2022年7月29日開始のイベント「鋼鷲の冒険譚」のストーリーを整理していきます。すべての陣営が登場して交流していたので、今後に繋がる動きに注目です。
1. 博覧会の開催前
前哨戦イベントで語られたことを見ていきます。それぞれの陣営がどのような思惑で世界博覧会に参加したのかがポイントです。
1-1. サディアと鉄血
主催国のサディアと、レッドアクシズの同盟国の鉄血から。
世界博覧会という構想をヴィットリオ・ヴェネトに持ち掛けたのはマルコ・ポーロでした。セイレーン作戦がひと段落して、「吟ずる瑠璃の楽章」での鉄血によるコンパイラーの撃破作戦も終結。一時的に平和な海が戻ってきているタイミングでした。
コンパイラーの撃破に合わせて表舞台にビスマルクが戻りました。いまは彼女が鉄血KAN-SENを率いています。世界博覧会の開催に合わせ、アズールレーン陣営との停戦の延長を上層部に提案しておくと言っていました。しかし上層部からのマークが厳しいからか、あとのことはプリンツ・オイゲンに任せると言っていました。
サディアは形式上レッドアクシズに属していますが、鉄血がサディアに対してどのような思惑を抱いているのか分からないため、ヴェネトは警戒をしていました。ビスマルクはフリードリヒよりは付き合いやすいとリットリオは言っていましたが。
1-2. 信濃と武蔵
レッドアクシズ側のもう1つの大国である重桜。
「駆けよ碧海に吹く風」のとき、フリードリヒに招待を受けて信濃たちは鉄血を訪れていました。一時的に貸していたワタツミを返してもらうためです。その途中で竜宮城の事件に巻き込まれ、そこで出会った白龍も同行していました。
ワタツミを返してもらって重桜本島へ帰る途中に起きた出来事が描かれていたので見ていきます。どこの海域だったのかはわかりませんでしたが、信濃たちはワタツミを狙うセイレーンの奇襲を受けました。幸いなことにこの攻撃は事前に予測されていました。夢で予知できる信濃と、サディアから連絡を受けていた武蔵によってです。
紀伊は武蔵から命令を受けて、本島から信濃たちの援護に駆けつけていました。武蔵は紀伊に次のような命令を出していました。サディアの言う通り信濃が本当にセイレーンに襲われるようであれば、ワタツミは紀伊が預かり、信濃は博覧会へ向かうようにと。
信濃からすれば、はるばる鉄血まで旅をしていたのに、重桜に戻らずにまたエウロパへとんぼ返りすることになります。白龍はそれでいいのか?とちょっと怒っていました。博覧会へ出向くこと自体は休暇のようなものだと白龍をなだめていた信濃でしたが、信濃は武蔵の意図を探っていました。自分を重桜本島から遠ざけようとしているのではないかと。
スカパ・フローでのコンパイラーの撃破作戦に参加した赤城たちはまだ重桜には戻っていません。赤城の代わりに本島の統括を行っているという武蔵はどんな思惑で重桜を指揮しているのでしょうか。妹である信濃の身を案じているのだとすれば、重桜本島で何か良くないことが起こっているのかもしれません
1-3. 北方連合と東煌
アズールレーン側の北方連合と東煌について。
サディアはレッドアクシズ側なので、アズールレーン側の陣営でどこが最初に博覧会参加を宣言するかは1つの関心事だったと思います。ソユーズは自分たちが最初に名乗りをあげることで、サディアに貸しを作ったのだと言っていました。相変わらず策士です。
地理的に近いこともあって北方連合はサディアと関係を深めようとしているように見えます。「讃える復興の迷路」のラストでストレミテルヌイとパーミャチ・メルクーリヤはサディアに来ていました。それぞれ任務を抱えているようでしたが、ソユーズはサディアとの意思疎通の強化が目的とのことでした。
もともとサディアにいる2人に加えて、博覧会の出展にはクロンシュタットが向かうことになりました。事務作業に加えて調査も行ってほしいという意味での人選です。ただ彼女が諜報員であることは他の陣営も知っているので怪しまれるのではと懸念していました。アヴローラも同行するので大丈夫だろうとソユーズは言っていました。
いままで他の陣営とあまり絡んでこなかった東煌は今回のイベントでは気合が入っていました。逸仙曰く、表舞台へ上がる前座なのだと。ついに東煌メインのイベントがくるでしょうか?(史実艦がほとんどいないのでキャラが作れるのかは怪しいですが)「遡望せし虹彩の塔」でミサイル駆逐艦へ改造された鞍山と長春が出てきて驚いたことがありましたが、あれ以降はイベントストーリーにはあまり出てこなくなっていましたからね。
5期計画艦のハルビンが早速登場していました。東煌初の計画艦である彼女が今後どのようにストーリーに絡んでくるのかも注目です。今回はお留守番でした。
1-4. ロイヤルとアイリス
アズールレーン側のロイヤルとアイリス。
栄光を重んじるロイヤルは世界博覧会という舞台でも栄誉を示そうとしていました。パビリオンの豪華さで他を圧倒したいと考えていたのです。ロイヤルらしいなと思いました。
