3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - ダーティマネー 編

 2024年3月19日開始のイベント「ダーティマネー」のストーリーを整理していきます。

1. 前提情報

1-1. クルビア独立戦争

 クリフとウッドロウの因縁の整理から。
 1016年頃。クルビアはヴィクトリアから独立しようとしており、激しい戦争の真っ只中にありました。チェルノボーグでドクターが目覚める80年ぐらい前のお話です。
 ルパート(のちのクリフ)、ウッドロウ、もう1人のサンクタは、ラテラーノからクルビアまで駆けつけて戦争に参加していました。モチーフとなるアメリカの独立戦争にも様々な国から義勇兵が参加したと言われています。ルパートは固い意志を持ち、皆を導くリーダーでした。
 戦いの中でサンクタの戦友がクロスキャンプという場所にある捕虜収容所に囚われてしまいます。ここはヴィクトリア軍が建設した施設で、酷い捕虜虐待が行われており、10人が入ったら1人しか出てこれないと言われていました。
 ルパートは救出計画を練りました。ウッドロウはおとりとして突撃します。しかし戦況が急変し、大局を見てやむなく2人を見捨てざるを得ませんでした。ウッドロウはなんとか生き延びましたが、もう1人は収容所で死亡。ルパートは墓前に赴くこともしませんでした。
 戦友の銃は誰かがヴィクトリアに持ち出したようで所在が分からなくなりました。派手な模様が施してあったので、価値を見出されたようです。年月が経ったあと、ルパートはヴィクトリアのアンティークショップで弾薬だけを偶然発見し、戦友の遺品として保管します。
 独立戦争はクルビアの勝利で集結しました。ウッドロウはラテラーノには戻らず、クルビアの森林地帯で狩人としてひっそりと生きていくことにします。楽園であるラテラーノに戻ると、戦友の死を忘れてしまうかもしれないと。
 一方ルパートは戦争のコントロールスイッチを掌握するのだと、クルビアで傭兵企業を立ち上げます。ブラックスチールワールドワイド(BSW)の誕生です。過酷な戦争は終わったにもかかわらず、彼は傭兵企業の社長として生涯を戦争に捧げることになります。

 

1-2. ブリンリー一族

 ジェシカの家族の話です。
 ブリンリー一族はクルビアが誇る軍事企業レイジアン工業の責任者の家系です。ジェシカの父であるバーニーは現在の責任者であり大株主としてレイジアン工業の経営に携わっています。
 ジェシカには兄が1人と姉が2人います。年齢の離れた末っ子がジェシカです。優秀な年長者に囲まれ、幼い頃から肩身の狭い思いをしてきました。父よりも祖父に懐いていましたが、祖父は彼女が中学生の頃に亡くなってしまいました。
 ブリンリー家にはお抱えの弁護士団がいて、大抵のトラブルは彼らが収めてしまいます。ものすごい人数がいるのだとか。
 レイジアン工業とBSWは武器の受発注を行う取引先の関係です。傭兵稼業には武器が必要不可欠ですから。バーニーとクリフはお互いをよく知っているようでした。
 ジェシカはBSWに入社したあと、思うように成果が出ず、一度会社をやめようとしました。しかしリスカムに必要としてもらえたことに感激し、ジェシカは傭兵を続けることを決意します。(ジェシカの回想秘録)
 バーニーはクリフに対して、「ジェシカがBSWに残るのは人々を守るため」と語ったことがあります。バーニーがジェシカをどう思っているのかは直接的な記述が少ないのですが、一定の理解をしているように見えます。

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 ちなみにレイジアン工業の武器の展開力はすさまじく、多くのオペレーターの武器にRAYTHEANのロゴが入っています。武器だけでなく、コーデのSTRIKERシリーズとPIONEERシリーズはレイジアン工業が立ち上げたファッションブランドです。ロドスも大変お世話になっている企業なのです。


1-3. 区画の再開発スキーム

 BSWがクルビア政府にどのように手を貸しているのか。
 近年クルビア政府が編み出した区画の再開発スキームが、「ダーティマネー」でのデイヴィスタウンの悲劇を引き起こしています。このスキームには政府・銀行・傭兵企業の3者が関わっています。
 クルビア政府は国を挙げてハイテク産業を支援しています。そのおかげでライン生命のような革新的な技術を持つ企業が次々に現れ、経済力および軍事力の向上に貢献しています。
 政府が注目しているのが、衰退した移動区画の処遇です。産業構造の変化についていけないなどして、経済が不振に陥る移動区画がクルビア国内に見られるようになりました。移動区画は建設に大きな費用がかかる貴重な資源のため、政府は有効活用したいと考えています。移動区画で暮らしている人を追い出して、そこにハイテク企業を誘致し、富を生み出してもらう計画が考案されました。
 合法的に住民を追い出すにはどのようにしたらいいか。それを考え出したのが銀行でした。中下層への経済支援を謳い、金融リテラシーの低い住民にお金を貸し、借金が返せなくなるまで転がして、破産させて家を追い出すのです。時には金利を調整したりして詐欺のようなことまでしていたという記述もあります。
 政府と銀行だけだとトラブルになったときに困ります。そこで傭兵企業にも声をかけました。傭兵はお金さえあれば何でもやる武力集団です。こういう後ろ暗いことには軍隊ではなく、傭兵企業が選ばれるのでしょう。
 BSWは「ワールドワイド」と銘打ち、世界中に傭兵を派遣します。しかし本拠地はクルビアにあり、クルビア政府には背を向けられません。デイヴィスタウンの案件ではBSWに傭兵の発注が出されました。


1-4. カールとシルヴィア

 デイヴィスタウンの過去の人間関係について。
 銀行に勤めているシルヴィアという女性が登場しました。クルビアで最も優秀な商学部を卒業したものの、母の看病のために地元の銀行に就職しました。母はデイヴィスタウンの前々町長だったのですが、病が悪化して数年前に他界してしまいました。
 シルヴィアにはカールという恋人がいました。カールはレオーネの子で、ベニーという弟がいます。レオーネとの間に血のつながりはなく、同僚が生んだ2人をレオーネが引き取ってくれたとのこと。カールは実の母親からもらったメレダイヤの指輪を大切に持っていたのですが、7年前にそれをシルヴィアに渡していました。
 カールはレオーネの仕事の調子が悪くなってきたことを知り、稼ぎの良い仕事を見つけます。BSWでの傭兵の仕事です。7年前に戦場へ向かうためにデイヴィスタウンのを出て以来、彼が帰ってくることはありませんでした。チェルノボーグで戦死していたのです。
 ジェシカはたまたまカールと同じ隊にいたことがあり、死に目にも立ち会っていました。本名は知らなかったのですが、ブラックプレートというコードネームは覚えていました。


2. デイヴィスタウン事件

2-1. リスカム隊の任務

 ここからイベントの時系列に入ります。リスカムたちがなぜデイヴィスタウンに来たのか。
 リスカム隊は政府から受けた任務を任されました。街の動力炉が故障して座礁してしまったので、修理して元の航路に戻すという任務です。デイヴィスタウンは採鉱プラットフォームとして発展しましたが、鉱石採掘が業界全体としてクルビアで立ち位置を悪くしており、経済状況が悪化しています。
 デイヴィスタウンの政府は破産しており、公務員の大半は解雇されていました。リスカム隊に対応するという業務は、銀行に全権が委任されていました。
 銀行は住人の追い出し業務を行っています。リスカム隊にもそれを手伝ってもらおうと債務者のリストを渡しましたが、リスカムたちは正当な理由が見当たらないとしてこれを拒みます。
 クリフはBSWのバロン基地を率いてあとからデイヴィスタウンにやってきます。先遣隊が出発する際に、ジェシカに弾薬を手渡しました。戦友の形見をウッドロウに渡そうとしたのです。クリフには後ろめたさがあったのかもしれません。
 街に到着後、エンジニアのローラは早速動力炉を修理しようとします。発破技師のレオーネとボイラーマンのマイルズを顧問として雇いますが、長年の無茶な運転が祟って修理は無理な状況でした。バロン基地の到着を待つしかない状態でした。
 

2-2. レオーネとベニーの決断

 レオーネは苦しい決断に迫られます。
 レオーネは銀行に借金がありました。返済を迫られていたのですが逃げてきました。
 バロン基地到着が迫り、しびれを切らした銀行は姑息な手段に出ます。街のゴロツキに金を払い、ベニーを誘拐して金を要求しようとしたのです。たまたまジェシカに救出されたのですが、レオーネを揺さぶるには十分でした。
 ベニーはデイヴィスタウンを出る決意を父に伝えます。キャラバンに乗せてもらってアイアンフォージシティに行き、全寮制の中学に入る計画です。レオーネは反対しませんでしたが、息子が2人とも出て行ってしまうという悲しみに暮れていました。
 ジェシカたちはレオーネが破産して家まで失ってしまう前に、保有している採掘会社の株式を売って、借金を返すべきだと説得をします。
 レオーネは4歳の頃に母に捨てられたのですが、そのときにこの採掘会社に拾われて育てられており、会社のことを大切に思ってきました。現在この会社は利益をほとんど生んでいないため、レオーネは大株主として燃料費や維持費を負担しています。
 株式を保有し続けることで、レオーネの借金は増える一方となっています。売却益で借金を返済するのが賢い選択に思われました。彼は未練を断ち切って売却を決意するのですが、実は借金の完済には至りませんでした。ジェシカがこっそり小切手を切り、シルヴィアに内密に処理をしてもらって借金はゼロになりました。


2-3. バロン基地到着

 バロン基地がついに到着しました。
 バロン基地はデイヴィスタウンを物理的に牽引するためにやってきました。パワーのある移動区画なのでしょう。しかし基地がもたらしたのはそれだけではありません。
 まず、バロン基地に駐在する多くの傭兵がデイヴィスタウンへとやってきました。リスカム隊が拒否していた住人の開拓地送りが、他の傭兵の手で進んでいきます。
 バロン基地は大金を護送してきました。このお金は銀行のものです。住人を追い出したあと、ハイテク企業が集まってきた際に、事業拡大のためのお金を貸すことが増えるでしょう。銀行は用意周到に準備をしていたのです。
 シルヴィアは準備金が銀行の金庫に収められたことを知ります。このお金は銀行が住民から搾り取ったもの。彼女はヘレナのお店で銀行強盗を持ちかけました。
 この場に偶然訪れたのがジェシカでした。ウッドロウは彼女の将来を思って立ち去るように諭すのですが、「何かをなさねばならない」という強迫観念に取り付かれたジェシカは強盗への加担を決めます。


2-4. 銀行強盗計画

 銀行強盗の計画を見ていきます。
 4人で銀行に押し入って金庫を爆破してお金を奪います。デイヴィスタウンに警察はいませんし、BSWの傭兵の動きも大体わかっています。また、銀行内部の構造はシルヴィアによって丸わかりです。
 ウッドロウは銀行周辺に留まって、駆けつけてくるBSWの傭兵の足止めを行います。ジェシカは街中で陽動を行って、同様に傭兵たちを足止めします。
 奪った現金はヘレナが持ちます。彼女はレオーネと一緒に動力炉へ向かい、隠し通路から区画を出て開拓地を目指します。レオーネが動力炉を爆破することで隠し通路が塞がれ、ヘレナの足取りがつかめなくなるという作戦です。
 ヘレナ以外の3人は別の場所で合流して開拓地を目指す予定でした。


2-5. 事件の幕引き

 強盗の顛末を見ていきます。
 ウッドロウは銀行で足止めを行ったあと、単身バロン基地へ向かいました。クリフとの決着をつけようとしたのです。
 怒りに燃えるウッドロウの光輪は、クリフの前で激しく明滅しました。サンクタがサンクタを殺すと堕天してしまいます。本物の殺意を抱くと、先んじて光輪が反応するのですね。
 西部劇のガンマンがごとく早撃ちの勝負になりました。勝ったのはウッドロウでしたが、クリフは軽傷にとどまったようでした。
 クリフに電話がかかってきたので、ウッドロウはとどめを刺すのをやめます。クリフにはこれからも戦争の依頼が届き続けるでしょう。自分の犯した罪を背負い、クリフのような人間を他に生まないために、BSWの社長の使命を全うせよとウッドロウは言い渡します。彼は開拓地へと連行されていきました。
 ジェシカは大勢の傭兵に包囲されて説得を受けていました。包囲の中にはリスカムとフランカもいました。リスカムはジェシカを副官に選んだ理由を語ります。強さではなく、涙を流す優しさが必要だと考えていたからです。一方ジェシカは、虐げられる人たちが流す涙に目を向けるべきだと主張します。彼らの悲しみのために生きる覚悟を固め、連行されることを受け入れます。
 ジェシカのもとにブリンリー家お抱えの弁護士がやってきした。彼女を助けるためです。しかしジェシカは援助を拒み、開拓地へ行くことを伝えます。それこそが自分のしたいことだと、はっきりと意識して。ジェシカはウッドロウと一緒に開拓地へ連行されていきました。
 レオーネは本来動力炉を爆破したあと脱出することになっていました。しかし、息子2人を失い、株式を手放し、家も燃やされてしまった彼にとって、残る大事なものはこの動力炉だけでした。彼の命はこの街に来た日に始まり、この街を離れる日に終わります。自分を育ててくれたタワーと一緒に、レオーネは眠ることにしました。
 クリフはティラという部下に命じてヘレナを見張らせました。お金を取り返すわけではなく、逆に彼女の逃避行をサポートするためです。ヘレナの手にある現金は、カジノで資金洗浄されて、開拓地でジェシカたちの生活を支えることになります。ティラはとあるバーでヘレナに接触していました。ヘレナを待つ人に必ず引き合わせると。
 異格ジェシカの回想秘録では、ジェシカがウッドロウの指南を受けながら開拓生活をスタートさせる様子が描かれています。また、彼女のプロファイルにはジェシカ・ウッドロウ・ヘレナ・マイルズ・シルヴィアが開拓地で生活を営む様子も記されています。開拓は過酷な事業ではあるのですが、ジェシカはブリンリー一族やBSWの鎖から解き放たれて自由に生きていくことができます。頼りになる仲間もいますし、お金もありますし。
 いままでの異格オペレーターの誕生秘話と比較すると、「ダーティマネー」でのジェシカの姿は頼りなく映るものでした。しかし、開拓地で生活を始めたところが彼女のスタート地点。生来の優しい心を大事にしつつ、開拓で鍛えられた彼女は強いオペレーターになっていくことでしょう。


2-6. クリフの策略

 転んでもただでは起きなかったのがクリフでした。
 ウッドロウとの戦いのあと、クリフは銀行の頭取に電話をかけました。銀行は強盗によって大切な準備金を失いました。その埋め合わせで現金を提供してやろうと提案したのです。その代わりに裏処理に加担せよと迫りました。
 銀行が準備金を用意できないとなると、ハイテク企業が困ります。ハイテク企業の裏にはクルビアを牛耳る大物がいます。政府や軍のお偉いさまでしょうか。頭取もその人たちには勝てません。
 30分後にクリフの電話が鳴りました。頭取が承諾をしたのです。この裏取引で何が起きたのかというと、デイヴィスタウンがBSWの訓練センターになったようでした。
 BSWはいままでもデイヴィスタウンと同じような移動区画の処理に携わってきました。移動区画はBSWの訓練センターに改修され、付近の治安維持に貢献しています。
 クリフは傭兵企業の社長として戦争に加担し続けているものの、こういう形で民の平穏に貢献していました。金をむさぼり食らうだけのクルビアの大物たちとは同じになりたくないと言っていました。
 BSWボリバルでも同じような事業を展開しています。クルビアでの業務に比べて、ボリバルでの案件はラクです。ボリバルには移動区画を欲しがるハイテク企業がなく、内紛が絶えないためBSWとの接点を政府が欲しがっているからです。
 ウッドロウに戦争を巻き起こす狂人だと罵られていたクリフですが、彼なりの矜持を持ってこの仕事をこなしているのだと最後にわかるようになっていました。老人たちの渋い活躍が光る物語でもありました。





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【アズレン】ストーリー考察:銀界遊廻 編【アズールレーン】

 2024年2月29日に開始したイベント「銀界遊廻」のストーリーを整理していきます。

1. オブザーバーの苦難

1-1. オブザーバー vs アビータHierophant V

 「銀界遊廻」の大枠を規定していたのはアビータとオブザーバーの戦いでした。
 クレマンソーが登場したイベント「愚者の天秤」でアビータ Hierophant Vは実験場β(指揮官がいる枝)への侵攻を開始しました。このアビータはエックスに乗っ取られてしまっています。マルコ・ポーロがバラまいた神の痕を利用し、ドロイドとともに現れました。
 エックスにとっては、アンチエックス(セイレーン)が邪魔です。「銀界遊廻」ではHierophantはオブザーバーを排除しようとしていました。アンチエックスはボディを乗り移ることができますから、主機を破壊してしまおうとしていたのです。
 HierophantはクーちゃんMETAを利用することにします。主機の捜索や神の痕の準備などを任せました。クーちゃんMETAはHierophantと一緒に答えを探しているのだと言っていましたが、どこまで相手にされていたのやらという感じです。
 実験場βのオブザーバーは主機との接続を切っています。主機と接続すると他の枝のオブザーバーや、ボスであるオブザーバー・零にも繋がってしまうため都合が悪いとどこかの過去イベントで言っていました。ただ、主機と接続しないとアップデートできなかったり、リソースに限りが出てきたりと、性能面に支障が出てきます。いまのオブザーバーは端的に言って弱いのですね。
 オブザーバーはHierophantへの抵抗を試みたらしいのですが、押されて絶体絶命の危機に陥りました。自力で状況を打破できないと判断し、別の勢力の力を借りることにしました。この枝の陣営上層部やKAN-SENたちを呼び寄せ、HierophantやクーちゃんMETAと戦わせることで解決を目指します。
 上層部はアンチエックスと繋がっています。先に情報が伝わった上層部の動きを、サラトガが察知していました。


