3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アズレン】ストーリー考察:誠閃の剣 搖光の城 編【アズールレーン】

 2022年5月26日開始のイベント「誠閃の剣 搖光の城」のストーリーを整理していきます。

1. フッドのMETA化

 まずはストーリーの背景や時系列の話から。
 時系列的に言うと今回のイベントは直近の『吟ずる瑠璃の楽章』から素直に続くお話です。フリードリヒの作戦でスカパ・フロー特異点が開かれ、コンパイラーをおびき出して撃破した後のロイヤル陣営の様子が描かれました。
 前哨戦イベント『慶弔と帰路』ではフッドが病に倒れたところから始まりますが、その原因はチュートリアルで描かれていました。アズールレーンがリリースされたのは2017年なので実に5年越しの展開でびっくりでした。
 チュートリアルは「ライン演習」という史実の再現です。イギリスの補給路遮断のためにプリンツ・オイゲンとビスマルクが出撃し、プリンス・オブ・ウェールズやフッドからなるイギリス艦隊に遭遇しました。両者は戦闘モードに入り、海戦の末にビスマルクがフッドを撃沈させました。
 アズールレーンの場合、ビスマルクはこのときすでに黒いキューブの力を発現していて、それが物語のすべての始まりとなっていました。

 ビスマルクが得た力とはなんだったのか?チュートリアルのお話から過去へさかのぼって、ビスマルクが黒いキューブをセイレーンから与えられたときの話が描かれたのがイベント『黒鉄の楽章、誓いの海』のお話でした。

 ビスマルクに撃たれたフッドと、黒いキューブの力に飲み込まれてしまったらしいビスマルクは、その後のイベントでもチラチラ出てきてはいました。しかしどういう状況になっているのかははっきりとは描かれてきませんでした。
 直前の『吟ずる瑠璃の楽章』でビスマルクは黒いキューブの後遺症から回復し、セイレーンへ反旗を翻すのだという宣言を行っていました。一方のフッドは黒いキューブの力を受けたため治療できない傷を負ってしまっていました。
 クイーン・エリザベスは指揮官を通じてフッドの治療方法を探っていたようですが、芳しい成果がありませんでした。黒いキューブを使ったことがあるビスマルクやアルジェリーから得た情報だけではフッドを治せません。ビスマルクに直接診てもらうのはどうかとキングジョージVが提案していましたが、鉄血がセイレーンを裏切った直後で上層部がピリピリしている状態であり、むやみに動けないのだとも言っていました。
 『吟ずる瑠璃の楽章』でクイーン・エリザベスがフリードリヒに協力している理由はまだほかにもあるのだとほのめかされていましたが、フッドの治療方法を探りたいという理由があったのだとわかりました。


2. スカパ・フローの式典

 『誠閃の剣 搖光の城』の本編へと入っていきます。
 スカパ・フローはロイヤルが誇る自然の要塞で、非常に重要な軍港です。対外的には鉄血に奪われたスカパ・フローを取り返したという形なので、復旧記念の式典が計画されていました。クイーン・エリザベスがフリードリヒに貸していたというのが真相なので、上層部に対して目くらましをしたいという意図がありました。
 フッドは演説の名手です。セイレーン作戦でもアズールレーン側の総代表のような形で全軍を前に演説していました。式典を行うなら彼女が出てくるのが当然という流れがあるのだと思います。しかしフッドは病床に臥せっていました。
 ビスマルクから受けた傷は治っているものの、黒いキューブの力に浸食されていて、フッドは非常に弱っていました。セイレーン作戦の時点では演説と艦隊指揮を行うぐらいの余力はあったみたいですが、時間が経つにつれて悪化していて、いまはかなりキツそうでした。彼女が上層部の前に出ると怪しまれてしまうリスクがあるので式典は中止することにしました。セイレーンの襲撃を受けたフリをして中止のアナウンスが出されました。
 式典には特別計画艦の3人が呼ばれていました。チェシャー、モナークネプチューンです。今までこの3人はストーリーにはほとんど出てきませんでしたが、それは計画艦ゆえの運用の難しさのせいだと言われていました。今回はフッドの治療法を見つけるための、特異点の調査のために呼ばれました。ロイヤルの計画艦はほかにドレイクがいますが、彼女は遠航任務に出ているらしいです。海賊っぽい彼女らしい理由ですね。


