3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

Shadowverse: Worlds Beyond・ストーリー「エスペランサ編」の感想とか考察

 シャドバWBの「エスペランサ編」の感想を語っていきます。本当に素晴らしいストーリーでした。

イヴマリーの神の力

 作中の時系列に沿って、イヴマリーの話から整理していきます。旧シャドバの世界観を引き継ぐ設定になっていましたが、知らなくても全く問題ないように作られていました。
 旧シャドバの「運命相克編」「時空流転編」の舞台となるレヴィールという世界には、この世界を作った神様から分け与えられた3つの力がありました。神の力を宿した人間はタイタンと呼ばれ、この世界を支配しています。
 タイタンの力は人から人へ受け継がれます。ヴィンセントが持っていた能力が受け継がれた先がイヴマリーでした。魔力を込めた言霊で命令することで、対象を思い通りに操る能力です。イヴマリーは幼いエスペランサを助ける際にこの権能を使っていました。教会の大人に「眠れ」や「倒れろ」と命じていたあのシーンです。
 イヴマリーによると、レヴィールは神の力を奪って暴れた化け物によって滅ぼされてしまったそうです。「時空流転編」のラストからどのぐらいの時間が経過したのかは不明です。
 世界が滅ぶ寸前、イヴマリーは「生きたい」と口にしました。これが彼女自身に作用し、エスペランサたちの世界に飛ばされてきました。神の力を持っているにもかかわらず、世界を救えずに逃げたという罪悪感に苛まれており、イヴマリーはかなり自嘲的に語っていました。 


「死」のない世界

 続いてエスペランサの世界のお話です。イヴマリーは別世界の住人であり、この世界にはこの世界なりの問題を抱えていました。
 人々は苦難に満ちたこの世界を憂い、神様に苦しみをなくしてほしいと祈りました。神は願いを聞き入れ、「生」を司る禁足の神と、「死」を司る御手の神に分裂したあと、御手の神を封印しました。
 これによりこの世界からは「死」という概念そのものがなくなってしまいました。お墓など死にまつわる全てのものが見えなくなることに加え、自分たちの命に終わりがあることさえ認識できなくなります。物理的に命の終わりは来るので、亡くなった人はその瞬間から存在がなかったことになり、永久に忘れ去られるようになりました。一番苦しいものを消してもらった結果、人間は幸せになれたのでしょうか。
 イヴマリーはこの世界に飛ばされたあと、エスペランサと出会い、かけがえのない友情を育みました。しかしレヴィールでダメージを負っていた彼女は、エスペランサが幼いうちに亡くなります。エスペランサも当然「死」を知らなかったのですが、イヴマリーによって世界の理を垣間見ました。
 イヴマリーは亡くなる際に、エスペランサに2つの言葉をかけます。「イヴマリーという人間のことを忘れないで」と「この世界の新たな神となれ」です。エスペランサはたった1人で、この重すぎる言霊を背負って生きていきました。
 イヴマリーを忘れないようにするため、エスペランサの頭の中には幻想のイヴマリーがいます。イヴマリーの話し方を忘れないようにするため、エスペランサ自身が同じ話し方をするようになりました。この世界の魔力を吸うと神様が定めた「死」のない世界に取り込まれてしまうため、マスクをつけるようになりました。
 エスペランサはイヴマリーと再び出会うため、果てしない計画を立てます。教皇ミラリアが禁足の神を呼び出さねばならない状況を作り出すこと。御手の神を呼び出し、禁足の神の力を奪うこと。2柱の神を合体させ、エスペランサ自身がこの世界の新たな神となること。そして最後に、「死」が再び戻ってきた世界で、神の器たるイヴマリーが輪廻して再び現れるのを待つこと。
 エスペランサは異端のリーダーであるヴェルモットを踏み台にして、この世界の新たなる神となりました。あとは輪廻を待つだけ。イヴマリーの隣に立つにふさわしい神となるため、彼女は狼の宴の誘いを受けました。勝利して願いを叶えることができるなら、イヴマリーをそのまま復活させてしまうつもりなのかもしれないですね。

「し」のない世界

 エスペランサ編の非常に面白いトリックが、御手の神の封印によって世界から「し」の音も消えてしまったことです。リポグラムという小説の技法で、特定の文字や語をあえて使用せずに文を書き上げる遊びです。物語的な整合性は特にないものの、「し」「じ」の音を一切使わずにすべての文章が構成されています。
 破綻のないように文章を完成させつつも、あえて変な言葉を使うことで違和感を作るというバランスがとても上手でした。例えば下記は冒頭のシーンなのですが、「苦(にが)くて痛い」なのですよね。普通なら「苦(くる)しくて痛い」のはずなので、もっと別の表現に逃げることもできるのに。この時点であえて違和感を作りにきているのがすごいです。

 度々出てくるのが「刻限」という言葉。「時間」が使えないため言い換えで使われていたのですが、教皇ミラリアが非常に時間に厳格な存在というキャラ設定を使うことで、上手くカモフラージュされていました。
 また「足」が使えないのも面白いところ。ストーリー中で繰り返し描写されるお祈りの作法で、あえて「踵」や「つま先」を連呼するのは、まるで読者を挑発しているかのようでした。「足跡」にわざわざ「そくせき」とルビを振っていたのも、ネタ晴らしを受けたあとからするとヒントだったのだなと。

 世界の中の出来事ではないのに、「章」を使っていないこともヒントの1つだったと思われます。徹底していますね。


 そしてこの「し」抜きをなぜやっていたかというのが、「愛している」を言えなかったという一点に結実してくるのが凄まじいなと思いました。エスペランサはたった1人の女の子のためにすべてを犠牲にして神になったわけですが、脚本家も「愛している」がやりたいがためにすべての苦痛を背負ったような気がして、その狂気を浴びるのが本当に気持ち良いわけです。

 旧シャドバの頃からストーリーは面白くて大好きでしたが、ビヨンドは一段高いレベルのものをお出しされるので毎回本当に楽しみです。ラヴサインとマリア=マリスが終われば、ついに狼の宴に突入する形になるでしょうか。

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【アズレン】ストーリー考察:聖印前の同盟 編【アズールレーン】

 2026年5月20日開始のイベント『聖印前の同盟』のストーリーを整理していきます。前哨戦イベント『灰色の予兆』の内容も含みます。また、以前のイベント『天穹に響く音謡』にて、後日譚となるイベント『天穹に響く音謡・F』が追加されていたので、こちらの内容も取り上げます。

1. 天穹に響く音謡・F

 2025年12月に開催されたイベント『天穹に響く音謡』は、終了後少し経過して別のイベントで追加ストーリーが展開されました。まずはそこから見ていくことにします。

1-1. 実験場Θを守れ

 物語の舞台となった実験場Θについて。
 『天穹に響く音謡』の舞台となった実験場は、越境実験のヴェールに覆われて救われました。実験場Θはそことはまた別に存在しており、アンチエックスたちが越境実験に使っていた実験場です。世界αをシミュレーションする設定になっていたため、シミュレートされた理事会第7艦隊が駐留しています。ホーネットMETAはここの一員でした。
 ヘレナMETAはヴェールの実験場を救うため、アンチエックスの越境実験に干渉しました。その結果、実験場Θの方が不安定になってしまいます。エックスの侵攻が一気に激しさを増しました。
 アンチエックスの判断基準であれば、普通は実験場Θは放棄されるレベルでした。しかしエックスに侵略された実験場は、他の実験場にも悪影響を及ぼします。できる限り食い止めなくてはいけません。
 実験場Θには様々な戦力が集結しました。クイーン・エリザベスMETAとエンタープライズMETAはヴェールの実験場から移動してきました。世界α出身の本物の理事会第5艦隊、ヨークタウンMETA率いるコンパイルフィールド、そして指揮官がいる実験場βのキャメロットも時空を超えてやってきました。
 ヘレナMETAは越境実験に干渉したあと、実験場Θと強く結びついていました。彼女はいまその繋がりを断とうとしています。
 ヘレナMETAのためにも、指揮官は実験場Θも守ろうと決意。そのためにはアンチエックスの協力を得る必要があると考え、交渉しようとします。

 

1-2. ギンギツネの権限

 アンチエックスと協力するには権限が必要です。
 世界α出身の本物の理事会第5艦隊には、ソフィアが同乗しています。『天穹に響く音謡』では指揮官たちと一緒にヴェールの実験場の問題に対処しました。
 実験場Θを救うにあたって、ソフィアは突然よそよそしくなり、コードネームのギンギツネを名乗りました。様々な勢力を前にして、安易に過去を現在に繋げるのは危険という判断でした。
 指揮官はアンチエックスの協力を取り付けようとしますが、その役目は自分の方が適任だろうということで、ギンギツネに交渉を任せました。今回の越境実験の監督官をしているアビータEmpress Ⅲが交渉窓口であり、第5艦隊が従えているプロトコルウォーフェア・フォートレスがアビータと連絡を取りました。
 世界αの滅亡を経ても、ギンギツネには一定の権限が残っており、アンチエックスに命令を下すことができました。ただ、強制的な命令を出す権限は剝奪されています。審判者計画の推進にあたり理事会の誰かが保守的に立ち回ったのでしょうか。理事会第5艦隊を支援することはアンチエックスシステムの根幹に書き込まれたオーダーのため、補給は十分に提供してくれました。
 指揮官には権限があるのでしょうか。ギンギツネがEmpressに尋ねたところ、一切権限はないとの返答でした。一方で、指揮官と類似性がある「謎の人」という人物の権限はシステム内に保持されているそうです。この人が世界αにいた頃の指揮官に該当する人物だと思うのですが、どういう関係性なのかはわかりませんでした。
 アンチエックスが実験場Θの救出に動きます。まずはヘレナMETAにダウンさせられたシステムを復旧する必要があり、それはオブザーバー・零が実行してくれました。Empressは『絳染む丹華の詠歌』や『星降る夕影の残光』で実験場βを守ったやり方と同様に、実験場を座標ごとを転移させることでエックスの追撃をかわそうとします。これは他の実験場にも応用が利きそうな方法なのですが、Empressが女帝の宝珠という専用設備を1つ消費せねばならず、何度も使えるわけではなさそうでした。
 エックスの一部はすでに実験場Θの中にも入り込んできていました。座標を変えても内部に残っていては意味がないので、指揮官を中心としてエックスを徹底的に排除するチームが結成されました。
 エンタープライズMETAは余燼の主力部隊を、ヨークタウンMETAはコンパイルフィールドの主力部隊をつれてきました。現地のKAN-SENたちはホーネットMETAを中心としてまとまります。眠っていたマルコ・ポーロも突然目覚めて助太刀にきてくれました。総力を結集することで、実験場Θを守ることができました。

1-3. ヘレナMETAとの別れ

 ヘレナMETAとの別れがきてしまいました。
 実験場Θを守ることができたので、ヘレナMETAを救えるはずでした。指揮官はギンギツネやロドニーMETAの力を借りてヘレナMETAに会いに行くのですが、彼女の口から告げられたのは残酷な真実でした。ヘレナMETAは自分の次元を上げすぎており、実験場Θが移動したら消えてしまうとのことでした。
 実験場Θを守るため、指揮官は余燼やアンチエックスと連携し、エックスを撃退する手段を得ました。いままでなす術がなかったエックスに対して、実効的な反抗の手段を得たのです。審判者計画は1つのマイルストーンに達しました。
 ヘレナMETAは指揮官に対して、またいつか必ず会えると言っていました。メタなことを言うとプレイアブルキャラが完全退場することはないと思われるので、どこかのタイミングで復活してくれると思います。指揮官は彼女を救う方法を探し求めることになるでしょう。
 ギンギツネも指揮官に別れを告げました。世界αの理事会第5艦隊は審判者計画には関与せず、過去を埋めるための活動を続けていくとのことです。いずれエックスとの決戦が来るとしたら、そこで再び会いましょうと言っていました。
 指揮官は実験場βに戻り、アズールレーンとレッドアクシズの統一を果たします。長い間待ち望んだ悲願が叶ったのです。最近のストーリーでは「完璧な未来」として様々なIFの可能性を見せられていたため、何が本筋なのかよくわからなくなってきましたが、ここは間違いなく真実であるようです。指揮官は大仕事を片づけたので、しばらく休暇に入ると言っていました。
 アンチエックスたちにも動きがありました。アビータTower XVIがオブザーバー・零の元にやってきます。彼女は審判者計画に対して異議を申し立て、逆位置に入ると宣言していました。アビータたちはそれぞれの裁量で研究を行う組織で、他の人の研究に賛同して協力することもあれば、反対することもあるのです。
 Towerはオブザーバー・零をデリート完了したと言っていました。さすがにそんなに簡単にやられることはないだろうと思いますが、体制に変化があるのか否かは注意してみていきたいところです。


2. イベント時系列

2-1. Hierophantの狙い

 アビータHierophant IVは何をしようとしているのか。
 アンチエックスたちは現在、越境実験に多くのリソースを投じています。エックスの侵略から実験場を守ることができるため、時間を稼ぐ意味でとても重要な技術です。審判者計画の中核をなしていると言っても過言ではないでしょう。
 世界αにおいて指揮官は越境実験とはほとんど関りがなかったようで、いまもほとんど繋がりを持ちません。アンチエックスたちは勝手に越境実験を行い、指揮官抜きで成果を上げています。このイベントの中で指揮官が改めて気付いたことがありました。自分は世界αで審判者計画に賛成したと思い込んでいたのですが、実は反対票を投じた可能性もあるのではないかということです。満場一致でなくとも、賛成多数であれば可決ができるからです。
 今回のイベントはHierophantが作った実験場が舞台でした。オースタがこのアビータのアプローチについて語るシーンがありました。
 世界αを滅ぼした人類の敵であるエックスは生き物ではなく、ある種のルールによって発生した現象のようなもので、大量の情報を伴います。Hierophantのアプローチは、エックスと何らかの手段でコミュニケーションを取れないかというところから始まりました。エックスは我々と同じ3次元世界の住人ではなく、もっと高次元に存在する厄災です。Hierophantは自分の次元を上げて、エックスと同じ次元に降り立つ必要があります。それができれば、オースタはHierophantに登臨者の称号を授けようと言っていました。
 Hierophantは実験場を大量に作り、すべての時間に自分の投影を作ることで、力技で高次元に自分を投影しようと考えました。元々アンチエックスが実験場を作っていたのは運命を越えられる可能性をシミュレートするためでしたが、Hierophantはまた別の目的で実験場を使っていたわけです。
 『聖印前の同盟』でHierophantは登臨者の儀式を実施しようとしています。これは越境実験を起動させるためのもの。初登場のアビータEmperor IVと、アビータDevil XVが協力してくれていました。

2-2. 零とTB

 前哨戦イベント『灰点の予兆』の内容です。
 実験場βのアズールレーンとレッドアクシズが統一され、指揮官は数カ月単位の長い休暇に入ることにしました。ユニオンのKAN-SENと一緒に休暇先に来ていました。
 夢の中で指揮官はいつもの白い服の少女と出会います。いつもと違ったのが、今回は白い服の少女と、オブザーバー・零と、実験場βのTBが似ていると突然気づいたことです。我々読者の視点からすると今更何を言っているんだ?という話なのですが、認識阻害を受けていて気付くことができなかったのだとか。
 夢から覚めたあと、指揮官は実験場βのKAN-SENやコンパイルフィールドのMETA KAN-SENたちに尋ねて回ります。実験場βのKAN-SENたちはオブザーバー・零を見たことがないので力になれませんでした。一方コンパイルフィールドはオブザーバー・零を知っていますが、TBと似ていると思ったことはなかったとのこと。指揮官と同じ状態でした。ただ、この話題は『聖印前の同盟』の本筋とは関係がなく、次回以降の物語への伏線となりました。
 コンパイルフィールドを訪れた際、ヨークタウンMETAが指揮官に相談を持ち掛けます。眠っているマルコ・ポーロが周囲を変質させ、謎の歌が聞こえ始めたのです。この歌は何らかの暗号のようになっており、 Hierophantからのメッセージと考えられました。
 指揮官がマルコ・ポーロの件を報告したところ、クレマンソーが反応してきました。世界αで実行されていた極地バンカープロジェクトを実験場βでも導入するための調査が行われていたところでした。グナイゼナウMETAとキーロフMETAが実地調査をしていたところ幻影を目撃し、それが指揮官が聞いた歌と合致していたのです。取り急ぎ、実験場βでの極地バンカープロジェクトは一時的に中止されました。
 キーロフMETAは個人的な用事ができたということでどこかへ行ってしまいました。一方で、グナイゼナウMETAが見た幻影を分析したところ、レーゲンスブルク城の光景が見えました。複数の世界線が重なる積層のような現象が起きており、危なそうな雰囲気を感じます。指揮官は休暇を切り上げ、クレマンソーとともにレーゲンスブルクに向かいました。クレマンソーは審判廷の専用機や、黒き太陽などの準備を整えて指揮官をサポートしてくれます。

2-3. 実験場ES-40111

 今回の舞台となる実験場について見ていきます。
 指揮官はクレマンソーなど数名のKAN-SENを引き連れて、実験場βのレーゲンスブルクにやってきました。そこで謎の光に包まれ、実験場ES-40111に転移します。Hierophantが協力を求めてつれてきたのでした。
 この実験場は大半を黒き領域に覆われています。人類の居住エリアの中心は神聖総連帝国。史実の神聖ローマ帝国をモチーフにしているものと思われます。実験場βでいうところの鉄血がある地域が中心です。他の実験場と比べて技術レベルが低く、KAN-SEN以外の戦力は貧弱です。Hierophantが与えた力を神からの授かりものとして利用しており、制御できるMETA化を使ったMETA KAN-SENたちもいます。
 指揮官はカラビニエーレMETAに出会い、神聖総連帝国の情報を集めていきます。レーゲンスブルクMETAやケルンMETAが選挙侯として政治に参加しています。7人いる選挙侯は皇帝を選出する権利を有しますが、皇帝の座は長年空席になっています。なぜなら戴冠式を行うことができる法聖の座もずっと空いているからです。
 アルビオン同盟やカマル同盟など神聖総連帝国の近隣の国は、黒き領域にどんどん飲み込まれていっています。Hierophantがこの実験場に与えた試練ということでしょう。

