3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【プロセカ】「夜に駆ける」のアナザーボーカル5人のここがすごい【プロジェクトセカイ】

 2021年5月のプロセカ×Ayaseのタイアップを記念して、「夜に駆ける」がゲーム内に実装されました。今回驚きだったのは各ユニットから一人ずつアナザーボーカルバージョンが用意されたことです。

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https://twitter.com/pj_sekai/status/1387356496178999296/photo/1より

 プロセカ声優さんたちはみなさん驚くほど歌が上手いので、名曲「夜に駆ける」をこれだけ多くのアナザーボーカルで聞けるなんてとっても幸せなことだなと思います。
 また、プロセカは緻密に練りこまれたストーリーとキャラ設定で、20人のオリジナルキャラがまるで生きているかのようなリアリティを持っているのがすごいところだなと思います。同じ「夜に駆ける」を歌ったとしても、違う感情を歌っているように聞こえてきて本当に感動してしまいました。
 というわけで熱が冷めないうちに、その感想をばばばっと走り書きしておこうかなと思います。

 参照元としてYoutbueのリンクも貼ってますが期間限定公開なのでそのうちリンク切れします。

星乃一歌ver.

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https://youtu.be/_SYyKRWnbK0より

 アナザーボーカルになると顕著ですが、一歌の歌い方は低音が非常に印象的です。テオやドラマツルギーのアナザーボーカルでは、サビから突然1オクターブ低いところに飛び込む急変っぷりに度肝を抜かれました。レオニミクさんとハモるためという理由はあるものの、割と声が低い女の子というキャラ設定になっているのだと思います。
 しかし「夜に駆ける」では「高音域でも私勝負できますけど!」という強い意志のようなものを感じます。ラスサビの出だし『変わらない日々に』がこんなに自然に出るとは。テオなども歌おうと思えば普通に原曲キーでも歌えちゃうのでしょうね。
 他4人が柔らかい歌声なのに対して、硬く強い響きが一歌ならではだなと思いました。ラスサビ前の『あーあー』の歌い方のところで比べてみるのがとてもわかりやすいと思います。裏声に裏返らずに、腹の底から叫ぶように押し通す力強さがグッときます。
 『君のために用意した言葉 どれも届かない』という歌詞が、作詞にチャレンジをしている一歌の姿に重なるなあと思いました。歌にも一生懸命だけど、歌詞を紡ぎだすのにも必死になっている姿が思い浮かびます。
 『差し伸べてくれた君の手を取る』はここだけ聞くとレオニミクさんと出会って音楽に夢中になることができた一歌の境遇に重なるような気もします。
 また、一歌のバージョンではギターの鳴り方になぜか意識が向いてしまいますね。弾きながら歌っているのだろうかと想像が膨らみます。演奏については他4人と全く同じに鳴っているのですが、そこさえも違って聞こえてくるのが不思議です。

小豆沢こはねver.

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https://youtu.be/YIFM4NtAdUcより

 出だし一音目から、とにかく可愛い「夜に駆ける」だなという印象が残ります。Aメロ・Bメロの静かな部分では、ささやくような歌い方がとにかく甘い。ビビバスは静かな曲調の歌が少ないので、普段と違う新鮮さを感じました。
 ラスサビ前の『あーあー』が、独特の響き方をする「こはねボイス」の真骨頂。ハスキーだけどかすれているわけではなく、脳みその奥まで入り込んでくるかのような伸びやかな響き。『霧が晴れるぅ』の伸ばし方とかエグいです。秋奈さんの喉からしか出せない音なのではと思ってしまいます。
 高音域でもそれをまったくブラさないのが秋奈さんのすごいところ。ずっとこはねちゃんであり、無理矢理さをまったく感じません。
 冒頭の『二人だけの夜が広がる空に』の時点ですでにもう杏ちゃんの姿が見えます。『初めて会った日から 僕のすべてを奪った』『差し伸べてくれたキミの手を取る』『つないだ手を離さないでよ』などなど、もう杏ちゃんしか見えません。こはねが歌うとこういうメッセージが乗るんだなと驚愕です。

日野森雫ver.

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https://youtu.be/NI3zDIzgki8より

 楽曲が開始して1秒も経たない、歌い出しのために息を吸う音の時点でもう優勝という感じです。他の曲でもそうですが、息を吸うだけ音で聞く人を虜にしてしまう息遣いの達人。それが雫さんです。
 『溶けてゆくように~~』『広がる夜に~~』の序盤のロングトーンの伸ばし方がもうエグい。ビブラートが美しすぎます。ハスキーなのに透明感があるというなんとも形容しがたい心地よさのある雫の声が、この曲の雰囲気にぴったりですね。
 落ちサビ出だしの『騒がしい日々に』なんて、もはや歌うというよりかは空気を吐いているような感じなのにちゃんと声が聞こえてくるんですよね。こういう息の使い方は本当にお見事としかいいようがありません。
 「夜に駆ける」のような暗い歌詞の曲を雫が歌うと、急に切なさ全開になるのがすごいですね。これまでモモジャンで雫が歌ってきた中にはいろいろな曲調の楽曲がありましたが、根底はステージで歌うためのアイドルソングであるというイメージが通貫しています。しかし今回だけはアイドルソングではないので、他の4人と比べても、普段の楽曲とは違うなという印象が一番強いです。
 普段の雫のキャラクター性とこの曲の世界観にも強いギャップがあって、でもそれが逆に「やるときはやる」という秘めたる強い意志のようなものを想起させてくれてとても良いですね。

草薙寧々ver.

