【プロセカ】衝撃体感：ミルククラウン・オン・ソーネチカのフルを聞いてほしい

　MORE MORE JUMP！ SEKAI Album Vol.1に収録されている「ミルククラウン・オン・ソーネチカ」のフルバージョンがめちゃくちゃすごかったので感想を書き殴ります。

ゲームサイズがすでに神カバー
2番Bメロの衝撃
Cメロからラスサビへの昇華

ゲームサイズがすでに神カバー

　「ミルククラウン・オン・ソーネチカ」はピアノが奏でる美しい旋律と、ドラムが叩く軽快なリズムが独特にマッチした名曲です。一枚絵と歌詞から察するに、アルビノの女の子の苦難と悲嘆を歌った曲でしょうか。「儚い」という言葉がぴったりです。
　オーディションに落ち続けたみのりと、練習しないと一人前に踊れない雫がこの曲を歌うというのが苦しいまでの名采配で、大好きなカバーの1つです。

出来ないそんな才能もない（雫）
出来ないそんな才能なんてどこのお店でも売ってくれないし（みのり）

　歌い出しの時点からテンポが早く、音程は細かく上下に揺れ、噛まずに歌うだけでも大変な曲です。ミクさんが上手に歌うのは当然ですが、みのりと雫も全く苦労もせずにさらっと歌い上げているようで、初めて聞いたときは衝撃的でした。
　高速のままサビへと突っ込んでいき、音域がさらに上がります。高く突き抜ける「放りだしたってそれを恨んだって」のところも含めて、ずっと3人一緒に歌い続ける楽曲。こんなに難しいのに一切の息の乱れがないのが本当に驚異的です。かつ、バーチャルシンガーと人間の共存という観点でもすごい曲で、サビは裏でミクが歌い続けているのに全然悪目立ちしないのですね。
　可愛らしく歌唱することの多いみのりが魅せる新たな一面もすごく良かったです。"美しいみのり"とでもいいましょうか。「恋愛裁判」や「どりーみんチュチュ」のときのような"可愛いみのり"とはまるで別人。
　ただ、ゲームサイズだけを聞いていたときの私は、フルで待ち受けていたさらなる衝撃に気づいていなかったのです…。

2番Bメロの衝撃

　この曲のフル尺はセカイアルバムで初めて公開されました。
　2番のBメロをどのように歌うのかが非常に気になっていました。ここまでも十分スピードが早い曲なのですが、ギアがさらに一段上がり、早口言葉のような息もつかせぬ展開になります。それに合わせて上下に激しく揺れる音程。たぶんミクさんが歌うのだろうと思っていました…。

堂に入ったたぬき寝入りでやりすごして石になって息が止まった（みのり）
背中に指を指されている感覚申し訳ないです消えちゃいたい！（雫）
上手に笑うための方法をこそ、教えて？（みのり）
汚く濁った願望取り繕って罪悪隠した（雫）

　まさかのミクさん歌唱なし…！？！？椅子から転げ落ちるかと思いました。なんでこんなに難しいパートを人間が歌えてしまうのかいまだに疑問でしかない…。
　1人で歌うのなら変なクセがついてしまっていても誤魔化し誤魔化しやれたかもしれないのですが、馬鹿正直に交互に歌うように歌詞割りをしているもんだから小細工すらできません。2人ともちゃんと歌えないと成り立たない構成に挑戦して、2人とも完璧に歌唱してしまっているのだから恐ろしい…。
　「申し訳ないです消えちゃいたい！」はビックリマークがついているので、雫にしては珍しく語気が強くなって感情が乗っています。
　一方で「方法をこそ、教えて？」でみのりは息をひそめて相手を伺うようなニュアンスを感じました。こんなに難しい箇所なのに表現も疎かにしない歌唱力よ…。

Cメロからラスサビへの昇華

　間奏が入ってCメロでは曲調が少し変わります。悲しみが濃くなり、訴えかけるような歌詞が続きます。

出来損なった愛玩具色も塗ってくれなかった（みのり）

　歌詞がストレートなぶん胸が痛いですね。アイドルにならせてもらえなかった（≒色も塗ってくれなかった）、出来損ないの自分を歌っているようで悲しい…。

膝を折って耐えていたって助けてもくれなかった！（雫）

　ここもビックリマークがあるので感情が強い雫さんです。チアデ時代に誰も助けてくれなかったときのことを思い出しているようで胸が苦しくなります。

持たざる者が懺悔したって知らんぷりですか（雫）

　この歌詞をみのりでもなくミクでもなく雫に歌わせたのが罪深すぎるんですよね…。誰もがうらやむ美貌を持つ雫が「持たざる者」と自分を評しているのです。ゲーム中で彼女が自分の容姿に言及することはほとんどありませんし、本当に欲しかったものはそれではなかったということでしょうか…。
　Cメロで貯まった鬱憤を晴らすように、ラスサビでは転調してさらに音程が高くになります。世界は嘘ばかり。