3. キャメロットからの転送

 今回のストーリーの大枠を見ていきます。
 フッドの傷のことを立ち聞きしたモナークは1人で特異点調査に出発してしまいます。それをクイーン・エリザベスたちが追いかけて、さらにそれをヴァンガードたちが追いかけるという二重の追いかけっこが行われました。
 まず、スカパ・フロー特異点の先は「キャメロット」という放棄されたセイレーン施設に繋がっています。「観測転送装置」と称される「キャメロット」には別の鏡面海域へとジャンプできる扉があり、その扉を維持するエネルギー供給の役割も果たします。
 「キャメロット」とはアーサー王伝説に登場する都市の名前です。アーサー王が治めたログレス王国の都で、キャメロット城というお城がありました。クイーン・エリザベスはお城があるからこの名前を付けたのでしょうか。
 「キャメロット」から別の鏡面海域に出ようとしたモナークとクイーン・エリザベスたちは、ボノム・リシャールの仕掛けた罠にハマり、彼女の住処である「サモス」と呼ばれる鏡面海域に飛ばされました。「サモス」で黒い竜巻に飲まれる前に、彼女たちは緊急脱出で別の鏡面海域へ飛びました。その先が「アヴァロン」でした。アーサー王伝説では「アヴァロン」はアーサー王が亡くなった地とされています。
 一方、クイーン・エリザベスの不在を不審に思ったヴァンガードたちも「キャメロット」にやってくるのですが、「サモス」に飛ばされたのはリシャールの干渉によるもので、ヴァンガードたちは正常な2つの飛び先へ向かいました。
 1つ目が「忘却の森」です。レパルスMETAとレナウンMETAが幽閉されている海域でした。ここでフッドの治療の手がかりを手に入れて、ヴァンガードたちは「キャメロット」から2つ目の鏡面海域へ飛びました。
 2つ目が「アヴァロン」で、ここでモナークとクイーン・エリザベスたちと合流することができました。ボノム・リシャールも「アヴァロン」へやってくるのですが、ロイヤル艦隊が力を合わせて逃げ切り、壮大な追いかけっこは無事に終わりを迎えました。

4. レパルスMETAとレナウンMETAの過去

 忘却の森とアヴァロンという2つの鏡面海域はレパルスMETAたちの過去に関係がある海域です。キャメロットから両方に行けるのは、そういう繋がりがあるからなのかもしれません。彼女たちは我々指揮官が見ている「枝」の住人ではなく、ほかの「枝」の出身のKAN-SENです。
 レパルスMETAたちがMETA化してしまった戦いを再現しているのがアヴァロンだと考えられます。アヴァロンが「係留再現機構」と呼ばれているのは読んで字のごとく、"係留"施設での戦いを"再現"しているからでしょう。
 2人はMETA化したのちにエンタープライズMETA(コードG)に誘われて余燼の一員になりました。再現の実験を繰り返すアンチエックスを止めるべく、余燼たちはオブザーバー・零の本拠地へ奇襲を仕掛けました。この様子はレパルスMETAたちが語った回想にて語られます。アビータに敗れた余燼はバラバラの枝に飛ばされてしまい、レパルスMETAとレナウンMETAは2人で忘却の森へと閉じ込められました。
 飛ばされた当初は忘却の森を脱出しようとしていた2人でしたが、何をやっても出ることができず、完全に諦めてしまっていました。そこにヴァンガードたちがキャメロットの力を使ってやってきたのですね。
 ではそれぞれの出来事をもう少し詳しく見ていきます。

5. アヴァロンが再現しているもの

 係留施設で起きた別の枝での出来事(起きた順番で言うと過去)をアヴァロンは再現しています。状況がたまたま似てしまったことと、スペアボディのピュリファイヤーはプログラム通りにしか喋れないので、2つの世界線がややこしく繋がっていました。
 別の枝の出来事から見ていきます。何らかの事由によって係留施設に囚われてしまったこの枝のクイーン・エリザベスを、レパルス、レナウンヴァンガード、インドミタブルが助け出そうとしていました。この時点ではアンチエックスはKAN-SENの味方で、ピュリファイヤーが安全な侵入ルートを教えてくれました。このときピュリファイヤーがKAN-SENに喋ったことの一部は、現在の方のスペアボディにもプログラムされていました。なので現在のスペアボディの発言は、基本的には過去に喋ったことの繰り返しだと捉えて良いと思います。
 ピュリファイヤーは「博士の立場を悪くしたくなかったら」という発言をします。リシャールの一件で人類がピリピリしていると言っていて、KAN-SENを作った"ソウゾウシュ"アンジュ博士は、ボノム・リシャールの暴走の責任を問われているのでしょう。アンチエックスを作った"シンパンシャ"オースタ博士がアンチエックスを動かしてKAN-SENたちをサポートしてくれているようでした。
 コードGたちは様々な「枝」を飛び回っていますが、博士のいる「枝」には飛べないのだと以前のイベントで言っていました。ピュリファイヤーが博士の存在について言及するこの「枝」はすべての世界線の根本の時空だったのでしょうか。
 この過去の出来事と現在の状況は部分的に一致しています。係留施設にいるクイーン・エリザベスをロイヤル艦隊が助けにくるという部分ですね。なので再現をするだけのピュリファイヤーのスペアボディと微妙に話が嚙み合ってしまい、ややこしいことになりました。
 係留施設のセキュリティはKAN-SENとアンチエックスに牙をむくようでしたが、誰が作ったものなのかはわかりませんでした。北方連合の海底施設と似ているそうです。このセキュリティはすごいんだぜとピュリファイヤーが自慢げに言っていました。博士たちが作ったものなのか、博士たちに敵対する人類がいたのでしょうか。過去の方でクイーン・エリザベスだけがなぜ囚われていたのかという理由も不明でした。