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https://youtu.be/ok8YlOK2Ltgより

 冒頭の『沈むように溶け"てぇ↑"ゆくように』の鼻から抜ける『て』の歌い方がまさに寧々ちゃん節全開という感じです。歌姫草薙寧々の存在感がこの一音に詰まっているといっても過言ではないと思っています。
 ワンダショのフロントを張る歌姫という立ち位置でありながら、『すべてがわかった』等で見え隠れする舌たらずな感じが、寧々らしいギャップを感じさせて非常に良いなと思います。グッと胸を捕まれます。
 『君のために用意した言葉 どれも届かない』みたいな早いフレーズをリズミカルに歌う時の、一音一音の強弱の付け方が芸術的です。聴き取りやすいのにドラマティックな感情の変化を感じます。
 『君は初めて笑あたあ~あ~ああ~』とか『君の笑顔に溶けてく~あ~は~』の伸ばし方の官能的な響きにはもう脱帽です。歌い慣れていて、歌で感情をお客さんに届けることが狙って当たり前にできる寧々ならではの歌い方だなと思います。
 ラスサビの『変わらない日々に』や『忘れてしまいたくて』など、高音域であっても全く力みや嫌味がなく、辛さを感じさせないのがすごいですね。高い音なのにキンキンしないのは、「柔らかく歌う余裕すらあるけど?」と言っているかのようです。
 『どこか儚い空気を纏う君は 寂しい目をしてたんだ』で類君への目線を感じてしまいます。『つないだ手を離さないでよ』の語尾をちょっとぼかす感じが、ちょっと照れてるように聞こえてしまい、やっぱり類君の姿が見えてしまいます。


宵崎奏ver.

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https://youtu.be/UhE62WRT78Yより

 セカイバージョンに抜擢されているキャラでもあり、プロセカ内でのメインボーカリストはこの人なのだと思います。ひらすらに、まふゆへの届かない想いを歌う悲しい曲に聞こえてしまいますね。それも狙ってのことでしょう。『どこか儚い空気を纏う君は 寂しい目をしてたんだ』なんて奏が歌ったらまふゆしか出てこないじゃないですか。
 『君のために用意した言葉"どれも"届かない』の『どれも』を歌うときに少し力んでいて、喉がかすれてしまっている感じから奏の性格や使命が透けてみえるのが素敵です。本人は意識していないのかもしれませんが、キャラによってアクセントを載せる位置が違っていて、歌い方だけで物語性を生み出すのですね。
 『「終わりにしたい」だなんてさ 釣られて言葉にしたとき 君は初めて笑った』。もしも奏とまふゆでこんなシーンがあったとしたら、それはもはやニーゴの物語の最悪のバッドエンドなわけですが、奏があまりにも情感豊かに歌うので、そういうまふゆの姿が見てみたくなってしまう。恐ろしい曲ですよ、これは。
 落ちサビ『騒がしい日々に』の『さわが』とかもう歌うというより空気を吐いているような息たっぷりボイスです。奏の歌い方は空気を多めに吐くのが特徴だと楠ともりさんが言っていたことがありますが、ここがまさに真骨頂という感じした。
 普段は静かに穏やかに抑えめに歌うのが奏の特徴ですが、ラスサビ前の『笑顔に溶けてく あーあーっっ』の最後で『っっ』と音を切ったあとに力強く入ってくる『変わらない日々に』で、珍しく奏が感情を込めて歌っているような必死さを感じてしまいます。よっぽどまふゆの精神が危ういタイミングなのでは、と。


セカイver.(初音ミク、宵崎奏)

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 奏の単独バージョンはまふゆへの目線を強く感じますが、ニーゴミクさんと奏が歌うと、この2人の間の不思議な関係性が目の前に浮かんできます。『2人だけの空が広がる夜に』など、「何もないセカイ」でたたずんでいる2人のシルエットが浮かんでくるのです。
 『どこか儚い空気を待とう君は 寂しい目をしてたんだ』はミク側に歌詞が割り振られていて、まふゆを救うために必死になっている奏のことをニーゴミクさんが心配しているような目線も感じます。歌詞割りだけでまた違う物語が立ち上がってくるのが本当にすごいなと思います。
 このバージョンがすごいところはラスサビからミクと奏がコーラスするところだと思いました。2人の歌声がマッチしすぎていて、混然一体になって聞こえてきます。機械音声と人間の歌声を違和感なく調和させるというのはプロセカ開始直後から我々を驚かせ続けているポイントではありますが、このラスサビは本当にすごいです。重ねるという点において極致に到達している感じがします。


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参考:ゲームサイズ歌詞

【冒頭】
沈むように 溶けていくように
二人だけの 空が広がる夜に

【Aメロ】
「さよなら」だけだった
その一言ですべてがわかった
日が沈みだした空と君の姿
フェンス越しに重なってた
初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだ

【Bメロ】
ほらまたチックタックと鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にしたと時 君は初めて笑った

【落ちサビ】
騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に移る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けてく

【ラスサビ】
変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように 溶けていくように
染み付いた霧が晴れる
忘れてしまいたくて 閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ
二人今 夜に駆けだしてく