1-2. 赤城への手助け

 オブザーバーと赤城が会話するシーンがありました。
 この会話はオブザーバーがピンチに陥る前なのか後なのかはよくわかりませんでした。ずっと鳴りを潜めていて、久しぶりに赤城に連絡してきたときの会話でした。自分の計画が続けられるようになったと喜んでいましたが、通信回線がジャミングされる様子があり、ピンチであることには変わりなさそうでしたが。
 オブザーバーとしては、特異点を開けられるなら誰でも良かったのだと赤城に言っていました。一方で赤城の方は願いを叶えるために私の力を必要としているでしょとも。
 赤城と武蔵は何かを一緒に作りました。その何かはオブザーバーからすると入門編ですらないらしく、おもちゃみたいなものだと評していました。
 そのおもちゃには現在オリジンキューブが埋め込まれているらしいです。それを取り出し、コアシステムと呼ばれる別の何かに入れる手はずが整ったようでした。コアシステムはオブザーバーが赤城のために作ったオーダーメイド。「オロチ」という作戦名は、データベースで偶然見つけたものと言っていました。TVアニメで描かれた枝の作戦名が、オブザーバーの力で見つかったようです。
 オブザーバーはアビータ Empress IIIが実験場βに侵入したのを確認したと言っていました。セイレーン作戦のときにこの枝に来ていたのはStrength、Hermit、Temperanceの3体でした。隠れていたEmpressで4体目。Hierophant、Devil、Towerもこの枝に目をつけているため、今後ますますオブザーバーは大変になっていきそうです。


1-3. 智者の円環

 オブザーバーの主機はどこにあったのか。
 今回のイベントの舞台は南極でした。ここにオブザーバーの主機があります。結局KAN-SENたちには見つからなかったのですが。
 南極大陸は分厚い氷で覆われています。氷を貫く形で、智者の円環と名付けられたシェルターを建設されました。北方連合と鉄血が秘密裏に協力していました。
 智者の円環はたまたまオブザーバーの主機に近い位置にあります。クーちゃんMETAは大体の位置を掴んでいるため、智者の円環に侵入し、走査無人機を使って主機の位置を探ろうとしました。無人機が撃墜されて見つからなかったようですが。
 オブザーバーはKAN-SENを呼び寄せるためのエサを作りました。氷と岩からできた特殊鉱物です。智者の円環の生産ラインを勝手に使いました。また、智者の円環はアズールレーン側の北方連合とレッドアクシズ側の鉄血が秘密裏に手を組んで作った施設です。存在が公になると国際社会に波紋が広がり、混乱を引き起こすことも期待されます。
 智者の円環はシェルターなのですが、別の役割が言及されていました。地磁気に関連があるらしいです。アズールレーンのイベントの舞台は毎回新しい施設で行われますが、智者の円環はもう一度登場することがあるかもしれないですね。
 

2. 指揮官の準備

2-1. 陣営大会

 KAN-SENたちは陣営大会を開いていました。
 サディアが発案した陣営大会。アイリスが開催場所と費用の半分を提供し、主催の権利をサディアに譲って実施されることになりました。
 アイリスはヴィシアと合流したばかりの不安定な状態です。アズールレーンにいち早く復帰し、指揮官の配下に入ることで後ろ盾を得ようとしました。一方、サディアはマルコ・ポーロが偽神事件を引き起こしたため国際社会から信用を失っている状態です。主催国の役割を果たすことで信用回復に努めようとしていました。
 メインの議題はアイリスのアズールレーン復帰の可否になるはずでした。しかし上層部が横やりを入れてきたため、議論が逸れていきます。アズールレーンとレッドアクシズの統合の話題へと誘導されていきました。
 統合に前向きなユニオンと比較すると、ロイヤルと北方連合の態度は曖昧でした。明確に反対した重桜に対して、サディアは賛成、鉄血は本音を見せません。各陣営の態度はバラバラでした。
 会議室のテーブル上で形だけの合意を得たとしても、実行力を伴う同盟にはなりません。指揮官は力を出し惜しむだけの統合では意味がないと考え、各陣営が本気で力を合わせるためのきっかけが必要だと考えていました。


2-2. フローゼンエンジェル計画

 オブザーバーの撒き餌が効力を発揮します。
 ユニオンの上層部とセイレーンは裏で繋がっています。オブザーバーの思惑で、艦隊戦力が南極へと派遣されました。これはフローゼンエンジェル計画と呼ばれていました。
 指揮官にはヘレナMETAからの情報提供があり、南極の特殊鉱物の存在を知ります。オブザーバーが裏で手を引いているとは知らず、上層部に資源を独占されないようにしなければと作戦を考えます。
 サラトガは上層部を追う形で戦力を集め、南極を目指しました。特殊鉱物がレキシントンリュウコツを治療してくれるかもしれないと期待したのです。
 指揮官はユニオン以外の陣営も動かして、南極にたくさんのKAN-SENを集めようとしました。KAN-SENを動かせない上層部を牽制しつつ、この作戦がアズールレーンの統合のきっかけになればいいという淡い期待も持って。
 指揮官はクレマンソーに依頼し、南極の特殊鉱物の情報を噂として流してもらいました。クレマンソーは偽神事件でマルコ・ポーロに協力するようなそぶりを見せていたため疑われている人物。指揮官は彼女を信じる姿勢を示し、協力を引き出します。
 北方連合と鉄血に対しては、本来指揮官は指示を出せません。クレマンソーを経由して南極の情報を流した結果、戦力の派遣を引き出すことが出来ました。特に北方連合の反応は過敏で、陣営トップのソユーズが自ら南極へとやってきました。彼女はリュウコツに欠陥を抱えており、艤装が不完全なのです。特殊鉱物が解決の糸口になればと期待していました。

3. 南極の戦い

3-1. メルトエリアへ

 ソユーズたちの南極での冒険を見ていきます。
 北方連合の南極基地はミールヌイという名前でした。いまはタリンが駐在していて、早速特殊鉱物のサンプルを保管していました。
 ソユーズがそのサンプルに触った途端、不思議なことが起きます。ソユーズは幻覚を見せられ、艤装が大幅に強化されました。リュウコツの欠落が埋まって艤装が再構成されたため、新しい艤装は違和感なくフィットしていました。
 これがすべてのKAN-SENに起きるなら革命的なのですが、残念ながらこれはオブザーバーが仕込んだことでした。特殊鉱物がホンモノだと信じてもらうためですね。ただの氷と岩でしかないのですが。ソユーズに仕掛けられていた「制限」をオブザーバーが解除したのだとヘレナMETAが言っていました。
 鉄血からメルトエリアとの通信が途絶えたという情報が入り、ソユーズたちは調査に出向きます。ケーニヒスベルクに対しては陣営間の協力を提案し、もしものときは彼女もミールヌイへと逃げ込めることになりました。
 ソユーズは智者の円環の建設に関わったメンバー。メルトエリアや特殊鉱物に智者の円環が関わっているのではないかと目星をつけていました。北方連合のKAN-SENを率いて、メルトエリアへと向かいます。

3-2. アンジュ博士の幻覚

 ソユーズが特殊鉱物に触れた時に見た幻覚について。
 ソユーズの意識は白い扉の部屋へと飛び、その扉をくぐるとアンジュ博士たちがいました。チャーター機に乗ってどこかへ出張にいく様子でした。
 アンジュ博士は困っていました。オースタ博士に助手を引っ張られてしまったのです。オースタはすごい案を出したらしく、その研究に人手が必要だったのかもしれません。
 そこでアンジュは新しく立ち絵が出てきた女性を助っ人として呼び出していました。この人は商業連合で働いているようです。いままで研究者ばかりが出てきていたアズレンの人物キャラですが、ここで商人寄りのキャラクターが出てきました。
 ギンギツネの立ち絵が完全な形で出てきたのも初でした。「光追う星の海」のときは黒い影がかかっていましたからね。彼女はアンジュが自称した"創造主"というニックネームをからかっていました。
 多忙を極める彼女たちですが、チャーター機が飛んでいる間は膝を突き合わせて議論ができます。ここでの議題は「名前は存在しても竣工しなかったフネ」について。ソユーズの名前が挙がっていました。残念ながら彼女はそこで現実に戻されてしまいましたが。
 白い扉が出てくる空間は、メンタルキューブが宿した情報に繋がっているような雰囲気です。ソユーズの名前が呼ばれるあのシーンを、キューブは記憶していたということでしょうか。


3-3. 偽りの画廊

 智者の円環の中に、絵が並んでいるエリアがありました。
 ソユーズは智者の円環の内部構造を把握しています。しかし突然現れた画廊のエリアに見覚えはありませんでした。
 画廊は3つのエリアに分かれ、4枚ずつ絵が飾られていました。エリア名は「朝日」「夕日」「ユートピア」。北方連合が現代及び帝国時代に経験した歴史上の出来事のようなものが描かれているのですが、ソユーズたちに見覚えのあるシーンは1つもありませんでした。
 特徴的だったのはセイレーンが出てくるものでしょうか。「朝日」セクションの「勝利の紀念」という絵では、オブザーバーに勝利した証として彼女の艤装が描かれていました。「ユートピア」セクションの「なにげない授業」では、セイレーンが先生をしている授業の風景が落書きされています。セイレーンが関わる事実も捻じ曲げられています。
 そのほかの絵については、史実のモチーフに紐づいているものもありそうでした。ただ、いずれにしてもKAN-SENたちには見覚えがなく、彼女たちの反応は薄かったです。

3-4. タブレットと楽園の幻覚

 ソユーズがこの騒動の背景を見破りました。
 智者の円環に突入したKAN-SENたちは、南極の氷の下にある海へとたどり着きました。そこで放置されていたタブレット端末を触った瞬間、またソユーズの意識は別の場所へ飛ばされました。
 ソユーズの前にはオブザーバーが現れました。彼女は苦しんでいる様子で、タブレットをハッキングしてSOSと表示していました。オブザーバーが敵に追い詰められているらしいというヒントを得て、自分たちは特殊鉱物をエサにおびき寄せられたのだと気づきます。彼女たちは急いで智者の円環の外に出ました。
 地表に出てきたソユーズはクーちゃんMETAと対峙します。いままでは認識を捻じ曲げてクーちゃんとして同行していたのですが、ついに正体を現しました。ソユーズを再度幻覚の世界へと飛ばします。
 クーちゃんMETAはソユーズの反応を知りたがっていました。この枝の北方連合を導く存在が、理想と信念を語ったソユーズが何を考えているのかを知りたいのです。楽園を目にしたらどうなるか。自分が実際に経験した絵を見せたらとうなるか。未来に希望はなく、過去こそが楽園である。クーちゃんMETAはソユーズを唆します。
 しかしソユーズは毅然とした態度を示します。いままでセイレーンが敷いたレールの上で、再現の戦いを続けてきました。コンパイラーの主機を破壊し、やっと打倒セイレーンの最初の一歩を踏み出したばかり。歴史は前に進むものであり、過去に浸っても意味がない。
 ソユーズとクーちゃんMETAの交渉は決裂し、神の痕からドロイドが襲ってきました。


3-5. 指揮官の指揮

 クーちゃんMETAとドロイドとの戦闘が始まります。
 南極には異なる陣営のKAN-SENたちが点在しています。統率の取れた攻撃を仕掛けるためには、誰かの指揮が必要です。南極条約により指揮権が拡大している指揮官は、アズールレーンの全艦隊を自由に動かすことができます。レッドアクシズ側に接触できるかがポイントでした。
 指揮官はクレマンソーのところに出向きます。ヴィシアがレッドアクシズ側だったため、クレマンソーは鉄血との秘密回線を保持しているだろうと踏んでいるのです。クレマンソー側も指揮官が接触してくることを読んでいて、すぐに回線を使わせてくれました。
 鉄血の代表はビスマルクです。指揮官は彼女に南太平洋艦隊を指揮下に入れたいという申し出をしました。それに対してビスマルクは、今後は鉄血KAN-SENの指揮権の即時譲渡を可能にするという一段上の返答をしてくれました。事実上、鉄血KAN-SENが指揮官の下についたわけです。
 指揮官はこれでロイヤル、ユニオン、鉄血、北方連合の四陣営について、南極での戦力を配下に置きました。これだけ潤沢であればドロイドとクーちゃんMETAは敵ではありません。ソユーズが誘導をかけて、無事勝利を収めることができました。

4. その後

4-1. 曙光計画

 戦闘に勝利する直前・直後のお話です。
 クーちゃんMETAは自ら攻撃を受けるような動きをとります。損傷することで素体に繋がりにいく荒業でした。これはボノム・リシャールがクロンシュタットの前で見せた行動と同じだと言われていました。
 素体からの情報を得て、クーちゃんMETAはペラペラといろんなことを喋り出します。北方連合が「戦線」と呼ばれている枝での情報も得ていました。その中でもクーちゃんMETAが特別に興味を示していたのが曙光計画です。これらはセイレーン作戦の特殊情報記録に出てくることが多く、アンジュとオースタがいた枝での出来事と考えられます。
 曙光計画の立案者は実験装置を検証した際、連れていたKAN-SENごと行方不明になったそうです。これはおそらく時間跳躍装置とアンジュ博士のことだろうと考えられます。そのトラブルで曙光計画は失敗したと判断され、別の計画の付属品となりました。過去イベントで、アンジュが大失敗をやらかしたと言っていたシーンがありましたが、おそらくこの事件のことを指していたと考えられます。
 クーちゃんMETAは曙光計画のことを「破滅への急行便」「伝承された執念」と評していました。黒い靄と戦うときのKAN-SEN側の唯一の対抗手段として、「最後の光がかき消されるまで、頑張って戦って」という合言葉があります。様々なイベントで登場した言葉でした。曙光計画に関係があるようです。ポジティブな言葉だと思っていたのですが、クーちゃんMETAからするとそうでもない様子でした。「散ったものの願望を乗せられて永遠に苦しみ続ける」とか。
 曙光計画が実際に発動した際、最後の海軍上将と彼が連れていた全ての艦隊は全滅してしまったとのことでした。特殊情報記録に出てくるジョン大佐だと思われます。


4-2. 概念の集合体

 クーちゃんの概念の集合体という存在も現れました。
 クーちゃんMETAが放った黒い衝撃はによって、ソユーズは白い扉のある世界に吹き飛ばされました。指揮官のもとにも、通信回線を逆にたどるような形で黒い靄が送り込まれ、指揮官も同じ白い扉の世界に飛ばされました。
 この世界はキューブの情報領域であり、素体に保存された記録であり、別の枝の出来事を見られるものだと言われていました。あらゆる可能性が観測できる場所とでも理解しておけばよいでしょうか。
 5つ扉をくぐった先に、クーちゃんの概念の集合体がいました。これは素体とはまた別の存在らしいのが難しいところ。素体はオリジナルの存在で、概念の集合体はあらゆる枝の可能性が重なり合った存在なのでしょうかね。指揮官のことも懐かしいけど思い出せないと言っており、指揮官に接触した枝もあるけど、ない枝もあるということを示しているのかなと思いました。
 パーミャチ・メルクーリヤは単にキャラクター性が良いから最近光が当たるようになったと捉えることもできるのですが、史実上の艦歴も味わい深いものを持っています。艦名は「メルクーリヤの記憶」という意味で、1828年露土戦争からモチーフがとられています。ロシア帝国時代に建造されたフネで、様々な作戦に出撃し、ソビエト連邦時代も長く戦い続けました。クーちゃんMETAが帝国時代の栄光に想いを馳せていることは史実にも繋がっています。
 風鈴の音で指揮官は元の世界に戻されました。信濃接触しているときに度々聞こえる音です。信濃やヘレナMETAではなく、より上位の存在がこの世界をコントロールしているのでしょうか。正体は謎です。

4-3. 第二・第三の目的

 クーちゃんMETAには3つの目的がありました。
 1つ目の目的がメインの目的。オブザーバーの主機を破壊して、Hierophantの侵入を助けようとしています。オブザーバーのSOSが良い感じに伝わり、指揮官とKAN-SENたちの活躍でその目的は阻止されました。
 2つ目の目的はマルコ・ポーロの救出です。彼女はHierophantを降臨させた張本人であり、まだ利用価値が高いと判断されているのでしょう。クレマンソーはその狙いに気づいており、自分だけでなくラ・ガリソニエールMETAとアルジェリーMETAにも協力を仰いで撃退しました。
 3つ目の目的はピュリファイヤーの主機の破壊です。ピュリファイヤーの主機は南太平洋の北にあるもう1つの大洋にあると言われていました。北太平洋しかないのではとも思いつつ、場所がぼかされていたのだろうなと感じました。
 ピュリファイヤーの主機の位置は完全にバレているようだったのですが、飛龍の駒と蒼龍METAに撃退されました。蒼龍METAはMETA化が進行しており、コミュニケーションが取れない状態で動いています。「再彫刻」と呼ばれている現象です。
 なぜ蒼龍METAがピュリファイヤーの主機を守るような動きを見せていたのかは謎です。毎回飛龍の駒が近くにいることから、駒を飛龍本人と思い込んで、妹を守ろうという本能だけで動いているのでしょうか。だとしたら哀しき存在です。
 クーちゃんMETAは実験場βの恐ろしさを身をもって体感したようでした。指揮官たちがギリギリのところで守り続けている特殊な枝ですからね。キーロフMETAもやってきており、今後さらに様々な陣営が入り乱れての混戦になっていくものと思われます。楽しみですね。