6. 別の枝のエリザベス救出作戦

 レパルスMETAたちが経験したエリザベス救出作戦は失敗に終わりました。KAN-SEN全員の力を合わせても敵には勝てなかったと言っていました。そのぐらい強大な戦力を持っているとなると相手はエックスだったのかなと思われるのですが、敵の正体は明示されませんでした。
 エリザベスを救出するために、四代陣営すべてが戦力を投下してくれたようです。ピュリファイヤーが協力してくれていたのでアンチエックスもたぶん共闘してくれたのではないかと思います。重桜はワタツミを使ったと言われていました。人類が持ち得る戦力を惜しみなく投入したのだと思われます。
 この戦いでレパルスMETAとレナウンMETAはMETA化してしまいました。もともとMETA化が進行していたのか、それとも敵の攻撃によりMETA化してしまったのか、経緯はよくわかりませんでした。「リュウコツの損傷」とレパルスMETAは言っていましたが…。
 このあと2人はMETA化したKAN-SENの連合である余燼に加わりました。


7. 決戦 - 余燼vsアビータ

 余燼が活動を続けていく中で、オブザーバー・零の本拠地に奇襲をかけたことがあるのだという話が語られました。
 この戦いには少なくとも8人のMETA KAN-SENが出撃していて、その中にアークロイヤルMETAがいなかったことはわかりました。レパルスMETAたちが"知らない"と言っていたのです。シャルンホルストMETAやヨークタンMETAなど、いままでのストーリーに出てきたけれどこの戦いにはいなかったMETAはほかにもいます。別の枝で拾われたのかなと考えられます。
 逆にヘレナMETAがいたのは驚きでした。彼女は『照らす螺旋の鏡海』で出てきたときには、自分は余燼陣営ではないと言っていました。この戦いのあとで余燼を抜けたものと思われます。方向性の違いみたいなものがあったのでしょうか。
 余燼の奇襲は敵に読まれていました。オブザーバー・零はこの拠点にはおらず、代わりにアビータボディが迎え撃ちました。アビータは9体いると言われていましたが、画面に映ったのは5体、名前だけ出てきたのが2体でした。この食い違いに意味はあるでしょうか。
 余燼側の転送装置はHierophant(教皇)とDevil(悪魔)の2体に制圧されてしまいました。まだ姿が出てきていないアビータです。どんな姿をしているでしょうか。余燼は退路を断たれてしまったようです。
 アスキーコードで喋っていたのはTowerです。名前を解読するとTHETOWERとなります。人型ではないので人間の言語を話さないのでしょうね。なぜこの子だけこんな形なのかは謎です。

 発言をアスキーコードで解読すると「Start up backup protocol. Execute transport protocol.」と読めます。バックアップをとってから転送プロトコルを起動しますよと言っています。最終的に余燼はアビータに負けてバラバラな枝に飛ばされてしまいました。その転送を行ったのがTowerだった模様です。

