3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 青く燃ゆる心編

 2020年4月29日からスタートしたイベント「青く燃ゆる心」の考察記事です。2021年1月20日にライト版として復活したときに、ソーンズが登場するストーリーが追加されていたことと、3組のアーティストがいまだに謎だらけだなと思ったため、改めてこのイベントストーリーを読み直してみることにしました。

※ストーリーのネタバレをします。
※私は大陸版の情報を追っていません。日本版で公開されている情報のみで考察しています。ご了承ください。

セイロンとシュバルツの勘違い

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 このイベントストーリーの大筋は単純です。クローニンという分かりやすい悪党がいて、彼を懲らしめるお話です。
 クローニンは市長の秘書の立場からV3工業という企業を操り、黒曜石を秘密裏に採掘して私腹を肥やしていました。市長はその証拠を掴み切れなかったため、3か月出張で留守にすると見せかけ、シュヴァルツにクローニンを探らせていました。
 分かりやすいお話なのにも関わらず途中で話が少しややこしくなったのは、セイロンとシュバルツが勘違いをしていて、お互いがお互いの真意を読み違えたところです。
 セイロンはクローニンが怪しいと目星をつけたのに、シュヴァルツに邪魔をされます。シュヴァルツは昔からヘルマン市長の命令で動いていますから、セイロンの頭の中では父親であるヘルマン市長がクローニンに騙されたようだと思っています。
 シュヴァルツがなぜセイロンを止めようとしたかというと、以下の3点が複合的に混じった結果なのかなと思います。

①クローニンに騙されたから
②ヘルマン市長に絶対的な忠誠を誓っているから
③セイロンには自分の同じような道を歩いてほしくないから

 クローニンはシュヴァルツに「セイロンがヘルマン市長の悪行を暴こうとしている」というウソを吹き込みます。シュヴァルツはヘルマン市長の命令でクローニンの悪事を探っているのに、なんでこんなウソを信じてしまったのかちょっと不思議です。幼いころから見てきたセイロンが父親であるヘルマン市長を恨んでいるようだとずっとずっと勘違いしていたからなのかなと思います。
 シュヴァルツの人物プロファイルに書いてありますが、シュヴァルツは12歳のときに傭兵団の一員としてヘルマン市長を襲撃しようとして逆に説得されてしまったという過去を持ちます。ヘルマン市長のことを誰よりも尊敬しており、セイロンがヘルマン市長のことを貶めるような作戦を企てていると勘違いしたため、冷静さを失ったのでしょう。
 また、セイロンがヘルマン市長を糾弾するということは、ヘルマン市長が過去に行ってきた悪行を知るということでもあります。シュヴァルツはセイロンにはそういう血生臭い世界には足を踏み入れてほしくないと思っていて、セイロンのためも思ってストップをかけようとしたのでしょう。
 セイロンとシュバルツは腹を割って話す機会を得て、セイロンの本当の狙いを聞き、彼女がヘルマン市長を恨んでいないという事実を知ることで、ようやく勘違いが解けます。
 そこからはクローニンを捕まえて、火山の噴火の原因であるポンペイ君もやっつけて、めでたしめでたしとなりました。


黒曜石祭の運営図

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 アーティストたちを見ていく前に、彼らが活躍する黒曜石祭という舞台がどのようなものだったのかを書いておこうと思います。
 本イベントのストーリーの中で、MSRという謎の略語がたびたび登場しますが、その説明はありませんでした。どうやらライブを運営している組織のようだということはわかるのですが、それ以上のことは分かりません。

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 アークナイツの公式Youtubeチャンネルに3組のアーティストの楽曲もアップされていて、そのうちエンペラーの説明にこんなことが書いてあります。

Full version of this original soundtrack is brought to you by record producer of Monster Siren Records, senior rap star of Columbia, and entrepreneur, Emperor.
"この楽曲のフルバージョンはMonster Siren Recordsのレコードプロデューサー、クルビアの偉大なラップスターであり起業家でもあるエンペラーがお届けする"

youtu.be

 MONSTER SIRENと書かれた企業ロゴがこのイベントの告知物のいたるところに貼ってあることと繋がります。これがMSRの正体ですね。Monster Siren Recordsという音楽レーベルであり、黒曜石祭においては芸能事務所のような仕事もしているのでしょう。