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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 樹影にて眠る 編

 2024年2月27日開始のイベント「樹影にて眠る」のストーリーを整理していきます。

1. マリアム主任の捜索

1-1. ライン生命組織図

 ストーリーの起点となっていたのはライン生命でした。
 上の図は「孤星」の出来事が起こる前のライン生命の主任たちの配置を示しています。「孤星」に唯一登場しなかったのが科学考察課の主任です。マリアムという名前のクランタの男性ということがわかりました。
 科学考察課は未踏地域や考古学的領域の探索をメインに研究しています。「孤星」で見つかった遺跡の発見にも絡んでいました。「樹影にて眠る」で注目されたインフィ氷原の探索も大きなミッションの1つです。
 マゼランは科学考察課の一員です。マリアムから直接指導をしてもらっていて、彼のことを先生と呼びます。
 2か月前にマリアム主任が氷原探索中に消息を絶ったことが今回のイベントの契機になりました。
 

1-2. ウルサスルート

 マゼランはマリアムの捜索に向かいました。
 マリアムはウルサス北部のライト=コシンスキー観測補給基地で物資を補給し、国境を越えてインフィ氷原に入りました。チームメンバーは15人でしたが、この基地でマリアムは20人分の物資を持っていきました。アルゲスというサイクロプスの同行者がいたからです。
 途中までは普通に定時報告をしていたマリアム隊ですが、連絡が途絶えてしまいました。氷原の悪魔に襲撃されたのです。未来を予見するサイクロプスの力を以てしても、悪魔の脅威には敵いませんでした。アルゲスはマリアム以外を助けることはできず、隊は壊滅してしまいました。
 その後マゼランはマリアムを追いかけてライト=コシンスキー観測補給基地にやってきました。探索協会や救助隊を頼ることもできるのですが、マゼランが単独で動くのが最も迅速です。科学考察課の同僚から情報を得て、すぐに単独でやってきました。
 ウルサスから氷原に入るにはウルサス政府の調査許可が必要です。マゼランは必要な書類を一式揃えてトランスポーターのイヴァンに提出したのですが、氷原へ入ることは叶いませんでした。政府が許可を出さなかったのです。
 ウルサス政府は氷原で何かが起きたことを掴んでおり、調べようとしていました。イヴァンは役目を果たすためにマゼランから情報を引き出そうとします。マゼランはイヴァンを疑っていないので、マリアムが送ってきた最後の座標を素直に提供しました。これによりマリアムが例の「北の件」に関わっている疑いが強まります。
 マゼランがいくら熟練の探検家とはいえ、彼女1人でウルサス政府に逆らうことはできません。別のルートで氷原に入ることを検討しました。


1-3. サーミルート

 マゼランはサーミから氷原に入ろうとします。
 サーミはウルサスの西側に位置する小国です。マゼランはイヴァンの助けを借りてウルサスを横断し、サーミとの国境に辿り着きました。マゼランがベテランの冒険家であることから、ウルサス政府はクルビアとのトラブルを避けるために下手に手出しはしませんでした。むしろウルサスの探索隊のガイドとして利用できないかを企んでいました。
 サーミ・ウルサス間の国境にある枯れ木の歩哨所からマゼランはサーミへ入りました。ここはウルサス軍の歩哨所であるにもかかわらず、軍が駐屯していません。マゼランが辿り着いたときも無人でした。魔女に襲撃されてしまうため、巡回のみを行うことにしているのです。
 魔女の正体はシモーネです。ウルサス軍に仲間を殺され、大切な族樹も守れなかったという屈辱の経験が彼女にはあります。復讐を果たすためサーミに近づいたウルサス人を片っ端から襲っています。歩哨所にポツンと植えられている枯れ木は、族樹の成れの果てと考えられます。
 マゼランとシモーネには面識がありました。「戦地の逸話」のマゼランの回「北極星」で、氷原の観測ステーションでの出会いが描かれていました。来るかも分からない後続の冒険者のために、マゼランは故障した設備を命がけで直そうとします。その姿にシモーネが感銘を受けるというお話でした。そのころからシモーネはマゼランの純粋な性格とプロフェッショナルな姿勢に全面的に好感を持っているようでした。
 今回マゼランは困っていました。氷原に辿り着くためにはサーミを抜けなければならないのですが、サーミは文明から隔絶された未開の地。情報が少ないのです。シモーネが同行してくれることになり、マゼランは心強い味方を得ました。

1-4. ティフォンとの出会い

 マゼランはもう1人頼もしい仲間を得ます。
 シモーネと一緒にサーミを北上していたマゼランは、突然マリアムの声を聞きました。悪魔の力で幻聴が引き起こされたのです。助けてくれたのがティフォンでした。音が聞こえなくなる苔を食べさせてくれました。
 ティフォンとシモーネは知り合いでした。しかしシモーネがサーミルートで氷原を目指したのは久しぶりだったらしく、この登山ルートはもう誰も使わないとティフォンは指摘していました。悪魔の浸食が進んでしまっていたのでしょうか。
 続いて3人は樹痕の戦士たちに遭遇しました。サーミが誇る軍隊です。シモーネは氷原に行かせてくれと交渉するのですが、戦士は許してくれませんでした。部外者であるマゼランを氷原に入れるわけにはいかないというのが彼らの主張でした。
 マゼランは樹痕の戦士に想いをぶちまけたのですが、クルビア語で話しかけるのは逆効果。しかも大声が悪魔の穢れを呼び寄せてしまい、とうとう戦士たちは攻撃を開始しました。ティフォンは交渉が無駄に終わると判断して逃げる準備をしており、3人は逃げることができました。
 樹痕の戦士は深追いしませんでした。マゼランたちに別の脅威が迫っていることを把握していたからです。空に雪が積もるという超常現象。崩れたら生き埋めになってしまいます。ティフォンはシモーネとマゼランの血をつけた矢じりを使い、サルカズの巫術でこの危機を突破しました。
 ティフォンの案内で、3人はサイクロプスの洞窟に逃げ込みました。


2. 森の民

2-1. サーミの地域区分

 3人はサーミの南を目指すことにしました。
 樹痕の戦士に目をつけられてしまい、氷原に入るのは難しいと悟ったマゼランは自力でのマリアム救出をいったん諦めます。最南端の都市チャパットでクルビア企業の力を借りることにしました。
 ティフォンもチャパットに用事がありました。アルゲスに予見されていたのです。マゼランについてきてくれることになりました。
 他の2人には言っていませんでしたが、シモーネも南を目指していました。彼女はウルサス軍の通信機を奪い、通信を盗聴していました。シモーネはウルサスの黒印というターゲットを追っており、フリエーブ鳥と呼ばれる何者かが沢の民の集落で取引を行うという情報を掴んでいたのです。
 というわけで3人は、山の民が暮らす領域から森の民の区域を抜けて、最終的にはチャパットを目指すことにしました。サーミを縦断する旅路の始まりです。途中で原初の森を突っ切ることにしていました。
 山の民は氷原の化け物やウルサス軍を相手にすることが多く、気性が荒い人たちです。それに対して森の民は親切な人たち。部族ごとに族樹と呼ばれる木を大切に守っています。住んでいる場所によって暮らし方が変わり、それが人々の気質にも影響しているのですね。


2-2. 動く族樹と巨大な影

 とある森の民の集落に辿り着いたマゼランたちは不思議な出来事に巻き込まれます。
 シモーネは儀式の手順を忘れてしまった森の民にヘルプを求められました。長年に渡り平穏な生活が続いた結果、樹譜が読めなくなってしまったとシャーマンが嘆いていました。近頃不吉な予兆が出ているものの、対処ができなかったのです。
 シモーネは儀式をサポートしました。森の民は無事に儀式を完遂し、族樹が立ち上がって動き出しました。この超常現象の説明はありませんでした。テラの世界では科学で説明できないこともいろいろと起きますからね。
 部族のシャーマンに対して、シモーネは南へ向かうことをお勧めしていました。北側に向かうと悪魔に近づいてしまうためです。
 一方そのころ、マゼランは2つの不思議な現象に出くわしました。1つ目は小動物になって捕食されてしまう夢です。原因はティフォンにあると言われていました。彼女が安全な環境にいると、弱肉強食な自然の循環の夢を見せてしまうのだとか。これの理由も語られませんでした。
 夢で飛び起きたマゼランは、森をたゆたう巨大な影を目撃します。この影は見た目こそ恐ろしいものの、触っても何も起きません。時間が経つと脅威になることもあるらしいのですが、そのときは自分たちも成長しているのだからどのみち怖くないのだとティフォンは言っていました。
 影の正体についても詳しい説明はありませんでした。族樹が動く様子をマゼランが見た際に、シルエットに見覚えがあると言っていたので、この影は族樹の魂のようなものなのかもしれないと思ったりもしました。
 翌朝ティフォンは、マゼランにアンマーの愛と呼ばれる雪玉を取ってきてくれました。アンマーとはサーミ語で祖母のこと。純粋な人を守ってくれるお守りのようなものです。

2-3. オークコップとの出会い

 オークコップと呼ばれる青年との出会いがありました。
 シモーネとティフォンは原初の森と呼ばれる神聖な地を通り向けることにしました。そこでオークコップがシャーマンの修行をしていました。彼の師匠はサーミのご意思を理解してほしいと考えているのですが、本人は修行に飽きており、シモーネたちに同行してくれました。
 原初の森の巨大な木のうろの中で、シモーネたちは一晩を過ごすことにしました。捕食される悪夢を恐れているマゼランに、オークコップは夢捕りの網を貸してくれました。口ぶりからして悪夢から守ってくれる網のようでした。
 マゼランは悪夢にうなされずに済みました。しかし別の不思議な夢が訪れます。マゼランはエンペラーのような姿になり、巨大な白い角獣に出会います。角獣のそばでマゼランは眠り、また別の夢へと入り込みます。そこでは黒い影がサンタラの木に迫っていました。黒い雪によってできた木の裂け目に迫っていた黒い影は、白い角獣に注意を引かれ、何もせずに去りました。マゼランは角獣のそばへと戻ってきたのですが、その獣は雪のように融けていってしまいました。
 朝マゼランが目を覚ますと、アンマーの愛が融けてしまっていました。この夢での出来事は現実を暗示していると考えられます。実際にマゼランたちは黒い影の脅威にさらされ、アンマーの愛の加護で守られたのです。物理的にはシモーネの結界のおかげだったのかもしれませんが。
 その後一行は、穢れに浸食された岩角獣を発見します。穢れた血肉を別の野獣が食べてしまうと浸食が広まってしまうということで、オークコップが素早く対処を行いました。岩角獣は発見時はまだ生きていたのですが、命を絶つことで楽にしてあげていました。
 その後の処理はオークコップ1人では行えないらしく、師匠を呼ぶことにしました。彼の師匠は雪祭司で、樹冠の賢者と呼ばれています。シモーネは樹冠の賢者にウルサスの黒印のことを伝言していました。

3. 沢の民とギターノ

3-1. 兄妹の決別

 ギターノの物語について、7, 8年前の出来事から振り返っていきます。
 ギターノはとある沼の部族の一員でした。この部族には雪祭司がおらず、異常な雪害を察知できませんでした。部族ごと全滅してしまうと危惧されました。
 ギターノの兄のラーセは北へ向かうことにしました。サーミで最も権威のある戦士であるエイクティルニルに助言を求め、北地戦線で厄災を食い止めることで、雪害の影響を減らそうとしました。厄災と雪害に直接的な因果関係があるのかは謎でしたが。
 ギターノは占いで部族の民たちを導きました。占いでは北に進めと示されたらしいのですが、彼女はウソをついて南へ向かいました。記述が曖昧だったのですが、兄とはもともと確執があり、兄と離れるためにウソをついたようでした。
 南へ向かう旅路は過酷でした。ついて来られない人も出ました。次なる安住の地が見つかったのですが、ギターノは故郷を捨ててロドスに来ることにしました。自分を責めてしまっているようでした。

3-2. 死者の葬儀

 長い年月を経てギターノが故郷に戻ってきました。
 兄の死が占いの結果で現れたことで、ギターノは帰郷を決心しました。実際に兄のラーセを含む戦士たちは、遺体となって故郷に運び込まれてきました。
 亡骸を届けてくれたのはウルサスのキャラバンでした。ラーセたちは悪魔に遭遇したキャラバンを死に物狂いで守って命を落としました。キャラバンは遺体と遺品は持ち帰ることができました。
 戦士たちとキャラバンはしばらく一緒にいたようで、身の上話なども聞いていたようです。ラーセの酒筒には祈りの言葉が込められていました。しかし悪魔に穢されてしまっていた酒筒は、持ち主に異変をもたらします。
 沼の民の集落へと戻ってきたあと、酒筒はマゼランに渡されたのですが、彼女は川にそれを落としてしまいました。ティフォンが悪魔への対処と同じように藤のツルを指に巻くという方法を教えてくれました。悪魔と同じ対処法が効いたということで、ティフォンは警戒モードへと入ります。
 酒筒と同様にラーセたちの遺体には穢れが付着していました。部族のシャーマンたちは彼らのために正式な葬儀を行うか、そのへんに捨て置くかで協議を行っていました。ギターノが死者の意志を占って、葬儀を望んでいる者が多数だったということで、葬儀が行われることになりました。ラーセだけは沈黙しており、占いでは意志が確認できなかったそうです。 


3-3. 舟葬と敵

 葬儀の最中に敵が現れました。
 ラーセたちの葬儀は舟葬という方法が採られました。遺体は船ごと川に沈められます。しかし葬儀の最中に異変が起きました。
 この部族は代々舟葬を行ってきました。北地に出向いた戦士たちが亡くなるたびに葬儀を行っていた結果、川には悪魔の穢れが堆積してしまっていました。ラーセたちの遺体が引き金となり、1つになった穢れが影として顕現しました。
 この影を直視すると死者が見えます。ティフォンやギターノは両親の姿を見ました。しかしそれはあくまで幻覚。現実ではありません。
 ティフォンは弓を引いて必死に戦いましたが、1人では仕留められません。シモーネが途中から加勢して川を凍らせました。とどめをさしたのはエイクティルニル率いる樹痕の戦士たちでした。さすが北を守る戦士たちです。

3-4. エイクティルニル

 エイクティルニルはどんなことを考えているのか。
 彼は悪魔を打ち払おうとしています。悪魔に対する恐怖は誰の心にも芽生えるものです。しかし人は誰でも恐怖心に打ち克つことができるというのが彼の持論で、だからこそ悪魔にも勝てるのだと主張していました。
 悪魔は人々の恐怖心を糧に強くなります。悪魔の存在を知る人が増えれば増えるほど強大になっていきます。だからサーミの人たちは悪魔の存在を公に知らせようとはしません。
 厄災がサーミの北側から迫ってくるということで、多くの部族が南へと移住を開始しています。しかしエイクティルニルはその必要はないと説得しようとしています。冬牙連邦を自然の砦として、悪魔に対抗できると思っているのです。
 今回エイクティルニルが良いタイミングで救援に駆けつけられたのは偶然ではありません。ギターノのおかげでした。兄の意志が占いで見えないことに漠然とした不安を抱えていた彼女がSOSを出していたのです。ギターノはマゼランが川に落とした兄の酒筒を偶然拾いました。ラーセの祈りの言葉は、届けたかった人に無事届きました。
 エイクティルニルはティフォンの話もしていました。サイクロプスたちは冬牙連邦にこもっており、人と関わろうとはしません。しかし彼女の師匠であるアルゲスだけは積極的に人と交わろうとするため、狂人だと思われています。
 サイクロプスは未来が予見できるらしいのですが、その予見を当人に伝えてしまうと運命がねじ曲がってしまいます。山の民はそれを良いとは思っておらず、ティフォンはそれがためにのけ者にされているのだと自認していました。
 

4. チャパット

4-1. 託された箱

 チャパットに到着したマゼランたちのもとに箱が届けられました。
 この箱の持ち主はマリアム主任でした。悪魔に襲われてチームが壊滅してしまったあと、マリアムはアルゲスにこの箱を託しました。ライン生命のマークが入った備品ケースです。箱を渡したマリアムは氷原のさらに奥へと1人で向かっていってしまいました。
 アルゲスはサーミに戻ってきて、とある光景を予見します。ティフォンがチャパットで誰かに箱を届けるという内容です。アルゲスはティフォンをチャパットに呼んで箱を渡しました。チャパットで待っていたのがアルゲス自身だとは予想していなかったらしく、ティフォンは驚いていました。
 ライン生命の支社にいたマゼランのもとへ箱が届けられました。箱に入っていたのは色を持たない一輪の花。箱から出した瞬間に空間を認識し、己の領土を構成する危険な物体でした。これも悪魔に関係があるのか、それとも全く別の脅威なのでしょうか。マリアム主任も花が危険物であることを承知の上で送ってきたことになります。思っているよりかは危なくないのかもしれません。
 ライン生命の人たちは氷原の探索に熱意を燃やしていました。今回マゼランが持ち帰った成果や、マリアム主任が送ってきた花をレポートとして発表すれば、氷原に興味を持つ人たちが増えるだろうと期待していました。これが統合戦略のサーミ編「探索者と銀氷の果て」の始まりとなります。
 ライン生命の研究員はティフォンにも声をかけていましたが、彼女は別の仕事があると言って断っていました。統合戦略の開始時点で、マゼランとシモーネに同行するシーンがあったため、彼女らについていこうと決めていたようでした。


