3度目のサザンドラ

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【原作勢目線】アニメアズレン11話感想-【怪物】あまねく海に戦いを

ネタバレします!!

 いろいろあって3か月待つことになった11話です。今まで何度か伏線として語られてきた、赤城と加賀の物語が1つのピークを迎えることになります。ゲーム内イベントの一枚絵を再現しつつ、上手く収束させてくれていて安心しました。

OP前

 11話は2018年の年末に行われたゲーム内イベント「縹映る深緋の残響」をなぞるお話が展開されました。以後「縹(はなだ)」イベントと呼びます。天城が実装されたイベントであり、赤城と加賀の過去のお話です。赤城がセイレーンに魂を売ってオロチを作ったのは天城を復活させるためだったので、こういう流れになろうだろうなということは予想されていました。ただ、予想以上に原作をしっかり再現してくれて嬉しかったです。
 旗風と那珂が天城を呼びに来るシーンから11話はスタートします。この2人も天城と一緒に「縹」イベントで初めて実装されたキャラです。原作と同じく、赤城と加賀が大ゲンカをしているので、天城が呼び出されたのでした。(原作では旗風がひとりで呼びに来ます)

オロチの完全起動

 10話の最後で加賀が重桜の本島からオロチを出撃させました。あの時点ではまだ本格的に起動されてはいなかったようです。シェフィールドとエディンバラが潜入して盗み出した黒いキューブの力を注ぎこむことで完成するようでしたね。
 OP明けは10話の復習も兼ねたシーン。頑張って盗み出した黒いキューブはアズールレーン基地に保管されていたのですが、セイレーンの上位個体であるピュリファイヤーが単身乗り込んできて、いとも簡単に奪い返されてしまいました。「ファイナルステージで待ってるよ!」とピュリファイヤーは言い、量産型セイレーンも巻き込む凄まじいビーム砲撃を放って逃げていきました。
 オブザーバーとテスターのもとへと舞い戻ったピュリファイヤー。「始めましょう。過去の再編、あるいは未来の演算を」とオブザーバーは意味深なことをつぶやきますが、ピュリファイヤーは「どーせ自分に酔ってるだけ」とも言っていますね。セイレーンの活動目的は、過去の大戦の再現を行ったときに、過去の結果を超克する覚醒個体を探すことです。オブザーバーの言葉はそれに近いです。
 黒いキューブの力を取り込んだオロチから赤城が現れ、オロチは強力なミサイルを放ちます。哨戒にあたっていたと思われる潜水艦デイスがその爆風を目撃します。このデイスは潜水艦がゲームに始めて実装されたときに実装されたキャラです。潜水艦もいるんだよというサービスでしょうね。

4大陣営の出撃

 オロチから放たれたミサイルは無人島を粉々に吹き飛ばしました。アレを基地にぶち込んだらヤバイでしょう?だから出ておいでというセイレーンからの挑発です。アズールレーン側はそれに乗るしかありません。
 エンタープライズさんがすごい元気になっていて、戦う気マンマンだったのはなんででしょうね。10話ではベルファストにネクタイをつかまれて食堂に引きずられていき、無理矢理ヨーグルトを食べていましたが...。
 冗談はさておき、自らを戦うための存在だと規定して戦いに明け暮れていたエンタープライズに、ベルファストは戦う意味を教えようとしました。アニメの中で答えは明言されていませんが、ざっくり言うと誰かを守るために戦うということでしょう。中華姉妹を助けたエピソードとかでほのめかされていたことですね。11話でベルファストを守るナイトと呼ばれて、薄々とエンタープライズは気づいてきたのでしょうか。曖昧に済ませないでほしいなあと思います。
 クイーン・エリザベス陛下がすでにいくつか手を打ってあると言っていました。このアニメの陛下は本当に有能でびっくりしますね。ロイヤルの最高主導者なだけあります。どんな手を打ったのか楽しみですね。
 鉄血はプリンツオイゲンが怒っていました。重桜と同盟を結んで赤城と加賀の近くにいたのに、オロチ計画のことは何も知らされていなかったわけですからね。セイレーンの内通者が各陣営にいるかもしれないと言っていたのは、ゲームのストーリーへの布石でしょうか。アズールレーンの上層部にセイレーンの内通者がいるようで、最近のイベントでは指揮官(プレイヤー)は翻弄されていますからね。
 最後に重桜は、加賀を裏切りものとして討たねばならないのかと気をもんでいました。暗い雰囲気を変えたのはやっぱり瑞鶴でしたね。瑞鶴の成長というのもこのアニメを通して描こうとした1つのテーマだったのでしょうか。

加賀とオロチの対面

 個人的にここが11話の一番の盛り上がりどころでした。赤城が偽物だと気づいた加賀が、オロチと対話するシーンです。赤城は覚醒したエンタープライズに撃ちぬかれたあと、オブザーバーに拾われたのでした。体はセイレーンの技術で修復され、精神は起動されたオロチに乗っ取られているのでしょう。
 オロチは天城の姿をしています。黒いキューブに赤城の想いが貯め込まれていて、赤城が天城を復活させることを望んでいたからでしょう。天城の姿を借りたオロチには足がなく、赤城の後ろに取り付いているような形になっていますね。
 加賀は赤城を解放するようにオロチに迫ります。オロチにとってはそれが煩わしいので、加賀を黙らせることにします。加賀の生い立ちについて語るわけです。

加賀の生い立ち

 巡洋戦艦として建造がスタートした天城と赤城は、1922年のワシントン海軍軍縮条約に従うために、空母に転用されることになりました。しかし1923年に発生した関東大震災によって、天城は大破してしまいます。そこで、戦艦として建造が始まったものの軍縮条約に引っかかるため廃棄されようとしていた加賀を、天城の代わりに空母に転用することになりました。(詳しくは加賀のWikipediaを見てもらうのが一番詳しいと思います。)
 震災で大破してしまう天城を、ゲームでは竜骨に異常のある病弱人として表現していました。