一方、クイーン・エリザベスは博覧会だけに集中しすぎることはありませんでした。コンパイラーを撃破されたあとセイレーンは大人しくなっているようでしたが、いつ活動を再開させてくるか油断はできません。重要な海域の防備に精鋭たちを向かわせていました。博覧会に参加していたのはイラストリアスとジェーナスだけのようでした(他のKAN-SENもいたかもしれませんが)。
イラストリアスはリシュリューと連絡を取り、同じアズールレーンの仲間として出展の援助を提案していました。分裂してしまってアイリスには余力があまりないでしょうから。
資金面も苦しいかもしれませんが、リシュリューはアイリスKAN-SENたちの意見をまとめることに苦心していまいた。いつまで経ってもヴィシアと1つに戻れておらず、博覧会に参加してその現状を他の陣営に見られるのは良くないのではとジャンヌ・ダルクは気にしていました。
博覧会の場でアイリスの正当性を誇示しておくことが重要だとル・テリブルは主張して、意見をまとめていました。いまのアイリス側にもヴィシア側にも現状を打破するだけの力はないため、対外的なアピールをおろそかにできないタイミングだったのでしょう。
聖堂のホログラム技術を使ったパビリオンを出展しようとリシュリューは言っていました。アイリスにも独自の技術があるのだと誇示するのが狙いでしょうか。
1-5. 指揮官への招待状
今回は指揮官に出番がありませんでした。
世界博覧会が開催されるにあたって、各陣営はそれぞれプライベート回線で指揮官に招待状を送っていました。それを見てサラトガと指揮官は困っていました。
これまで指揮官はユニオンの人間として活動することが多かったですが、だからといってユニオン陣営に所属しているわけではないようです。北方連合に呼ばれたらそのまま滞在していたこともありましたし、アズールレーンに属する軍人としてある程度自由に動ける立場なのでしょうか。だからこそなのかはわかないですが、特定の陣営の招待状を持って博覧会へ参加することは大きな問題になると言っていました。
指揮官は博覧会というお祭りを楽しみにしていたものの、問題を回避するためにも落ち着いたら足を運ぼうとしているようでした。いまは「テスト」をしなくてはいけないと言っていました。エルドリッジが手伝いに来ていたのでユニオンの基地にいるようでしたが、果たしてその内容は。
2. 博覧会中の事件
ローマの身に何が起きたのかというのがポイントです。
2-1. ローマの失踪
開幕の宣言を担当した後、戦艦ローマは失踪してしまいました。サディアパビリオンの展示物に違和感を感じ、地下倉庫にあった古の大図書館のタイルに触れ、意識が飛んでいました。
このタイルはサディア元老院の主導のもと掘り出された遺品で、「讃える復興の迷路」のときにイスタンブールからサディア本土へ運ばれたものです。途中で元老院の輸送船団がセイレーンに襲われ、ヴェネトたちの活躍で取り戻されていました。
モチーフは古代アレクサンドリア大図書館なのだと思います。長らくエジプトにあった図書館で、重要な研究施設も兼ねており、ローマ帝国の支配下にあったこともありました。ローマ帝国の歴史を刻んだ遺物ということです。
戦艦ローマがこのタイルを地下倉庫で見つけたとき、古代の遺品ではなく未来の技術で作られた「何か」のように見えたと言っていました。セイレーン技術を用いた別の装置とすり替えられていたのではないかと思います。それを触ったローマには誰かの「記録」が流れ込んでいました。
ローマが見たのは古のローマ帝国の景色や、カエサル等の偉人の見た景色でした。サディアのKAN-SENたちはサディアの栄光を非常に大事にしていますが、古代ローマに対する様々な人の想いが流れ込んでいたのではないかと思います。
「海に面した灯台」はアレクサンドリアの大灯台、「馬に引かれるチャリオット」は戦車レース、「水道橋」はポン・デュ・ガール、「七つの丘」はローマという都市の基礎を作る丘、などなど。「来た、見た、勝った」など偉人の名言を引用している箇所もありました。
タイルをすり替えた犯人についての種明かしはありませんでしたが、だぶんマルコ・ポーロなのではないかと思います。倉庫はセキュリティが厳重だったと言われていたので、内部の人間の犯行なのではないかと。
信濃は施設の一部に何かが仕込まれたことに感知していました。信濃が気づくぐらいにはヤバい代物だったということなのかもしれません。
2-2. 地下の鏡面海域
ローマ捜索隊は地下倉庫を訪れ、鏡面海域を発見しました。
鏡面海域には偽りのコロッセオがあり、緑の鷲と幽霊船の量産型が待ち構えていました。鏡面海域とはいってもセイレーンが使っている施設とは雰囲気が異なり、敵もいままで見たことのない形状をしていました。セイレーンが作り出したものではなく、マルコ・ポーロが作ったからこういうふうになるのかなと思いましたが、今回のイベントでは真相は明かされませんでした。
鏡面海域の発生装置はコロッセオの下の海底にありました。そこにはKAN-SENの駒を作り出す彫刻室もあり、ローマ本人はそこに囚われていました。彫刻室が出てきたのは久しぶりですね。駒に対してオリジナルのKAN-SENから直接データを流し込むという方法をとっていたため、このローマの駒は非常に強かったらしいです。普通の駒は自立して動いているので大きな違いですね。