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 ロドスのオペレーターで唯一MSRとかかわりがあるのがソラです。彼女は「MSRから来ました」と言うので、MSRに所属してアイドル活動をしているのでしょう。
 また、MSRの他に、「CHORD」と「V3 INDUSTRIES, INC.」とというロゴもあります。
 CHORDはこのイベントのときに販売された家具シリーズである「ロドス音楽スタジオ」の告知物にもロゴが入っています。楽器メーカーのようです。フェスに使う音楽装置をスポンサーしているのでしょうか。
 V3 INDUSTRIES, INC.は当然V3工業です。クローニンが裏から操っていた黒曜石の採掘を行っている会社です。クローニンが裏にいるからといってこの会社や黒曜石祭自体が怪しいということにはなりません。クローニンは秘密裏に採掘して儲けていただけですからね。
 というわけでMSRがイケてるアーティストをたくさん引っ張ってきて、CHORDとV3工業がスポンサーをして、この黒曜石祭は運営されたいたのだなということがわかります。


D.D.D.とクロージャ、そして音楽アーツ

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 ここからが本題です。イベントのラスト3話は、3組の目玉アーティストたちがそれぞれ主役となる話でした。1話目はD.D.D.です。
 D.D.D.はマネージャーとライブの振り返りをしていました。その中で「D.litHun」という人物にはまだまだ及ばないという話をしています。「D.」というところが共通しているので、彼の尊敬する人物とか兄貴分とか師匠とかなのかなと思いました。
 マネージャーとの会話の途中で、クロージャからメッセージが届きます。クロージャは自らを【Ada.Closure.Church】と名乗り、D.D.D.のことを【Grace】と呼び、【Dijkstra】という人物と一緒にデッカイことをやろうよとお誘いをします。
 Dijkstraダイクストラと読みます。ダイクストラ法というグラフ理論におけるアルゴリズムが有名です。一体どんな人物なのでしょうか。おそらくはコードネームだと思うので、本名はまた別にあるのでしょう。
 タイムライン機能の中でクロージャは音楽の話をたくさんしていたので音楽好きなのでしょう。デッカイこととは一体どんなことなのでしょうか。
 クロージャはエンジニアであり、D.D.D.は電子音楽プロデューサー、つまりボカロPみたいな音楽制作スタイルなのでしょう。そしてDijkstraアルゴリズムを想起させる名前なので、コンピュータ関連でうっすらと繋がっていそうな印象を受けますね。
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 一方で、コンピュータとは真逆の話もD.D.D.はしていました。彼はアーツを使えるみたいです。
 リターニア人はアーツと音楽を結び付けることができるとも言っていました。初回このイベントを遊んだときには何のことかわからなかったのですが、ウォルモンドの薄暮を経験した後だと違って聞こえます。
 リターニアは芸術とアーツに秀でた国で、ウォルモンドという都市では「蓄音機」という防衛システムで街を守っているということがあのイベントでは語られました。この会話はウォルモンドの薄暮への布石だったのかもしれませんね。

エンペラーとクルビア

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 2話目はエンペラーのお話でした。ステージに上がったエンペラーを、「怪しげな表情の観光客」が襲撃します。
 エンペラーが作った「ラップ帝国」という組織によって、襲撃者は苦渋を飲んだみたいです。しかし襲撃者がただただ苦しめられたわけではなく、エンペラー側にも言い分があるとのことでしたね。

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 これはどうやら図星だったみたいで、襲撃者は激昂するのですが、エンペラー本人が銃で襲撃者のボウガンを撃ち落とし、ペンギン急便のオペレーターたちがやってきてその場を収めました。
 エンペラーがペンギン急便のボスであることは「青く燃ゆる心」の初回で初めて明かされました。その後、イベント「喧噪の掟」でさらに深堀りがされましたね。
 タイムライン機能で語られたことですが、エンペラーがラッパーであることを知っているのはエクシアだけでした。ボスが何者なのかは社員にとっても謎のようです。
 ペンギン急便のお話はその後のイベントで回収されたこともあり、今僕がこのエンペラーの話を改めて見て気になったことは、彼がクルビアという国に対して思い入れを持っているということです。ペンギン急便の本拠地は龍門にあるようでしたが、エンペラー自身はクルビアの人なのでしょうか。
 シュヴァルツの過去話でも、彼女の両親を殺した仇はクルビアの名家だったというエピソードが出たりと、何かとクルビアへの目配せが行われたイベントになりました。
 クルビアにはライン生命の本拠地やBSWの本社があって、クルビア出身のオペレーターはたくさんいます。にもかかわらず、クルビアという国がどのあたりに位置していて、どういう国なのかということはストーリーにはあまり出てきません。
 リターニアのように、このエンペラーのエピソードが今後のイベントへの布石になっていたりするのでしょうか。