2-4. 悪意の影との戦い

 実験場のKAN-SENたちの戦いを見ていきます。
 黒き領域から出現する敵は"悪意の影"と呼ばれています。神聖総連帝国を中心とした国々は聖印同盟軍を作り、悪意の影と戦ってきました。
 このイベントで実装されたゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンを中心としたKAN-SENたちは、自由騎士という立場で戦いに参加しています。彼女らは深潜祝福状を欲しているのですが、レーゲンスブルクMETAは使用を許可してくれませんでした。深潜祝福状は黒き領域に安全に潜ることができるようになる聖遺物。しかしこれを使うと帝国の防壁の防御力が下がるというデメリットがあり、レーゲンスブルクMETAは帝国の安全を懸念したのです。戴冠式を行うことができれば防壁の強度が上がるのですが、法聖候補が見つかっていないので実現できていません。
 これらはすべてHierophantがこの実験場に与えたものでした。帝国の防壁は悪意の影と同じ力を持ち、二面性が現れているため、このような不思議な連動を見せるのだとか。
 アイリス軍のKAN-SENたちも悪意の影と戦っていました。彼女らは金色のオリジンキューブを使いこなしていました。KAN-SENの虚像を生み出すことができます。
 クレマンソーは金色のオリジンキューブが、自分の持つ黒き太陽と同じ技術体系を使っていることに気付きます。アルジェリーMETAとラ・ガリソニエールMETAが実験台になっていましたが、黒き太陽の照射は他の実験場にいる自分自身の力を借りるもの。META化を制御して使いこなすことができます。黒い太陽は『黙示の遺構』ぐらいから度々登場していた謎技術でしたが、ここでようやく何が起きているのかを説明してくれました。

2-5. 法聖の召喚

 法聖としてマルコ・ポーロが召喚されます。
 ケルンMETAは早く戴冠式を行って皇帝を選出し、神聖総連帝国を安定させたいと考えています。そのためにまずは、空席になった選挙侯の椅子の1つに、実験場βのマインツを認証する儀式を行います。
 この儀式の中で指揮官は、アンジュとソフィアが特別計画艦について議論していた光景を見ます。特別計画艦は計画だけしかない存在なので、設計図を用意して概念にイメージを固定化させる必要があります。同型艦がいるとラクで、名前に由来したイメージを使う方法も有効です。アンジュは応用編として、先に何らかのイメージを作り、そこに名前を結びつけることで計画艦として具現化することもできるのではと言っていました。
 特別計画艦は2018年4月からゲームシステムとして実装されていましたが、ようやくここでストーリー中でも完全なる説明がなされたという整理になりました。指揮官は特別計画艦プロジェクトの本質を理解しました。儀式は成功し、マインツはさらなる力を得ました。
 アンジュとソフィアの会話より、指揮官は法聖としてマルコ・ポーロを召喚すれば良いと気づきます。『愚者の天秤』の事件以来、マルコ・ポーロは法聖という概念と何度も結び付けられてきました。名前だけを見ると歴史上の冒険家のイメージが想起されてしまうので、アンジュが言っていた"先にイメージを作る"というのはこういう例なのかもしれません。
 マルコ・ポーロがHierophantの空間から無事呼び出されました。同じ要領で皇帝のイメージを持つKAN-SENを呼び出せばよいのではということで、指揮官はフリードリヒ・デア・グローセを候補に挙げていました。艦名は名君と名高い皇帝フリードリヒ2世が由来だからです。
 マルコ・ポーロは良い人選だと言っていましたが、呼び出すにはシチリア王国が必要だと言っていました。ここはマルコ・ポーロが指揮官を騙した場面で、含みを持たせた言い方がされていました。シチリア島と関連が深いのは神聖ローマ帝国時代のフリードリヒ2世ですが、実はフリードリヒ・デア・グローセの艦名の由来はプロイセン王国時代のフリードリヒ2世の方であり、同じ名前ですが別人なのです。神聖総連帝国は神聖ローマ帝国をモチーフとしていますから、フリードリヒを呼び出すのは正確な人選ではなかったのです。
 実験場ES-40111にはシチリア王国が存在しません。黒き領域に飲み込まれてしまっています。マルコ・ポーロは聖印盟約書の原本に答えを求めたところ、世界連結術式が記されていることに目を付けます。
 クレマンソーはマルコ・ポーロの前から姿を消しました。自分を見ると彼女がやる気をなくしそうだからと言っていました。本音としては、現地のアイリスが壊滅状態にあり、必死に戦うアイリス艦隊を助けてあげたくなったからでした。彼女は指揮官と別行動になります。

2-6. 世界連結儀式と皇帝の召喚

 フリードリヒ召喚の様子を見ていきます。
 U-2501は黒い領域の謎を探るべく海に潜っていたところ、黒い塔が水中からせりあがってくるのを目撃しました。塔の出現はHierophantの儀式が次のフェーズに進んだという合図。マルコ・ポーロは急がねばならぬということで、U-2501に概念錨を打ち込んでもらい、世界連結術式を完成させます。
 マルコ・ポーロは実験場ES-131618を引き寄せて、実験場ES-40111に連結しました。前者の実験場は『籠檻に囚われし神光』の舞台になった場所で、ラファエロやジョズエ・カルドゥッチがいます。この実験場はアペニン半島以外の土地が欠落してしまっていることから、世界を連結しても衝突が起きません。ES-40111の方にシチリア帝国を持ってくることができました。
 マルコ・ポーロは入念に準備を行い、次は皇帝召喚の儀式に臨みます。フリードリヒが無事に呼び出され、そのまま戴冠式を行って皇帝になりました。フリードリヒ自身も、艦名の由来の違いから「誤用された概念にもかかわらず…」と言っていましたね。「マルコ・ポーロが私欲のために指揮官を誘導した」と言っていたのは、戦力UPのためにシチリア王国を呼び寄せたかったマルコ・ポーロが、もっともらしい理由を作ることができたためです。
 一方で指揮官はこの儀式の中で、アビータEmperor IVに出会います。皇帝という概念に反応したようでした。Hierophantが行っている登臨者の儀式である超越実験NO1を成功させねばとEmperorは言っていました。「ヤツと」呼ばれる敵と対峙しており、妨害を受けているのだそうです。仲間割れしたアビータか、もしくはMETAの誰かでしょうか。
 その後指揮官はクレマンソーに助けを求めました。クレマンソーはDevilに直接聞いてみればよいとアドバイスし、以前の戦いで収集したDevilの艦載機の破片を指揮官に渡します。Devilはアクセスされたことにとても驚いていました。黒き領域を一掃するには、黒い塔を破壊して正の心象を励起すべき。そうすることでHierophantの登臨者の儀式をサポートせよとアドバイスしてくれました。

2-7. 5本の塔を破壊せよ

 5本の黒い塔が打ち倒されていきます。
 1本目の塔はクレマンソーが破壊しました。この実験場のアイリスの状況に胸を痛めており、彼女の手で生まれ変わらせたいと考えているのです。黒き太陽を使い、『黙示の遺構』にも出てきた四色の騎士を召喚して塔を破壊します。
 2本目の塔はマルコ・ポーロが破壊しました。実験場ES-131618由来の教会にある、神光の基底をラファエロに調整させます。この調整により神光の織網をモードチェンジし、光の槍にして塔に打ち込みました。
 3本目の塔はフリードリヒが破壊しました。クレマンソーとマルコ・ポーロの活躍を見て刺激を受けたようでした。フリードリヒは実験場βを離れて余燼とともに活動しています。余燼の戦力は世界αの技術力をベースにしており、今回は理事会制式MK3000型戦役級オービタルキャノンを呼び出しました。圧倒的な火力で難なく黒い塔を吹き飛ばしました。
 4本目の塔は再びマルコ・ポーロが破壊しました。今度はHierophantの能力を借り、「神の眼差し」と呼ぶ巨大な目を呼び出します。これに見つめられたものは、塔であろうと黒き領域であろうとすべて浄化されていきました。
 5本目の塔もフリードリヒのオービタルキャノンが破壊しました。敵の勢いが増してきたため、指揮官が早めに決着をつけたいと望んだのです。すべての塔が破壊されましたが、敵の侵攻は止まりませんでした。指揮官はHierophantが自分を呼んでいるのだと理解し、黒き太陽の力を借りて会いに行きました。
 Hierophantの力により、指揮官はオースタの幻影を見ます。Hierophantがどのような狙いでこのような設計になっているかを指揮官は把握することができました。結果に満足したHierophantは、励起された5本の塔の力を使って実験場の敵をすべて灰に変えました。このときだけはHierophantに感情が戻り、指揮官に向けてありがとうと言っていました。

2-8. 事件後

 事件後の出来事です。
 Hierophantが作った実験場ES-40111は、KAN-SENたちが継続的に利用したい意思を示しています。フリードリヒは指揮官のための後方基地に最適だと考えており、クレマンソーが接続を維持する予定です。
 指揮官が実験場βに戻ったあと、ヨークタウンMETAが実験場ES-40111にやってきました。実験場接続は珍しい技術のため、研究したいとのことです。
 マルコ・ポーロは力を使い果たして再び眠りにつきました。コンパイルフィールドに預けられています。指揮官が会いに行ったときは、メンフィスMETAが対応してくれました。彼女も様々な実験場のリソースを繋げ、エックスに勝つ道筋を見つけたいと考えているようです。これまでイベントのたびに様々な実験場を転々としてきましたが、今回のように過去の舞台を再び活用する事例が増えてきそうですね。
 『天穹に響く音謡・F』ではエセックスMETAは眠ったままでしたが、ボノム・リシャールに出会ったという描写がありました。事件後の後日譚では、彼女は謎の空間に転移しており、ブリストルMETAと会話していました。間違った時間に間違った場所に来てしまったとのこと。同業者を名乗るブリストルMETAは、エセックスMETAの安全を保障してくれました。ボノム・リシャールがエセックス級のKAN-SENであることから、世界αのエセックスがなぜこういう状態になっているのかは今後の展開のカギを握っているような気がします。
 指揮官は再び夢の中でボノム・リシャールに出会いました。前回は世界が崩れたのですが、今回は白い服の少女にも逃げるなと言われており、対峙する機会がやってきたようです。そろそろ動きがあるでしょうか。



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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 約束されざる地 編

 2026年5月21日開始のイベント「約束されざる地」のストーリーを整理していきます。

1. 背景

1-1. 200年前:サルカズの戦争

 200年前の戦争のお話から始めていきます。
 テラ歴898年。サルカズの故郷カズデルに危機が迫っていました。ガリア、リターニア、ヴィクトリアの連合軍が戦争を仕掛けてきたのです。連合軍を率いていたのはケルシーでした。
 当時のサルカズのトップは魔王イレーシュ。最新鋭の武器を揃える連合軍を前にイレーシュは倒れ、黒い王冠はテレジアが引き継ぎました。テレジアを中心にサルカズは決死の抵抗を試みましたが、甚大な被害を受けて戦争は終結しました。
 バンシー一族もこの戦争に参加していました。彼らは同胞の死を悼む役目を持っています。余りにも悲惨な戦争で、バンシーたちも立ち直れないほどの苦しみに直面しました。生き残った人数は1000人に満たず、半数は声も出せなくなっていました。
 新たな魔王テレジアは、サルカズのこれまでの怨念と殺戮に満ちた運命を変えようと立ち上がります。バンシーたちもこれに呼応し、これまでとは異なる生活を築きたいと願いました。
 バンシー王庭の主はラケラマリンです。ヴァエラと一緒に新たな生活を模索し、とある河谷に目をつけました。ヴァエラはこの地に呪文をかけ、木々が果実をつけるように誘導するなど、住みやすい環境を整えました。河谷はバンシー一族が始まって以来となる定住地となったのです。
 バンシーにはサルカズの中で役割があります。亡くなった人の魂を供養する役割です。バンシーの河谷には外で亡くなったサルカズたちの印が送られてきて、バンシーが出向いて魂を導いていました。


1-2. 20年前:バンシーの河谷の苦難

 戦争から200年近くが経過し、河谷の生活がどのように変わっていったか。
 イベント開始時点から20年ほど前。ラケラマリンとヴァエラがドモヴォーイという1人のバンシーを看取る場面がありました。200年以上生きた長寿のサルカズで、この人がいなくなると戦争を直接経験したバンシーはラケラマリンとヴァエラの2人だけになります。
 ドモヴォーイは亡くなるまでの3か月間、忘却の症状に苦しめられました。我々人間で言うところの認知症に近いものだと推察されます。河谷での生活などを徐々に忘れていき、最後には何もわからなくなってしまったのだとか。
 ラケラマリンはこのような症状の老人たちをたくさん見送ってきました。河谷に定住する前は発生しなかった症状のため、なんらかの因果関係が疑われました。
 死期が近づいたバンシーは、河谷にある「止まり木」と呼ばれる樹木のふもとにある小屋に移されます。長い時間をかけて止まり木も徐々に枯れてきました。草木に詳しいアンズーリシック族の男性に見てもらったことがあるのですが、彼の巫術でも治すことはできませんでした。
 ちょうどこの頃、テレジアがテレシスと対立するようになり、バベルを設立してカズデルを出ていきました。テレジアはラケラマリンに源石研究の成果、つまり源石から生み出した花畑を見せました。彼女は苛烈な手段でサルカズの運命を変えるという約束を果たそうとしており、ラケラマリンは心配していました。
 河谷には相変わらず外からたくさんの印が届いていました。サルカズが内紛状態になり、死者が増えてきたのです。ヴァエラは河谷のバンシーたちの安寧を守りたいと願い、印を意図的に無視していました。彼女の小屋には供養されていない印が積み上がっていきました。種族としての本能を捨て去る行動であったため、これが忘却症状の原因なのかもしれないと考えていました。本来ならサルカズの魂の一員になれるはずだった死者たちは、バンシーの導きを失い路頭に迷いました。
 ヴァエラの運命を変える出会いがありました。カズデルで暮らしているナスティとの出会いです。河谷の外で暮らしているバンシーが生んだ子で、ヴァエラも存在だけは認知していました。身寄りを失っていたナスティをヴァエラは河谷に迎え入れ、養母として彼女を育てることにしました。
 ナスティは河谷の外の世界を知っているので、ヴァエラが作り出した河谷の違和感に気づく可能性があります。ヴァエラは意図的にナスティを他のバンシーからは遠ざけ、バンシーならではの呪文や骨笛を教えませんでした。代わりに教えた草笛は、2人を繋ぐ大事な思い出となっています。

1-3. 20年前:マイレンダーの孤児院

 話は変わってマイレンダーについてのお話です。
 現在のマイレンダー基金の基盤を作ったのはマイレンダー・セレーネという人物です。現クルビア大統領のマーク・マックスと一緒に、クルビアの独立戦争を勝利に導きました。1011年のこの戦争に勝利したことにより、クルビアはヴィクトリアからの独立を果たします。マイレンダー・セレーネは功績が称えられ、連邦の父と呼ばれるようになります。
 戦争の後、マイレンダー・セレーネは孤児院を設立して運営するようになります。親を亡くした子供たちが養われました。ただの慈善事業というわけではなく、子供たちは価値ある人物になることが求められました。認められれば血のつながりはなくとも「セレーネ」の姓を名乗ることが許されました。
 「約束されざる地」で活躍したマーシアは孤児院の出身。子供の頃はマイレンダー・セレーネが本当の祖父だと思い込んで、孤児院で過ごしていました。マーシアの実母の唯一の形見だった大事なぬいぐるみを、勝手に散水機に変えてしまったというエピソードが印象に残っているのだとか。
 孤児院はその後、恵まれない子供への経済支援を行うマイレンダー児童基金へと形を変えました。暗部組織としての顔を持ち、クルビアの多くの人もそれを認識しているようです。優秀な孤児はマイレンダーのエージェントとなりました。マイレンダー・セレーネの一番の友人だったブリキも、ベテランエージェントとして組織に尽くしています。

1-4. 10年前:ナスティの旅路

 ナスティが河谷を出る決断をしました。
 ナスティがヴァエラに河谷を出る旨を伝えたとき、ヴァエラは悲しみました。彼女が作った河谷は、外から来たバンシーをついに受け入れることができなかったためです。賢いナスティは最初から河谷が呪文によって無理して維持されていることを見抜いており、いずれこの日がやってくると考えていたようですが。
 ナスティは養母に深く感謝しており、ヴァエラが抱える問題を解決しようとしました。バンシー族だけではなく、サルカズ全体が抱える問題を解決しないことには、今の状況を好転させることはできません。テラを巡って答えを探す覚悟をしていました。
 河谷を出る際、ヴァエラはナスティのために舟を渡してくれました。このときの光景はナスティの心に焼き付いており、舟が水に浮かぶ様子は空を飛んでいるかのように見えたといっていました。
 ナスティは河谷を出た後、ラテラーノ、リターニア、クルビアを放浪しました。ラテラーノでは羽角を隠して食料を調達。サルカズはサンクタの天敵ですからね。リターニアではリッチの大図書館にこもって文献を漁っていたようですが、フレモントにバレて追い出されてしまいました。
 クルビアにたどり着いたナスティは、傭兵をしていたこともあったと言っていました。その後ストルイ建設という会社でエンジニアをしているとき、元々の才能とバンシーの呪文を掛け合わせた彼女の仕事っぷりが話題になり、クリステンが引き抜きにやってきました。
 クリステンが初めてナスティに接触しようとしたとき、ナスティは音声記録を聞いていました。河谷にいたときのバンシーたちの会話を記録したもので、ヴァエラを救うために言語と行動のパターンを読み解こうとしていたのです。クリステンは酷な忠告をすることになるがと断った上で、音声記録の削除を勧めました。同じ記録に潜り続けているだけではそれに囚われてしまい、ブレイクスルーを生み出せないと。ナスティは一理あるとクリステンの主張を認めていました。
 クリステンは空を越えられる力を求めていると語り、ライン生命エンジニア課の立ち上げにナスティを誘いました。ナスティも空に思い入れがあり、この誘い文句は彼女に刺さりました。空を目指すなら科学考察課を立ち上げた方が良いとナスティは進言し、これがマリアムのリクルートに繋がっていったと考えられます。

1-5. 2年前:プロペラパラダイス計画

 イベントの舞台であるプロペラパラダイスについて。
 テラ歴1099年、クリステンが星のさやを切り裂いた偉業が「孤星」で描かれました。「約束されざる地」は2年経過した1101年の出来事ですが、その間にライン生命が何をしていたのかを整理します。
 クリステンはライン生命の技術力を結集し、星の庭を打ち上げる計画を遂行しました。その技術はライン生命だけが持つ貴重な遺産。特に空を飛ぶ技術に関しては主導権を死守したいという想いがありました。
 またナスティの個人的な野望として、サルカズが抱える問題を解決してヴァエラを救いたいという想いがありました。クリステンが空への道を切り拓いてくれたことに加えて、ロゴスが内なる宇宙でサルカズの魂を見送ったこともナスティの背中を押しました。彼女はプロペラパラダイスと樹形装置の設計を進めていきました。
 樹形装置はナスティが発明した渾身の作品。ロゴスの活躍によってナスティはサルカズの魂が情報の残滓であることに気づき、誰にも邪魔されない空にサーバを立てることですべてのサルカズを供養するというぶっ飛んだ着想から、この樹形装置を組み上げました。
 樹形装置をそのまま打ち上げるわけにはいかないので、ナスティはライン生命の他のセクションと協力し、プロペラパラダイスの計画書をクルビア政府に提出しました。計画を見た副大統領ジャクソンは、空が次の開拓地になると確信。国家プロジェクトとしてプロペラパラダイスを承認し、計画の実現に向けて動き出しました。ライン生命は主導権を渡したくなかったのですが、基礎工学支援の範囲に抑え込まれてしまいます。
 クルビア政府はプロペラパラダイス内に専用の区画と特殊ローンを用意し、クルビアのあらゆるテクノロジー企業に向けて、天空進出を奨励しました。お金の匂いを嗅ぎつけた人たちは、たとえテクノロジーに関連がなかったとしても、ローンを借りて天空フィーバーに便乗しようとしました。