 天城は病気ゆえに妹である赤城を置いて亡くなってしまいます。アニメ版もこれを踏襲しているのでしょう。天城は自分のパーツを引き継ぐ加賀に、赤城のことを頼みますという言葉を残しました。このシーンはゲームの完全再現でしたね。


壮大な伏線

 オロチは「あなただってニセモノじゃない」と加賀に言います。「空母加賀。あなたは天城のパーツを使って改装されたフネ。赤城があなたを愛したのは、あなたの中に天城の影を見たから。でもそんなものはまやかし。あなたは代用品でさえない。朽ちた部品の寄せ集め。海に浮かばぬテセウスの船。」
 この言葉で泣き崩れる加賀が、このアニメシリーズでやりたかったことの1つであることは間違いありません。1話の時点から伏線が張られていたのです。エンタープライズに弓矢で撃ちぬかれた加賀は、「このカラダは姉さまの…!」と叫びます。2話以降、赤城は加賀の身体を異様に大切にします。2人とも分かっているのです。天城の一部が加賀の中で生きていることを。
 加賀はずっと気にしていました。赤城に大切にされているのは、自分そのものなのか、埋め込まれた天城のパーツなのか。この葛藤が重桜一航戦の物語です。多くの人に理解してほしいところなので、もっと丁寧にやってもよかったと思っています。
 ちなみに、天城のパーツを使って加賀が空母に改装されたかどうかはゲームの方では明言されていません。史実でどうだったのか一次資料は見つけられませんでしたが、もともと天城を空母に改装するために作ったパーツは、全部ではないにせよ加賀には転用されていたのではないでしょうか。

戦闘開始

 重桜が先にセイレーンに追いつきます。本島から出てきていたので、距離的に近かったのでしょう。雪風、時雨、夕立の3人に立ちはだかるは大量のテスター。翔鶴瑞鶴姉妹の前には加賀が現れます。
 鉄血が助太刀に入ります。プリンツオイゲンの姉イジリは笑いました。姉のアドミラルヒッパーは本当にいいキャラをしているんですよね。
 アズールレーン側も戦闘に駆け付けて、ついに最終決戦の陣容が固まります。

赤城の回想

 赤城の精神は完全にオロチに乗っ取られているわけではないようで、少し自我が戻るシーンがありました。赤城は過去を回想します。
 「縹」イベントであった赤城と加賀の大ゲンカのシーンですね。ちょっとずつわかりやすいようにセリフが変わっていました。
 アニメでは「わからず屋!頭の仲間で真っ白なのかしら!あなたは!」でした。ここ微妙に赤城の声が子供っぽくなっていて、声優さんってすげえなと改めて思いました。

 一方こちらは「黙れ天城の腰巾着が!なんだったらここで決着をつけてもいいんだぞ!」でした。胸の大きさに言及するのは唐突だったのでしょう。(オイゲンはやりましたが...)

 2人に天城のげんこつが落ちるのも一緒。そして後半のノイズ交じりの回想へと繋がっていきます。

 ちなみにゲーム版では、天城が存命している時代は赤城は巡洋戦艦であり、加賀は戦艦でした。史実で言うところの建造されている途中段階というわけです。戦艦時代の加賀はプレイアブルキャラとして実装されており、空母の加賀とは見た目も性格も微妙に異なっています。

 天城のことを最初は呼び捨てにしていたのですが、1対1の演習で負けたので「天城さん」と呼ぶようになりました。アニメでもちゃんと天城さんと呼んでいましたね。

 アニメではあくまで赤城と加賀の過去として幼い姿で描かれていて、彼女らが空母なのか戦艦なのかははっきりとさせていませんでした。さすがに戦艦時代の話にまで手を回していたら尺が足りないのでぼかすしかないですね。

アズールレーン参戦

 ロイヤルとユニオンも艤装に切り替えて戦闘モードです。エンタープライズのセリフは、ゲームの再現ですね。自分の艦隊を全員ユニオンにすると、「ユニオンの戦士たち、命を燃やせ」という特殊ボイスも言うんですよ。

 加賀が重桜を裏切ったことは、アズールレーン側に伝わっているのでしょうか?ユニコーン綾波が迷いなく加賀に敵対するのはちょっと違和感がありました。
 エンタープライズは赤城を沈めた自責の念に駆られていたのに、しれっと復活していたので驚いたでしょうね。また、オロチが干渉してきたときに天城の姿も見たことがあったはずなので、一応面識はあることになります。
 オロチの船体の中央から巨大な設備が出てくるとともに、赤城の回想へとつながります。あれはミサイルの発射口でしょうか。

ノイズ交じりの回想

 この回想は加賀と喧嘩したときの続きですね。ところどころノイズが入って画面が乱れ、セリフが聞き取れないようになっています。
 天城「はい、これで×××ね」は、「仲直り」でしょう。「×××同士、重桜の未来はあなたたちが担うのよ」ここは姉妹艦同士とか空母同士とかでしょうか。「みんな×××しないと」は「仲良くしないと」でしょうね。「×××には勝てないわよ」ここはゲームでは単に「敵」と言っていたのですが、なにか長そうなセリフを天城は言いましたね。なんでしょうか。セイレーンとかでしょうか。

 最後、赤城は「本物の戦争を始めましょう」と言います。これは1話でのセリフ「戦争を始めましょう」からの繋がりですね。アズールレーン基地襲撃は、あくまで戦線布告でした。ここからが本番だぜと。オロチが言わせているのか、彼女の本心なのかは全くわかりませんが。


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10話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com


ゲームの最新イベント考察はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com