4-2. ウルサスの黒印

 シモーネは標的を追い求めます。
 シモーネはウルサス軍の通信をずっと盗聴していました。黒印の情報を掴むためです。彼女はついに情報の断片を得ました。
 ウルサスのキャラバンにいた怪しいリーベリが情報を持っていました。彼女はアーツでこの人を拷問します。黒印は失踪した皇帝の近衛兵であり、足跡が見つかったものの消息不明であることがわかりました。
 皇帝の近衛兵は皇帝の利刃とも呼ばれます。ガスマスクのようなもので悪魔を身に宿し、悪魔の力を借りて戦うことができます。ものすごい戦闘能力を持つ一方で、悪魔の力が漏れ出してしまうと大変危険なことになります。「遺塵の道を」で少し触れられていたことです。
 この近衛兵は何らかの事情で悪魔を制御できなくなり、蝕まれきってしまいました。存在はほぼ悪魔と変わらないでしょう。そんな奴がサーミの森をウロウロしているわけです。
 シモーネはウルサス軍に故郷や仲間を奪われたので、ウルサス軍に強い敵意を持っています。黒印のことを追っていたのも、最初は復讐心だったのかもしれません。しかしシモーネが黒印を見つけられないと、サーミがとんでもないことになってしまいます。統合戦略や今後のイベントで解決編が描かれると思うので、期待して待ちましょう。



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【アークナイツ】メインストーリー12章・まとめ・考察・感想【驚靂蕭然】

 2023年10月24日に解放されたアークナイツのメインストーリー12章「驚靂蕭然」の物語を整理していきます。

1. ロンディニウムの戦局の変化

1-1. 飛行船の衝撃

 12章は飛行船の鮮烈なデビューで幕開けします。
 10章の冒頭でテレシスたちはザ・シャードと飛行船を建設していました。12章はその飛行船がウィンダミア公爵の高速戦艦を砲撃するという衝撃的な始まり方をします。高速戦艦は木端微塵に吹き飛ばされ、乗員の中に生存者はいませんでした。
 飛行船を見た公爵たちはこの技術を欲しがりました。敵の危険な兵器だから破壊せねばとは思わないのが彼らならではの考え方です。いま目の前にいる敵はサルカズなのですが、サルカズを倒したあとに誰が王座に就くのかまで考えたときに、他の公爵をリードするために飛行船を手に入れておかねばと考えたのです。
 カスター公爵はウェリントン公爵の考えていることは大体わかっているとしながらも、ウィンダミア公爵がやたらと焦っているように見えていました。あとからわかりますが、娘が危険にさらされているから焦っていたのですね。
 ロンディニウムにも動きがありました。移動都市の一部が切り離されて、公爵軍が展開する戦場のど真ん中に転がってきたのです。都市防衛軍は技術的な不具合だと言って誤魔化そうとしていましたが、サルカズの作戦であることは誰の目からも明らかでした。
 放り出されたノーポート区は飛行船の停留場になりました。戦場の真ん中からいつでも発進できるようになり、公爵軍に睨みを利かせることができます。ナハツェーラー軍が戦線を展開するサポートになりました。
 ノーポート区は公爵軍にとって邪魔な存在です。しかしだからといって砲撃を打ち込むことはできません。ヴィクトリア住民が多数取り残されているからです。人間の盾として機能しました。
 ノーポート区が切り離される直前に、新生レユニオンのナイス連携プレーがありました。公共放送を装って、ノーポート区にいたパーシヴァルがロンディニウムにいたレイドに情報を伝えたのです。レイドはノーポート区の救援に回ることができました。

1-2. ロドスと自救軍の敗走

 次にロドスの動きについて。
 10章と11章でロドスはロンディニウム市民自救軍を味方につけました。テレシスがザ・シャードを起動するまでにはまだ時間があると見て、決戦のタイミングはもう少し先だと判断されていました。しかしテレシスが自救軍の基地を本格的に攻撃し始めたため、状況が一変します。
 変形者が色んな人に変身をして情報を集め、自救軍の隠れ家が暴かれていきました。ハイディの仲間のゴールディングも情報源にされてしまった1人です。
 サルカズの苛烈な攻撃を受けて、ロドスと自救軍はたまらず撤退を決めます。追撃部隊を牽制するドクター隊、サルカズの主力を引き付けるMisery&ホルン隊、非戦闘員を連れて退却するクロージャ&シャイニング隊に別れました。
 ドクター隊はサルカズ軍に追われていたのですが、グレーシルクハットに出くわして取引を持ち掛けられます。この取引の内容が12章のメインの話へと繋がっていきます。
 Logosはホルン隊と行動するはずだったのですが、変形者の破片を見つけたので単独行動を選びました。Logosは今回のロンディニウムでの戦いで、不死身だと思われている変形者を本気で討つつもりでいました。
 一方のホルンたちもサルカズの攻撃に晒されてピンチに陥るのですが、なんと蒸気騎士が飛んできて逃げることができました。諸王の墓にいた最後の生き残りが地上に出てきたようでした。
 クロージャたちは配管を伝ってロンディニウムの外に出ようとしていたのですが、自救軍の一部に裏切られて閉じ込められてしまいました。そんなときに助けにきてくれたのがWでした。Wはテレシスに斬られたケルシーをいじりまくっていましたが、なんだかんだで自分のセーフハウスに全員を収容してくれました。

1-3. グレーシルクハットとの取引

 グレーシルクハットが持ち掛けてきた取引を見ていきましょう。
 別行動をしていたイネスがドクターを助けてくれて、ドクターはグレーシルクハットとの取引に臨みました。取引というよりかは脅迫と表現した方が適切かもしれません。グレーシルクハットはロドス号の位置を把握しており、ロドスの内部通信も盗聴していました。ロドスの安全と引き換えに言うことを聞けという取引でした。
 グレーシルクハットが欲しがったのは飛行船の設計図でした。全公爵がいま一番欲しているものですから。ノーポート区にドクターたちを送り込んでやるから、探してこいというわけです。シージの友人がノーポート区にいることも把握しており、揺さぶりをかける材料にされていました。
 グレーシルクハットの主人はカスター公爵です。彼女はシージの血縁者、つまり国王との血縁関係を持つ由緒正しき貴族のようです。アラデルの後ろ盾になっていた人物で、シージはアラデルが使い捨てられたことに怒っています。
 カスター公爵は飛行船を欲しがっていますが、それ以上に諸王の息も手に入れたいと思っています。国剣を持つ者のもとで国民は団結すると考えているのです。真意は読めません。
 アーミヤはグレーシルクハットの強大な戦力を見て、とあることに気づきます。公爵達が本気を出せばサルカズに抗うことは可能でした。しかし彼らは傍観を選んだのです。どうすれば自分がヴィクトリアの中で主導権を握れるということばかり考え、サルカズへの抗戦を後回しにした結果、ロンディニウムはこんな状況になってしまいました。
 ドクターはカスター公爵に抗うのは不可能と考えて、グレーシルクハットの要求を呑みます。グレーシルクハットの助けを借りてノーポート区に潜入することになりました。


2. ノーポート区の戦い

2-1. ノーポート区の現状

 ノーポート区に乗り込んだロドスが見た光景について。
 ロンディニウムから切り出されたノーポート区にはサルカズが駐留していました。区画の外に出ることはできず、限られた食料を奪い合う地獄のような状態になっています。
 ロドスとグレーシルクハットは一緒に潜入をするのですが、グレーシルクハットは飛行船探しを急ぎません。ロドスは製薬会社であり、鉱石病で苦しんでいる人を見捨てないことを彼は知っています。ロドスが人助けをしたという手柄をカスター公爵が横取りしようとしました。アーミヤは利用されていることを分かっていながらも、感染者の手当てを優先していました。
 ノーポート区はかつてのグラスゴーの根城でした。5年前にシージは反体制派の追跡に耐えかねて逃げ出したのですが、ベアードという仲間がここに残っていました。
 今回の潜入で彼女らは再会を果たすことになりました。シージが出て行ったあと、カドールやデルフィーンといった新たな仲間が加わっていたようです。グラスゴーのボクシングジムは守られ続けてきました。
 サルカズ軍はノーポート区をエサとして使いたいと思っていました。公爵軍をここにおびき寄せるためです。ヴィクトリア住民が苦しんでいるのに助けに来ないわけにはいかないからですね。だから住民に適度に苦しんでもらいつつも、全滅は避ける必要がありました。
 心優しきパプリカは、区画内にいたコルバートに物資を分け与えていました。マンフレッドに見つかってしまうのですが、住民を生かさず殺さずの状態にするために見過ごします。適度に物資が入ってきた方が長持ちするからです。
 コルバートはノーポート区で長いこと暮らしていたサルカズです。働き者だったのでホテルの下働きから支配人にまで登り詰めました。実は数か月前に息絶えてしまっており、変形者がすり替わっていました。区画内の様子を見張っていたものと思われます。


2-2. デルフィーンの作戦

 デルフィーンは状況を打破するための作戦をロドスに提案します。
 ノーポート区にはホテル・サンセットストリートという立派なホテルがあり、そこには都市外へ通信できる高出力の通信機があります。その通信機を用いてノーポート区の現状を公爵達に知ってもらうというのがデルフィーンの作戦でした。
 ノーポート区の市民が苦しんでいるという情報を受け取ったとき、公爵としてはそれを握りつぶすわけにはいきません。市民を見捨てたという汚名を一生背負っていくことになってしまい、それは出世レースに影響するからです。
 通信機は高出力ではあるものの、古いので通信の暗号化ができません。傍受可能な形でメッセージが飛んでいきます。これはデルフィーンたちにとっては好都合で、公爵たちがこういうメッセージを受け取ったことが広く知られ、より圧力がかかるようになります。一方でサルカズにも知られてしまうというのはデメリットで、通信を行ったらすぐに手を回してくると考えられました。
 ノーポート区の現状を知ったとして、公爵たちが本当に動くのかは確証がありません。しかしデルフィーンにだけは確信がありました。母のウィンダミア公爵だけは必ずノーポート区に来るだろうと。娘がここに滞在していることは知っているので、酷い有様になっていることさえ発信できればOKなのです。
 公爵軍がノーポート区にやってくれば、ロドスはその混乱に乗じてサルカズの飛行船を探すことができます。飛行船が無事に見つかれば、カスター公爵との取引は完遂されます。
 公爵軍の侵攻に対してサルカズ軍も対応を迫られることでしょう。シージたちが別動隊として封鎖壁の突破を試みることになっていました。助けを待っているだけではなく、内側からも連動してアクションを起こす作戦なのです。

2-3. 公爵同士のつばぜり合い

 デルフィーンの作戦に対してそれぞれの勢力が反応します。
 ドクターたちがホテル・サンセットストリートに乗り込んで作戦を実行しようとした際に、グレーシルクハットが現れました。デルフィーンの作戦はカスター公爵を不利な立場に追い込む可能性があるため、契約通り飛行船探しに戻れと圧力をかけてきました。ロドスがウィンダミア公爵を味方につければ、最悪取引が反故にされる恐れもあります。逆にグレーシルクハットはデルフィーンを捕えて、ウィンダミア公爵をゆするネタにしようとします。
 そこに「将校」が現れました。「この炎が照らす先」で登場したダブリンの将軍です。ターラーを母体とするダブリンは、ターラー人であるウェリントン公爵と裏で繋がっています。ウェリントン公爵は軍人気質な人であり、飛行船を独占したいと考えて「将校」を送り込んできました。
 「将校」は多くのダブリン兵を連れてきており、戦力差で圧力をかけてきます。サルカズ軍もダブリンからの被害を受けていました。グレーシルクハットやロドスは少数精鋭なため、旗色が悪くなってきました。
 ドクターはグレーシルクハットと共闘できると読みます。このままではウェリントン公爵の勢力にすべてを持っていかれてしまう状況になっており、独り勝ちの状況だけは避けるように動くだろうと読んだのです。イネスとグレーシルクハットは「将校」を撃退し、三者の関係は振り出しに戻りました。ドクターも言っていましたが、ヴィクトリアではこういうふうに貴族たちが足の引っ張り合いをしているせいで停滞が続いているのです。
 デルフィーンが作戦通り通信機を使えればロドスが一歩リードできたのですが、それも叶いませんでした。ノーポート区が切り離される際にパーシヴァルが通信機を持ち出してしまっていたからです。結果として状況は全く進みませんでした。

2-4. レヴァナントとの対面

 状況を動かしたのはもう1人のグレーシルクハットでした。
 最初にロドスに接触してきたグレーシルクハットの仕事の進捗が悪かったため、増援でもう1人グレーシルクハットが送られてきました。もう1人は飛行船のドックの位置を特定しており、ロドスを連れていこうとします。1人目のグレーシルクハットは詩を読むのが趣味ということで詩人と呼ばれます。彼は職務怠慢だと叱責されていました。世知辛い。
 増援で現れたグレーシルクハットは飛行船の位置を掴んでいたにも関わらず、獲得することはしませんでした。1人ではできなかったのです。飛行船の正体はレヴァナントであり、それ自体が兵器として牙を剝いてくるためです。魔王アーミヤなら対抗できるのではないかと考えて連れていくことにしました。
 レヴァナントは「孤星」で明らかになったサルカズの種族の1つです。非常に長い寿命を持つと同時に、魂だけの状態で存在することができ、他の物体に宿ることもできます。マイレンダーのブリキは人型の外骨格に宿っていましたが、このレヴァナントは飛行船に宿って動力源になっていたようでした。仮にヴィクトリアの公爵達が飛行船を確保したとして、複製できるようなシロモノではありません。
 レヴァナントはアーミヤに語り掛けてきました。なぜサルカズではないお前が魔王の力を手に入れてサルカズを背負おうとするのかと。レヴァナントが持つ記憶のすべてをアーミヤにぶつけてきて、3421回のカズデル滅亡の映像をすべて見せようとしました。
 すでに覚悟を固めていたアーミヤに、レヴァナントの精神攻撃は効きませんでした。彼女はすべての映像を心に刻みます。それと同時にアーミヤはテレジアの選択の理由がなんとなくわかった様子でした。異種族のアーミヤがサルカズのすべてを理解したとき、全く新しい形の魔王になれるのかもしれません。
 時を同じくしてエブラナも飛行船ドックにやってきました。ウェリントン公爵は戦力を惜しみなく投入して飛行船を確保しようとしていたようです。エブラナもレヴァナントには興味があるようでした。
 そこへ変形者もやってきました。任務があると言っていたので、飛行船を守るためだったと考えられます。変形者とエブラナは激しい戦いを繰り広げ、エブラナの死者の炎がノーポート区に降り注ぎました。その隙に飛行船は飛び立ってしまいました。

2-5. イネスの飛び降り

 サルカズの作戦をイネスがナイスプレーで防ぎました。
 デルフィーンの作戦が破綻し、事態はサルカズ軍の思い通りに進んでいきました。ノーポート区から飛び立った飛行船は戦場をゆっくりと旋回し、公爵軍の目を引き付けます。テレシスはザ・シャードの準備を整え、試射を行おうとしていました。飛行船に引き付けられた公爵軍を一網打尽にしようとしていたのです。
 飛行船にはマンフレッドとパプリカが乗っていました。パプリカに本当の戦争を教えてやろいうということで、サルカズ戦争史を読むべきだとマンフレッドは言っていました。これの著者はヘドリーとのことです。意外な一面があるものです。
 飛行船に乗り込んだイネスはマンフレッドと会話してサルカズたちの作戦の全容を知ります。見事な作戦を立てたものだなと感心しつつ、いま情報を伝えなければ悲劇が起きてしまうことも彼女には想像できました。
 自分なら悲劇を止められる。イネスは飛行船から飛び降りてしまいます。彼女のアーツは影を操ることができ、視界の範囲の影が対象になります。高いところからノーポート区の移動都市の巨大な影を操ろうとしたのです。
 アーツで引き延ばされた影は、塔の形になりました。下から見ていたウィンダミア公爵がこれに気づきます。自然にはあり得ないこの現象は、誰かのメッセージだと。ザ・シャードから砲撃が来ることに気づいた彼女は、周りにいる他の公爵軍も含めて、赤の信号弾で警告を出しました。
 ザ・シャードの試射は天災雲を形成しました。ウェリントン公爵軍はかなりの損害を受けたのですが、当初サルカズが狙っていたほど効果的なダメージにはなりませんでした。間一髪でイネスの機転が功を奏しました。
 地面へ激突するかと思われたイネスは爆弾の爆風と灰を操るアーツに助けられます。イネスに発信機をつけていたWと、テレシスの監獄から脱出したヘドリーが落下地点にいたのです。バベルに手を貸していた傭兵部隊がここで再結成されるアツい展開でした。