1-6. 半年前:クルビア首脳部の謀略

 ライン生命の提案をクルビア首脳部はどのように利用しようとしたのか。
 クルビアが現在置かれている状態を整理していく必要があります。メイン14章でロンディニウム戦争が終結して以降、テラ全体がきな臭い雰囲気になってきました。中核国家と呼ばれる大国たちは軍備の増強を急いでいます。カジミエーシュは征戦騎士にパワードスーツを配備し、リターニアは学生にアーツ作戦を教え始め、ウルサスは軍隊を集結し、エーギルはイベリア近海に砲火を降らせています。
 一方のクルビアは、クリステンのおかげもあって天空フィーバーに湧いており、国民は戦争を意識していません。ボリバルへの介入が失敗したことで、国防部や政府は信頼を失っています。かつて独立戦争や開拓に向けられていた国民の熱を、再び戦争へ向ける必要があると首脳部は考えています。
 そこでジャクソンたちはプロペラパラダイスを利用しようとしました。国民の注目を集めたあと、外国のスパイの手によって破壊されるストーリーを作ることができれば、国民の関心を戦争へ持っていくことができます。
 この計画の主導を任されたのがギュスターヴでした。酒類・煙草・アーツユニットおよび源石製品管理局(以降管理局)の元局長です。国防部での再雇用をエサとして、現場での指揮を執ることになりました。マイレンダーもエージェントを送り込み、計画を支援します。
 プロペラパラダイスにはアーツユニットなどの源石製品が多数使われますが、本来はクルビアで作られたものが利用されます。ギュスターヴは外国産の禁制品を横流しし、企業ブースに組み込まれるように仕組みました。禁制品が爆発すれば、外国のスパイの仕業に見せかけることができます。
 ギュスターヴはゴードンを利用することにしました。管理局時代に部下としてこき使った経験があり、こういう計画にはうってつけの人材だと判断したのです。最後に罪を被せて尻尾切りするつもりでした。ゴードンはプロペラパラダイスの総務担当として勤務する傍らで、禁制品をこっそり買い集め始めます。

1-7. 半年前:ヴァエラの失踪

 ヴァエラが河谷から失踪してしまいます。
 「約束されざる地」のイベント冒頭、ブリキが河谷を訪れていました。前回の訪問は戦争が終わった直後だったので、実に200年ぶりでした。ヴァエラの記憶の忘却が始まってきており、挨拶に出向いたのです。ブリキのことはすでに忘れてしまっていたとのこと。
 ヴァエラは止まり木の小屋にいたはずだったのですが、ブリキが訪ねるともぬけの殻になっていました。彼女はずっと心残りだったナスティに会いに行くため、養女の言葉を思い出して追いかけることにしたのです。
 上述した通り河谷を出たナスティはラテラーノ、リターニアを経てクルビアに至りました。ヴァエラは呪文を使いながら同じ道を辿り、ボロボロになりながらもクルビアのボーンヤードまでやってきました。そこで旅行ガイドのフェルネに出会います。ヴァエラのアーツはD.C.の方向を示していました。
 フェルネはオークリーに成りすましてプロペラパラダイスに入り、ヴァエラを連れていきました。ヴァエラの記憶はどんどん混濁していっており、フェルネは手当たり次第にやれることやってみるしかないと考えたのです。
 オークリーはプロペラパラダイスの解説員に応募しようとしていたのですが、失恋で泥酔していたところ、フェルネに間違えて応募書類を渡してしまったそうです。この書類を使ったため、フェルネはイベント冒頭ではオークリーと名乗っていたわけですね。

1-8. 現在:ライン生命の体制

 イベント時系列に入る前に、ライン生命の現体制を整理します。
 「翡玉の夢」で登場して以降、ライン生命の主任たちは様々なイベントに登場してきました。「約束されざる地」時点での社の体制を見ていきます。
 ライン生命は統括であるクリステンの下に、5つの科学研究課と4つの事務課を構えていました。クリステンは星の庭に乗って宇宙へ旅立ったため、現在はサリアが警備課の主任と統括を兼務しています。
 プロペラパラダイス計画を実行するにあたって、主担当であるナスティを支援する主任が必要だとサリアは考えました。政府の動きを予測していたのかもしれません。科学考察課のマリアムを呼び寄せようとしました。
 「樹影にて眠る」にて、マリアムはサーミの奥地へ冒険に出かけたと言われていました。サリアからも連絡がつかないため、商務課のジャスティンJr.に連絡を取り次いでもらうことにしました。彼はサーミのチャパットに滞在しており、発展してきたこの地に投資をしているのです。ジャスティンJr.はプロペラパラダイスの陰謀について把握したようで、ギュスターヴへの根回しも行いました。
 エネルギー課主任のフェルディナンドは「孤星」の際に国防部を裏切った罪で投獄されていました。服役後は研究に没頭し、エネルギー分野でのブレイクスルーを達成しました。彼の功績は"フェルディナンド物理学"として後世に伝わり、エンドフィールドの武器ストーリー(J.E.T.)にも登場します。
 アーツ応用課主任のドロシーは研究室に籠って自分の研究に没頭しており、同僚との関りは限られています。構造課主任のパルヴィスは「孤星」の実験中に亡くなり、後任に座を譲ったとされています。
 生態課主任のミュルジスはイェラグにいます。「銀心湖鉄道」および「聖山降臨1101」で描かれた通り、カランド山に研究施設を立てて星のさやを研究しています。「聖山降臨1101」では謎の隕石が落ちてきたので、彼女の研究対象は増えました。
 ナスティは自分が設計したプロペラパラダイスの整備を行うため、出張して現地に滞在していました。ミュルジスは彼女を見送るために遠隔で分身を動かし、餞別として盆栽を渡していました。
 ヤラは定年退職のため人事調査課の主任の座を後任に譲っていました。ライン生命とは関係のない立場になったものの、元マイレンダーのエージェントで、大女優でもあった彼女は様々な顔を使い分けています。


2. イベント時系列

2-1. 禁制品の行方

 ここからイベント時系列に入っていきます。
 管理局はゴードンをプロペラパラダイスの総責任者へ昇進させました。ギュスターヴの計画の一環です。ゴードンに逆らえる者はほぼいなくなったのですが、唯一ライン生命だけが気がかりです。プロペラパラダイスの計画を立案した企業であり、区画や企業ブースをチェックする権限を持つからです。
 マーシアはゴードンの秘書としてプロペラパラダイスに潜入し、企業の動きなどを監視していました。ゴードンにわざと隙を見せることで、マーシアは疑われることなく動いています。
 ゴードンの指示で、マーシアはナスティとの交渉に出向きました。ライン生命が行う企業ブースの点検リストをゴードンの言う通りに変えさせたのです。一方的な態度に血気盛んなスカイは腹を立てていましたが、ナスティは冷静な対応を求めていました。
 ゴードンが点検リストを操作したのは、ライン生命に調査されたくない企業があったからです。プロペラパラダイスが定める基準に到達していない企業ブースは退去を求められるのですが、そうした企業にゴードンは声をかけ、こっそり禁制品を使わせて検査を通過させていました。この横流しにより、プロペラパラダイスの各所に外国産のパーツがばら撒かれていきました。
 一例としてアスペンが登場していました。元々は雑貨屋を営んでいたのですが、天空ブームに乗るために一念発起してローンを背負い、プロペラパラダイスに展示ブースを構えています。解説のためのモニターも大量に雇い、大きな借金を抱えていました。スカイはアスペンのブースが基準に達していないとして滞在資格を取り消すのですが、ゴードンの助け舟によって基準をクリアすることができました。
 ライン生命は検査だけをしているのではなく、企業ブースとして生態研究園を用意していました。星の庭で得られたデータに基づいて作られており、植物を用いたエネルギー循環が特徴です。高い技術力の結晶ではあるのですが、ライン生命からするとこの施設はカモフラージュに過ぎません。地下の樹形装置を隠しており、エネルギーを供給していました。

2-2. 生態研究園の崩壊

 ゴードンの攻勢が続きます。
 ライン生命をさらに抑え込みたいと考えたゴードンは次の手を打ちました。フェルネを生態研究園に送り込み、理由をでっちあげてライン生命の研究員と一緒に身柄を拘束しようとしました。警備隊を連れてきていました。
 フェルネはヴァエラの記憶が戻る方法を探しています。生態研究園にやってきた彼女はナスティが使っている骨筆を発見。バンシーにゆかりがある品だとフェルネは知っていたため、これをヴァエラに見せようと盗み取っていきました。
 この骨筆はナスティが生態研究園の植物を管理するために使っていたものでした。骨筆が抜き取られると、植物は瞬く間に枯れていきました。ゴードンにとっては予想外の形になったのですが、事故が起きたということで生態研究園を封鎖してしまいます。
 ナスティや他の研究員にとって、植物が突然枯れてしまったことは実はショックなことではありませんでした。彼女たちの計画では、元々どこかのタイミングで植物は枯れる予定だったからです。ゴードンと一緒に来ていたマーシアは、事故が起きたときに研究員が時計を気にしていたのを見逃しませんでした。時間を確認していたのですね。生態研究園の地下に隠されていた樹形装置は、当初の予定よりも早く準備が進んでいきました。
 マーシアはヴァエラへの接触に成功します。スライドプロジェクターを媒介とするマーシアのアーツは、記憶を操ることができます。ヴァエラが失った記憶の一部を操作することができるのですが、完全な状態に戻すことはできません。ヴァエラがここに現れた理由は、この段階では周りからは分からず仕舞いでした。

2-3. 空飛ぶ木の出現

 ライン生命の空を飛ぶ木が聴衆の面前にさらされます。
 骨筆を奪ったフェルネは、ゴードンが仕向けた警備員から逃げます。その途中で偶然ゴードンの隠し部屋に落ちてしまい、禁制品を目撃することになりました。旅行ガイドとしてテラのあちこちを渡り歩いているフェルネは、ゴードンのコレクションが大まかに理解できるのです。
 このままではマズいと考えたゴードンは、禁制品を運び出すことにしました。フェルネとオークリーに手伝わせます。ライン生命のブースの地下のルートが良いだろうと考えたのですが、ミュルジスの分身が出てきて足止めされてしまいました。
 同じ頃、ナスティはマーシアに足止めされていました。フェルネが盗んだ骨筆を手に入れて、ヴァエラに渡したのです。ヴァエラの気配をまとった骨筆を見て、ナスティは養母が来ていることを悟りました。
 ナスティはギュスターヴと交渉します。生態研究園の主導権を放棄し、ライン生命の社員や展示会のモニターたちを守りました。ナスティは人々のことをちゃんと見ているのです。実は生態研究園はライン生命にとってはそこまで大事ではないという側面もありました。
 ゴードンがミュルジスに足止めされているさなか、ライン生命の区画の地下から樹形装置が浮かび上がってきました。ゴードンやフェルネはたまたま装置の上に乗る形になり、禁制品を運んでいる様子をたくさんの人に見られてしまいます。樹形装置が起動したことで生態研究園は不要になりましたが、2人の主任級の職員権限がないと本格起動には至りません。この段階ではまだマリアムが到着していませんでした。
 ブリキがプロペラパラダイスにやってきて、樹形装置の出現を特殊事故に認定して対処を始めました。ギュスターヴもこの装置に関して公聴会を開くと発表します。しかしブリキは公聴会をすぐには開きませんでした。この騒動の落としどころを作るため、ナスティと個人的に話す時間が必要だったのです。
 マーシアにとっては頼れる先輩が来てくれたことになりますが、ヴァエラがプロペラパラダイスに来ていることは隠しました。ヴァエラにとって不利になってしまうことを恐れたのです。

2-4. 遅くなった公聴会

 公聴会が開かれます。
 ブリキとナスティの間で議論が行われ、公聴会の前に結論が決まりました。ブリキは当初、今回のプロペラパラダイスの騒動の責任を全てライン生命に被ってもらう予定でした。星のさやを切り裂いた件ではクリステンがクルビア国防部を騙す形となり、ライン生命にはわかりやすい前科があるためです。
 一方でナスティはこれを受け入れず、自分1人が罪を被る形にしてほしいと交渉します。クリステンの計画を最も近くで援助していたのは彼女だったので、納得感があるだろうと言っていました。ここでもナスティはライン生命や同僚たちを守る判断を下したのです。
 ブリキたちの計画では禁制品をテクノロジー企業のブースに仕込む必要があります。ナスティはライン生命の権限を使って企業担当者を不当に追い出したということにされ、テクノロジー企業はプロペラパラダイスに戻ってこられるようになりました。
 ゴードンのもとにギュスターヴから謝罪文の原稿が送られてきました。このあとプロペラパラダイスで大きな事故が起きる想定になっており、その事故の責任を自分が被るという内容です。ここでゴードンはギュスターヴの計画と、その計画の中で自分がどのような役回りになっているかを把握しました。
 窮地に立たされていることに気づいたゴードンは、フェルネに協力を求めます。企業ブースにバラまかれた禁制品を集めてきてほしいと。フェルネも何もしなければ数々の前科で逮捕されてしまうので、ゴードンに協力することにしました。勝てる見込みは1割ぐらいだろうと彼は言っていました。
 ゴードンにチャンスが転がり込んできます。マリアムがゴードンの禁制品コレクションを見に来たのです。テラのあらゆる危険地帯に挑戦してきたマリアムは、持ち主のゴードンよりもコレクションに詳しい存在。マリアムはギュスターヴの計画を知り、ゴードンに協力することを決めたようです。ゴードンは自分にツキが回ってきたと確信します。
 最後にゴードンはナスティにも協力を求めました。彼女が囚われている牢屋を管理者権限で開けて、骨筆や装置など必要なものを渡します。ナスティも協力関係を結びますが、ゴードンはあくまでナスティにしかできないことをやってほしいと頼みます。樹形装置の本格起動です。

2-5. ゴードンとフェルネの反逆

 ゴードンたちの逆襲が始まります。
 フェルネはライン生命の研究員や企業ブースの人たちと一緒に、禁制品を回収します。これをゴードンに届けるため、フェルネに導かれてマイレンダーのエージェントに立ち向かいました。集まった禁制品を使い、マリアムが即席の動力装置を作り出します。
 ゴードンは即席動力装置を使ってプロペラパラダイスの進行方向を変えました。D.C.に向けて移動していたのですが、国境の方角へ進み始めます。クルビアを出るということは国に対する大きな裏切りになるのですが、ゴードンに怖いものはありませんでした。プロペラパラダイスは戦争の温床になるべきでないし、あらゆる新発明に火をつけ、一般人の憧れが叶う場になるべきだと言っていました。
 マイレンダーのエージェントたちは当初の予定通りプロペラパラダイスの爆破を開始し、浮遊プラットフォームは徐々に墜落していきます。
 ブリキはエージェントたちに現場を任せ、マーシアに説教する時間を作りました。将来有望な若者に、マイレンダーなりの道理と屁理屈を伝えたいということで、計画の全貌を伝えます。マーシアも戦争がクルビアにとってメリットが大きいことは理解しつつも、普通の人の暮らしや夢が犠牲になるべきではないと反論。ブリキに対してアーツを放ち、3人のレヴァナントも含めて足止めすることに成功します。レヴァナントは長生きをしてきた分、保持する記憶が膨大なのです。
 ヴァエラはマーシアの助けを受けて樹形装置へと向かいます。呪文を駆使して足場を作り出し、ナスティが木までやってこれるようにサポートを行いました。

2-6. 樹形装置との融合

 ナスティとヴァエラの対面です。
 ヴァエラが先に樹形装置に辿り着いており、樹形装置との合体を果たしていました。遅れてやってきたナスティは、この誤った結合を終わらせる方法を探ります。そのためには、ヴァエラが何に執着し、何から逃げているのかを理解せねばなりません。
 樹形装置には実験用の臨時データがアップロードされていました。ナスティ自身の思い出が含まれており、ヴァエラは装置と合体することでナスティの想いを知ることができました。あらゆる記憶が忘却されていく中、この樹形装置は自分を救ってくれるのではないかとヴァエラは藁にも縋るような思いで合体を果たしました。
 ヴァエラの中で大きな心残りになっているのがバンシーの河谷でした。200年前に作った住処を彼女は娘のように大切にしてきましたが、結局バンシーの楽園になることはありませんでした。河谷はカズデル出身のナスティを受け入れることができなかったため、ナスティからするとサルカズが還る場所にはならないだろうと考えています。
 また河谷の止まり木もヴァエラは大事にしていますが、ナスティは正体を知っています。わざわざミュルジスに確認してもらい、呪文を受けたただのウメハリの木だと言っていました。一方ナスティは止まり木を無下にするつもりはなく、樹形装置を止まり木に似せました。ヴァエラを思い出すためですね。
 河谷や止まり木についてヴァエラと会話をする中で、ナスティは養母の葛藤を理解していきました。臨時データを削除することで、ヴァエラの人格も一緒に消えていきます。最後に残したい記憶は何か、消えゆくヴァエラが考えた結果、思い浮かんだのは幼いナスティに向けた笑顔でした。ナスティも心穏やかに養母を見送ることができました。

