団の面々は、自分たちの計画がバレているとは露も知らず、着々と準備を進めていきました。この計画はソーナと監査会のデミアンという人物が裏で繋がって練られたものです。以下のような手順が計画されました。
 グレイナティが大騎士領の動力センターを襲撃し、大規模な停電を引き起こすのがスタートです。都市インフラの警備は監査会の担当らしく、デミアンが警備を手薄にするように手回しをします。ユスティナとシェブチックがこれを支援し、イヴォナが無冑盟を引き付けることで実現の確度を高めます。
 大停電を起こす狙いは、ソーナが商業連合ビルに侵入することにありました。彼女はサーバルームに忍び込み、2つの情報を盗み出すことを狙いました。零号地の情報と、無冑盟の人員リストです。レッドパイン騎士団はこれら2つの情報をデミアンに提供し、その対価として監査会は感染者たちの合法的な身分を保証するというのが取引の内容でした。
 デミアンは手に入れた情報を使って商業連合に打撃を与えることができるぞと踏んでいたようでした。


5. 大停電作戦・実行フェーズ

 計画というのはなかなか思い通りにはいかないものです。
 前述の通り作戦はすべて無冑盟にバレてしまっていました。無冑盟にも商業連合の支配を脱したいという別の思惑があったため、レッドパイン騎士団をただただ邪魔するということにはなりませんでした。
 本来グレイナティが実行するはずだった動力センターへの襲撃は、モニークが代わりにやってくれました。停電は無冑盟にとっても必要だったのです。また、無冑盟を引き付けるのが仕事だったイヴォナもモニークの前に沈みます。仕事ができる女です。
 無冑盟にバレているとわかった時点でソーナの侵入はストップしたほうがよかったかもしれません。しかしレッドパイン騎士団が連絡に使っている通信路がピンポイントで妨害され、ユスティナは各人に情報を伝達できませんでした。ソーナには周りが停電しているということしかわからず、商業連合ビルへと突入していきました。無冑盟の思う壺だったわけです。

 華麗な身のこなしで情報を盗み出すことに成功したソーナでしたが、彼女しかいない部屋に電話がかかってきたとき、自分が何者かの手のひらの上にいることを悟りました。
 電話の主はソーナが持っているチップをロイに渡すよう脅しました。しかし両方ではありません。無冑盟のリストだけで良いと言ったのです。情報の元になった商業連合のサーバはすでにロイが破壊してしまったので、チップの中にあるのが最後の情報とのこと。
 この電話の主が誰だったのかは明言されませんが、無冑盟のトップのクロガネだったのかなと思います。仮に商業連合のお偉いさんだった場合、サーバを破壊する理由がありませんし、零号地の情報の方が守りたかったはずです。片方だけ持って行っていいよという取引を持ちかけるのは変です。クロガネは零号地には興味がないので、ソーナから監査会に渡って商業連合が打撃を受けてくれる分には構わないというスタンスだったのではと思います。
 クロガネは商業連合の重役のうち、無冑盟の正体を知っている人たちを停電に乗じて皆殺しにしてしまいました。商業連合の支配を脱する作戦の1つです。このタイミングで殺すことで、レッドパイン騎士団に罪を被せることができます。サーバも破壊できたので、無冑盟の構成員を知っている人物がこの世から消え失せてしまいました。
 商業連合は大企業の重役たちが集まっている組織であり、企業対企業の利害対立が内部で起きることがあります。無冑盟を直接動かせる人が交渉の優位に立てますから、無冑盟を知る人物は自然と絞られていきます。それゆえに物理的に全員を殺して回るという荒業を使うことができたのですね。