3. 終局と今後

3-1. 変形者の最期

 ロドスは変形者を倒すという予想外の戦果を上げることになりました。
 変形者は老いることがありません。身体を多数の破片に分裂させることができるので、物理的に1人を倒しても息の根を止めることができません。無敵かと思われました。
 メイン12章では3つの破片が経験したことの相互作用で変形者は倒されました。コルバートに化けていてエブラナやアーミヤと戦った破片、モリーに化けていてレトやゴールディングと会話していた破片、そしてLogosと対面していた破片です。
 アーミヤは破片の1つを戦闘で破りました。この破片はエブラナの炎で弱っていました。変形者は歴代の魔王を知っていますが、異種族の魔王を見るのは初めてです。好奇心をくすぐられていました。
 ゴールディングは変形者がモリーに化けていたことを知り、自分が自救軍の情報をサルカズ側へ漏らしてしまった張本人だと気づきました。彼女は生きて罪を償うのが筋だということを理解しつつも、深い絶望に叩き落され、生きること自体を諦めるのも1つの選択だとして自死を選びます。
 変形者は長きに渡って人間を見続けて、自死する個体がいることも把握していました。しかしいまだにどういう考えで人がその選択をしているのか理解できません。ゴールディングの選択こそが変形者を倒すカギでした。
 Logosは変形者と対話していく中で、変形者が生きる意味を求め、あらゆる可能性を試してきたことを知ります。何に対してもつまらないと喚くだけの老いぼれになってしまったと変形者は自嘲していました。
 そんなときに変形者は新しい可能性を目の当たりにしました。Logosは変形者を唆します。新生は滅亡より生まれる。自死は変形者が試していない可能性の1つだと。変形者もゴールディングの選択は自分が考えたこともなかった勇気だと賞賛し、彼女の行動を見てうずうずしてしまっていると認めたのです。
 Logosがゴールディングのことをどこまで把握していたのかはよくわかりません。ただ、変形者を倒すならこの方法しかないとも思っていたようです。変形者はLogosの提案を受け入れ、自らの生を終わらせました。まさかオペレーターでもない一介の教師が、最も難しいと思われた王庭の攻略のカギとなるとは驚きの展開でした。しかも彼女は人生に絶望していたのに。考えさせられるやりとりとなりました。

3-2. ウィンダミア公爵

 ノーポート区のその後のお話です。
 ウィンダミア公爵を乗せた軍艦がやってきて、住民たちを収容しました。彼女はロドスにお礼を言っていましたが、思想はロドスとは相容れません。デルフィーンとの関係が切れれば、ロドスとの関係も終わりです。
 ザ・シャードの試射を察知した際、ウィンダミア公爵はカスター公爵とウェリントン公爵の軍勢に向かって警告を発していました。おかげで2人の軍は壊滅的な被害を受けずに済みました。
 しかしウェリントン公爵は恩を仇で返すようなことをします。自分のところに向かってきていたサルカズ軍を、ウィンダミア公爵が駐屯している方向にけしかけたのです。カスター公爵は、今度はウェリントン公爵が焦っているようだと分析していました。
 ウェリントン公爵ガリアが滅んだ四皇会戦に出撃していました。彼にとってサルカズ軍はそのとき以来の好敵手だと興奮していました。サルカズを打ち倒し、ヴィクトリアの主導権を手に入れて、ターラーの時代を勝ち取るのだと豪語していました。
 ノーポート区の住民たちの中には新たに感染者になってしまった人がたくさんいました。パーシヴァルとレイドはそういう人たちに声をかけ、レユニオンに吸収していきました。彼らがロンディニウムに来たのは捕らわれた同胞を助けるためだと言っており、仲間を増やすのが目的だったようです。最後にはナインたちと合流していました。ついにタルラもロンディニウムへとやってきました。

3-3. リッチ参戦

 サルカズ側に新しい戦力が追加されました。
 テレシスの支配下にはリッチという種族の王庭が合流していませんでした。ケルシーが説得して食い止めていたのです。いまのリッチの王庭はエルマンガルドという人物でした。彼女には先生がおり、ケルシーはこの先生と知り合いだったそうです。
 リッチは空間を操る能力を使うそうです。「命結」を隠すことに必死なのでいままで戦争に加わって来なかったといっていました。「命結」が何なのかは全くわかりません。
 亀裂を弄ぶ道具を使って、ナハツェーラー軍を支援したと言っていました。これが空間を操る能力の1つのようです。ナハツェーラー軍は飛行船のサポートなども受けて戦線を展開しており、13章以降で公爵軍に襲い掛かるものと思われます。
 ザ・シャードの試射によって公爵軍は天災雲に襲われました。一方でサルカズはほとんどが感染者のため、天災雲の影響を特に受けなかったと言われていました。兵力では公爵軍の方が圧倒的に思われたのですが、サルカズが徐々に巻き返していっており、公爵達が余裕でいられるのもいつまで続くのかという感じになってきました。




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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 火山と雲と夢色の旅路 編

 2024年1月16日開始のイベント「火山と雲と夢色の旅路」のストーリーを整理していきます。

1. スワイヤーとバイソン

1-1. シエスタの移転

 イベントの舞台となるシエスタについて整理します。
 「青く燃ゆる心」で初登場したシエスタは、テラでは珍しい定住型の都市でした。ビーチとシエスタ火山を観光資源として経済を回していたのですが、火山の噴火の兆候が観測されてしまい、移動都市を作って移転することになりました。
 新しい移動都市の建設と並行し、住人の移住を準備していくことは簡単ではありません。「未完の断章」の5話「付和雷同」では、移転をするにあたって人的リソースなどが不足しているシエスタを、フェンツ運輸が支援しようと提案があった場面が描かれていました。
 「青く燃ゆる心」から2年後。「火山と雲と夢色の旅路」のタイミングでは、ほとんどのシエスタ市民が新しい移動都市ニューシエスタへ移住していました。ニューシエスタは旧シエスタの100kmほどの地点に停泊しています。
 シエスタが移動都市化したことをきっかけに、クルビアがちょっかいをかけてくるようになりました。もともと定住していたときもクルビアはシエスタを配下に収めようと企てていたのですが、市長ヘルマンの力量でシエスタは独立を守ってきました。今回もクルビアの要求を跳ねのけようとしています。
 旧シエスタは観光都市だったので、観光産業に従事していた人がたくさんいました。自分の仕事を簡単に変えることは難しいため、彼らはニューシエスタにも観光街を作りました。しかしビーチも火山もないニューシエスタに来る観光客は少なく、観光街の景気は良くありません。
 シエスタ火山からは天然の黒曜石が産出します。旧シエスタではこれも1つの名産品だったのですが、過度な採掘が環境破壊を引き起こしたため、市長は採掘を禁じました。黒曜石の取り扱い禁止もニューシエスタの経済への痛手となっています。

1-2. ニューシエスタへの入札

 ニューシエスタでは新しいプロジェクトへの入札が行われていました。
 不況にあえぐ観光街を立て直すため、再建プロジェクトが計画されました。複数社から入札があればコンペになります。バイソンとスワイヤーがそれぞれ入札を検討していく様子がこのイベントストーリーの軸の1つになっていました。
 バイソンの父はフェンツ運輸の社長のピーターズです。「未完の断章」ではヘルマンとピーターズの交渉の様子が描かれており、そのときからシエスタに物流センターを作る計画が提案されていました。ピーターズは実務をバイソンに任せており、バイソンが社長を務めるフェンレン貿易という新しい会社が立ち上げられていました。形式上フェンレン貿易はフェンツ運輸の子会社ですが、バイソンは父の力を借りずに入札に挑むのだと息巻いていました。ピーターズの動きが龍門商業連合会によって制限されているという側面もありました。
 バイソンの前に立ちはだかったのがベアトリクス・スワイヤーでした。彼女は龍門近衛局の時期局長です。ヴィクトリアや龍門を股にかけて活躍する財閥スワイヤーグループの後継者候補の1人という顔も持っており、この物語では後者の立場で動いていました。
 スワイヤーはバカンスでニューシエスタを訪れたという体裁にしていました。本当はこの都市を投資先として目を付けていたわけなのですが。
 ヘルマンはスワイヤーグループと長年やりとりをしたことがあり、ヘルマンの敏腕っぷりはスワイヤーの耳にも入っていました。シエスタが独立性を保ってこれたのは彼のおかげです。
 バイソンはこの入札になんとしてでも勝ちたいと考えています。スワイヤーは知り合いなので、入札から降りてもらえないか説得を試みました。しかし、勝ちたいなら公平に入札で勝てばいいじゃないかと断られてしまいました。手厳しい正論ですね。


1-3. 住民へのアピール

 バイソンとスワイヤーによる、住民に対するアピール合戦が始まりました。
 政府への入札で競合が起きた場合、判断するのは本来政府です。しかしシエスタ政府は住民からの支持率も考慮に入れながら判断をしようとしていました。なので2人は住民からの支持を得ようと選挙戦を繰り広げます。
 バイソンは国際商品展覧会を開くことにしました。ニューシエスタに物流センターを作るという彼の計画が採用されれば、シエスタには外国から様々な商品が流れてくるようになります。その恩恵をイメージしてもらおうとしたのです。元々物流センターに前向きでなかった住民たちも、各国の名産品を楽しむことで、バイソンの支持に回ってくれる人が現れました。
 ピーターズが最初に思い描いたこの物流センター計画は、シエスタが独立都市であるという点を活かした生き残り戦略です。大国の意志に振り回されず自由な貿易でテラの各地を繋げられれば、交易でシエスタは潤い、テラ全体のためにもなると彼は考えています。
 一方のスワイヤーはウォーターパークを作るというアイディアで対抗します。ペリペを展示品級の黒曜石で買収し、彼の温泉旅館を改造させてもらったのです。天才エンジニアのスノーズントの協力あってのものでした。
 ウォーターパークのオープン日は、バイソンが商品展覧会を実施する日に合わせていました。住民だけでなく観光客の集客にも繋がり、観光街は久しぶりに活気を取り戻しました。
 住民の支持率はと言うと、スワイヤーが33%、バイソンが21%、他の会社が10%ずつぐらいになり、このままいくとスワイヤーのウォーターパーク建設案が採用される結果となりました。

1-4. 世代交代

 バイソンとスワイヤーの戦いの決着です。
 世論調査では戦いを優位に進めていたスワイヤーですが、突如入札からの辞退をバイソンに提案します。このままいけばスワイヤーの提案が通る場面で、入札から降りる代わりにフェンレン貿易の株式を購入したいと申し出たのです。取引ですね。
 バイソンはこの取引を呑みます。というより、呑んだフリをしました。シエスタのお役人の前で演技をしたのです。
 スワイヤーの行動はシエスタに足を踏み入れた瞬間から監視されていました。スワイヤーグループの後継者争いに巻き込まれているのです。スワイヤーがフェンレン貿易に真正面から正当な手段で投資しようとすれば、動きを察知されて先手を打たれてしまう。それを危惧して、回りくどいやり方で株式を取得しようというのが今回のスワイヤーの作戦でした。
 結局フェンレン貿易には未登録の感染者がいるという密告でちょっかいがかけられたのですが、バイソンたちにはヘルマンとのコネクションがあるので対処が可能です。スワイヤーがおじいさまのアダムスに対して「今回はアタシの勝ちです」というビデオレターを送ったのは、フェンレン貿易に投資する算段が整ったことを意味しています。
 アダムスはウェイや鼠王と同じく、龍門を作り上げた世代の1人です。圧倒的な権力で経済界を支配しており、未知という恐怖でスワイヤーグループを束ねていると言われていました。
 スワイヤーはアダムスが亡くなったあとのことを見据えています。一族の連中はアダムスの遺産に飛びつくでしょうが、彼女はそんなことに興味はありません。次の世代を担う者として、地位を固めたいと考えています。そこで今回目をつけたのがフェンレン貿易との提携でした。
 ピーターズやバイソンと同様、スワイヤーもシエスタが国際貿易の拠点となっていくことに賭けたいと考えています。将来的には龍門のビジネスにも大きな影響を及ぼすことになると予見しているのです。いま投資しておけば、莫大なリターンとなって返ってくるでしょう。
 バイソンも大きな一歩を踏み出していました。親会社であるフェンツ運輸から、フェンレン貿易を勝手に独立させたのです。バイソンの真意はあまり記述がありませんでしたが、彼は父親の庇護を離れたがっていたので、自分の意志でシエスタの国際物流を差配していきたいという意欲が生まれたのかなと思いました。スワイヤーが株式を取得するにあたって、持ち株比率が変わるという事情があったのかもしれません。
 バイソンとスワイヤーはどちらも非常に明快な形で世代交代を行う意志を示しました。アークナイツに出てくる若者たちは優秀で眩しいですね。シエスタ政府は結局、物流センターもウォーターパークもどちらも作ってしまったようです。



2. セイロン

2-1. 鉱山王とバーバラ

 セイロンのお話は、シエスタの感染者にまつわる話題でした。
 セイロンが生まれるまでは、黒曜石の採掘は盛んに行われ続けていました。シエスタの鉱山王と呼ばれたベアーテ・ブラウンは採掘で多くの雇用を生み出しました。しかしベアーテは不慮の事故で鉱石病に感染してしまい、亡くなってしまいました。
 息子のペリペ・ブラウンは父の会社を引き継ぎますが、ちょうどそのころに黒曜石の採掘が禁止されます。ペリペは採掘を制限する動きに対して率先して対応します。それは1人の学者との出会いが印象に残っているからです。それがバーバラ・ドルクスでした。
 バーバラはヘルマンの奥さんです。セイロンが生まれてすぐに亡くなってしまったようでした。バーバラは学者で、ヴィクトリア出身でした。当時のシエスタはヴィクトリアからの圧力を受けており、市長のヘルマンはバーバラの出身地を隠したがっていました。セイロンはバーバラのことをあまりよく知りません。
 バーバラはシエスタの採掘場で鉱山労働者たちとコミュニケーションをとっていました。彼女の研究の目的もあったかもしれませんが、それ以上に鉱山労働者たちの待遇を心配していました。感染のリスクの高い採掘作業中にも、自分の身を守る方法を身に着けるべきだということで助言をしていました。また、夫であるヘルマンに働きかけて、労働者たちの待遇改善も目指しました。
 バーバラは当時のペリペに出会った際に、私が政府の目を感染者に向けさせるのだという発言をしていました。このときすでにお腹の中にいたセイロンのため、シエスタが愛と優しさで満ちた都市であってほしいと願っていたからです。バーバラの想いはヘルマンを動かし、ペリペに伝わり、そしてセイロンを取り巻く環境へと繋がっているのです。

2-2. シエスタの感染者の今後

 いまのセイロンの話に戻ります。
 セイロンはロドス本艦ではなく、シエスタ支部に滞在しています。現在のシエスタでは黒曜石の採掘は禁止されていますが、こっそりと掘っている鉱山労働者がいます。感染者が十分な給料をもらえる仕事は多くなく、裏ルートに流して日銭を稼いでいるのです。
 ペリペは黒曜石のコレクションを楽しんでいるものの、売買からは足を洗っていました。鉱山労働者たちは彼が黒曜石を買ってくれなくなったと文句を言っていました。ペリペはバーバラの理想に感銘を受けて、それを守ろうとしているのです。ドライバーなどの別の仕事を労働者たちに斡旋することで助けようとしています。
 しかしペリペの手元には1つだけ、晶洞のままの黒曜石がありました。バーバラがセイロンを身ごもっているとき、セイロンの生誕祝いにバーバラに渡そうとしていたものです。おそらくバーバラはセイロンの出産後すぐに亡くなってしまったものと考えられるため、渡す機会を失してしまっていたのでしょう。今回の騒動で、ようやく渡すことができました。
 ドリーの分身のちびめーちゃんたちの中で、標識や宛名を食べてしまう迷子の子がいました。この子はバーバラの魂と紐づいた存在で、鼓動の音だけでセイロンを探していました。バードにはこの子だけが見えていました。彼女は坑道で行われていた頃の黒曜石祭でバーバラとシエスタの未来について語り合ったことがあり、そのときに生まれた繋がりが効いているのだと思います。
 一方、ヘルマンはクルビアの使者から圧力をかけられていました。定住都市から移動都市に形態を変えるのであれば、クルビアの移動都市と同等の感染者対策をすべきだと。彼はクルビアに屈するつもりはありませんでしたが、難儀な相手であることは確か。
 セイロンは悩む父を𠮟咤激励しようとしていました。クルビアが感染者の隔離を要求してくるなら、立派な感染者区画を作って働き口も整備すれば良いじゃないかと。彼女は元々シエスタに感染者治療センターを作りたがっていたので、好機が来たと計画を前に進めていました。イベントの最後でようやくシエスタに辿り着いたポンシラスも、この治療センターの建設に貢献しました。
 シエスタを良い都市にしたいというバーバラの想いは、ヘルマンとセイロンに受け継がれました。今後もシエスタは健全に発展を続けていくことでしょう。

3. アデル

3-1. カフェ・モッキンバードの出会い

 アデルの両親とケラー先生の出会いからスタートします。
 ケラーはシエスタ出身です。ナウマン夫妻はシエスタ火山を調査し、火山警告花を探すためにこの地を訪れていました。
 3人が出会ったのはカフェ・モッキンバードでした。コスタのおじいちゃんが経営していたお店です。ケラーはこのお店の常連で、火山の本を読んでいるのをナウマン夫妻が発見して意気投合。火山研究の旅についていくことになりました。
 コスタはカフェを手伝いながら、エレキギターヘビーメタルを演奏している青年でした。「うるさいコスタ」というあだ名がつくほどで、黒曜石祭りのグランプリも狙えるぐらいの腕前だったとか。お役人仕事をしているいまの姿からは想像もつきません。
 コスタはコーヒーにサイダーを入れる奇抜な飲み物を発明しました。ナウマン夫妻はこれを気に入ったのですが、おじいちゃんが全然認めてくれなかったため、コスタはこっそり提供を続けていたのだとか。