2-7. 副大統領の決断

 クルビア首脳部はこの事態にどのように対応したか。
 ゴードンたちの逆襲が起きる前から、クルビア副大統領のジャクソンはヤラを呼び寄せて相談をしていました。プロペラパラダイスを戦争の口実に変えようとする作戦の中で、国民の心を動かすようなパフォーマンスをヤラにお願いしたいと考えたのです。彼女は元女優で、ライン生命の科学者のために同じような役回りをこなした実績もあるからです。
 リターニアの双子の女帝からジャクソン宛てに、直々に祝辞が届きました。ラテラーノが万国サミットを開いたときですら、リターニアは公爵を派遣しただけでした。プロペラパラダイスの開催に当たって直筆の祝辞を届けたのは、クルビアを牽制したいという意図があると考えられます。注目をしているから、変な行動をするんじゃないぞと。リターニア以外の国も過敏な反応を見せており、テラの中核国家の間で緊張が高まっていることがうかがい知れます。
 ジャクソンとの会談の前、ヤラはウェインという議員と複数回面会をしていました。ジャクソンはこれに感謝を示し、彼がイェラグを訪れた際のお土産を渡していました。この議員が何者なのかはよくわかりませんでしたが、ジャクソンの利益になるような交渉をヤラが行ってくれたのだと考えられます。
 計画通りプロペラパラダイスが墜落し、ジャクソンは演説の準備を行います。外国のスパイが仕込んだ禁制品が爆発したことにすれば、クルビア国民は怒り、戦争に向かわせることができます。
 しかしここで想定外のことが起きました。プロペラパラダイスが消えた空に、樹形装置が浮かんできたのです。誰にも正体が分からず、現場は混乱しました。
 クルビア国防部は、空飛ぶ木も撃ち落とすべきだと進言します。砲撃も他国のせいにすればよいと。一方でマイレンダー基金は、樹形装置を別の宣伝路線に利用するのはどうかと提案します。ジャクソンは急に難しい判断に迫られました。
 ヤラはライン生命にいたころ、科学者たちのために表舞台に立ったことがあります。彼らの考えていることは高度であるため、理解する必要はないのだと言っていました。ジャクソンやヤラの世代にとっては、若いころに初めて移動採掘プラットフォームを見た時の気持ちと同じなのだと。
 この例え話はジャクソンに刺さりました。彼はまさに採掘プラットフォームを見て、クルビアへの情を抱くようになりました。最終的に彼は副大統領まで登り詰めましたが、初心は単純な想いだったわけです。樹形装置もそういうものだと納得し、これを次世代のクルビアにとっての精神的象徴にするという判断をしました。


2-8. 事件後のライン生命

 ライン生命は今後どのように動いていくのか。
 事件の後日譚です。ジャクソンとサリアが交渉を行いました。ジャクソンは樹形装置を撃ち落とさず、あの「木」がなんなのか定義する権利をクルビア首脳部が得ると主張。サリアとしてはその権利は放棄しても構わないため、逆にプロペラパラダイスの封鎖の解除と、ライン生命への制裁の取り消しを要求しました。交渉は成立し、公式の会談の場で正式な約束が結ばれました。樹形装置に対する一連の対応で、ジャクソンはクルビア国民から賛同の声を集め、支持率が大きく上昇しました。 
 ライン生命は公聴会で被った罪をなかったことにしたと考えられます。ナスティも犯罪者ではなくなったはず。このあたりは明言はありませんでした。ナスティはこのあとサリアの紹介でロドスのエンジニア特別顧問になります。
 事件が終わったあと、ライン生命の主任が集まる会議がありました。出席者はサリア、フェルディナンド、マリアム、ナスティ、ミュルジスでした。ナスティがプロペラパラダイスで起きた事件の顛末を報告し、後任者としてスカイを指名していました。プロペラパラダイスはD.C.と接続され、政府による点検を受けることになりました。
 マリアムからも議題がありました。彼はサーミのインフィ氷原の奥地からスターゲート(エンドフィールドでは星門)の破片を持ち帰ってきたのです。統合戦略「探索者と銀氷の果て」の中ではテラの人々が協力してスターゲートを修理するエンディングがあるのですが、あれはあくまでIFの世界線の出来事。正史ではここからスターゲートの調査と修復が始まっていくものと思われます。
 ライン生命の主任たちは毎年年末にパーティを行う習慣があったのですが、クリステンが星のさやをぶち破って以来、主任たちは忙しすぎてパーティをスキップしていたそうです。今回はパーティーの埋め合わせをしたいとサリアは言っていました。
 ドロシーはこの会議も欠席し、自身の359号基地のラボに引きこもっています。一応政府の事情聴取は受けたとのこと。
 ジャスティンJr.も会議の場にはいませんでした。ただ遠隔で会議の様子を見ていたそうで、画面のスクリーンショットを撮影し、The saviorという新聞紙に提供していました。イベントのラストシーン、彼は国防部の偉い人と思われる人物と取引をしていました。The saviorは国防部寄りの報道機関のため、スクリーンショットと引き換えにしてライン生命に対する便宜を得ていたものと思われます。一体これが何に繋がっていくでしょうか。
 また今後の展開に繋がってきそうな記述としては、ボリバルの黒流樹海で異変がおきたという話があります。クルビアの観測隊が消息を絶ったとのこと。マゼランがすでに調査に向かったとのことでした。「また明日」の第6話「不確かな啓示」で出てきたパリアカカも黒流樹海に向かっていましたし、次なる事件の匂いがしますね。




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【アークナイツ】メインストーリー16章・まとめ・考察・感想【背理分光】

 2026年3月19日に追加されたメインストーリー16章「背理分光」の物語を整理していきます。

1. 背景情報

1-1. ウルサスの地理

 メイン16章は広大なウルサスを縦断する物語なのですが、公式の地図がないためざっくりと地理を掴んでいきます。
 スタートの舞台はウルサス北部、クライニ・セーヴェルという地域のブレスクという都市です。コロッサル主鉱脈がクルビア方面から延びてきており、源石の採掘場がたくさんあります。
 南へ向かうとネヴァ湖があり、その西側に首都のサンクト・グリファーブルクがあります。詳細な位置関係は不明のため、あくまでも目安と考えておいてください。
 ウルサスの南側の国境はリターニアとカジミエーシュに接しています。カジミエーシュとの国境地帯にレユニオンが拠点を構えており、農場を作っています。


1-2. 佯狂者とマントラ

 ウルサスには古くから"佯狂者"という存在がいます。
 佯狂者は氷原の悪魔に関連したサーミの儀式で生み出された、人間を超越した存在です。苦難を乗り越えるための「愛」を説き、民衆からは尊敬されている一方で、人心を惑わす存在ともされています。
 過去のウルサス皇帝は佯狂者の力を借り、皇帝の利刃を生み出しました。近衛兵として皇帝が直接動かせる精鋭部隊で、凄まじい戦闘力を誇っています。悪魔の力をその身に宿し、悪魔を封じ込めて生命維持を図るための特殊な装備をつける必要があります。皇帝の利刃はたくさん生み出されており、見た目は同じで見分けはつかないのですが1人のことを指しているわけではありません。
 数十年ほど昔、若き日のマントラがウルサスを訪れました。元々はサルゴンのとある領地のパーディシャーで、言葉が話せない代わりにアーツを使って人々を導いていました。首長に目をつけられて彼女はサルゴンを去り、最終的にケルシーに請われてバベルに入りました。
 マントラの能力は佯狂者に似ていたため、ウルサスの荒野の感染者たちは彼女を佯狂者だと勘違いして崇めていました。そこに現れた皇帝の利刃さえも誤った推測をしたのですが、マントラは悪魔の力を逆用して難を逃れました。そのような経験があったため、バベルの一員になってからも彼女はウルサスに足を踏み入れることを控えてきました。


1-3. 最後の佯狂者

 直近の佯狂者に関して整理をしていきましょう。
 メイン14章でロンディニウム戦争が終結した1099年、ウルサスでも事件が起きていました。ウルサスに存在していた最後の佯狂者が処刑されたのです。
 多くの一般市民を惑わせた罪で捕縛され、弁明の場を与えられた佯狂者は7日間に渡って水も飲まずに喋り続けました。最後にはウルサス帝国の陥落を予言したため、怒ったウルサス皇帝が処刑を命じました。多くの市民が炎に包まれる佯狂者の最期を目撃したと言われています。
 佯狂者は徳の高い人物だと思っている民衆も多くいます。熱心な信者も獲得しており、処刑に反対する信者たちはサンクト・グリファーブルク市街で大きな暴動を引き起こしました。
 この処刑と同時期に、別の佯狂者と思われる人物が中央鉱区に現れていました。ヴェトチキのプロファイルによると少なくとも1096年には存在していたとのこと。佯狂者はヴェトチキのおばあさんのナディアに成り代わり、鉱区で働く人たちの信頼を得ていました。
 ヴェトチキの両親はボイコット運動を画策したとして処刑され、祖母ナディアもその後自殺しています。そんな悲惨な事件に吸い寄せられたのか、佯狂者はヴェトチキに催眠をかけ、ナディアとして布教活動を行っていました。


1-4. 石棺の情報はどこに

 いまのロドスは石棺の情報を求めています。
 石棺は旧時代の遺物で、莫大なエネルギーを蓄えています。テラ歴1070年代、ウルサスで見つかった石棺はチェルノボーグで研究されていました。石棺は旧文明の遺物であり、ケルシーは所長としてテラの発展のために石棺を利用したいと考えていました。
 テラ歴1077年、ウルサス第四軍は無限のエネルギーを生み出す石棺に目をつけ、研究所を襲撃します。セルゲイという研究者が仲間を裏切り、情報を密告したのです。研究者たちは間一髪で石棺の封印に成功しましたが、第四軍に皆殺しにされてしまいました。
 仲間を売ったセルゲイは、3年後の1080年に新しい研究所を設立。しかし目ぼしい成果は上げられず、復讐を受けて命を落とします。
 セルゲイの研究所の副所長だったのがアルチョーム・チャーダーエフという人物でした。過去の経歴が空白で怪しい人物なのですが、1100年に亡くなってしまい、現在は情報を引き出すことができません。
 アルチョームと接触経験があるのがクセニアでした。彼女はチェルノボーグ研究所で短期間イリヤの助手をしており、ケルシーに話しかけてもらったことを覚えています。いまはブレスクの鉱区研究所に勤めており、そこにはアルチョームが手紙を出したこともあるため、石棺の情報を追う糸口だと目されました。


2. メイン時系列

2-1. コロッサル主鉱脈の枯渇


 ここからはテラ歴1101年、イベント時系列の物語を見ていきます。
 メイン15章でテラの大地に降り立ったプリースティスは、ロドス号を手中に収めましたが、力が足りていない様子でした。彼女はコロッサル主鉱脈に目をつけ、莫大なエネルギーを抽出したと推測されます。その結果源石が枯渇して掘れなくなり、ウルサスという大国の基盤が揺らぎ始めました。
 源石は情報の器であり、エネルギーの器。エネルギーを抽出すると空白の物資が残ります。これを坑夫が発見し、オカと呼ぶことにしました。黒い液体です。
 「翠玉の夢」でライン生命が開発した伝達物質や、「白き海の彼方へ」で出てきたイベリア錬金術に使われる心相原質は、どちらもオカに類似する物質です。どちらも源石からできており、人体と直接反応し、情報を保存する媒体としての働きがあります。
 坑道で働いていてオカに接触した感染者の中に、異常を示す人が現れました。感染が深刻化しているにもかかわらず、バイタルサインは健康な数値でした。これはメイン15章のラストでヒアダが生み出した異常感染者と同じ兆候です。16章では一貫して変異感染者と呼ばれるので、以降はその記載に倣うことにします。
 オカは体内の活性源石を中和し、さらなる成長拡大の余地を作ります。感染者は一時的に元気になり、痛みが消えます。ウルサスの偉い人は死を恐れず働き続ける労働者や軍隊が作れるのではと期待しました。
 ブレスクの鉱区研究所ではオカの研究が急ピッチで進みました。非感染者にオカを注入すると、激しい拒絶反応を起こして死んでしまいます。体内に源石がないため、オカが働きかけるものがないからでしょう。一方で強制的に集められた鉱石病の坑夫たちの場合、オカが注入されると一時的に元気になるものの、鉱石病が物凄い勢いで悪化して死んでしまいます。偉い人の思い通りにはなりませんでした。


2-2. 鉱区研究所

 鉱区研究所では何が起きたのか。
 ブレスクの統治者はエリザヴェータ・コンスタンチノヴナ・ラホスカヤ。人々からはエリザベト女大公と呼ばれ、慈悲深さで有名な切れ者です。コロッサル主鉱脈の枯渇と、オカの影響で生まれた変異感染者の情報が外に漏れるとマズいため、彼女は中央鉱区の採掘場を封鎖しました。しかし噂を聞きつけた皇帝の利刃がやってきてしまいます。
 ブレスクの鉱区研究所は、オカのコントロール法を見つけることはできませんでした。クセニアは研究に加わろうとしたのですが、性急な臨床実験に反対したため、メンバーから外されてしまいました。
 ここにレイディアンがやってきます。ロドスはMon3trの情報をもとに、石棺を使ってケルシーを復活させようとしています。石棺の情報を集めるため、ウルサス人であるレイディアンを隊長とする部隊が潜入してきたのです。「命あるものの旅」での事件が並行して起きていたため、ドクターはラテラーノの対処に向かっていました。
 レイディアンは部外者のため研究所の監視対象になり、クセニアとも顔を合わせることになりました。レイディアンの小隊は移動医療隊を名乗り、坑夫たちとも接触するようになります。

2-3. 採掘場の封鎖を巡って

 エリザベト女大公が封鎖した採掘場で事件が起きます。
 封鎖の影響で物資供給が止まり、坑夫たちは反乱を起こしました。リーダーになったのはランキンという青年です。彼は国境付近で従軍していた駐屯兵で、腕っぷしには自信がありました。
 ランキンが国境周辺にいた際に、レユニオンの噂が聞こえてきました。カジミエーシュとの国境付近に、感染者たちが農場を作っているという話です。ランキンは坑夫たちを連れ出し、ひたすら南を目指してレユニオンと合流しようとしました。
 不運なことに坑夫たちは皇帝の利刃と遭遇してしまいました。ランキンは勇気を振り絞って戦い、自分たちの手で敵を殺すことができたと思い込んでいます。しかし実際にはナディアに扮した佯狂者が手を貸してくれており、皇帝の利刃を殺したのは彼女でした。ランキンを含めた坑夫たちは全員騙された状態に陥ります。
 自信をつけたランキンたちは監視隊を人数に任せて叩きのめします。命乞いをする監視隊員は、坑夫を管理するために埋め込まれたチップの存在を明かしました。位置情報を取得しており、採掘場を離れると爆発するように小型の源石爆弾までついています。
 レイディアンたちロドスの小隊が手伝ってくれて、彼らは体内のチップを取り出し、自由の身となって採掘場を飛び出していきました。レイディアンたちも同行することにします。
 首都サンクト・グリファーブルグから採掘場を調べにきた人物がいました。アロイジウス・ヴァシリエヴナ・ゴルシコワ。近衛軍の皇室直属大隊の中尉で、帝国議会議長のヴィッテの直属の軍人です。ウルサスが現在抱えている課題を解決する糸口として、ケルシーの行方を捜していました。アロイジウスはクライニ・セーヴェルの変異感染者の調査と、ロドスに接触する任務を預かっていました。


2-4. エリザベト女大公との交渉

 ドクターたちもウルサスへやってきました。
 採掘場に潜入したレイディアンからの連絡が途絶えてしまい、ドクターたちが救出にやってきました。マントラも自ら進んで同行を申し出てくれました。石棺はチェルノボーグ事変のあとにすべてウルサス当局に回収されており、行方がわかりません。
 ロドスは身分を偽装して商隊に扮していたのですが、ブレスクの衛兵に捕まってしまいました。鉱区の事件でピリピリしていたのです。ここにアロイジウスがやってきて、衛兵を追い払い、一緒に鉱区研究所に入らないかと提案してきました。彼女は目標の1つであるロドスとの接触を実現したわけです。
 アロイジウスもロドスも採掘場で何が起きたのかは知りません。しかし入るにはエリザベト女大公の許可が必要のため、彼女に直談判しにいくことにしました。アロイジウスは女大公と元々面識があり、首都からの使者ということで公然と拒絶しにくい相手です。ドクターもただ仲間を連れ戻したいだけだと情に訴え、鉱区に入る許可を得ることができました。


2-5. ホーリーの凶行

 ランキンとレイディアンたちの動きを見ていきます。
 自分たちの身体に埋まっていたチップを使い、坑夫たちは監視隊をおびき出して物資を奪いました。物資の中には鍵のかかったコンテナがあり、30~40人の感染者の遺体が詰め込まれていました。坑夫の人数の埋め合わせのために運ばれていたのです。
 ガネアという人がコンテナの運転手をしていました。ランキンについてきた坑夫の中にホーリーという料理人がおり、ガネアはホーリーの息子でした。ランキンとホーリーはコンテナの中を見て絶句し、ホーリーは狂乱して実の息子を殺します。
 その後ランキンたちは近くの村に物々交換をしにいき、友好的に迎えられます。しかし気が狂ったホーリーはこの村に火を放ってしまいました。ランキンは彼を追いつめるべきでなかったと悔やむとともに、自分にはリーダーをやる資格がないと絶望します。
 ランキンは自分についてきた坑夫に選択権を返すことにしました。今後も自分についてくるかどうか改めて問いかけたところ、半分はそのままランキンについていく意思を示し、残りの半分はレイディアン小隊に合流することになりました。


2-6. 鉱区研究所の調査

 同時刻のドクターたちを見ていきます。
 エリザベト女大公への交渉が通ったため、ロドスとアロイジウスは鉱区研究所にやってきました。ここでは2つの発見がありました。
 1つ目に、アーミヤとアロイジウスは非感染者の遺体を見つけました。人体実験でオカを注入されて、悲惨な死を遂げた人たちです。この時点ではロドスはまだオカの存在を知らないため、何が起きたのかはわかりません。
 もう1つの発見はクセニアでした。錯乱状態になって自殺しようとしていましたが、間一髪で止めることができました。ドクターとMon3trは彼女の回復を待ち、一緒に行動することにします。
 レイディアンが残したビーコンが発見されました。「カジミエーシュ国境地帯」「レユニオン」というメッセージが残されており、行き先のヒントになりました。アロイジウスたちはランキンたちが殺した監視隊の遺体を発見し、逃げ出した坑夫たちを追跡することにします。

2-7. プリースティスのメッセージ

 ドクターはオカを発見します。
 クセニアが回復し、ドクターとMon3trはオカが見つかった坑道に入りました。監視隊も坑夫もいなくなっており、坑道には誰もいません。ドクターたちはコロッサル主鉱脈の枯渇とオカの出現を知ります。
 オカは重力に逆らって逆流する性質があり、坑道の中で静止しているように見えます。オカが発する周波数を聞き分け、ドクターは「弁論」というメッセージを受け取りました。これでプリースティスの関与を確信しました。ドクターへの挑戦状と考えられ、コロッサル主鉱脈を枯らしたのもテラに対する攻撃のように感じられます。
 変異裂獣が襲ってきました。体内の源石がオカに触れたため、急速に人間に近づき、前足が人間の腕のようになっています。Mon3trは源石の拡張に苦しむ裂獣の息の根を止めてあげました。 