 ソーナは電話の主との交渉を打ち切り、窓から飛び降りてロイから逃げます。クロガネなら飛び降りたソーナを空中で撃ち抜いてビルに磔にできたかもしれませんが、ソーナの動き出しが早すぎたのか、殺す必要はないと考えたのか…。
 ソーナは援護に来たグレイナティと一緒にロイから逃げようとしますが、2人がかりでもロイには勝てません。ソーナはロイの矢に貫かれてしまいますが、ドロステに助けられました。チップはグレイナティが確保し、ソーナはドロステに連れられて大騎士長ラッセルに面会することになりました。
 ラッセルは監査会のトップなのでソーナたちの企みを知っていました。養子のように育てたドロステを使ってレッドパイン騎士団を助け、ソーナがどういう人物なのか確かめたかったのかなと思います。

6. 銀槍の入城

 レッドパイン騎士団と無冑盟がドンパチしている間に、もう1つ大きな動きがありました。征戦騎士団であるシルバーランスペガサス騎士団、通称銀槍のペガサスたちが大騎士長に突然現れたのです。
 征戦騎士たちは普段、ウルサスやリターニアとの戦争に備えて国境付近の警備に就いています。大騎士領とは物理的に距離があるため、簡単には戻ってこれません。また、戦争兵器である彼らは平時に都市に入ってくることができないようにもなっているようです。代弁者マッキーは国民議会に第二法に抵触するのではと問い合わせていました。
 監査会は大停電を口実に使いました。非常事態においては監査会は征戦騎士を派遣する権限を持つからです。しかし停電が起きてから移動していては即座には戻ってこれません。銀槍のペガサスたちはあらかじめ偽装工作を行い、大騎士領付近に潜んでいました。初めからレッドパイン騎士団を使って銀槍のペガサスを呼び戻すつもりだったのですね。
 この工作にはドクターも絡んでいたっぽいです。

 ソーナはその後デミアンと無事取引を行いました。デミアンには少し浅はかなところがあるとラッセルは言っていましたが、彼には考えがあるとも言っていて、取引を行うこと自体はラッセルも了承していました。
 これにより監査会は当初の目的を達成しました。零号地の情報を使って商業連合の秘密を暴くとともに、無冑盟が邪魔をしてきたとしても銀槍のペガサスで対抗することができるようになりました。

7. セントーレアvsグラベル、モニークvsシャイニング

 銀槍のペガサスが大騎士領にやってきたことは商業連合にとっては不愉快なことです。特に、ロドスが監査会を補佐して暗躍していることを知った感染者医療組織の企業たちは焦りました。「功を焦った愚か者」と評されていた一部の企業の重役は、独断で無冑盟に命令を飛ばし、ロドスの始末と零号地の掃討をさせようとしました。
 ドクターは商業連合の様々な人間と付き合う中で、商業連合は利益という絆で繋がっているにすぎず、重役たちは4種の人間に大別できることが分かったと言っていました。味方になってくれそうな人もいれば、敵として襲ってくる人もいるだろうということはわかっていたのでしょう。
 セントーレアが無冑盟を率いてロドスの襲撃にきたとき、グラベルが必死に応戦していましたが、セントーレアにかかってきた電話で戦闘が中断されました。商業連合の中でもロドスの味方になってくれた側の人が襲撃を中止させました。マルキェヴィッチがロドスを商業連合の臨時加盟組織に加えたのだともドクターは言っていて、攻撃の正当性を欠いたのかなと思います。零号地の感染者たちは価値を生み出せるのだということをドクターが説いた結果、商業連合には内部分裂が起きたのですね。ドクターは監査会に協力するだけでなく、自分たちの身を守るための方策も探っていたようでした。
 それとは全く別のところで、モニークもドクターを狙っていたのですが、こちらはシャイニングがモニークの矢を3本叩き落として勝利となりました。シャイニングが実は相当スゴイ剣の使い手だということはプロファイルにも書かれているのですが、ラズライトをコケにしてしまうぐらいだとは…。