3-2. 通り雨計画

 ケラーはナウマン夫妻と一緒にリターニアで研究を行っていました。
 リターニアでは20年ほど前に巫王が倒され、貴族たちを中心とする政治情勢が不安定になりました。ナウマン夫妻の研究室にも影響が及びます。そんな中、とある選帝侯(帝を選ぶ権力を持つ偉い貴族)の軍が彼らに接触してきました。
 カティアは軍と取引を行いました。研究成果の一部を提供する代わりに、安定した学術環境を保証してもらうという内容です。アーツが専門領域だったカティアは、「通り雨計画」なるものを軍に渡しました。兵器へ転用できるような研究だったと言われていました。
 アデルやカーン先輩が知りたがっていたナウマン夫妻の死の真相についても語られました。もともとはケラーも含めた3人でウナ火山の調査に行く予定だったのですが、出発直前に軍の使者が訪れてきました。夫妻に研究に専念してもらおうと、ケラーはひとり残って軍に対応。一方の夫妻は運悪くウナ火山の噴火に巻き込まれてしまい命を落としました。
 軍と繋がっていることを公にしたがらなかった夫妻の意志を継ぎ、ケラーは1人で黙々と軍とのやりとりの後処理をこなしました。カーン先輩からはケラーが怪しく見えてしまっていたのですが、他の人を巻き込みたくなかった彼女の優しさのせいでもありました。
 両親はアデルに興味のある研究を思いっきり続けてほしいと願い、騒動からは遠ざけていました。彼らが火山を求めてテラ中を飛び回っていたこともあり、アデルは両親が亡くなる1年前は全く会えなかったそうです。


3-3. シエスタへの招待

 ケラーはアデルをシエスタに呼びました。
 アデルにやってもらいたいことが2つありました。もうすぐ噴火しそうになっているシエスタ火山のデータ整理が1つ、もう1つはヴォルケーノ・ミュージアムに展示する両親の資料の整理でした。
 シエスタに来たアデルはドリーと出会います。ドリーは分身であるちびめーちゃんを世界中にバラまき、その一部とともにシエスタにきていました。噴火したシエスタ火山でマグマサーフィンを楽しむために来たのでしょうか。
 子供の頃にアデルは母マグナからちびめーちゃんをプレゼントされたらしく、ちびめーちゃんのことは前々から認識していました。しかし親玉であるドリーに会ったのは初めてだったようです。ドリーはアデルのことをずっと見守ってきたと言っていました。
 ドリーやちびめーちゃんの存在は、彼ら側が興味を持っている人間にしか感じ取れません。シエスタの一般人たちには全く見えていませんでした。
 ドリーはマグナのこともよく知っており、彼女は類まれなる知恵の持ち主だとほめていました。ちびめーちゃんをプレゼントしたこともあり、語られていない深い関係性があったのかもしれません。

3-4. ドリーのゲーム

 ドリーはアデルにゲームを仕掛けました。
 シエスタに来ても浮かない様子のアデルを見て、ドリーはクイズを出しました。北風と種と毛皮の3つを探せと。クイズが解ければ探しているものをご褒美にあげようとドリーは提案します。アデルは両親の死の真相を知りたがりました。
 ドリーは「羊主」という別名を持っており、獣主の1体と考えられます。「狼主」に追いかけられていたこともあると言っていました。動物の本能的な部分が残っているのか、単にそういう間柄なのか。
 エンペラーはドリーの分身に大事なアルバムを盗まれてしまい、取り返しにシエスタに来ていました。エンペラーからするとドリーは音楽について語り合える数少ない存在。2人とも音楽について深い理解があるように見えます。
 音楽家がもう1人登場しました。バードです。クルビア出身の歌手で、彼女にはエンペラーも期待を寄せています。ドリーのクイズの1つ目、「北風」は歌詞の一部でした。思い出せなくて困っていた楽曲で、バードが歌ってくれたことで解決しました。
 クイズの2つ目は「種」。ドリーたちにとって「種」とはサイダーのビンのキャップでした。見えているものは人によって違うのだと。ドリーの分身はクルビアでヴォルケーノコーヒーを味わい、それが印象深かったから「種」を求めていた様子でした。ヴォルケーノコーヒーはコスタが発明したコーヒーサイダーです。クルビアで受け入れられて根付いたのだとか。
 クイズの3つ目の「毛皮」は、マグナの防護服でした。ヴォルケーノミュージアムに展示されていたそれは、マグナをケガから守ったもの。アデルはシエスタ火山に向かう際にこれを借り、たまたま正解に気づきました。動物が身を守るために身に着けるものが毛皮なのだという、原義に戻るという問題でした。


3-5. 火山と夢

 ちびめーちゃんたちの正体について。
 クイズを解いたアデルに対して、ドリーはご褒美を渡します。アデルが探しているものを火山警告花だと勘違いしたドリーは、花はシエスタ火山の斜面に咲いているのだと教えてくれました。花を探しにきていたのは両親の方だったので、勘違いしたのかもしれませんね。
 ケラー先生が真実を伝えてくれたおかげで、アデルのもやもやは解けました。ケラーの名前もアデルだったことが明かされ、大切な友達の名前を子供にもつけていたのだというハートフルなオチもついていました。
 ドリーはちびめーちゃんたちの正体について語りました。彼らはドリーが人を真似て作った生物です。消えた命そのものではなく、ドリーがコレクションのために作った生き物。天国から語り掛けてくれているわけでもなければ、この世に未練があってとどまっていたわけでもありません。
 バーバラを模して作った分身がセイロンを探していたり、夢で両親の人格とコミュニケーションしたりしたのも、全部ドリーが作り出しただけの存在。アデルはそれを残酷に思うとドリーに伝えていました。帰らぬ人との再会に、残された人は期待を寄せてしまうものですから。
 しかし、アデルは夢で出会った両親の分身との会話を胸に刻み込んだことで、心の持ち方をポジティブに変化させていました。マグナの分身は傘を差した「穏やかな生き物」、カティアの分身は小さな火山を背負った「厳かな生き物」でした。
 彼らは火山に登る準備をしており、知識と勇気と運を購入していました。アデルに対しては、自分たちと同じように小石を火山に埋めるのだとアドバイスをしていました。
 2人は埋めた小石に愛と思い出を注ぎました。小石は情熱的なマグマとなり、振り返らずに彼らのもとを去っていきました。マグマになってしまったため見分けがもうつかないのだと。愛情をかけて育てたアデルとの死別を語っていたように見受けられました。
 雨が降ってきてしまって、夢の中の冒険は終わりました。厳かな生き物が雨を嫌っていたのも、穏やかな生き物が傘を差していたのも、通り雨計画を生み出してしまった心残りから来るものなのかもしれません。
 アデルは2人に花の冠を作ってあげようとしたのですが、時間切れで叶いませんでした。しかしこの話の続きは純燼エイヤフィヤトラのプロファイルに書かれています。彼女は両親が亡くなったウナ火山に登り、小石を埋めて、花の冠を2つ持ってきていました。シエスタで体験した不思議な出来事から気持ちを整理することができたのでしょうね。

感想

ここからはただの感想です。
「火山と雲と夢色の旅路」はアデルとドリーのやり取りを軸に、親と子の別れを描いた物語でした。夏のイベントらしく陽気ではっちゃけた展開の中で、随所に挿入されるエピソードに胸を打たれる良いお話でした。
 上には書けませんでしたが、拾われた子であるエニスと母ヘイリーの別れも印象的でした。家族の一員になろうと努力するエニスに対して、「何かと引き換えにしないと手に入れられない関係じゃないんだ」と語り掛けるヘイリーの優しさ。気持ちを汲み取ってシエスタに別れを告げ、冒険に踏み出すエニスの姿にも、親子の別れがにじみます。
 スワイヤーとバイソンの話も、見方によってはお別れの話でした。独立は決別であり離別。前途有望な若者たちは親の庇護下を離れ、新しい世界を切り開いていくのですね。
 死したものを分身の形で作り上げるドリーの能力を見て、アデルが「残酷に思う」と感想を吐露したのがこのお話で最も印象的な部分でした。イベント全体の雰囲気から受ける、優しいドリーミーなお話ではないのですよね。
 人格や魂そのものが蘇っているわけではないし、ドリー自身もそれを慈善としてやっているつもりでもない。ただ自分が楽しむために死者の人格を弄ぶ、超越者の遊びなのです。振り回された周囲の人間が、今回はたまたまポジティブに受け取ることができたというだけ。
 エンペラーはかなり人情味がありますが、「シラクザーノ」のときのザーロ然り、獣主たちは基本的には人間の理の外を生きる存在です。親と子の話なんて知ったこっちゃないでしょう。偶然が重なって死者の想いを汲むことが出来た、奇跡の話だったのかもしれないですね。





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【アズレン】ストーリー考察:光追う星の海 編【アズールレーン】

 2023年12月21日から開催されたユニオンのイベント「光追う星の海」のストーリーを整理していきます。

1.星の海にて

1-1. 組織構造

 最初に星の海の組織構造を見ていきます。
 星の海はユニオンが誇る最先端秘密研究所。他の陣営には秘匿されていて、ユニオンKAN-SENにも多くは開示されていません。このイベントはプリンストンとラフィーが星の海へ配属転換される場面からスタートします。
 星の海の部署とその在籍メンバーを見ていきます。今回の物語に登場するKAN-SENたちがどんな役割を追っているかを整理することで、このあとの動きがわかりやすくなります。
 1つ目が兵装設計部。ここのいまのホットトピックはⅡ型艤装の開発です。すでにⅡ型兵装を持っているノーザンプトンⅡのほかに、新しく配属になったのがルイビルプリンストン、ラフィーでした。
 2つ目が回収解析部。過去の再現の戦場から価値のあるデータを見つけ出し、解析するのがお仕事です。コンステレーション、サン・ジャシント、フラッシャーが在籍しています。
 3つ目が戦術特勤部。この部署は荒事に対応する戦闘員を抱えています。KAN-SENは誰しもが戦闘能力を持っていますが、こういう部署が別に作られているということはよっぽど戦闘に特化している子たちが在籍しているのでしょう。グアムがURであることも頷けます。
 4つ目の発展型艦船研究企画部には特別計画艦が属しています。ユニオンの計画艦は他にジョージアがいますが、彼女はエウロパでの戦いに出撃していたので、戻ってきていないようです。
 5つ目は戦略部。星の海の責任者であるアラスカはここに属しています。機密公務で数か月出張中で、いまはいないようでした。
 これ以外にも名前だけ出てきた部署がありましたが、所属しているKAN-SENが出てこなかったので割愛します。
 サラトガは星の海の部署には属しておらず、顧問やアドバイザーのような立ち位置とのことでした。指揮官も現在アイリスに滞在しており、プリンストンが残念がっていました。

1-2. サルベージ作戦:光追い

 回収解析部が進めていた光追い作戦について。
 今回のイベントタイトルにもつけられている「光追い」。コンステレーションが中心となって進められている作戦です。目的はレキシントンの治療。レキシントン級の空母たちにとってはお姉ちゃんがずっと臥せっている状態なので、治療方法を探し求めています。
 メインストーリー3章で繰り広げられた珊瑚海海戦の再現にて、レキシントンは重傷を負いました。彼女はいまだに生命維持装置の中にいます。
 重桜とユニオンによる太平洋戦争の再現では、ユニオン側にも多少の被害が出ています。AF海戦で倒れたヨークタウンと、珊瑚海海戦で倒れたレキシントンはその主たる被害者でしょう。あとは真珠湾攻撃アリゾナたちが損傷する描写もあります。一方、AFで沈んだかのように見えた赤城と加賀はピンピンしており、重桜側の被害は未知数だったりもします。
 「積重なる事象の幻界」にてヨークタウンは回復を遂げました。リアリティレンズに入った指揮官がデータを持ち帰り、Ⅱ型艤装を完成させたからです。キューブから作られたⅡ型艤装は、リュウコツの浸食を肩代わりすることで本人を復活させます。ビスマルクZweiも同じ原理で回復しました。
 コンステレーションレキシントンのⅡ型艤装に繋がるデータを探しています。レキシントンが倒れた珊瑚海海戦の再現にそのヒントがあるはずだと、再現をデータ上で疑似空間として構成し、データサルベージを計画しているのです。
 コンステレーションのやろうとしていることは難しく、前回は失敗しています。グアムに声をかけた理由は、戦闘が発生するかもしれないからとのことでしたが、前回は再現の戦闘に巻き込まれたのかもしれません。
 グアムたちが入った再現の疑似空間には謎の異常データがありました。そのデータのせいで空間は非常に不安定になっていました。習熟した作業者のフラッシャーはその異常データを回収することに成功します。
 指揮官がヨークタウンのⅡ型艤装を作れたのは、アンカレッジのリュウコツに今回見つかったような異常データがあり、それをリアリティレンズで解析したおかげだったと言われていました。

1-3. リアリティレンズ

 コンステレーションは異常データをリアリティレンズで解析します。
 この異常データは表層部分に変なところはなさそうでした。功を焦るコンステレーションは早速リアリティレンズにこの異常データを接続し、データの世界へと入っていきました。
 おちゃらけているように見えて状況を見極める目のあるグアムは、コンステレーションを止めようとしていました。異常データは疑似空間でのジャミングを引き起こしており、不測の事態が起こるかもしれません。しかしコンステレーションに通信を切られてしまいグアムは困ります。グアムはまだ疑似空間にいるのでストップをかけられなくなってしまいました。
 コンステレーションとサン・ジャシントはリアリティレンズの世界に入り、その中で王冠を目にします。王冠とは北方連合にある特異点のこと。「凛冽なりし冬の王冠」でコードGが起動に失敗した後、オミッターに占拠され続けています。しかしリアリティレンズの世界の王冠は起動されていました。
 コンステレーションたちは様々な理由を検討したのですが、彼女が最後に思いついたパラレルワールド説が一番しっくりくるような気がします。指揮官の枝の王冠が起動できるタイミングは基本的になく、過去や未来を見ているわけではなさそうでした。
 異常データにアクセスしてしばらくすると、リアリティレンズに敵性データが現れます。悪意のあるものが仕込まれていたということでしょう。アンカレッジの助けも借りながら、TBが手際よく対処していきました。
 アンカレッジは異常エリアが示すブロックが絵になっているとTBに教えます。「ビーコン」そしてアルファベットで「UC」と書かれていたとのこと。

1-4. Devilの異常行動

 一方で兵装設計部にもトラブルが発生します。
 ラフィーとプリンストンはⅡ型艤装の研究のために星の海に呼ばれました。指揮官がリアリティレンズから帰還する際に未来のラフィーⅡを偶然見かけたため、ラフィーのⅡ型艤装は実現が近づいていました。一方プリンストンのⅡ型艤装はまだありません。
 疑似空間でラフィーの兵装にⅡ型艤装をオーバライトし、戦闘シミュレーションが行われました。ヨークタウンに呼ばれたノーザンプトンⅡはやむなく2人を残して出かけていきます。
 シミュレーション上のアビータDevilXVを相手に戦闘テストが行われました。シミュレートされたDevilは非常にフレンドリーに話しかけてきていたため、人格の再現度は甘いのだろうなと思われます。
 しかしDevilの喋り方は途中でがらっと変わり、本人の人格が乗っ取ってきたような様子でした。なぜここに入ってきたのかはわかりませんが、アビータTowerXVIに文句を言っていたので、彼女も一枚噛んでいる雰囲気でした。
 Devilの様子が変化したのと同じタイミングで、黒い竜巻と浸食具現体(黒い靄)が発生し、ラフィーたちに向かってきました。コンステレーションがリアリティレンズで異常データに接続したのが引き金になりました。エックスに居場所を補足されたようなものと考えられます。
 ここでとある人物からDevilに通信が入りました。「『あなた』を助ければここから解放するんだな?」とDevilが聞き返していたことから、プリンストンMETAから通信が来ていたのかもしれません。ただ、彼女はアビータに会ったことがないはずなので、しっくりくる予想ではないです。
 Devilはこの謎の人物との取引に合意しました。ラフィーとプリンストンを逃がす代わりに、自分をここから解放してもらうとのことです。浸食具現体と戦うのはアビータも苦手だと言っていました。乗り込んだボディもTBがシミュレートしたものなので完成度が甘く、Devilは渋々戦いに挑んでいました。
 ラフィーとプリンストンはDevilが教えてくれた座標から脱出に成功しました。

2. 真水海域にて

2-1. 真水海域への転移

 ここから舞台が真水海域へと移っていきます。
 Devilが指定した座標にラフィーとプリンストンが辿り着くと、空間転移が発生しました。ラフィーは真水海域へと飛ばされますが、プリンストンとはぐれてしまいます。
 リアリティレンズの世界にいたコンステレーションとサン・ジャシント、珊瑚海海戦の再現の疑似空間にいたグアム、ルイビル、フラッシャーも黒い竜巻の襲撃を受けました。ラフィーと同じ地点へと飛ばされてきます。
 プリンストンだけが真水海域に辿り着けませんでした。彼女がプリンストンMETAと出会うとややこしいためお留守番を食らったのかもしれません。ヘレナとヘレナMETAは出会ったことがあるので、ドッペルゲンガーのように出会ってはいけない存在ではないはずです。
 真水海域は海水ではなく真水で構成されており、生物が全くいない謎の空間です。遠くには人工の廃棄物の山が見えました。セイレーンの浮島要塞があり、資源の回収を行っているような雰囲気でした。
 フラッシャーはここで、異常データと反応が似ているビーコンを発見します。