2-8. 坑夫たちの救援

 ランキンについていかなかった坑夫たちについて。
 ビーコンの残した情報を辿り、アーミヤたちはついにレイディアンとの合流を果たします。久しぶりの再会となります。
 レイディアンはランキンについていかなかった坑夫たちをサポートしていました。ロドスは彼らを助けようとします。ランキンは火事の犯人であるホーリーを処刑し、レユニオンの農場目掛けて旅路を再開していました。
 アロイジウスはロドスに提案を持ち出します。彼女は変異感染者の情報や、ロドスからの協力を欲しています。残った坑夫たちを助けるために、彼らを虐殺の証人として生かす道を考案しました。虐殺の実行犯である第四軍やエリザベト女大公はウルサス皇帝に敵対しているため、サンクト・グリファーブルグに行けば坑夫たちは皇帝側の勢力に守られると言うのです。
 また坑夫たちに医療支援を提供する組織として、ロドスの介入を許可してもらうことも狙います。レイディアンは昔ウルサス第三軍にいたことがあり、この国が感染者にどれだけ厳しいかを知っているため懐疑的でしたが、ロドスはアロイジウスを信じ、この提案を受け入れることにしました。
 坑夫たちを連れ出そうとしたとき、また別の問題が発生しました。ナディアが彼らを縛り付けて動けなくしているのです。マントラはナディアの正体が佯狂者だと見破り、佯狂者もまたマントラの能力の異質さに気付きました。マントラは「以前私になるはずだった」とまで言われており、佯狂者と非常に近しい能力を持っているようです。

2-9. マントラ vs 佯狂者

 マントラのバトルです。
 佯狂者がナディアの姿をしていることには理由がありました。両親を亡くして悲しみの底にいたヴェトチキの存在です。彼女が願う限り、佯狂者はナディアの姿を得ることができます。
 幸いにもヴェトチキは完全に洗脳されたわけではありませんでした。マントラは彼女に働きかけ、真実を思い出させます。祖母は以前に亡くなったはずではないかと。勇敢なヴェトチキは辛い過去へ向き合います。
 操られている坑夫たちを助けるため、マントラは彼らにも真実を教えようとします。皇帝の利刃を殺したのは自分たちではないだろうと。佯狂者のことを信じる人が1人でもいれば存在が確立するのですが、ヴェトチキは鐘を鳴らして坑夫たちの目を覚まさせ、ナディアへの擬態は融けました。
 佯狂者はマントラを眠らせようと彼女の記憶を探りますが、マントラの精神は強靭でした。佯狂者にかける期待を持ち合わせていない彼女は、佯狂者の能力を寄せ付けませんでした。残念ながら殺すことはできず、佯狂者はどこかへ去っていきました。これで坑夫たちも動けるようになり、サンクト・グリファーブルグへの旅が始まります。

2-10. エフゲニー元帥の圧力

 ウルサス第四軍が動き始めます。
 エリザベト女大公のもとに、第四軍の将校がやってきました。トップであるエフゲニー元帥の使いとして、交渉をしにきたのです。
 第四軍はこれから反乱を起こした感染者を鎮圧するという名目で軍隊を動かし、サンクト・グリファーブルクに迫ろうとしています。昔からエリザベト女大公は第四軍と良好な関係を築いており、今回は黙認しておいてほしいというのが第四軍からの要請でした。
 エリザベト女大公はエフゲニー元帥の父親を知っています。テラ歴1070年代のウルサス大反乱において、第四軍はウルサス皇帝に歯向かった逆賊側でした。粛清の窮地に立たされていたところ、エフゲニー元帥の父親は上手く切り抜けたのだそうです。
 今回、若きエフゲニー元帥率いる第四軍は、再びウルサス皇帝に反旗を翻そうとしています。その性急で危険な判断を、エリザベト女大公は心配していました。しかし後のアロイジウスの調査で、女大公がわざと第四軍に情報を漏らしていた可能性も指摘されており、彼女の強かな戦略が垣間見えます。
 第四軍はサンクト・グリファーブルク近郊に軍隊を構え、武力で議会を脅して自分たちの言うことを聞かせたいのだと思われます。源石鉱脈の枯渇が他国に知られれば、ウルサスは攻め込まれてしまう。生温い対応は許さない構えなのです。
 エリザベト女大公のウィークポイントは、皇帝の利刃が自領内で殺されてしまったことです。エフゲニー元帥はこの件を上手く処理できるというアメをちらつかせ、最後にはエリザベト女大公は要求を呑むことにしました。一般人が巻き込まれるような一線を超える対応は避けてくれというのが女大公からの要求でした。坑夫たちは例外です。


2-11. 第四軍の侵略

 ウルサス第四軍が侵略を開始します。
 大軍団が北西方向からクライニ・セーヴェルへ進軍してきました。ドクターたちにも赤い警告灯が見えるようになります。オカの調査を終えたドクターたちは鉱区研究所に戻り、残されていた軍用の通信設備を使って他の軍隊とレイディアンに情報を発信しました。
 ここで発信されたのは、源石鉱脈が枯渇しはじめたことと、クライニ・セーヴェルに軍隊が介入して情報を封鎖しようとしていることです。発信位置を特定した第四軍が迫りくる中、ドクターたちは急いで逃げ出します。
 レイディアンがドクターからの情報をキャッチしました。一緒にいる坑夫たちは重要な証人です。アロイジウスは自分がロドスと接触する任務を帯びていることを明かし、提案した計画に沿って坑夫たちを脱出させようとします。彼女があらかじめ用意していた車両がネヴァ湖の南西岸に停めてあり、坑夫たちを安全な場所まで避難させる計画をロドスに伝えます。
 レイディアンはまだ信用しきれない様子でした。アロイジウスはウルサス軍が使っている通信帯域を彼女にバラし、軍の通信を傍受できるようになりました。これでロドスは情報の面で優位に立つことができ、レイディアンの信用も得ることになります。


2-12. ネヴァ湖の死闘

 ネヴァ湖での決戦の様子です。
 ウルサス第四軍は、各地の鉱区を掃討し、坑夫たちを反乱分子として粛清していきました。サンクト・グリファーブルクに銃口をつきつけ、ウルサス議会と交渉しようとしています。
 レイディアンは引き続き通信を傍受しつづけ、虐殺の様子を一緒にいる坑夫たちに伝えました。第四軍の足音が目前に迫る中、ヴェトチキは口封じされる前に虐殺を多くの人に伝えるべきではと主張します。多くの人に向けた広域通信を使うと自分たちの位置がバレてしまうのですが、マントラもこれに同意し、一緒に虐殺の事実をウルサス全土へ伝えました。
 第四軍はヴェトチキたちを殺さずに西へ西へと追い立てていきます。サンクト・グリファーブルクへの進軍理由にするためです。ネヴァ湖の西岸からはサンクト・グリファーブルクの守備範囲に入るため、アロイジウスが用意した撤退用の車両まで辿り着けるかどうかが勝負でした。
 先行部隊が車両に到達した頃、しんがりにいた坑夫たちは火を持って引き返し始めました。自分たちの命をなげうち、仲間を生き残らせるためです。1人でも生き残りがいれば口封じは失敗。それ以上に、坑夫たちの心はウルサスへの怒りに燃えていました。
 同行していたアーミヤは彼らの身を焦がすような怒りに同調。蒼き怒火を発動し、特大の炎で壁を作って第四軍の砲弾を防ぎました。
 ドクターとMon3trとクセニアは、リュドミラのトラックに乗ってネヴァ湖に駆け付けました。「幕開く者たち」を経て、シラクーザからはるばるトラックを走らせてきたのですね。リュドミラはチェルノボーグ研究所で働いていたイリヤの娘。彼女もまた、因縁の地ウルサスに舞い戻ってきたのでした。


2-13. 事件後のアロイジウス

 一連の事件が終わったあと、アロイジウスがヴィッテに報告を上げていました。
 今回アロイジウスが経験したことは、報告書にまとめられヴィッテやウルサス皇帝に伝えられることになりました。ウルサス当局の今後の動きに注目です。
 報告に目を通したヴィッテは、ロドスの力は利用できるかもしれないと述べます。アロイジウスもそれには同意していましたが、彼に隠していたことがありました。ドクターたちからケルシーが生き返る可能性があることを聞き、アロイジウスも石棺について知っている情報を教えてあげたのです。ロドスの石棺の探索に道が開けたのではないかと思われます。
 佯狂者の行方はわからぬまま。ただ、ヴィッテは佯狂者は負の遺産であって、ウルサスにはもう必要ないと言っていました。彼は新しいウルサスを望んでいます。佯狂者が今後のストーリーに絡んでくるかは未知数となりました。
 ロドスやアロイジウスの決死の働きにより、ヴェトチキたち坑夫は生き残ることができました。ウルサス全土に声が届き、民衆たちは不安に駆られるようになりました。現ウルサス皇帝の改革政策のほころびを暴いたのです。
 ウルサス第四軍は思い通りの進軍を果たしたものの、鉱脈枯渇の情報は隠蔽しきれず、ウルサスが大きな弱みを抱えたことを他国が知ることになるでしょう。国際情勢がどのように動いていくのかも注目です。


2-14. 各軍の動きと学生の反抗

 一連の事件を受けて、ウルサスの各軍は独自の動きを進めていきます。
 ウルサスには第一軍から第九軍までの九つの軍があり、それぞれが独自の意志を持って動いています。今回の事件を受けて、様々な思惑が動き出しました。
 第一軍はウルサス中部のいくつかの大学で強制的な徴兵を実施。大きな戦いに備えて兵力を増強しようとしています。学生たちは血みどろの抵抗を行いました。 
 ウルサス皇帝に近い立場をとっているのが第二軍と第七軍です。サンクト・グリファーブルクからの出動要請がかかりました。
 1070年代の大反乱の際、反逆を主導したのは第六軍と第八軍でした。殲滅されて解体されたので、いまは欠番になっています。他に逆賊側に回っていた第三軍と第四軍は辺鄙な国境地帯に派遣されました。
 第三軍は生産が停止していた北方の採掘場を再稼働しました。中部地区に目を向けるような動きをしているとのことで、隙あらばサンクト・グリファーブルクに攻め込んでくるかもしれません。第四軍は引き続き違法な駐留を続けており、ウルサス皇帝や議会にプレッシャーをかけています。
 メイン15章でウルサス学生自治団のメンバーが故郷ウルサスに戻る計画を立てていました。今回はロサとアブサントが登場し、サンクト・グリファーブルクにいるソニアに手紙を出していました。
 各地の学生たちが激しい抵抗活動を行っています。帝国議会に忍び込んだ学生は、落書きをして抵抗の意志を示しました。「勝者は誇示のため、敗者の紋章を収奪した。もし我々がそれを捨て去ることができなければ、勝者は永遠に敗者の影に覆われるだろう。」というヤーコフ・ペトロフの言葉を引用しました。ウルサスはヒッポグリフ帝国を打ち倒して建国されたわけですが、奢りを捨てなければならないという意味だと解釈できます。
 

2-15. レユニオンの農場

 レユニオンの様子を見ていきます。
 ランキンと彼についていくことにした坑夫たちは、ヴォルグラード鉱区の地下に入りました。彼は昔ウルサスの各鉱区をトンネルで繋ぎ、坑夫たちの団結を呼びかけたことがありました。彼の呼びかけは遠くまで広がり、この地にも繋がっていたのです。
 トンネルの先では1000人近くが地下で暮らしていました。ランキンは一緒にレユニオンの農場へ行こうと呼びかけます。ランキンの名を知っている人もいて、一部の人が協力してくれることになりました。
 サンクト・グリファーブルク周辺は警備が厚いため、トンネルを伝ってネヴァ湖まで進み、哨戒所を占拠する作戦を立てました。兵力は100人以下のため、坑夫たちだけでも勝てると踏んだのです。
 戦闘はランキンの読み通りに進み、救援信号を出す前に兵士は壊滅しました。しかしランキンは負傷し、部隊からおいていかれます。ストーリー中では彼がどうなったのかは明かされなかったのですが、ヴェトチキのモジュールテキストでは戦闘後の傷が原因で亡くなったと書かれていました。
 生き残った坑夫たちは国境に辿り着き、レユニオンに保護されました。彼らはタルラに向かい、クライニ・セーヴェルでウルサス軍から虐殺に遭ったことを伝えます。
 レユニオンの農場は2年に渡り運営されてきました。ヴィクトリア戦争が終わり、サルカズがカズデルに引き上げた1099年、レユニオンもロンディニウムを離れてこの地に辿り着いていたのですね。試行錯誤の末に自給自足が可能になり、感染者の人数も増えていました。タルラたちを信頼したのです。
 レユニオンの元には、ウルサスの情報は断片的にしか届きません。タルラは真実を知りたがっていました。彼女が頼りにしていたのがチェンです。彼女は現在もレユニオンに協力しており、外から情報を持ち帰ってくる役目を果たしているようです。アーミヤにも手紙を送っており、ロドスのために戦う意志も見せていました。タルラはこれから感染者をつれてウルサスの戦いに身を投じていくことになりそうです。
 コシェルナはコシチェイ公爵の代わりとなる不死の黒蛇の依り代です。サンクト・グリファーブルクで教師を務めていたのですが、今回の事件のあとで鉱区に旅立ち、そこで坑夫たちに読み書きを教えていました。鉱区で何か企みがあるのでしょうか。
 ヒアダもクライニ・セーヴェルにやってきていました。この地の感染者と出会い、変異感染者にすることで苦しみから救っていました。オカに触れて変異感染者になった人もいるようですが、ヒアダに処置された人も混じっていたのかもしれません。彼女がウルサスでどういう立場になっていくか、予測不能のため目が離せません。



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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 聖山降臨1101 編

 2026年4月14日から開始されたイベント「聖山降臨1101」のストーリーを整理していきます。

1. 過去整理

1-1. 千~数百年前:イェラガンド信仰の誕生

 イェラガンド信仰から始めていきます。
 約1000年前、いまのイェラグにあたる場所に人は住んでいませんでした。外からこの地に辿り着いた人々は限られた資源を奪い合います。山のように大きな巨獣が寝ていたのですが、うるさくて起こされてしまいました。
 巨獣は人々に食べ物などを恵み、大地の資源を平等に分け合えと命じます。人々は巨獣を敬い、敬意をこめてイェラガンドという名を与え、指導者として仰ぎました。イェラグという国の誕生です。ウルサス族はペイルロッシュ家に、フェリーン族はシルバーアッシュ家に、ザラック族はブラウンテイル家となり、それぞれの領地を治めました。
 巨獣の代理人であるヤエルは人の姿でイェラグの民と交わり、人々の美徳を知ります。生命とは何か、生きる意義とは何かも人々から学んでいきました。人類からすれば巨獣には凄まじい力と長い寿命を持ちます。しかし巨獣は神ではありません。テラに元々住んでいた1つの命に過ぎず、あらゆる物事を支配できるわけではありません。
 数百年前、イェラガンドは再び眠りにつきました。指導者を失った三大名家は争い合うようになり、国の秩序が乱れました。宗教家たちはイェラガンドの降臨を願い、若い女性を巫女として生贄に捧げていきました。たくさんの巫女が祭壇で氷漬けになったころ、ヤエルは目を覚まし、再び争いを止めました。多くの巫女が宗教家のウソに従って犠牲になったことに胸を痛め、祭壇を封印しました。 

1-2. 約20年前:オラファー夫妻の列車事故

 時代は一気に下り二十数年前の陰謀について。
 当時のシルバーアッシュ家の当主オラファーとその妻のエリザベスは列車事故で亡くなりました。イェラグの近代改革を推し進めた2人は様々な人の恨みを買っていたため、謀殺を疑われ、濡れ衣を着せられたエーデルワイス家はヴィクトリアに亡命する羽目になりました。
 今回ようやくこの事件の真相が語られました。オラファー夫妻を殺害したのはブラウンテイル家のアドソ。当時の当主はルカ・ブラウンテイルでしたが、その従兄であるアドソは蔓珠院に送り込まれていました。ルカが三家会議を、アドソが蔓珠院を制御することでブラウンテイルの時代を築こうとしていたのです。
 オラファー夫妻はアドソに呼び出された際、陰謀に巻き込まれることを予期していました。しかし彼らにはイェラグを一歩前へと進めてくれる仲間が必要で、ブラウンテイル家に少しだけ期待をかけていました。一方ルカの方もオラファーが譲歩してくれるなら平和的解決もあり得たと言っていたのですが、両者の思惑は一致しませんでした。
 アドソはこの事件を巧妙に隠し通し、長らく蔓珠院で働き続けていくことになります。


1-3. 約10年前:カスターとエンシオディス

 エンシオディスがカスター家のパーティに参加したときの出来事。
 両親が亡くなり、エンシオディスは若くしてシルバーアッシュ家の当主になりました。彼はヴィクトリアに留学し、イェラグを強い国にする方法を探し回りました。
 その手段の1つがカスター公爵とのパイプ作りです。彼から見るとカスター公爵は祖父母の兄弟。カスター公爵は自分の姪にあたるエリザベスのことは覚えていました。エンシオディスはカスター家で開かれた社交パーティに出向き、公爵の注目を得ることに成功します。
 彼はイェラグを強化するため、カスター家との対等な取引を持ち掛けました。イェラグの豊富な資源と、ヴィクトリアの工業力を交換したいという取引です。
 当時のテラ全体におけるイェラグの知名度は低く、カスター公爵は源石回路も普及していない遅れた国だとみなしていました。実際その認識に大きな間違いはありませんでした。エンシオディスは今後30年以内にテラの一大勢力にしてみせると息巻いていました。
 一方ヴィクトリアは強国であり続けていたものの、エンシオディスは行き詰まりを予言していました。公爵たちの国内での争いが、国を停滞させるだろうと。ヴィクトリアとは異なり、イェラグは団結力をもって逆境を跳ね返すと言っていました。
 このあとノーシスやデーゲンブレヒャーの協力も得て、カランド貿易は徐々にヴィクトリアとの交易を広げていきます。

1-4. 約10年前:二重スパイのカロリン

 今回のイベントの裏の主役、カロリンの過去を見ていきます。
 カロリンはヴィクトリア出身。幼いころから大地の法則に興味があり、研究者の道を志しました。ヴィクトリアの王立科学アカデミーに入学し、クルビアに留学に行くところまでは順風満帆でした。ヴィクトリアの諜報機関に声をかけられるまでは。彼女はヴィクトリアの諜報員になりました。
 留学していた時から、カロリンはクルビア政府の機密文書を盗み出すことに命を懸けてきました。本人はあまりやりたくなさそうだったので、弱みを握られていたか、お金の問題だったか。
 アカデミーを卒業後、彼女はライン生命に入社。研究員として長く働いていきます。
 どのタイミングだったかはわからなかったのですが、カロリンはマイレンダー基金からも接触を受け、二重スパイになりました。彼女は研究が好きだったので、心はクルビア側に傾いていったと思われます。