偽りのコロッセオを支えているツタと装置の有りかに気づいたレオナルド・ダ・ヴィンチによってローマは救出され、鏡面海域は破壊されました。鏡面海域と一緒にタイルの偽物も破壊されました。
3. 事件後
陣営間の関係や、サディアのKAN-SENたちにどのような変化が起きたのかがポイントです。
3-1. 各陣営の交流
サディアのKAN-SENたちがアタフタしている間、他の陣営は交流が行われていました。今後に繋がってくることがあるかもしれません。
ジャンヌ・ダルクはユニオン陣営を訪れ、アイリスのパビリオンへの案内を提案していました。同じアズールレーン側の陣営としてこの申し出は快諾されていました。エセックスが代表を務めるというのも珍しいシーンでしたね。
オイゲンはループレヒトとオーディンのことをほったらかしにしていました。オーディンの姿は見えませんでしたが、ループレヒトは会場を1人で回っていました。計画艦の存在は秘匿されるべき戦力だとは思うのですが、見せても構わないという姿勢でした。フリードリヒがビスマルクを補佐しているのが公表されている以上、鉄血にはもう技術を隠すポーズは必要ないのかもしれません。ループレヒトは自分の言うことを聞かないというのがオイゲンの本音だったかもしれませんが。
「吟ずる瑠璃の楽章」のとき、オイゲンは戦場で対峙したクロンシュタットを飲みに行こうと誘っていましたが、博覧会でその約束を果たそうとしていました。戦場で向かい合った敵とそんな関係になれるなんてオイゲンらしい…。飲みにケーションという感じでしょうか。
来訪者の少ないヴィシアのパビリオンは暇をしている様子。ジョッフルは他陣営の情報は今の我々にとっては無用なものだと、なんだが自虐的な雰囲気でした。ジャン・バールたちが表舞台に出てこれない以上、ヴィシアの現状もかなり苦しいですからね。
そんな中、アヴローラが話をしにきました。アズールレーン側からのお客さんということでヴィシアにとっては気を付けるべき相手だとは思うのですが、アヴローラが他の陣営を熟知していて外交に長けていると言われていたのはこういうところに顕れていたのかもしれません。
3-2. サディアに起きた変化
秘密裏に事件を治めたサディア陣営はほっと一息ついていました。
事件後ローマに対してダ・ヴィンチは不思議な質問をしていました。偽タイルに意識を乗っ取られた前と後で、会場の雰囲気は変わったように見えるか聞いていました。ローマは「これぞサディアの威光なり!的な雰囲気が薄れている」と言っていて、演習でもやろうかと言っていましたが、ダ・ヴィンチはそういうことではないと止めていました。空気の成分が変わったみたいなものと言っていましたが、これはなんだったのでしょうか。天才の考えていることは読めませんね。
マルコ・ポーロはコロッセオの一角に部屋を構えていました。コンディ・カブールがその部屋を訪れたとき、主は不在にしていました。「ここにいないということは成功したということ?」と言っていて、博覧会の会期中にマルコ・ポーロは何かの計画を実行していたようでした。
マルコ・ポーロの代わりに部屋にはトレントMETAがいました。先日の一件でサディアに来たと言っていて、博覧会の前の時系列で何かが起きたようでした。今後、トレントMETAの来訪について語られるときは、博覧会の前の時空に巻き戻るのではないかと思います。
感想
アズールレーンのイベントの組み立て方は、「史実やカンレキにをエッセンスとするもの」と「セイレーンとの戦い」に大別できると思っています。しかし今回はローマという艦名からローマ帝国の歴史へとパスを繋げる新しいパターンを見ることができたなと思いました。
「名前が一緒なだけじゃん」と言われればそうなのかもしれません。一方で、ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦の4番艦が建造されたとき、当時のイタリア人がどのような想いを込めてこのフネに「ローマ」という名前をつけたのかを考えたとき、偉大なるローマ帝国に想いを馳せた人もいたんじゃないかなと思ったのです。
ただの乗り物であるフネに名前をつける文化は、紀元はどこかにあるかもしれませんが、洋の東西を問わずに広まりました。名前を付けるという行為には想いが込められます。KAN-SENとして同じ名前を持って生まれた少女たちも、自分たちの名前にはこだわりがあるのではないかと思うのです。
機械的に地名を選んだだけなのかもしれません。日本のフネは「戦艦は旧国名」「重巡洋艦は山の名前」というふうに一定のルールで名前をつけられました。それでも、「名前に対してこういうふうに思った人もいるのではないか」という想像から物語が作られてもいいなと自分は思います。
ストーリーの中でフネの名前にスポットが当たることは度々あります。いろんな側面からKAN-SENたちの魅力を深堀してくれると嬉しいなと思っていますが、1つの切り口として名前はいつも楽しませもらっている話題です。
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