2-2. 星の海艦隊 vs 理事会艦隊

 グアムたちは謎の艦隊と遭遇します。
 ラフィーだけがキャッチできる謎の信号源が飛んできていました。その先には空を飛ぶ量産型を率いる理事会艦隊がいました。話の通じないグアムたちを浸食されていると勘違いした理事会艦隊は無力化するために戦いをしかけます。
 艦隊を指揮するプロトコルウォーフェアフォートレスはセイレーンと同じ系統の兵器でした。グアムたちは敵だと勘違いをします。真っ白なので独特な見た目ですよね。
 スペック的には戦力差のある戦いでしたが、グアムたちは意外と良い勝負をします。理事会艦隊が量産型を徹底的に守ろうとしていることを見抜き、量産型を集中攻撃したのです。指揮官の枝では量産型の価値はKAN-SENより低いのですが、理事会艦隊は資源の欠乏に悩んでいるようで、量産型の価値が重い様子でした。
 プリンストンMETAが仲裁に入ったため戦いは終わりました。グアムたちが浸食されているとの判断は勘違いでした。
 プリンストンMETAは自己紹介をしてくれます。理事会は全部で艦隊を7つ持っており、彼女たちは第5任務艦隊。この世界は故郷ではなく、彼女たちも迷い込んでしまったとのこと。



2-3. エンフォーサー vs 浸食具現体

 このあともう1つの戦いが発生します。
 プリンストンMETAは艦隊を率いるギンギツネという科学者を紹介します。ギンギツネはパラレルワールドが交わっていることを危険視して言動に気を付けていました。最後までグアムたちの目の前には出てこなかったため、立ち絵には影がかかったままでした。
 壊れたビーコンは星の海艦隊と理事会艦隊を引き寄せました。これが元の世界に戻る鍵だということで、フォートレスが修理に取り掛かってくれました。
 その間に食事を取ることになったのですが、プリンストンMETAが気になることを言っていました。彼女たちの世界ではコーラのレシピが大戦で失われてしまったとのことです。ユニオンが焼け野原になるぐらい大きな戦争が起きたということでしょうか。
 そうこうしているうちに、真水海域にも黒い竜巻が発生しました。プリンストンMETAたちは竜巻への対処方法を熟知しており、冷静に撃退へと向かいます。周りに現れる浸食具現体を倒すことで、黒い竜巻は勝手に消えていくのだとか。
 竜巻の出現に合わせて、真水海域にあったセイレーンの浮島要塞からエンフォーサーが出てきました。敵を感知したための防御行動で、基地で建造されたばかりの個体が出てきていました。この要塞は前線基地ではなく兵站基地だと言われいたので製造設備があったのかもしれません。プリンストンMETAはエンフォーサーを見たことがないと言っていました。
 エンフォーサーと浸食具現体が一通り潰し合ったところで、プリンストンMETAたちが掃討をかけることで竜巻は消えていきました。

2-4. 真水海域の正体

 真水海域とはいったい何なのか。
 少し時系列をジャンプして整理していきます。前哨戦イベントと、このイベントのラストで語られたことが真水海域の正体に繋がっていると考えられます。
 実験場Bという枝がボノム・リシャールに狙われました。オブザーバー・零が特別に気をかけていたので、この枝はおそらく指揮官のいる枝だと思うのですが、確証はありません。
 アビータEmpressⅢは実験場Bがもうダメだと判断し、この枝のリソースを丸ごと備蓄に回してしまおうと考えます。しかしオブザーバー・零がそれを止めました。自然演算システムが検証中のことがあるため、この枝は守らねばならないと。
 Empressは防衛線は極めて勝率が低いため、零が非合理な判断をしているとみなします。彼らは機械ですが、賢い個体はわざとミスをすることができるので、そういうテストの一環なのかとEmpressは考えたようでした。
 アビータLoversVIが呼び出されました。ボディを1つ用意したLoversは、実験場Bの外周に防衛線を築きます。アビータたちは機械ですから、この防衛線は機械で作られた堅牢な要塞。生気が感じられないこの空間こそが、グアムたちが迷い込んだ真水海域と考えられます。
 イベントのラストではボノム・リシャールが襲来した様子が描かれていました。Loversは直接戦闘が得意なタイプではなく支援型なので、要塞を築くことで持久戦に持ち込もうとしたのです。
 しかしリシャールは結局この防衛線を突破したようで、真水海域は人工廃棄物の山と化しました。Loversのエンフォーサーを作る兵站基地が残っていたのは、後方だったからたまたま戦火を免れたのでしょう。
 リシャールはビーコンに言及していたため、今回の騒動を引き起こした元凶である可能性があります。


2-5. ギンギツネの過去

 ギンギツネの正体についても整理しておきます。
 アズールレーンではKAN-SENではないキャラはほとんど出てきません。立ち絵を持っていることで、彼女が非常に重要な人物であるということがわかります。
 ギンギツネはロシア語を話すため北方連合の人です。また、後述しますがオースタのことを知っています。そのため、セイレーン作戦の特殊情報に出てくるソフィア・アレクセーエヴナ・グルチコフ博士のことなのではないかと推測されます。
 アンジュおよびオースタは学生時代からソフィア博士と知り合いでした。学生の頃アンジュは人工知能に興味を抱いており、北方連合で脳科学教授をしていたソフィアをオースタが紹介したのです。オースタはソフィアと共同研究で出会ったと言っていました。
 アンジュはソフィアの若さに驚いていました。アンジュが学生の段階でソフィアはすでに教授の肩書を持っていたのですが、ソフィアを若いと感じるということは2人の年齢はさほど離れていないと推測されます。
 大学を卒業したアンジュとオースタは別々の道でキューブの研究を行いました。アンジュはキューブの本質がエネルギーを抽出できるところにはないと予想し、CV-6エンタープライズの錨からコードGを生み出します。
 オースタはキューブからエネルギーが抽出できるのは、キューブが別の次元と繋がっているからだということを発見しました。その後彼は研究分野を少し変えて、アンチエックスの設計者となります。
 ソフィアの名前が記録に再び出てくるのは少しあとの時代の話です。このころアンジュはKAN-SENをパワーアップさせるⅡ型艤装の研究を行っていました。
 一方、オースタはアンチエックスの改良に苦心していました。KAN-SENのようにメンタルキューブからアンチエックスを作れないかアンジュに相談を持ち掛けるのですが、概念が存在しないものに適用することはできないと一蹴されていました。その代わり、彼女はメンタルキューブを量子コンピュータとして使うというアイディアを提供してくれました。そのヒントをもとにオースタはアビータの開発へと進んでいきます。
 脳科学の研究をしていたソフィアも、この時代になるとキューブの応用へと研究の方向性を切り替えていました。彼女もアンチエックスのような自立兵器を開発していたのですが、その性能はアンチエックスと似たようなものであり、もったいない研究をしているとオースタは嘆いていました。
 このころはユニオンと北方連合の対立が激しくなってきており、ソフィアは会合への参加を見送っていました。アンジュは寂しさを記しています。
 このあと理事会が立ち上がり、ソフィアはギンギツネと呼ばれるようになるのではないかと思うのですが、空白の時系列がまだたくさんありそうです。今後もセイレーン作戦の特殊情報からは目が離せません。

2-6. キューブにかけられたリミット

 プリンストンMETAはグアムたちの性能に触れます。
 プリンストンMETAから見ると、グアムたちのKAN-SENとしての出力には制限がかかっているように見えていました。しかしフォートレスがグアムをスキャンしても、リュウコツの異常は見つかりません。
 原因はグアムたちを作ったメンタルキューブにあるというのが結論でした。キューブが製造された段階で、生まれてくるKAN-SENの出力に制限がかかるような細工が施されていたのです。
 この細工はKAN-SENのMETA化を防ぐようなリミッターでした。出力を制限することで、META化の進行を遅らせることが可能になるとのこと。プリンストンMETAとしてはエックスに勝てないなら本末転倒ではと思っていたようでしたが。
 これは「鳴動せし星霜の淵」でクロンシュタットがMETA化する直前に見た映像に繋がりそうな話だなと思いました。指揮官の枝のKAN-SENたちには、META化しないように様々な人が祈りを込めている形跡があります。オースタはアンジュが執心するKAN-SENの覚醒を見てみたくなり、TBとともにロック機能を開発していました。META化は覚醒の逆の現象と考えられるので、META化を抑制することは覚醒を促進することに繋がります。
 リュウコツは放っておいても自然に変異していくことがあるらしいです。また、エックスに浸食されても変異が起きます。ラフィーだけはⅡ型艤装があるので大丈夫だろうと言われており、Ⅱ型艤装が相当有効な手段なのだなということがわります。


2-7. クイズバラエティー1

 お互いに気になっていることを聞き合ってお別れにしようということになり、グアムが提案したゲームが行われました。
 情報を多く握っているのはギンギツネの方だというお互いの認識がありました。彼女はバタフライ効果を警戒して、提供する情報を絞ろうとしています。そのためグアムはあくまでもギンギツネの方に主導権を渡し、彼女が乗ってくれる形で情報の交換をゲーム化することを提案します。
 まずはコンステレーションからギンギツネに質問を投げます。ギンギツネはその質問に回答するか否かを選ぶことができます。回答すればギンギツネのターンになったときに自身が質問できる数が増えるので、コンステレーションに聞きたいことがどのぐらいあるかに応じて回答をコントロールできるのです。
 質問は全部で6個ずつです。まずはコンステレーションの質問から内容を見ていきましょう。
 1問目。理事会はなぜ艦隊を浮かせているのか。答えはエネルギーが潤沢にある一方で、水上を航行するとリスクが生まれるからです。エナジーキューブはエネルギーをほぼ無限に供給してくれるため、エネルギーの価値が非常に低いのです。
 2問目。理事会とは何か。エックスと戦うための超陣営的組織です。理事会艦隊の量産型の名前はユニオンっぽいものが多いですが、北方連合や東煌っぽいものもあります。陣営を超えて戦力を結集しているのがわかります。
 3問目。エックスとは何か。これをギンギツネはパスしました。指揮官の枝のKAN-SENはまだ知らない方がいいと判断しました。バタフライ効果を恐れたのでしょう。
 4問目。アンチエックスとは何か。エックスと戦うからANTI-Xという名前がついているのかと思っていたのですが、仮想的が決まっていないので「X」とつけているだけだったことがわりました。先にアンチエックスが作られて、あとからエックスが襲来したのですね。
 5問目。いま何の任務中だったのか。これもギンギツネはパスでした。コンステレーションに悪意はなくとも情報が敵に漏れてしまう可能性もありますから、これは答えられないのでしょう。コンステレーションは自分が回答しなければならない質問を減らすために、意図的に答えにくい質問を入れました。
 6問目。あなたは誰なのか。ここはギンギツネが意地悪して、フォートレスだと答えました。言葉を慎重に選ぶべきでしたね。

2-8. クイズバラエティー2

 今度はギンギツネが質問する番です。コンステレーションが答えなくてはいけない数は4つ。
 1問目。月の土壌の成分を知っているか。知っているか知らないかなのでNoで終わりです。指揮官の枝には第一次世界大戦ごろにセイレーンが襲来しており、宇宙開発をする余裕がありませんでした。この質問の意図はギンギツネがコンステレーションたちがいる枝の技術レベルを把握したかったからだと思います。理事会艦隊が飛んでいるのは月に行けるからなのかもしれないのですが。
 2問目。星の海とは何か。これは答えられない可能性があると踏んでの質問だったと思います。コンステレーションは機密を守りました。
 3問目。メンタルキューブはどこから来たのか。指揮官の枝にキューブを持ち込んだのはセイレーンなのですが、その事実は一般にはまだ知られていません。人類の英知を結集した結果、科学の奇跡がセイレーンとの戦いの転換点をもたらしたと思われています。キューブを製造できるのは各陣営の上層部だけですが、セイレーンと密接に繋がっていると予想されています。ギンギツネは枝の立ち位置や相互関係を推測していたのだと思います。
 4問目。セイレーンの組織構成について。これは戦闘部門のグアムが代わりに回答していました。ギンギツネはオースタと疎遠になったと考えられるので、アンチエックスの構成を仔細には知らないのかもしれません。
 5問目。曙光計画を聞いたことがあるか。「暁射す氷華の嵐」にて指揮官が北方連合の秘密要塞から回収した資料に記載があります。コンステレーションはユニオン陣営のため名前だけ知っていました。良く知らないという答えでも良かったと思うのですが、彼女は律義にパスしました。
 6問目。ここまで3問しか回答していないので、この質問には絶対に答えなくてはいけません。ギンギツネの質問はスベルドロフスクの現状についてでした。コンステレーションはスベルドロフスクが北方連合の街の名前だということは知っていましたが、どこにあるか知らないため答えられません。スベルドロフスク州はロシアの中央西に位置し、比較的大きくて人口の多い州です。ギンギツネの故郷なのでしょうか。
 6問目に回答できなかったので、コンステレーションはもう1つ質問してくれと頼みます。ギンギツネはコンステレーションがオースタはまだ元気か聞きました。彼女は残念ながらオースタの名前すら知りません。大事な局面でわざわざ名前を挙げたことから、ギンギツネにとってオースタの存在は特別なものだったと考えられます。人間キャラ同士でしか描けない何らかのドラマが今後展開されるのかもしれません。
 このあとプリンストンMETAが帰ってきて、ギンギツネも6問目のことは諦めた様子だったので、クイズゲームは終わりになりました。

2-9. 帰還

 プリンストンMETAは無事にビーコンを修理してくれました。
 ビーコンが起動された瞬間にグアムたちは珊瑚海海戦の再現の疑似空間に飛ばされました。コンステレーションやラフィーは別の空間から飛ばされてきたのですが、ここには異常データがあったことから、ビーコンと接続されていたのかもしれません。
 ビーコンはメモリセクタがいじられてマルウェアが仕込まれていたと言われていました。リシャールがやったことなのでしょうか。
 ビーコンが光ったのをエセックスMETAが観測していました。METAたちもいろいろな陣営にわかれている様子なので、エセックスMETAはどういう立場なのかはまだわかりません。
 コンステレーションとフラッシャーはビーコンのデータをこっそりサルベージしていました。今後、解析が行われるかもしれません。
 星の海にいるTBが異常データの敵性データを削除し、疑似空間にいるグアムたちを引き上げて、この冒険は一件落着となりました。
 レキシントンのⅡ型艤装のヒントは得られていないため、星の海や指揮官は今後も追いかけ続けていくのかなと思われます。アラスカやアイオワの名前が出てくるようになりましたが、次に登場するのはどんなKAN-SENになるでしょうか。楽しみですね。



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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 空想の花庭 編

 2023年12月21日開始のイベント「空想の花庭」のストーリーを整理していきます。

1.事前情報

1-1. アンブロシウス修道院

 今回のイベントの舞台であるアンブロシウス修道院について。
 修道院が建造されたのは1011年のことでした。移動都市のような可動式の大型修道院であり、イベリアとラテラーノの共同出資の成果でした。このころはまだ大いなる静謐が発生していないため、イベリアも栄えていたのです。
 イベリアはラテラーノの宗教を取り入れていました。アンブロシウス修道院はイベリアのために優秀な聖職者を育成するという使命を持っていました。教える側のラテラーノ人と、学ぶ側のイベリア人が住んでいました。
 1038年に1つの転機が訪れます。修道院は天災を避けようとして既定の航路を外れてしまいました。大いなる静謐が発生したと言われている時期に近いため、直接の原因になった可能性もあります。
 アンブロシウス修道院は荒野を彷徨うようになります。滞在していた多くの修道士がラテラーノに帰ってしまいました。そんな状態で前の司教が亡くなり、ステファノが新しい司教の座に就きます。
 ステファノは1つの決断をしました。ここまではイベリアという国に属していたのですが、イベリアの支配下から抜けることにしたのです。地理的に遠くなったのか、大いなる静謐でダメージを受けたのか、関わっても良いことがなかったようです。
 燃料の備蓄が少なくなり、アンブロシウス修道院は移動することができなくなりました。荒野のど真ん中で自給自足で住民たちを養っていかねばなりません。住民たちは助け合いながら暮らしていました。
 1080年頃にもう1つの転機がありました。荒野を彷徨っていたサルカズの集団を、ステファノは受け入れるという決断をしたのです。サンクタとサルカズは宿敵同士のため、最初はわだかまりがあったようです。
 サルカズは身体が丈夫なので、狩猟や源石の採掘を行って住民の力になりました。また、盗賊と戦うときにも活躍しました。リーダーのジェラルドは歴戦の傭兵だったからです。徐々にサルカズたちは住民に受け入れられていきました。
 しかしサルカズの協力を得ても修道院の暮らしは悪くなる一方でした。ステファノはラテラーノに手紙を書いて、援助を要請することにしました。


1-2. レミュアンの交渉

 援助要請を受けてやってきたのがレミュアンとオレンでした。
 特使としてやってきた2人は、アンブロシウス修道院の状況を目の当たりにしました。ラテラーノにはこの修道院を援助するメリットがあります。一方で、宿敵であるサルカズをラテラーノに入れることはできません。「ただしサルカズを除く」という条件付きの返答がレミュアンの最大限の譲歩でした。攻撃しないだけでもマシだと。
 頑固なステファノは納得できません。修道院がいまの形を保ってこられたのはジェラルドたちサルカズの協力あってです。種族だけを理由に救う人を区別するなんておかしいと怒りました。
 冷静なジェラルドはレミュアンの言い分を理解します。サルカズの仲間たちと話し合い、自分たちは修道院を離れるという方針でまとまっていました。サンクタとサルカズは大昔から殺し合う間柄なのです。
 ステファノとレミュアンの折り合いはつかず、レミュアンは拘留されてしまいました。オレンは捕まる前に逃げ出し、レミュアンさえもどこに行ったのかわかりません。彼女はオレンを探そうとはせずに黙認していました。
 オレンはレミュアンとは違った状況認識をします。修道院内の特殊な関係性が外部に漏れるだけでマズイことになると彼は考えたのです。穏健派のレミュアンに交渉を任せ、彼は秘密裏に状況解決に向けた準備を進めました。