1-5. 約2か月前:ライン生命の観測所

 イェラグにできたライン生命の観測ステーションについて。
 「銀心湖鉄道」のラストで検討が開始されたライン生命のイェラグ観測所。1年数カ月が経過し、本格稼働がスタートしていました。クリステン元統括がぶち抜いた星のさやを研究する拠点です。安全性に疑問はありましたが、サイレンスは科学倫理委員会のトップとして承諾を出しました。源石濃度が低いので、生物研究も捗るとミュルジスは嬉しそうでした。
 カロリンは星のさやの研究プロジェクトの中心人物になりました。ライン生命での彼女の社内評価は良好です。カロリンはプロジェクトメンバーにエレナを誘いました。エネルギー課のエース研究員として有名だったからでしょう。上司だったフェルディナンド主任が「孤星」で逮捕されてしまい、一時的にライン生命を離れてロドスに滞在していたときのお誘いでした。
 イェラグの折衝担当はノーシスでした。イェラグはライン生命のために道路の舗装などを行い、見返りにライン生命は薬品開発研究に協力することになりました。
 同じ頃、カスター公爵の動きが活発になっていきました。ロンディニウム戦争の終結にあたり、ウェリントン公爵がターラーを独立させて敵対。資源の確保が急務になったためです。イェラグを無血で併合できないか可能性を探るために、大量の工作員がイェラグに送られました。
 カロリンに白羽の矢が立った経緯は不明でしたが、彼女にもイェラグを探る任務が与えられました。「銀心湖鉄道」グレーシルクハットが報告していた、イェラガンドの庇護とやらが本当にあるのかカスター公爵は気になっていたのです。カロリンは外勤調査をするといってイェラグをあちこち探索していました。


2. イベント時系列

2-1. 隕石落下と天災

 ここからテラ歴1101年、イベント時系列に入っていきます。
 「聖山降臨1101」の事件の起点は突然空から落下してきた隕石にありました。この謎の物体はイェラガンドになんらかの影響を与え、千年もの間防ぎ続けてきた天災が発生し、代理人のヤエルは姿を消しました。
 カロリンは偶然隕石の落下を目視で確認。観測データを書き換えて隠蔽します。また天災が起こることも予期し、雪崩で多くの人が犠牲になってしまうのではと危惧しました。彼女は雪崩に飲み込まれるリスクのある駅に向かい、「爆弾が仕掛けられている」と叫ぶことで被害を軽減します。それでも死傷者や感染者をゼロにすることはできませんでした。
 カロリンはイェラグの様々な場所を調査していたため、軍事立ち入り禁止エリアに入ってしまっていました。カランド貿易とブラウンテイル家は共同でカロリンに目をつけ、メンヒが張り付いてマークしていました。2人は雪崩に巻き込まれ、カロリンをサポートする工作員に助け出されたようでした。
 ドクターはイェラグで天災が起きたという知らせを聞き、トラブルが起こるだろうと推測します。しかしメイン15章でロドスが滅茶苦茶になり、ドクターが自らイェラグに来ることは叶いません。「風雪一過」「銀心湖鉄道」の際にイェラグ入りしていたSharpが今回も派遣されました。 

2-2. 巫女の聖巡

 イェラグは外側と内側の両面から攻め込まれていきました。
 天災をきっかけにして、ヴィクトリアの動きが活発化していきました。ヴィクトリア大使はイェラグに物資を提供し、医療チームと秩序維持部隊を送り込んできました。指揮していたのはハロルドでした。エンシオディスとしてはスパイが増えることはわかっていましたが、表立って断る理由がないため受諾しました。スパイが内部崩壊を引き起こそうとしているのを、エンシオディスは止めねばなりません。
 ライン生命は攻撃の材料にされました。スパイに扇動され、民衆の不信感が高まりました。ライン生命に研究をする以外の目論見はないのですが、カロリンが悩みの種です。
 ヴィクトリアスパイは蔓珠院に取り入り、修道士たちと手を組みました。「聖山降臨1101」の冒頭で先代の大長老が亡くなり、アドソが後釜になりました。アドソは部下の修道士たちの内通に気付いていましたが黙認します。彼はエンシオディスの改革に反対の立場をとり、ヴィクトリアと戦わせて疲弊させ、蔓珠院の地位を取り戻したいと考えていました。
 アドソにとっては巫女のエンヤも邪魔でした。公の場では巫女とエンシオディスは対立することが多いですが、兄が困ればエンヤは助けるだろうと考えたためです。天災に対処するためエンヤが過去の記録を調べている時、アドソはそれを助けつつ、「聖巡」をすべきだと誘導しました。
 「聖巡」はイェラガンドの赦しを得るために巫女が行う儀式。護衛をつけず、持ち物を持たず、イェラグの山々を巡るのだそうです。冬は環境が厳しすぎて前例がないのですが、エンヤの意志は強固でした。
 エンヤはエンシオディスを呼び、久しぶりに兄妹水入らずで意見を交換しました。エンヤはカランド貿易の進める変革が必要であると認めており、一方でエンシオディスも信仰が果たす価値を認めていました。民衆の心を和らげたいということで2人の意見は一致しており、エンシオディスはエンヤの「聖巡」を承諾しました。

2-3. 三家への襲撃

 蔓珠院とヴィクトリアスパイの動きが過激化していきます。
 エンシオディスとアークトスは早朝から蔓珠院に呼び出されました。エンシアが代わりに出向いたところ車が事故に遭い、デーゲンブレヒャーに救出されます。アークトスも落石に巻き込まれ、グロがケガをしてしまって怒り心頭に発します。
 襲われたのがシルバーアッシュ家とペイルロッシュ家だけだったため、アークトスは短絡的にブラウンテイル家の犯行を疑いました。しかしラタトスには動機がないとエンシオディスに諫められていました。
 ヴィクトリア大使はブラウンテイル家をさらに孤立させようと接触してきます。ラタトスはこれを逆手に取り、アークトスを罠にかける計画を持ち掛けました。
 「聖巡」中のエンヤもヴィクトリアスパイに襲われました。三家を分断するため、スパイはペイルロッシュ家の装備をつけていました。たまたま狩人のジョアンナが助けてくれたのでエンヤは軽傷で済みました。エンシオディスの改革で狩人たちは困っていると怒りを露わにしていましたが、根が優しいジョアンナは結局エンヤに同行してくれます。

2-4. ラタトス死亡?

 ラタトスの作戦を見ていきます。
 アークトスの元にラタトスから招待が届きました。襲撃の真相をエサにしたため、罠だとわかっていてもアークトスは逃げませんでした。ここまでラタトスは計算済みだったことでしょう。
 ラタトスはヴィクトリアスパイと協力してペイルロッシュ家を倒すフリをしていました。実際はペイルロッシュ家を守り、スパイを炙り出そうとしていたのです。待ち伏せをしていたスパイはブラウンテイル家とペイルロッシュ家の衛兵によって一網打尽にされました。
 一方ラタトス本人はスパイの爆撃で殺されたフリをしました。かなりバレバレの演出だったかと思うのですが、一応誰も気付いていなかったことになっていました。双子を出産したばかりのスキウースが大役を担うことになりました。これにより、ヴィクトリアとブラウンテイル家が内通しているという嫌疑が晴らされ、スパイを捕まえることができ、三家がいがみ合っている場合ではないという雰囲気も醸成することができました。
 捕まえられたスパイは、対外窓口を担っているシルバーアッシュ家が預かるべきだとマッターホルンが主張したのですが、蔓珠院のフレイ修道士が割って入ってきました。内通しているスパイを守るためですね。「風雪一過」の際に三家は巫女に主権を奉還したため、蔓珠院の強固な姿勢には抗うことができません。最終的に被害者家族であるスキウースが了承したため、スパイへの追及はここでお終いになりました。

2-5. エレナのひらめき

 エレナはカロリンの行方と、天災の原因を探っていきます。
 天災前日の観測データに違和感を覚えたエレナは、実験室のレコーダーから観測データを再現するという離れ業をやってみせます。空から何かが降ってきた可能性に思い当たり、落下点を探りにいこうとしました。ミュルジスも一緒にいたのですが、彼女はエレナの単独行動を見逃してくれました。
 イェラグの地形を把握するため地図が必要だったのですが、この国には一般的な地図がありません。そのような情報や知識は蔓珠院が独占しています。エレナはこっそり書庫に忍び込むのですが、同じく経典を調べようとしていたエンヤに遭遇します。ジョアンナも一緒でした。
 なぜ千年もの間イェラグに天災は起きなかったのか。エレナは特殊な源石鉱脈が力場を作って天災を防いでいた仮説を提唱。空からの落下物が鉱脈に直撃したのではないかと考えます。この説は後に間違いだったことがわかるのですが、落下地点と予想された採掘場に3人は向かうことにしました。この採掘場はカジミエーシュが出資しており、イェラグと共同で採掘事業を行っています。
 駅で雪崩に遭遇したあと、カロリンは隠れ家でメンヒとともに息をひそめていました。メンヒは拘束されていましたが、カロリンは彼女に危害を加えるつもりはありませんでした。

2-6. カスター公爵の焦り

 進まないイェラグ攻略に、カスター公爵は焦りを感じ始めました。
 イェラグの調査を担当しているベリンガムがカスター公爵のもとを訪れました。内通者が提供した共同採掘場のデータを分析すると、鉱物資源や資金の流れにおかしな点が見つかり、ベリンガムはここがカランド貿易の軍工場だと見破ります。カスター公爵はイェラグに圧力をかける上で、エンシオディスが想定以上の軍備をしていないかどうかを気にしており、ベリンガムには調査の継続を命じていました。
 該当の共同採掘場はエレナたちが向かっているものと同じ。カスター公爵としては秘密の武器製造を止めつつ、自分らが鉱物資源を得るためにこの採掘場を奪いたいと考えました。カジミエーシュ商人と交渉中のフィリッパに指示を飛ばし、手を引かせようとします。このあと株式を取得して正式に手中に収めていました。フィリッパはカスター公爵の血縁者であることはわかりましたが、それ以上の関係性は不明でした。
 報道と世論担当のデレックもカスター公爵のもとを訪れましたが、彼は怒られていました。イェラグに関するネガティブなニュースを抑え込めていないのです。現在イェラグに入国している報道担当のリストを公爵に渡していました。
 リストに載っている記者の1人がアルバータでした。彼女は正義感に溢れる人物で、公正な視点から報道を行っています。カスター公爵から見ると彼女が邪魔です。
 アルバータは引き続き精力的に取材をしていました。アドソに一連の事件について聞いたところ、元凶は信仰を変化させたエンシオディスだと断言していました。取り返しのつかないことになる前に変革を止めたいと。保守的な人々はアドソの言葉を支持します。
 カスター公爵からすると蔓珠院はただの使い捨ての駒。工作に使っても良いが、エンシオディスからはバレているだろうという見方をしていました。それは間違いではありませんでしたが、蔓珠院には蔓珠院なりの意志があるのです。
 カスター公爵はカランド貿易宛てに手紙を送りました。出資の提案が記載されており、当然イェラグには不利な内容でした。エンシオディスからすると宣戦布告に近いような厳しい内容だったとか。逆に言うとそういう圧力をかけなくてはならないほど、カスター公爵も追いつめられているということです。

2-7. カロリンの逃亡

 カロリンの逃亡劇と、それに付随する出来事を見ていきます。
 エレナが立てた仮説に従い、彼女たちは共同採掘場に向かっていました。しかしカスター公爵の命令でヴィクトリア大使たちも同じ目的地を目指しており、迂回せざるを得ませんでした。
 ヴィクトリア大使は共同採掘場が軍工場になっているのではということで、調査に入りました。ノーシスは色々と理由をつけて調査を拒むのですが、蔓珠院の修道士が来たため抗えなくなりました。三家は巫女に逆らえないためです。
 ヴィクトリア大使が調べた倉庫の中には、武器を製造しようとして失敗した形跡のみが残されていました。かなり大きな倉庫だったため、何かがあったことは明白であり、大使としては大体予想通りの結果でした。明言はされていませんでしたが、カランド貿易は事態を察知して先んじて武器を運び出していたのかもしれません。もっと大事なものをカモフラージュしなくてはならなかったため、ミスリード成功でした。
 エレナはノーシスに手紙を送っていました。空からの落下物が、イェラグを天災から守ってきたバリアを破壊した可能性があるという内容です。彼はすぐにエンシオディスにも伝えていました。
 ノーシスはヴィクトリア大使たちを見送ったあと、採掘場の鉄道の前で待ち構えていました。スパイが国から出る際に、鉄道を使うだろうと予想したのです。
 カロリンはカスター公爵の部下から、鉄道を使って外に出る計画を聞かされていました。蔓珠院の修道士が迎えにきて、彼らは鉄道に乗ったのですが、カロリンは途中で降ろされました。イェラグ側にバレていると把握していたのでしょう。身代わりとなった修道士はノーシスに見つかり、おとなしく捕まりました。蔓珠院が外敵を助けた証拠として、修道士は蔓珠院に送還されました。
 カロリンは徒歩で国境を越えようとして、ヴィクトリアの工作員に拾われました。彼女はイェラガンドが天災を防いでいたとする資料を作っていました。工作員はカスター公爵から、資料だけを持って帰ってこいと言われていました。つまりカロリンは処分しろという命令だったのです。
 するとマイレンダーの工作員も駆け付けてきました。マイレンダーと通じていることはヴィクトリア側も掴んでいた様子でしたが、マイレンダーの工作員たちは首尾よくカロリンを回収していきました。彼女はマイレンダーの方には空からの飛来物に関するレポートを提出し、イェラガンドの資料は投げ捨てていました。二重スパイというのは大変ですね。

2-8. エンシオディス vs アドソ長老

 エンシオディスとアドソの直接対決です。
 スキウースがエンシオディスを訪ねてきました。ラタトスが残した通信機には、カランド貿易との通信履歴が残っていたからです。彼女はメンヒの居場所を聞こうとしたのですが、蔓珠院の使者がやってきたため、エンシオディスは機転を利かせて住所のメモだけを渡してくれました。
 蔓珠院はエンシオディスの出頭を求めました。カジミエーシュとの共同採掘場をヴィクトリアに明け渡した件を尋問しようとしたのです。カスター公爵の策略であってエンシオディスの企みではなかったのですが、彼も蔓珠院に用事があったので従うことにしました。
 エンシオディスは資料を運ぶという名目で兵力を動員し、蔓珠院を包囲しました。アドソと対峙し、修道士たちがヴィクトリアの工作員と内通していることを裁こうとします。証拠を出せとアドソは開き直っていました。
 エンシオディスとアドソの対峙は膠着。アドソはエンシオディスを怒らせようとして、オラファーたちを殺したのは自分だと自白しました。エンシオディスは極めて冷静で、特に反応を示していませんでした。
 また蔓珠院は儀式があると称してイェラグの民衆を呼び寄せ、シルバーアッシュ家の包囲を崩そうとしました。デーゲンブレヒャーが民衆たちを食い止めていましたが、彼女には苦手な仕事でした。
 しばらく時間が経過し、共同採掘場でノーシスが現行犯で捕まえた修道士が運ばれてきました。カロリンの身代わりになった人物です。これによりアドソは言い逃れできなくなり、複数の修道士とともに逮捕されました。
 蔓珠院という手駒を失ったカスター公爵は、別の手段を使います。ニュースでエンシオディスがヴィクトリアに便宜を図っていると報道し、民衆を扇動しようとしました。
 アルバータは同僚が勝手に原稿や写真を調べていることに気付き、1人で逃げ出しました。隠れていたラタトスはアルバータをスパイと勘違いして捕まえるのですが、彼女はイェラグに対して協力的でした。グレーシルクハットが彼女の身柄を追跡してきたのですが、デーゲンブレヒャーがやってきて追い払ってくれます。

2-9. イェラガンドを探して

 エレナたちの冒険も佳境です。
 採掘場にヴィクトリア工作員が現れたため、エレナ、エンヤ、ジョアンナは迂回して目的地に辿り着きました。エレナの仮説ではここが源石鉱脈で、空からの落下物が墜落していたはずでしたが、どちらも間違っていました。異鉄の鉱脈であり、落下物は見当たりません。
 ジョアンナの助言で、エンヤは聖鈴を鳴らしてみました。エレナは鈴の音の周波数が、観測所で記録された異常データと同じであることに気付きます。聖鈴は山々が発する音を真似て作られたもの。観測された周波数は隕石が山にぶつかったときに鳴った音だと考えれば、答えは山の中の空洞にあることになります。エンヤはイェラガンドの隠れ家と呼ばれる場所に思い当たります。
 エンヤたちが山道を歩いていると、アドソと出会いました。彼はシルバーアッシュ家によって牢屋に入れられていたのですが、衛兵に聴悔者ユルゲンの話をして感銘を与え、牢屋から出してもらっていました。
 アドソは蔓珠院で膨大な書物を研究した結果、イェラガンドは実在しないという結論に至っていました。昔の言い伝えを修道士たちが改変しながら後世に伝えてきただけだと。一方エンヤはヤエルの存在を念頭に、もし実在が確かめられたら今後エンシオディスに手を出すなと伝え、2人は答えを確かめに行くことにしました。
 アドソは山奥の洞窟にエンヤたちを案内します。蔓珠院への反乱が起きた時代に修道士たちが隠れ家にしていた洞窟で、奥にはイェラガンドの彫像と、氷漬けになった過去の巫女が残されていました。数百年前にイェラガンドが再度眠りについた際、顕現を祈った巫女たちの成れの果てです。

2-10. イェラガンドの懐

 イェラガンドとの出会いです。
 アドソは祭壇のエリアに入ることを拒否しました。上述した"イェラガンドが実在しない"というのが彼の信念であるわけではなく、"実在すべきでない"というのが本音でした。彼は蔓珠院の業務でイェラグの貧民たちをたくさん見てきており、イェラガンドは真に苦しむ人を助けてくれない暴君だと思っているからです。
 洞窟の奥のイェラガンドの彫像があるエリアでは、エレナの観測機が生体信号を捕らえていました。目視でも洞窟全体が脈打つのが確認できます。科学を超える事態なのですが、彼女は自分たちがいま大きな生命体の体内にいることを認めていました。エレナはショックを受けていましたが、科学が踏み込めなかった領域の一端にいるのかもしれないとエンヤが元気づけてくれていました。
 イェラガンドは山のように大きな巨獣です。エンヤが彫像に触れたとき、エレナ以外の3人は幻覚を見ました。アドソはルカと、ジョアンナは彼女の父親と幻覚の中で出会います。そしてエンヤは過去のイェラガンドの記憶を見て、ヤエルと再会します。
 エンヤはイェラガンドのこれまでの歩みを理解し、この国の信仰の在り方を深く理解しました。イェラガンドが昔眠りから目覚めたように、もう一度ヤエルが戻ってきてくれることを期待していたのですが、彼女はこれ以上そばにいてあげられないと言っていました。以前ヤエルはずっとエンヤのそばにいると約束してくれていて、本人はそれを守るつもりでいたようなのですが、抗えない事情がある様子でした。
 エンヤが祭壇から戻ってきたとき、アドソは呆然としていました。彼もイェラガンドが実在することを悟ったのです。エンヤは巫女として、主に代わってアドソの不信心を赦してあげていました。