8. メジャー決勝戦を巡って

 メジャーの決勝戦が終わると同時に、監査会と無冑盟の最後の戦いが始まりました。
 マーガレットの優勝に水を差す形で、ビッグマウスモーブは彼女が非感染者であるという真実をバラしました。これはマルキェヴィッチが考えた作戦で、感染者騎士がチャンピオンになることでカジミエーシュの感染者たちが盛り上がることを防ぎ、事態をコントロールしたいという狙いがありました。
 この暴露作戦についてはドクターがあらかじめ予見していて、マーガレットは全く動揺した素振りは見せませんでした。自分の身体のことは自分が一番良く分かりますから、もともとマーガレットは真実に気づいていたようでした。祖父が自分をカジミエーシュから遠ざけるためのウソだったと。
 決勝戦でマーガレットが勝ったら無冑盟は彼女を殺すつもりで構えていました。監査会とロドスに近く、商業連合に従わないチャンピオンは厄介でしょうし。血騎士と一緒にチャンピオンウォールに向かったのも彼らにとっては最悪で、せっかく暴露したのに感染者騎士がお立ち台に乗ってしまいます。
 無冑盟が全力でマーガレットを殺そうとするのをロドスやレッドパイン騎士団のメンバーが阻みます。ただ、勝負の決め手となったのはやはり銀槍のペガサスの存在でした。マーガレットの命は守られ、騎士の栄誉も踏みにじられずに済みました。
 チャンピオンウォールでラッセルはドクターに感謝を述べます。いくつかの企業が零号地関連の申請をしてきたことで、監査会は零号地を調査する機会を得たのだとラッセルは言っていました。それはドクターの功績でしょうと。
 最終的に零号地の管理は商業連合から監査会に引き継がれ、征戦騎士が巡回するようになりました。これで無冑盟は簡単には手出しができなくなりました。

9. マルキェヴィッチの今後

 今回の一連の暗闘はロドスを味方につけた監査会に軍配が上がりました。商業連合は零号地や無冑盟の件で痛手を負いましたが、気にしていない人も中にはいました。
 それがローズ新聞の代表取締役であるケーンという人です。通称「記者」と呼ばれるこの人は、代弁者マッキーのお父さんでした。ケーンはマルキェヴィッチに電話越しに語りました。監査会には好きなだけメンツを与えておけばいいのだと。今の時代、カジミエーシュの真の敵はウルサスやリターニアの軍事力ではなく、先端企業を多く輩出しているクルビアの経済力なのだと言っていました。いかにもビジネスマンらしい視点です。
 ニュースコンテンツの中で、ローズ新聞がクルビアに支社を作ったことが関連記事として記載されていました。ここに繋がっていたのですね。

 ケーンはしがない下っ端だったマルキェヴィッチの優秀さに目をつけ、ミェシュコグループから引き抜いて代弁者にしました。マルキェヴィッチは代弁者の務めを立派に果たし、ケーンの直々の右腕になることになりました。耀騎士ニアールの回想秘録を見ると、マルキェヴィッチは代弁者をやめてローズ新聞の会長補佐としてメディアの世界に飛び込んでいました。
 そんなマルキェヴィッチが唯一気がかりだったのが、前任のチャルニーのことでした。オルマー・イングラが感染者騎士を競技中に殺害した件で、マルキェヴィッチは国民議会にイングラを告訴しました。担当者はイングラの再審を行う代わりに、国民議会に賄賂を贈ったチャルニーを消せという交換条件を要求してきました。チャルニーは罪人であり、追放されたのは彼が罪に問われると都合が悪い人がいたからでした。
 チャルニーは表向きにはマーガレットがスタジアムに突入してマリアを救った件の責任を問われて流刑になっていました。タイタスが流刑先を教えてくれたので、マルキェヴィッチはチャルニー本人と対面することができました。
 チャルニーはマルキェヴィッチが自分の死を要求されているだろうと知っていて、毒をあおって自死することを提案しました。飲んだかどうかは明示されませんでしたが、「乾杯!」とまで言っていたので飲んで亡くなった可能性の方が高そうだなと思っています。
 毒を飲むよりも恐ろしいことが待っているから自死したのか、心優しいマルキェヴィッチは自分を絶対に殺せないことをわかっていて彼を助けたのか、チャルニーの胸のうちは分かりませんでした。
 チャルニーを死に追い込んだものに対して、マルキェヴィッチは抗い続けて見せると言っていました。マリア・ニアールから始まったカジミエーシュの物語で、彼は大きな変貌を遂げた人物となりました。