1-3. 聖徒任命

 レミュアンたちが帰ってこない間に、ラテラーノで大きな事件がありました。
 「吾れ先導者たらん」で存在が仄めかされた「アレ」が冒頭で登場しました。全サンクタをコントロールしている装置だと思われ、サンクタ同士が光輪で感情を伝えあったり、堕天の忌避感を生じたりする制御装置だと考えられます。
 「アレ」が現教皇であるエヴァンジェリスタⅪ世に危機が迫っているという緊急メッセージを発しました。危機の正体まではわからないらしく、具体的に何か対策を立てることは難しい状態です。
 ちなみに「アレ」から警告が発せられたのが1099年の9月29日のことでした。PVの左下に小さく映っています。


https://youtu.be/ncXAcVTetR8
アークナイツ特別PV「ラテラーノ:聖霊」より


 「アレ」は危機に対処する人材として数人の名前をリストアップしました。その最初にいたのがフェデリコ・ジアロ。教皇聖下はフェデリコの役職を大幅に引き上げることで、危機へ対策することにしました。「聖徒」という職位が彼に授けられました。
 「聖徒」というのはラテラーノを建国した聖人たちの称号です。歴代の教皇には自動的に「聖徒」も授与されているのですが、教皇以外で「聖徒」を背負うのはフェデリコが初めてになりました。歴史的な大抜擢です。
 フェデリコは公証人役場の執行人という立場です。戦闘を伴う困難な任務にあたることもあります。彼は優秀な執行人の1人ですが、彼よりも優秀な戦闘員や、敬虔な信徒である執行人はたくさんいます。なぜ自分が選ばれたのかフェデリコは不思議がっていましたし、他の人も同様の疑問を抱きました。しかし「アレ」は人選理由までは教えてくれなかったので、教皇も十分な説明をすることはできませんでした。
 フェデリコが「聖徒」になってから最初の任務が、レミュアンたちの救出でした。教皇聖下は友人に会いにいかねばならないらしく、この件はフェデリコに任せたいとのこと。
 同じく執行人のリケーレが同行者に任命されました。おそらく2名体制でも出撃したと思うのですが、スプリアが自ら参加申請を行ってきたので、3人での任務になりました。
 スプリアはレミュアンの学校の後輩。先輩を心配して任務に応募したことにしていましたが、本当はオレンと連絡を取り合っており、彼をサポートするために参加しました。


1-4. アルトリアとフェデリコ

 アルトリアという人物が出てきたので、彼女の家系を整理しておきます。
 アルトリアはフェデリコの遠い親戚であるという情報が今までも出ていました。父親同士がいとこの関係と言われていたので、日本語で言うと"はとこ"に該当するのかなと思います。父方の親類のためどちらも姓はジアロになっていると思われます。
 フェデリコのご両親も執行人でした。15年前に担当した任務で、2人揃って殉職してしまったそうです。身寄りのなくなったフェデリコは、アルトリアの家に滞在していた時期があったらしいです。そこで彼はアルトリアのことを姉さんと呼んでいたのだとか。
 アルトリアは現在指名手配犯となっています。楽器を奏でると聞いている人の感情に作用するアーツを使います。アークナイツ公式Xで紹介されていたように、テラの至るところで起きた不可解な事件のそばには、彼女の演奏がありました。たくさんの罪に問われていますが、今のところ逃げ続けているようです。
 フェデリコにとって、執行人になって初めての任務はアルトリアの捕獲任務でした。わざわざフェデリコが選ばれたことには意図を感じます。今後どこかで詳細が語られるでしょうか。そんなわけでフェデリコはアルトリアのことを追いかけ続けていて、それは多くの人にも知られている因縁になっているようです。


2. イベント時系列

 ここからイベントの時系列に入ります。

2-1. フォルトゥナの堕天

 フェデリコたちがアンブロシウス修道院に到着しました。
 彼の判断はレミュアンと同じです。サルカズはラテラーノに連れていくことができません。フェデリコは冷酷に回答を迫りますが、ステファノは翌日まで待ってほしいとお願いしました。
 スプリアはフェデリコとは別れて修道院に単独で潜入。レミュアンに接触して彼女の意志を確認しました。彼女は拘留されてはいますがいつでも抜け出せる状態で、ステファノを説得できる余地はないか探っているところでした。
 修道院にいたフォルトゥナという女の子に接触したスプリアは、彼女の持つ壊れた守護銃を修理してあげました。
 フォルトゥナはお礼にハーブピッツェルというお菓子を作ろうとしたのですが、友達のデルフィナに止められて口論になってしまいます。デルフィナはサルカズ住人たちの苦しい生活を偶然垣間見てしまったばかりでした。この状態でお菓子なんてのんきに作ろうとしているフォルトゥナのことが理解できません。もみ合いになった末に、フォルトゥナが持っていた守護銃で誤射が起きてしまいました。
 サンクタは他のサンクタに守護銃を向けることを戒律で禁止されています。戒律を破ってしまうとサンクタは堕天します。フォルトゥナの額からは黒いツノが生えてきて、光輪と光翼は黒く染まり、共感能力も失われてしまいました。

2-2. 聖堂の火事

 次に起きた事件が聖堂の火事でした。
 この火事の原因はクレマンの放火でした。彼はアルトリアと会話をしたあとで火をつけたため、彼女のアーツの影響を受けていたと考えられます。
 クレマンはイベリアに住んでいた貧しいガリア流民でした。飢饉のために殺人に手を染めたこともあると資料には書かれています。大いなる静謐を経験していることから60年以上は生きていることになり、修道院にきてからも10年以上が経過しています。徐々に悪くなっていく住民の暮らしに胸を痛めていました。
 アルトリアは彼の心臓が氷の閉ざされた土壌のようだと興味をそそられていました。デルフィナが亡くなりフォルトゥナが堕天してしまった様子を目の当たりにして、彼の絶望は深くなりました。また、ステファノの計画を偶然聞いてしまったことも、悪影響を及ぼしたと考えられます。
 ステファノはサルカズ住民も救う手立てがないのかと頭を抱えていました。彼はアウルスの手を借りようとしました。深海教徒が神と崇める、海の怪物の力です。ラテラーノの神様は自分たちを救ってくれないので、異教の力を借りなければならない。もはや選択の余地はないのだと苦渋の決断に迫られていました。
 クレマンは聖堂に火をつけました。彼は修道院に蓄えられていた兵器から助燃性の物質を取り出し、着火剤として利用しました。この方法はステファノだけが知っていたわけではなく、歴の長い住人はみんな知っているものだと言われていました。
 クレマンの放火理由は明確には説明されません。後述しますが彼は救世主の存在を確かめようとしていました。愛や友情が人々を救ってくれるかどうか、火事への反応を見て確かめたかったのかもしれません。
 聖堂にはエスタラとエレンデルというリーベリの子どもが取り残されていました。アルトリアの話を聞きたがっていたのですが、彼女はフェデリコが助けにくるからと言い残して去ってしまいました。フェデリコはアルトリアのチェロの音色を追いかけてこの聖堂に辿り着き、2人の子どもを救出。母親を探してくれという2人の願いを引き受けることになりました。


2-3. 海からの敵

 深海の脅威との戦闘が発生しました。
 レミュアンは部屋に入り込んできた怪物を追いかけて外に出ます。怪物は危険だと判断して駆除するためです。追いかけっこの途中で彼女はアウルスに出会いました。
 アウルスはイベリアの宣教師であり、深海教会の関係者。強力な剣術とアーツでレミュアンの前に立ちはだかりました。彼女はやむを得ず車椅子から立ち上がって応戦しましたが、勝利することはできませんでした。
 アウルスはとある人物を助けようとしていました。それが怪物の正体。失踪していたサルカズ住民の女性であるハイマンです。ハイマンは弱っていたところをアウルスに助けられて、海の怪物の血肉を食べることで怪物化してしまいました。
 エスタラとエレンデルが探していた母親というのもハイマンのことでした。ハイマンはサルカズですが、修道院の外で拾ったリーベリの2人の子どもを密かに連れて帰って匿っていたのでした。住民の多くは2人の子どもの存在に気づいていませんでしたが、ジェラルドは食料配分の様子から存在に気づいていたと言っていました。
 怪物と化したハイマンは、最初はコミュニケーションがまともに取れませんでした。しかし時間を経るにつれて言葉を発するようになり、エスタラ・エレンデルと対面したときには理性が戻ってきていました。
 レミュアンがアウルスと戦っている間に、フェデリコもハイマンと遭遇します。彼は怪物を撃ち殺そうとするのですが、ジェラルドに止められて銃口を下ろしました。コミュニケーションが取れる状態へと進化していることに気づいたのです。アウルスとハイマンは住民のもとを去っていきました。


2-4. オレンの危惧

 隠れていたオレンがついに動き出しました。
 オレンはアンブロシウス修道院の混乱が、ラテラーノやテラ全体へと波及してしまうことを危惧していました。問題がコントロールできるうちに対処すべき。ラテラーノ護衛隊を出動させ、サルカズたちを皆殺しにすることで芽を摘もうと考えました。5つの10人小隊が連携してアンブロシウス修道院を制圧しようとしていました。
 オレンはレガトゥスとしてヴィクトリアに駐在していたときの経験をもとに行動することが多い人物です。ヴィクトリアはメインストーリーで分かるように公爵たちの権謀術数にまみれた国。お気楽なラテラーノ人に対して抱いている危機感がオレンを突き動かしています。
 ステファノは由緒あるサンクタの司教です。一方ジェラルドはラテラーノの執行人小隊を壊滅したこともある歴戦のサルカズ傭兵です。彼らが長年協力して暮らしていたという事実は、それだけで都合が悪いものだとオレンは考えています。
 メインストーリーで展開されているように、テレシス率いるサルカズはロンディニウムを占拠しています。公爵たちはサルカズの非道な振る舞いに怒っています。サンクタとサルカズは宿敵同士であり、普段からラテラーノはサルカズに対して厳しい態度で接しています。サルカズに非難が集まっているいまの世界情勢を考えた際に、ラテラーノがぬるい態度を見せるわけにはいきません。
 「吾れ先導者たらん」で描かれたように、エヴァンジェリスタⅪ世は万国サミットを開催し、テラの国々の連帯を呼びかけたばかりです。そんな大事なときに、ラテラーノが自らをラテラーノたらしめる合理性を欠いた行為を許すわけにはいかない。オレンはそう考えているのです。
 スプリアとリケーレはオレンに一部手を貸していました。理由ははっきりとは語られていませんでしたが、オレンの考え方に一定の理解を示していたからだと思います。オレンの思想や行動は過激なのですが、100%間違ったことをしているというわけではないという描かれ方だなと私は感じました。


2-5. ジェラルドの自死

 ジェラルドが自ら死を選ぶという事件がありました。
 オレンが呼び寄せた護衛隊は街の中から補足されていました。ジェラルドは公証人役場から指名手配を受ける身です。自分がここにいることはサルカズ住民にとって大きなマイナスになると分かっていました。
 フェデリコはジェラルドの素性を知っていました。一般の執行人がアクセスできる情報です。自分以外のメンバーもあなたの正体に気づくでしょうとフェデリコは告げていました。
 修道院の内部で起きたフォルトゥナの堕天事件を、ジェラルドは早々に把握していました。事件を見ていたクレマンが漏らしたのです。修道院を囲んでいる護衛隊の心象をさらに悪くする情報です。
 数多の悪条件が重なっていることを理解したジェラルドは、自らの命を差し出すことでしかサルカズ住民の活路を開けないと決意を固めます。罪人である自分がいなくなれば、サルカズ住民が攻撃される理由がなくなると考えたのです。ジェラルドの命は、事が上手く運んでいれば見逃されていたかもしれません。情報の伝わり方や彼の覚悟の決まり方が悪い方に作用した結果の悲劇でした。
 その場にいたクレマンが手を貸し、ジェラルドの首はフェデリコたちのもとへと手渡されました。しかしこの期に及んでもレミュアンとオレンの考え方はすり合いません。オレンはラテラーノという国に降りかかるリスクをケアしたい一方、レミュアンは目の前でおきる虐殺を看過できません。
 共感能力を持ってしても人は分かり合えないのかと、フェデリコは2人の仲裁に入りました。レミュアンとスプリアには住民のケアを、オレンには護衛隊を後退させよと冷静に指示を飛ばしていました。他人の感情の機微を理解しないフェデリコこそが、この難局を乗り切るのに相応しい人選なのかもしれないと思わされたシーンでした。


2-6. 最期の選択

 最終局面です。
 ステファノは住民を集めて最後の集会を開きました。そこで行われたのは聖餐の儀式、つまり最後の食事です。リケーレはステファノが深海教徒と接触した形跡を見つけていました。住民たちに海の怪物の血肉を食わせ、全員を深海教会に入信させるという選択が行われたのではないかとリケーレは身構えました。
 しかしそれは杞憂に終わりました。ステファノはサルカズ住民を救うことを諦め、ラテラーノに合流する道を選ぶと住人に伝えました。彼は海の怪物の血肉が入ったパンを作るところまでは手を動かしてしまったのですが、直前で思いとどまり、パンは地下室の棚にしまい込まれました。リケーレとオレンは胸をなでおろしました。
 しかし怪物入りパンはクレマンに盗まれてしまっていました。フェデリコは火事のときから影で暗躍する人物の存在に思い当たり、クレマンを見つけます。住民に危害を加えた罪でクレマンを取り押さえようとしました。
 私はクレマンの行動原理を100%理解することはできませんでしたが、可能な限り記述してみたいと思います。幼少期から厳しい境遇に置かれ続けたクレマンは楽園や救世主を追い求めてきました。修道院での暮らしはある種の楽園を感じさせてくれるものだったと思うのですが、徐々に生活は苦しくなっていき、この度の事件で秩序は崩壊を迎えました。
 クレマンは救世主や楽園が存在しないことを確かめようとしたのではないかと思います。住民を苦しめる方向に外圧をかけたときに、救世主が現れるのか、住民が救われるのか。フェデリコに起爆装置を破壊されたクレマンは、盗んだ怪物入りパンを食べます。しかし彼の身体に望んだ変異は起きませんでした。深海教会ですら彼を救うことはできなかったのです。
 アルトリアに言わせれば、クレマンは自らの命を賭して救世主の不在を証明しました。彼女は非常に美しい音楽だったと興奮していました。ただし、アルトリアのアーツがあってもなくてもクレマンの意志は変わらなかっただろうという注釈も添えていました。彼女は多くの罪を犯したことになっていますが、基本的にはずっとこのスタンスなのでしょうね。
 花が傷ついてしまったら、2度と元の状態に戻ることはないとクレマンは言っていました。精密機械のようなフェデリコは、その言葉の意味を図りかね、心に留めていました。


2-7. 次の旅路へ

 事件後の動きについて。
 クレマンが倒れたあと、フェデリコはアルトリアの確保に動きました。しかし彼女を迎えにきた人物がいました。リターニアのウェルナー選帝侯の使者です。帝を選ぶ権利を持つ選帝侯は、リターニア貴族のトップオブトップ。安易に手を出すと外交問題になるぞとオレンはまた肝を冷やしていました。
 アルトリアはフェデリコを挑発します。一発撃たせてあげようということで、彼の銃を自分も眉間に当てました。オレンが止めたのですがフェデリコは引き金を引きます。しかし銃弾がアルトリアに届くことはありませんでした。アーツのバリアだったのでしょうか。
 「演奏は今も絶えず続いている…。ただ、自分には聴こえないだけだと考えたことはないか?」と意味深なセリフがヒントとして残されました。アルトリアはフェデリコに変化が起きているようだと面白がっていました。いつかまた対決の時が来るでしょうか。アルトリアは使者に連れられてリターニアへと移動していきました。
 ステファノが決断を下した通り、修道院はラテラーノに向かうことになりました。サルカズ住民たちは荒野へと出発します。堕天してしまったフォルトゥナは、ラテラーノで罪を清算したいと言っていたこともありましたが、結局ライムントたちについていくことにしました。スプリアがまとめて監視を担当することになり、処断が下ることはありませんでした。
 サルカズ以外の住民はこれで救われることとなったのですが、ステファノは自身の罪を認めていました。行動には移さなかったものの、住民たちを海の怪物にしてしまおうという悪意を身に宿したことを恥じていました。その罪滅ぼしとして、老体に鞭を撃ってラテラーノまで歩いていくことにしました。奇跡が起きて辿り着けたならば許されたと捉えると。
 「偽りの花庭」は凄惨な状態に追い込まれたときの住人たちの鬼気迫る心の動きがもたらす宗教的なメッセージに考え込まされる物語だなと感じました。アルトリアとアウルスという今後の展開を大きく左右しそうな人物を描き、今後の布石とすることにも余念がありませんでした。ラテラーノだけでなく、イベリアやリターニアを舞台とした物語にも繋がっていくかもしれません。楽しみですね。



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