2-11. カスター公爵との交渉

 エンシオディスの戦いも大詰めです。
 カスター公爵はしびれを切らし、自ら大艦隊を率いてイェラグまでやってきました。エンシオディスはいまだに回答を寄越してきません。艦隊は雪山の入り口を包囲し、プレッシャーを与えます。公爵はエンシオディスへの抗議内容を公開書簡として掲示し、イェラグの民衆をさらに扇動しようとします。
 ノーシスとエンシオディスは艦隊を眺めていました。エンシオディスはカランド貿易のCEOの座をノーシスに譲り、交渉の舞台に向かいます。エンシオディスは自分が嫌われ役であるという認識でいましたが、君を支持するイェラグ人もいっぱいいるぞとノーシスは励ましてくれていました。
 「銀心湖鉄道」のラストで明らかになった、イェラグが製造する高速戦艦。完成したのはたった一隻だけで、エンシオディスはそれに乗りこんでカスター公爵の待つグロリアーナ号に向かいました。エンシオディスにとっての大一番が始まります。
 カスター公爵が提案してきた鉱物資源の共同開発の提案に対して、エンシオディスは彼なりの案を提案してきました。イェラグはカスター公爵が思っている以上に鉱物資源が豊富であるため、採掘に関与できる資源量を80%まで譲歩。その代わり、ヴィクトリアが採掘設備と技術訓練をイェラグに提供すること、軍人を立ち入らせないこと、収益分配をイェラグ側が決めること、という3つの追加条件を提示してきました。カスター公爵にとってはかなり不利なため、受け入れられるわけがありません。
 山中の砲門から強烈な砲撃が飛んできて、カスター家の高速戦艦のそばに着弾しました。エンシオディスは全艦隊を沈められるだけの砲門が狙いを定めていると告げ、カスター公爵に決断を迫ります。冷静に考えると、大艦隊を全滅させるには相当の数の砲門が必要であり、イェラグがそんな軍備を整えられるとは思えません。しかしカスター側は砲門の位置も規模も一切把握できておらず、本当にそうかもしれないという可能性を潰せません。
 砲門を製造して隠す仕事はヴァイスが担当していました。「銀心湖鉄道」以降、カランド貿易は高速戦艦を造るのではなく、防御のための砲門製造に全精力を傾けていました。神視点で見ている読者までも騙していたのですね。
 カスター公爵が強引にイェラグに攻め込んだとして、山中の砲門はグロリアーナ号を狙うでしょう。カスター公爵がイェラグなどという後進国に殺されたのだとしたら末代までの笑い物であり、ケガで済んだとしてもヴィクトリア国内向けの説明が難しくなります。自分自身でイェラグに来てしまったことを最大限利用され、窮地に陥りました。

2-12. 最後の祈り

 最後の決着のときです。
 蔓珠院ではギリギリの攻防が行われていました。アルバータとラタトスが捕まってしまえば、ヴィクトリアの記者が襲撃されたという事実でイェラグへの侵攻を正当化することができます。17人ものグレーシルクハットがアルバータに迫っていましたが、デーゲンブレヒャーは1人でそれを食い止めました。Sharpの到着が間に合い、彼女は救われました。
 イェラグの地に再び天災が迫っていました。いまこのタイミングだけは、天災の打撃を許容することができません。ヤエルが遠くにいってしまうことは受け入れた上で、エンヤは最後のお願いをしました。この天災だけは止めてくれと。ヤエルは願いを叶え、巫女は再び雲を割って天災を防ぐ奇跡を起こしました。
 天災雲が晴れるのを見て、蔓珠院に攻め込もうとしていたヴィクトリア軍は武器を捨てました。やはりこの地にはイェラガンドの加護があるのだと。アルバータはヴィクトリア工作員の所業をカメラに収めており、民衆を守るために自ら名乗り出てきました。カスター公爵の頼みの綱は切れました。
 天災が晴れたことを"最後の分銅"だとして、カスター公爵は諦めを宣言しました。エンシオディスが提示した不利な内容の契約書にサインし、領地へと戻っていきました。国にとって最も重要なのは「人」なのだとエンシオディスは勝ち誇っていました。今回の戦いも、彼1人の働きで勝てたわけではないですからね。
 ヤエルは消えてしまうようでしたが、完全に死んでしまったわけではなさそうでした。時がきたらまた会いましょうとエンヤに告げていたため、今後どこかで復活してくれるのではないでしょうか。
 去り際にヤエルは自殺しようとしていたアドソを助けていきました。イェラガンドと自分自身を欺いていたのが赦せないと言っていましたが、あなたが死んでもしょうがないでしょうとヤエルは言っていました。死をもって逃げるのではなく、生きて償わなくてはいけないという点ではヤエルなりの罰だったのかもしれません。

2-13. 隕石の調査

 事件から少し時間が経過し、隕石の本格調査が始まります。
 エレナはイェラガンドの祭壇での出来事から、巨獣に関する論文をまとめました。我々ロドスは巨獣関連の事件にいろいろと遭遇しているものの、テラの一般の認識では巨獣は神話以下の与太話です。様々な研究の突破口になる素晴らしい論文だとサイレンスも褒めてくれていましたが、エレナはこの論文をまだ発表するつもりがありませんでした。
 エレナはまだ巨獣に関して何も知らず、調べられる領域がたくさんあります。焦って未完成の状態で論文を発表する必要はないと考えています。以前の彼女でしたら手柄を積み重ねることに一生懸命でしたが、いまはもう自分の正しさを焦って証明する必要はないという気持ちになっていました。成長ですね。
 彼女は並行して隕石の落下地点を正確に計算し、ついにその未知の物質と相対することになりました。ライン生命の傑作たるパワードスーツを送ってもらい、自ら装着して隕石に接近しました。その結果、隕石の70%は未知の物質でしたが、残りの30%はエルフの体細胞と同じであることがわかりました。
 エルフ族の生き残りであるミュルジスも、これには首をかしげていました。なぜ宇宙から来た隕石にエルフの痕跡があるのか。歳の統合戦略やミュルジスの特殊コーデボイス等では、エルフが巨獣と関連しているという言及があります。エルフは今後重要な役割を果たしていくことになるかもしれません。
 隕石は亜音波を絶えず放出しています。それはなぜか古代イェラグで使われていた簡素な記号とそっくりだったため、エンヤは書物と照合することでこれを解読することができました。「滅びはすでに降臨した」。これだけを聞くと旧文明が滅んだことと関係がありそうですが、現時点では謎が多すぎて何が何やらという感じです。
 エンシオディスが去ったカランド貿易について、デーゲンブレヒャーとノーシスが会話するシーンがありました。ノーシスは黒騎士のためにポストを用意できると持ち掛けるのですが、彼女は断って出ていきました。デーゲンブレヒャーは騎士競技を追い出された自分を拾ってくれたエンシオディスに恩義は感じているものの、偶然同じ道を歩いていただけだと形容していました。彼女は次はどんな道を歩んでいくのでしょうか。
 ノーシスはエンシオディスがカランド貿易に戻ってこないだろうと最初から分かっていました。エンシオディスは最初から誰かに会長の座を渡すつもりだったため、彼がいなくなって困ることがないように整えていました。今後もイェラグにはいて、シルバーアッシュ家を導いていくと思われますが、特定の地位はありません。
 ジャクソン副大統領がイェラグを訪問するシーンがありました。今回の騒動をライン生命は無事切り抜けました。クルビアとしては引き続きイェラグと協力を続けていきたいとのことです。しかしクルビアはイェラグのすぐ隣にあるので、副大統領としては軍事面が気になる様子でした。他の中核国家との競争をするつもりがあるのかと。エンシオディスとしては、武力不足で競争を諦めることはないと宣言して構わないという姿勢でした。対外拡張をするつもりはないでしょうが、攻め込まれたら今回のように防衛するぞということでしょうかね。隕石の謎があるので今後もイェラグには注目が集まるのではと思われます。次の出番が楽しみですね。



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【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 墟 編

 2026年1月16日開始のイベント「墟」のストーリーを整理します。

1. 極東の基礎知識

1-1. 極東の歴史

 まずは極東の歴史から。
 「墟」はモンハンコラボ以来の極東が舞台となるイベントであり、極東の歴史や統治体制に初めて切り込む内容となりました。
 極東出身のオペレーターは今までも登場しており、極東がどんな場所なのかは情報がないわけではありませんでした。特にアカフユとキララのプロファイルにはまとまった量の言及があります。「墟」で語られた内容に加え、公式Youtubeの「INVESTIGATED TERRA」、さらに公式設定資料集「大地を巡る旅」の内容も参照し、極東史を簡単にまとめていきます。
 極東には様々な種族の人が住んでいますが、特徴的なのは鬼族でしょう。彼らの祖先は魔王クイロンだと言われていました。魔王の座を退いたクイロンはカズデルを離れ、東へ向かいました。炎国に残された彼の血族はアナサ族になり、極東には鬼族が残されました。
 サルカズ族の中でもブラッドブルードは血を飲むというように、鬼族にも特徴があります。それは怒ると理性を失うほど大暴れするという特性です。初期実装のマトイマルのプロファイルに、戦場で人が変わったようになると書かれていましたが、早くから暗示されていた特質と考えられます。
 大昔から極東を治める主は東皇(スメラギミ)と呼ばれています。長らく東皇を頂点とする体制が続いてきました。
 テラ歴400年頃に変化が起こります。鬼族の鬼菖蒲重一という人物をトップとした武家が国の支配権を奪ったのです。源頼朝封建制度を確立して鎌倉幕府を起こしたようなものでしょう。
 武家による支配は長くは続きませんでした。テラ歴600年頃には極東の統治権は北院と南院に別れ、それぞれ東皇を擁立して正統性を主張していました。鎌倉幕府が倒れた後、足利氏や後醍醐天皇を中心に南北朝の対立が起こった時代がモチーフとなっています。
 現実の南北朝時代は数十年程度で終わりましたが、極東はこれ以降ずっと南北に別れたままです。テラ歴807年には両院の東皇が「両国令」を出し、両者の正統性を認め合うことになりました。
 その後の大きなターニングポイントとしてはテラ歴1072年に起きた血峰の戦いでしょう。拡大主義をとるウルサスが極東に攻め込んできたのですが、予想外の力強い反撃に遭って敗走することになりました。これが原因の1つとなり、ウルサスは大反乱の時代を迎えます。
 極東国内も深刻なダメージを受けたものの、戦争は特需を生み、急速に経済が発展していきました。家電産業が発展し、不動産バブルが起こり、アニメやゲームといった独自の文化が育まれました。南北朝体制のまま日露戦争に勝って高度経済成長に突入した。ざっくり言うとそんなような国なのです。
 今回の「墟」はテラ歴1099年の出来事です。最新の時系列であるメイン15章などは1102年の出来事なので、少し時間が巻き戻っています。ドクターたちが出てこないので気にする必要はないのですが。


1-2. 北院と南院

 北院と南院がどんなところなのか簡単に見ていきます。
 北院の正式名称は北院光厳(こうごん)統。武家幕府の流れを引きます。中心地の鎖川(くさりかわ)は、お城のような作りだと言われています。
 極東には八つの名家があり、各方面に大きな影響力を持ちます。北院にあるのは、光厳家・黒衣家・帆足家・錦織家の4つ。「墟」でも名前が出てきました。
 源流が武家にあるため北側の方が軍備が強いです。アカフユは北院の武将です。
 北院はウルサスに面しているため、血峰の戦いでは大きな被害を被ったそうです。
 南院の正式名称は南院光元(みつもと)統。 公家体制の流れを引きます。中心地の御机(みつくえ)が「墟」の舞台であり、神社をベースにした都市になっています。
 南院の名家は光元家・九枝松家・叶家・金城家の4つです。
 シラユキは南院の出身です。キララも南院の人で、光元家の領土に住んでいました。南の方が経済が発展していると言われています。


2. 過去の出来事

2-1. 金石会の系譜

 イベントに繋がる過去のお話をみていきます。最初は金石会について。
 金石会は、社会に排斥された人たちが集まってできた暴力団です。南院御机の鍛冶町を拠点にしています。
 初代会長は須佐という人物で、ホシグマの父親です。鬼菖蒲の分家にあたるらしく、医療を生業にしていました。須佐も診療所を経営する医者だったそうです。
 テラ歴1073年、流れ者の悪鬼集団が金石会を襲撃。須佐の他、二代目会長の鉄斎の前妻や、その息子である哲也が殺されてしまいました。
 曖昧な描写しかありませんでしたが、須佐はこの戦いで鬼族の血が暴走し、哲也を殺したのは須佐だとする発言もありました。
 鉄斎は復讐をするために北院の帆足家から武器を購入。残忍な方法で復讐を行いました。彼は金石会の会長の座を引き継ぎます。
 その後、成長したホシグマは頭角を現し、金石会の若頭になりました。鉄斎は後妻を迎え、生まれた息子に再び哲也という名前を付けました。
 後妻は北院にルーツがありました。鉄斎を陥れるための陰謀で、彼女は北院のスパイの容疑をかけられます。鉄斎は金石会を守るために、後妻のことを切り捨てるしかありませんでした。
 哲也はそういう無慈悲な判断をする父に反抗し、親子関係は冷え込んでいきました。


2-2. 惟任議員候補の死

 金石会を揺るがすことになった議員候補殺害事件を見ていきます。
 テラ歴1078年、極東で初めての普通選挙制度に基づく議会が誕生しました。惟任という男性が立候補し、当選を目指していました。
 惟任候補は金石会の排除を公約に掲げており、鍛冶町の住人の支持を得ていました。金石会からすると死活問題のため、原田金兵衛は惟任を殺害してしまいます。
 金兵衛はホシグマは利用し、自らの罪を隠ぺいしようとしました。ホシグマに自分の手下をけしかけることで、彼女の暴走を誘引したのです。我に返った彼女の目の前には惟任の遺体があったため、自分が殺してしまったかもしれないと考えています。
 これを受けて鉄斎はホシグマに惟任候補殺害の罪を着せて金石会を守るとともに、裏ルートで龍門に送り出すことでホシグマの命を守りました。ホシグマに過度に肩入れしないことで、金石会での自らの中立性を示す意図もありました。このとき鉄斎は、自慢の武具制作の腕前を活かし、般若を持たせます。
 一方の金兵衛は事態収拾に奔走し、ホシグマの抜けた金石会を支えていきました。鉄斎の考えは古く、彼からすると頼りになりません。金兵衛は新しい時代に適合する力を求めていました。汚い手も使いながら、彼は表社会に地位を築いていきました。
 惟任候補の死は鉄斎や金兵衛によってもみ消されました。これに憤慨していたのが惟任候補の甥です。彼は刑事になり、叔父の無念を晴らしたいと考えています。


2-3. 金兵衛の躍進

 金兵衛は思わぬところから躍進の足掛かりを見つけます。
 鉄斎とホシグマが残した議員候補殺害という厄介事を処理する過程で金兵衛は金石会の中で力を示していきます。金石会が母体となっている金石グループという企業連合の実権を握るまでに躍進を遂げました。
 鉄斎は源石結晶の会社を営んでおり、源石回路を組み込んだテレビが主力製品でした。鉄斎自ら営業に出向くなどして手塩にかけて育ててきた事業だったのですが、金兵衛はこれを乗っ取ってしまいます。
 そのほかに芸能事務所やテレビ事業も相次いで成功させました。金兵衛が身を粉にして働いたという側面もあるのですが、加えて怪談がキーポイントになりました。
 金石会は一枚岩ではありません。金兵衛は議員候補殺害の件で島須という構成員に脅されていました。彼は島須を殺害し、遺体を須佐の診療所に投棄。これが偶然幽霊屋敷の怪談になります。
 金兵衛は同じやり方で佐野口という人物も殺害。テレビ局を使ってこれを幽霊屋敷の怪談として報道し、隠れ蓑にしました。怪談は人々の間でブームになり、金石テレビは大きく成長していくことになります。
 鉄斎は金石グループに対する影響力をほとんどすべて失い、いまは形ばかりとなった金石会の会長を務めています。せめてもの抵抗として、金兵衛が鍛冶町に立ち入ることを禁止しました。


2-4. 龍門に来たホシグマ

 極東を追い出されたホシグマの話です。
 国内に留まることができなかったホシグマは龍門にやってきました。仕事があるわけでもないので、彼女は龍門の裏社会の住人になります。腕っぷしの強さと面倒見の良さで徐々に存在感を発揮していきました。
 ホシグマの活躍は裏社会を支配するリン・グレイに伝わります。彼女はウェイ・イェンウに近衛局へと誘われ、警察官になりました。当時特別督察隊の隊長だったチェンとタッグを組み、龍門の治安維持に貢献していきます。
 ウェイの妻であるフミヅキは極東の姫でした。経緯は明らかになっていませんが、立場を捨てて龍門に来ていると思われます。ホシグマは同郷であると同時に、バイク仲間でもあり、何かと気にかけてくれています。
 周りの人に恵まれて、ホシグマの龍門での生活は充実したものになりました。極東を出て20年もの間、彼女は一度も故郷に帰ることはありませんでした。


2-5. 招き猫の獣主

 事件の裏には獣主の姿がありました。
 御机には獣主が何体か住み着いていて、極東の人々は神様と呼んで慕っています。八百万の神々が信仰対象である日本っぽい解釈ですね。
 物語の中でスポットライトが当たったのが招き猫の姿をした獣主でした。アークナイツ公式Xから出された情報でエンペラーと知り合いであることがわかったので獣主だと思われるのですが、人工物がベースになっているので違和感も残ります。
 獣主は自分の姿を見せたり隠したりすることができます。招き猫の獣主の姿を見た者には幸福が訪れると言われていました。しかし本人からするとそれは逆で、幸運を掴んでいる人を選んで姿を見せているのだとか。
 例えばイベント時点で有力な議員の座についている男性は、昔は親のすねかじりをしていました。20年前に招き猫の獣主の姿を見た日、鍛冶町のパチンコで凄まじい大当たりを経験。そのお金を元手に投資を繰り返した結果、議員の地位まで登りつめることができました。
 森内徹も同じような経験をしています。貧しい家で生まれ育ったのですが、招き猫の獣主が目の前に現れた日から生活が好転していきました。森内の方は友達が欲しいと望んでいただけだったのですが。
 有力な議員は自分の人生を変えてくれたパチンコ台を手元に置いておきたいと願います。鍛冶町を牛耳る金石会の金兵衛に命じ、パチンコ台を持ってきてもらおうとしました。しかしその命令だけをするのは恥ずかしいので、鍛冶町の開発を行うという大きな命令になりました。
 鍛冶町の土地を持っているのは鉄斎です。金兵衛はこの依頼を受けた時、鉄斎への復讐のチャンスがきたと捉えました。議員からしたらパチンコ台さえ持ってきてもらえば良かったので、まさかあんなに大事になるとは思ってもいなかったでしょう。
 成長した哲也は顔にマスクをつけています。暴力団の会長の息子なのに、表情が顔に出すぎるからだと、金兵衛に助言をもらったためです。鉄斎への反抗心が高じて、彼は金兵衛に従っています。金兵衛からしても扱いにくいらしく、とりあえず北院のスパイを捕まえろという雑な命令に従っています。
 哲也の友達に吉星がいます。彼女はとあるおばあちゃんに拾われて育てられました。そのおばあちゃんが営む雑貨店のお店の名前も吉星。店の手伝いをしつつ、鉄斎が持っているパチンコ屋の店番もしています。