10. 無冑盟とは何だったのか

 無冑盟は商業連合が騎士に抗うために作った暗殺組織なのだと思っていました。しかしこの組織の結成理由は全然別のところにありました。
 無冑盟を立ち上げたクロガネは伝説のサルカズ傭兵らしいです。民衆を虐げていた非道な貴族騎士を黒金製の矢で撃ち殺しました。これが最初の騎士殺し。史上初の無冑盟であり、そこから半世紀以上をかけていまの無冑盟を作り上げたと言われていました。
 ただ、この逸話は1人の人物しか出てきません。クロガネが3人いると言われているのには意味があるはずです。2人目と3人目のクロガネは我々がよく知っている人だったりして…?
 モニークはヴィクトリア出身のフェリーンです。ヴィクトリア軍に所属していたのですが、貴族の出ではないので将校になれず燻っていたところを商業連合に引き抜かれました。
 ロイはモニークよりも在籍期間が長く、十数年ラズライトに在り続けているらしいです。種族は明らかにされていないのですが、ボリバルの廃墟からやってきたと言われていて、ペッローなのかなと思ったりしました。
 セントーレアはマリア・ニアールや赤松林で言われていたように、前任のプラチナが裏切りで処刑されたときに急遽抜擢された人物です。前任のプラチナはクロガネの矢によってビルに磔にされてしまったのだという怖いエピソードが語られました。

 クロガネは大停電に乗じて商業連合との繋がりを完全に断ち切りました。クロガネの正体を知る人はもう商業連合の中にはいません。彼らはなんと逆に商業連合の一員になるために、オリジクラウドという日用品店を興して社長業をやることにしました。
 ロイも殺し屋は時代遅れになると言っていて、時代の変化を見越したうえでの選択だったようです。整形してビジネスマンとして生きていくのだと言っていました。
 セントーレアも受付嬢に誘われるのですが、そんな暮らしはまっぴらごめんでしょうし、「身代わりとして死んでおくべきだった」なんてロイに脅されていたので、無冑盟から抜けることを決意しました。
 せっかく商業連合との繋がりを消したのに、事情を深く知るセントーレアに逃げられたらたまったもんじゃありません。モニークは全力でセントーレアを殺そうとしました。ロイは別の仕事があるとか言っていたので、本当は殺したくなかったのかもしれません。
 セントーレアは前任のプラチナと同様に組織を裏切り廃ビルの中へと逃げ込みました。彼女にもクロガネの懲罰が降り注いでしまうのかとヒヤヒヤしたのですが、そうはなりませんでした。クロガネのもとへ来訪者があったのです。ムリナールです。
 ムリナールと対面したクロガネは、ニアール家とロドスへの攻撃をやめるように無冑盟に命令を出したと言っていました。ムリナールはクロガネを脅せるほど強いみたいです。彼の光のアーツは波となり敵を撃つのだと。
 モニークはロドスのもとへ逃げ込んだセントーレアを追い込んでいたのですが、グラベルとTouchの反撃で時間を稼がれ、クロガネからの命令を受け取ってセントーレアを逃がしました。ロドスとしてもカジミエーシュを離れたら監査会の庇護がなくなるため無冑盟とどう対処していこうか悩んでいたと思うのですが、ムリナールが助けてくれた形になりました。
 というわけでロドスもこれで禍根なくカジミエーシュを去ることができ、次なる目的地へと向かうことができました。救われない話が多いアークナイツの中では、比較的物事が前へと進み、感染者にも希望が持てる終わり方をしたお話なのではないかなと思います。



 ここで語り切れなかった、ドロステ、トゥーラ、ディカイオポリスの話や、トーランドとニアール家の話は後編に書きました。合わせてご覧ください。
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