8. ボノム・リシャールとは何者なのか

 アヴァロンでクイーン・エリザベスを発見したあと、ボノム・リシャールが襲ってきました。これがこのイベントでの最後の戦いとなりました。
 オブザーバーに命令され、ピュリファイヤーがこの再現のスペアボディに意識を移し、ボノム・リシャールの対処を実行しました。枝の保全のためだそうです。ついにアンチエックスとKAN-SENの共闘が行われたということで興奮しました。やはり敵との共闘は胸が熱いですね。
 ロイヤル艦隊の援軍がかけつけ、KAN-SEN側の戦力は一気に充実しました。改造が実装されている子は改造後の立ち絵になっていました。改造艤装をつけてやってきたとのことで、着脱式になっているのかもしれません。
 レパルスMETAとレナウンMETAも一緒に来ていました。2人はボノム・リシャールというKAN-SENを知っていましたが、いま目の前にいるのは別物だと言っており、METAとも違う「なにか」なのだと言っていました。
 レパルスMETAたちが知っているボノム・リシャールはどの枝にも出現したことがなく、オブザーバー・零も素体にアクセスできない謎の存在だそうです。例の事件を起こして以来初めて見たとレパルスMETAたちは言っていました。史実のエセックス級航空母艦CV-31ボノム・リシャールはそんなに変な艦歴を持つフネではないのですが、いったいどんなバックグラウンドを持っているのでしょうね。
 ボノム・リシャールはMETAではないらしいですが、METAについては自分が1番詳しいのだと言っていました。その矛盾も謎です。METAは黒いキューブによって引き起こされるものだと我々は捉えていますが、彼女曰く黒いキューブがなくても成立するらしいです。単なるリュウコツの変質なのだと。
 特別計画艦は自力ではMETA化しないけれど、ボノム・リシャールの力の前にはMETA化してしまうのだとモナークに言っていました。なので計画艦のMETAはよっぽどの理由がない限りは実装されないかもしれないですね。
 ピュリファイヤーの力も借りてロイヤル艦隊は海域から脱出し、今回の騒動は終わりました。後日談でフッドが治ったところまで描かれており、レパルスMETAたちは忘却の森に戻らずロイヤルに加わったようでした。謎は多いけれどいったんめでたしめでたしといったところでしょうか。

感想

 ここからはただの感想です。
 このイベントはボノム・リシャールとの戦いが本題ではありましたが、ロイヤル初のURヴァンガードと、ロイヤル陣営の計画艦の3人が初めて本格的にストーリーに絡むというにぎやかなイベントでした。
 史実のヴァンガードはイギリスが最後に建造した戦艦で、最新鋭の技術が詰め込まれたもののWW2には間に合わずに戦闘に出ることはありませんでした。戦争が終結したのちは、王室専用ヨットのような立ち位置で運用されました。
 アズレンヴァンガードはそんな史実を反映し、近衛騎士として陛下を守る任務に就き、対セイレーンの任務にはほとんど出たことがないと言っていました。戦闘の機会がないことに不満を漏らしていました。
 モナークはそんなヴァンガードに親近感を持っていました。ロイヤルの特別計画艦たちは、運用が難しいという理由をつけられて海戦には出撃させてもらえていませんでした。その中でも特にモナークは自分が「最優」であることを誇示したいコンプレックスを抱えているため、出撃できないことに大きなストレスを覚えていたのですね。
 モナークキングジョージV級戦艦の設計案の1つとして計画されていたフネが具現化したKAN-SENです。彼女のリュウコツには史実が刻まれておらず、WW2期の主力として活躍していたキングジョージV、プリンス・オブ・ウェールズ、デューク・オブ・ヨーク、ハウたち姉妹にはコンプレックスがだだ漏れになっています。
 今回のイベントではそんなヴァンガードモナークに違った角度から気づきがもたらされ、最終的に2人が演習で決闘をするという場面で締められるというきれいな幕引きがされていました。
 忘却の森で長い年月を過ごしてもロイヤルの栄光を忘れなかったレパルスMETAとレナウンMETAを見て、ヴァンガードは「栄光は誰かに与えられるものではない」ことを思い知らされました。戦わずにいても栄光を失わずにいられるのだと。
 モナークはフッドに悩みを打ち明けたときに「栄光は人によって施されたものではない」と言われました。ヴァンガードが受けたアドバイスと似ていますが、モナークは他人と自分を比べてしまっていたので、栄光は自分の中にこそあるという視点が彼女にとっては大事だったのかもしれません。
 イベントのラストで、襲い来るボノム・リシャールに対して、仲間を守るために戦うことの中に2人は「栄光」を見つけました。ロイヤルのKAN-SENたちは彼女たちの栄光や優雅さを大事にして戦っています。どんな立場に追い込まれても、自分の栄光は自分で見つけて守り抜くものなのだと。久しぶりのロイヤルメインのイベントで、こういうロイヤルらしさをテーマにした話をやってくれるのは素敵だなと思いました。



 更新はTwitterでお知らせします。
twitter.com



yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com