3. イベント時系列

3-1. 幽霊屋敷

 ここからイベントストーリーの時系列です。
 ホシグマは鉄斎からの手紙を受け取り、鍛冶町に帰ってきました。しかし手紙を出したのは鉄斎ではなく金兵衛。般若を奪い、金石会の会長の座を無理やり継承しようと企んでいました。
 警察に捕まってしまったホシグマを金兵衛が助け出し、2人は鍛冶町で鉄斎に出会いました。鍛冶町へ立ち入ることを禁じられている金兵衛は、ケジメとして子分を殺し、自分の小指を詰めました。鉄斎はこれを演技であり脅迫でもあると捉えます。逆らえば同じ目に遭わせるぞと。
 ホシグマは実家に戻って寝泊りすることにしました。かつては須佐の診療所でしたが、金兵衛が怪談をでっち上げたため幽霊屋敷と呼ばれています。
 「墟」のもう1人の主人公格が羽生萌々香でした。南院の金城家の領地で生まれ育ち、両親を公害で亡くしました。本名や生い立ちを隠し、金石グループのプロデュースで怪談アイドルとして売り出しています。
 萌々香はロケで幽霊屋敷を訪れ、帰ってきていたホシグマに遭遇します。驚いた萌々香は刀を持ち帰ってしまいます。それは佐野口の刀で、金兵衛が佐野口を殺した証拠でもありました。真相がバレると困る金兵衛は焦ります。
 その晩、ホシグマは輪入道と呼ばれる怪異に出会いました。尻尾が鎌になっているイタチなので、カマイタチの獣主でしょうか。御机で起きる怪異は大抵が金兵衛が作り出したものなのですが、この獣主は本当の怪異を追い求めていました。幽霊屋敷の怪異の真相を確かめるべく、ホシグマの家に入り込んできたのです。


3-2. 萌々香の逃走劇

 追いかけっこが始まります。
 金兵衛は萌々香を始末することにしました。幽霊屋敷の真相が明らかになると困るためです。アイドルを引退に追い込めれば良いので、鉱石病にでもさせてしまえと澪に命令していまいした。
 澪は鉄斎に拾われて金石会に入った身で、いまは萌々香のボディーガードのような役目に就いています。金兵衛には逆らえませんが、萌々香に対して情を抱いており、悩ましい状況になります。とりあえず萌々香を追いかけることにしました。
 この2人の会話を更紗が盗み聞きしていました。更紗は北院錦織家の令嬢です。凄腕ハッカーのような技術を持っており、こっそりと家を抜け出して金石テレビで働いていました。萌々香を見ているうちにファンになったので、彼女を助けてあげることにしました。萌々香の家のテレビを乗っ取り、2人の会話を流して警告しました。映像が乱れたので怪奇現象のようになってしまいましたが、狙い通り萌々香は逃走を決意します。
 ホシグマは自分の家に侵入してきた輪入道を追いかけていました。逃げてきた萌々香と森内のおでん屋で合流し、金兵衛の追手からの逃走劇が始まりました。
 森内は招き猫の獣主にもう一回会いたいと思っており、輪入道から情報を得られるかもしれないと期待しました。神様たちが集まる縁結び神社に行ってみてほしいとホシグマに依頼しました。


3-3. 縁結び神社

 神社での出来事です。
 原付バイクに二人乗りし、萌々香とホシグマは縁結び神社に辿り着きました。ここで2人は輪入道を捕まえます。
 輪入道は森内が追いかけている神様ではありません。それを本人に直接説明してやってくれと、ホシグマは輪入道を連れて行くことにしました。
 縁結び神社の御利益を担保しているのは犬の獣主です。輪入道から言わせてみれば神社の大看板であるものの、怠け者なのだと言われていました。犬の獣主は直近で縁に恵まれている人の前にしか姿を見せない主義で、ホシグマには見えませんでした。彼女の大切な人が亡くなろうとしていたからでしょう。
 獣主たちは神社の宮司と顔馴染みでした。宮司は萌々香を追いかけてきた金兵衛の手下をアーツで追い払ってくれました。神社で横暴を働く輩は許さないのです。
 この宮司イングリッドの夫で、尻尾が9本あるヴァルポです。「幕開く者たち」やイングリッドのプロファイルに書かれているように、シラクーザで殺し屋をやっていたイングリッドと偶然出会って恋に落ち、2人は結ばれました。娘のリサが神社のしきたりに縛られて望まない生き方を送らないように、リサは極東を出てシラクーザで育てられることになりました。


3-4. 怪談の真相

 怪談の真相が明かされました。
 ホシグマと萌々香と輪入道は森内のおでん屋に戻ってきました。輪入道は森内が求める招き猫の獣主の居場所の対価として、知っている怪異を教えてほしいと頼みます。
 森内が挙げたのは呪いのエレベーター、福井家の食堂、幽霊屋敷の3つ。しかしどの怪談も、裏には金石会がいることを輪入道は知っていました。萌々香は自分が利用されてきたことに気づきます。犯罪行為を隠すための隠れ蓑にされてしまっていたことを。
 そうこうしている間に、おでん屋に金兵衛の手下がやってきました。森内と萌々香が攫われそうになり、ホシグマは何とか萌々香だけは奪還できました。このあと忍者は萌々香の家を破壊し、大事に育てていた植物も切ってしまいます。
 ホシグマは鉄斎を頼ることにしました。萌々香と吉星は鉄斎の家で匿われました。般若の修理もやってくれることになりました。森内を助けに行く際は、昔使っていた服と刀を身につけて行くことにしました。


3-5. 金兵衛の策略

 金兵衛の作戦の仕上げ段階です。
 金兵衛は森内をエサにしてホシグマを釣ろうとしました。ホシグマを裏切りたくない森内は金兵衛への協力を拒みますが、ホシグマは自らの足でやってきました。澪が彼女の足止めを担当します。
 哲也は金兵衛に「北院のスパイを探せ」と命じられていました。ホシグマの実家の地下に続く抜け穴を発見し、その先で大量の武器を見つけます。帆足家の家紋が掘られていました。鉄斎が昔購入して復讐に使ったものです。
 哲也が箱を開けている様子を、金兵衛の手下が写真に収めていました。メディアを抑えている金兵衛の手にかかれば、哲也をスパイにでっち上げることは造作もないことです。鉄斎を脅すカードが手に入りました。
 金兵衛は鉄斎の屋敷へやってきました。鉄斎が大事にしていたテレビを運び出し、オークションに出して値段を吊り上げます。このテレビは鉄斎が作った最初の製品で、彼が絶対に手放せないものだとわかっていました。
 金兵衛は鍛冶町の土地権利書を欲しています。議員のため、そして自分のために。オークションで鉄斎に莫大な借金を負わせれば、担保として合法的に権利書を奪い取れるのです。哲也の写真の脅しにも屈するしかありません。
 結局鉄斎は金兵衛に抗おうとしたため、力づくで権利書を奪われてしまいました。ホシグマが預けていた般若と一緒に。
 この戦いの一部始終は、中継されて哲也が見られるようになっていました。哲也は鉄斎に愛されていないと思っていたのですが、父は最後まで息子のために抗おうとしました。哲也は己の無力さと、鉄斎と仲直りする機会を失ってしまったことに気づき崩れ落ちます。


3-6. 反撃作戦

 ホシグマたちは反撃の計画を立てます。
 鉄斎の元に駆けつけたホシグマでしたが、彼はもう虫の息でした。最期を看取ることはできたのですが、これも金兵衛の罠。ホシグマは殺人の容疑で警察に追われることになります。
 逃げるホシグマの元に惟任刑事が現れます。彼も金兵衛の横暴を止めたいと思っているのですが、有力な議員と繋がっている金兵衛には手出しができません。ホシグマを無事に龍門に帰すことはできると提案するのですが、それでは金兵衛の手助けをしているも同然だと断られます。
 テレビを使って更紗がホシグマに話しかけてきました。彼女は萌々香と吉星とともに、金石テレビに監禁されています。ホシグマは救出する計画を立てます。
 萌々香は金兵衛に逆らったら芸能活動を続けられません。この芸名が取り上げられてしまったら死んだも同然だと、戦うことを決意します。金兵衛の罪を告発し、警察に突き出したいと願います。更紗と吉星も手伝ってくれて、金兵衛の継承式を乗っ取る作戦を立てます。
 森内は金兵衛のもとから逃げ出しました。輪入道が現れ、招き猫の獣主からの伝言を届けます。「吾輩」という一人称で分かるようになっていたのがオシャレでしたね。日本人だけにしか伝わらなさそう。
 招き猫の獣主は森内のもとに再び幸運が訪れていることを察知していました。もうすぐ金兵衛の立場を揺るがす事件が起きるので、森内がその座を奪えば幸運になれるぞと。しかし森内はその提案を拒みます。彼は昔から本当の友達が欲しかっただけで、お金が欲しいわけではないのです。獣主は昔とは別物のように感じ、決別することにしました。
 森内も更紗たちの救出計画に加わり、再び金石テレビに向かうことにしました。


3-7. テレビ局の決戦

 決着の時です。
 吉星と更紗の支援を得て、萌々香はテレビ放送に乗せて金兵衛の罪を告発しようとします。澪がこれを止めようとするのですが、ホシグマが到着したおかげですべてが世間に晒されました。萌々香は現事務所からの脱退し、独立して芸能活動を続けていくことを宣言します。
 澪は金兵衛の指示に従ってホシグマと戦います。森内が般若を運んできたおかげで、澪に勝ち目はなくなりました。彼女は金兵衛のために戦っていたわけではなく、金石会という居場所を守るために動いていました。萌々香の告発が成功してしまっては、金兵衛に従う理由もありません。
 当の金兵衛はと言うと、例の有力な議員に呼び出されていました。更紗の電波ジャックに動揺したのです。おかげで金兵衛不在の間に金石テレビは無茶苦茶になってしまいました。
 金兵衛が局に帰ってきたころ、哲也が1人で現れました。鉄斎の復讐を果たそうとしますが、彼に金兵衛に勝てるだけの腕前はありません。しかし萌々香の告発で動揺していた彼は、本気を出しても哲也を殺すことができませんでした。萌々香の独り舞台が終わったのを見届けた哲也は、金兵衛が社会的に死んだとして、戦いをやめました。
 因縁に決着をつけるため、今度はホシグマが金兵衛のもとに辿り着きます。自分のオフィスを汚したくないと理由をつけ、鍛冶町の川原へと場所を移します。
 ホシグマは不思議に思っていました。鉄斎や哲也にあれほど酷いことをしたのは、いったい何が動機になっていたのかと。金兵衛は芝居に疲れたと言いつつ、無能な鉄斎を恨んでいたと語っていました。それすらも芝居に見え、本当の自分を見失っているようでした。
 最後はホシグマの剣が金兵衛を上回りましたが、殺しはしませんでした。倒したことで極東に残した因縁は断ち切れたとして、ホシグマは龍門に戻っていきました。


3-8. 事件後

 事件後に起きた出来事です。
 「墟」は「火山と雲と夢色の旅」とほぼ同じ時間軸を描いています。スワイヤーはニューシエスタに行き、バイソンと一緒に新しいビジネスを興しました。スワイヤーグループの醜い跡継ぎ争いから離脱し、お祖父さんのアダムスに対して「今回はアタシの勝ちです」とビデオレターを送っていました。
 異格スワイヤーのプロファイルにも書かれていますが、スワイヤーは龍門に戻ってきたあと、アダムスのお見舞いに出向きました。そのあとでアダムスは亡くなってしまいます。経緯を知らないホシグマは、ビデオレターを見たアダムスが怒りのあまり亡くなったと勘違いしたのですが、スワイヤーが経緯を説明して誤解は解けたとのことです。
 スワイヤーは近衛局の局長に、ホシグマは特別督察隊の隊長に昇格しました。その後ホシグマの態度がよそよそしくなったとスワイヤーは愚痴っていましたが、正式な上下関係になったからでしょうか。むやみに仲良くしていると周りに影響が出てしまいますしね。
 御机では、縁結び神社で会合が開かれていました。北院錦織家の当主が、南院叶家の当主に謝罪に来ていました。更紗は錦織家の当主の娘にもかかわらず、こっそり鎖川を抜け出して御机で事件を起こしてしまいました。御机を騒がせてしまったということで、叶家の当主と宮司に謝らねばなりません。
 叶家の当主は、金兵衛という悪党が捕まったのだから良かったのではとフォローをしてくれました。宮司も更紗のことを庇ってくれたため、彼女は許されたようでした。更紗はそこまで深刻に捉えていなかったようで、ほとぼりがさめたら再び御机に遊びに行くと吉星に伝えていました。次回の極東のイベントにまた出てきてくれそうですね。




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【アズレン】メイン16-4攻略メモ【アズールレーン】

 メイン16-4の攻略メモです。実装時点の情報であり、攻略時点での私の個人的な所感を書いていきます。編成や装備は最適ではありません。あくまで考え方の参考程度にとどめていただき、詳細はwiki等をご覧ください。

編成

 上がボス用艦隊、下が道中用艦隊です。


構築思想

 色々試した結果、結局16-3と全く同じ編成でクリアできました。
 16-4も16-3同様にマップで出てくる敵の場所は固定されています。ボスにたどり着くまでに絶対に踏まなくてはいけないのが大型主力2回と大型偵察1回です。これに加えて、中型偵察1回または中型主力1回が必要です。

 主力とラクに戦う術は見いだせなかったので、偵察を2回踏むルートを使いました。偵察艦隊には潜水艦が出てくるので、道中艦隊にはヘッジホッグを積んだ駆逐艦を採用します。
 ボス用艦隊には制空値を確保するために空母を3枚投入。制空値が低いと4戦でボスが出てこないみたいなので、16-3と同じ編成になりました。

道中艦隊

 対潜水艦用の駆逐2枚を軸にした編成。

■ラフィーⅡ

 駆逐艦なので対潜水艦攻撃ができ、対空攻撃トリガーのスキル「ウサウサスカウト」を持つ。「ウサウサラストスタンド」で大ダメージから身を守ることができ、生存能力も高い。


■サンディエゴ改

 道中艦隊のメインの対空攻撃役。15章攻略時点から、特殊専用装備「スター・ブラスター」が実装されたため、対空と生存に磨きがかかった。軽巡なので対潜攻撃もできる。


■Z52

 対潜値が高いのでヘッジホッグを載せて潜水艦対策。「ぶっ飛べハート」で対空が上がり、「サンダーガーディアン」で回復をしたり、味方後衛を守ったりできるのでマルチに活躍できる。


■ライオン

 道中艦隊の旗艦。特殊弾幕を含めた凄まじい制圧力を買って採用。特殊弾幕は潜水艦も炎上させられるので、ダメージを上乗せできる。


■白龍

 道中の航空火力役。特殊弾幕込みで、雑魚を蹴散らす。


ユニコーン

 道中のヒーラー。ヴォルガやカウペンスの方が適任かもしれないが、自分が攻略する上では十分だった。


ボス戦用艦隊

 ボスを倒すための火力とデバフのマシマシ編成。

■グアム

 ボス戦の壁役。対空が高く、他のキャラの対空にバフをかけることもできる。道中艦隊のラフィーⅡとサンディエゴへのバフも持つ。


島風

 魚雷による火力役。ボスに魚雷と特殊弾幕をぶち込む。


プリマス

 砲撃による火力役。ボスにデバフも与える。


■天城(空母)

 ボス戦用艦隊の旗艦。島風信濃の魚雷にバフをかけることもできる。


信濃

 ボス戦の航空火力役。島風と天城がいるので重桜3艦のスキル条件も満たせる。


■アドミラル・ナヒーモフ

 ボス戦の火力兼サポート役。敵の速力をダウンさせつつ、対空と回避を下げる。


潜水艦隊

 鉄血のウルフパック艦隊。

■U-81

 ずっと使っているウルフパックの1隻。特殊専用装備が来たのでさらに強くなった。

■U-96

 こちらもウルフパックのメンバー。この子にも特殊専用装備がついた。

■U-37

 同じくウルフパックのメンバー。他の2人よりも潜航力が高いので長く戦場にとどまっている。


支援艦隊

 15章と仕様は同じ。戦闘機の発艦数が多く、航空値が高いキャラを配置する。装備はフライングパンケーキが適正らしいが、量産できていないのでMe-155Aで代用した。

■フリッツ・ルメイ

■インプラカブル

■ヨークタウンⅡ



マップの立ち回り

 16-3は敵の陸上航空基地を巻き込んで航空支援攻撃で破壊できました。16-4は基地がマップ端にあり、破壊しようとすると余分な戦闘が必要になるので諦めました。破壊しなくてもなんとかなりました。
 「戦場の霧」はずっと回避率10%アップの状態になります。

  1. C-5の中型偵察と戦闘
  2. 航空支援攻撃1回目(F-5を巻き込む)
  3. F-5の大型主力と戦闘
  4. 航空支援攻撃2回目(G-4とH-3を巻き込む)
  5. G-4の大型偵察と戦闘
  6. H-3の大型主力と戦闘
  7. ボスと戦闘

※毎回潜水艦を出撃させられるように動かす

道中戦の留意点

 敵の構成は16-3と全く同じです。留意点は16-3の記事の方にまとめたので、こちらをご覧ください。

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 16-3と比較すると敵Lv.が1ずつ上がるので、純粋に戦闘が厳しくなります。ただ、道中が5戦から4戦に減るのでトントンになるという感じです。4戦目の疲弊した状態で大型主力が来るのが苦しいポイント。だた、戦闘回数が減るのは、時間や燃料の観点でもラクになって有難かったですね。
 道中で後衛が落ちると制空値が下がります。4戦目であっても後衛は落とさないようにしないとボス戦に響きます。最後まで気を抜かずに戦い抜きましょう。
 味方潜水艦はこのステージもフル投入できるので、たっぷり仕事してもらえます。

ボス戦

 相手は戦艦武蔵です。重装甲です。それなりに移動します。
 後衛への砲撃はなく、前衛に向けた斬撃や蝶々弾幕を放ってきます。弾幕を完璧にかわすのは難しいため、前衛の体力に気を付けて戦うのが良いと思います。前衛のための弾消しに航空攻撃を撃ち、徐々にボスを削っていく戦い方をしました。
 敵の航空攻撃は絶え間なく来るため、前衛の対空が低いと後衛も削れていくことになります。どのぐらい対空を削って火力に回すかのバランスが問われる戦闘になります。


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