AUSとエーギル

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 最後に大きな爆弾をぶち込んできたのがAUSのメンバーであるAltyです。彼はシエスタにいたはずなのに、なぜかロドス号に乗り込んできています。ロドス号が飛行状態にあったのか停泊状態だったのかはわかりませんでしたが、どうやって入ってきたのでしょうか。
 Altyはエーギル人であるとのことです。そしてエーギル人に関わる情報をケルシーから聞き出そうとします。
 ケルシーは「あの奇妙なエーギル人たち」とAltyが呼ぶ集団を過去に助けたらしく、その集団は「ここにいる」とAltyが言っていたので、ロドスにとどまっているようです。
 その集団がどうやって誕生したのか、そして「あの海の下で起きたこと」をAltyはケルシーに尋ねていました。ケルシーは心当たりがあるようでしたが、我々にとっては全く何を言っているのかわかりません。
 ケルシーのことを「AMa-10ケルシー医師」とAltyは呼びました。過去所属していた組織の識別コードでしょうか。
 Altyの前に、同じようにケルシーに情報を訪ねたエーギル人のアビサルハンターがいたという話もしていました。これはスカジである可能性が高そうです。

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 「騎兵と狩人」のラストで、スカジはケルシーが欲しているお宝を持ち帰り、ケルシーに情報との交換を迫ります。
 スカジが知りたいことをケルシーはお見通しです。「スペクターに施された源石神経剤の出所」とのこと。つまりスペクターには源石を用いた神経系への干渉が行われているということであり、「あの奇妙なエーギル人たち」の中にスペクターが入っていそうな雰囲気がします。
 アビサル陣営の人物プロファイルにヒントがないか見てみます。

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 ロドスにいるアビサル陣営のオペレーターは3人います。スカジとスペクターは出身がエーギル、新キャラのアンドレアナは種族がエーギルです。ソーンズはロドス陣営ですが、出身と種族はアンドレアナと同じです。
 アンドレアナは触手が尻尾のように出ています。アビサル陣営のロゴがタコであることもあり、エーギル人というのはイカタコモチーフの人種なのか、もっと広く海洋生物全般をモチーフにしているのだろうと推測できます。
 スカジとスペクターの種族は不明ですが、エーギルである可能性はあります。昇進するとスカジはシャチ、スペクターはサメが背景に描かれます。本人たちの体は人間そのままといった感じにはなっていますが、海洋生物が関わっている点は同じです。
 しかしアビサル陣営のオペレーターの人物プロファイルを見ても、核心に迫るようなことはほとんど書いてありません。アビサル陣営は大型の生物に対峙する能力に優れているというのは今後に繋がってきそうだなと思いました。スカジは歌うのが好きらしいので、怪しさだけは満点です。
 スペクターはとある教会で修道女として働いていて、ロドスに何かを伝えようとしてやってきて、その場で心神喪失状態になって記憶を失ってしまったとのことでした。スペクターの身に起きたことはかなり重要そうな気がします。
 そして2021年1月に復刻したときに、ラスト1話がさらに追加されていました。「潮音との邂逅」というタイトルで、ソーンズが主役のお話でした。

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 ドクター一行がクローニンと戦っている裏で、ソーンズもいろいろと活躍をしているようでした。物語の最後、海辺でソーンズはAUSのAyaと出会います。
 Ayaもソーンズも種族はエーギルですが、生い立ちはかなり違うようです。Ayaは「私たちが大地に来てからもう随分経つ」と言っていたので、元々は海で暮らしているようでした。一方ソーンズは先祖の代でイベリアに移り住んだらしく、Ayaのように海で暮らした経験はないようです。
 会話の途中で海から未知なる敵がやってきます。シエスタの海は厳密に言うと湖であり、外海とは繋がっていないらしいですが、水路があるのかなとAyaは言っていました。未知なる敵を2人は【あれ】と呼んでいたのでここでもそう呼びます。
 【あれ】の正体は全くわかりません。ソーンズに攻撃をしかけてきて、彼は戦う覚悟を固めます。Ayaは【あれ】のことをけっこう知っているようでした。ソーンズも多少は【あれ】を知っているらしく、彼が【あれ】を知っていることに対してAyaは少し驚いていました。
 【あれ】は「R…thin…」という謎の言葉を発します。このゲームでアルファベット表記になるのはオペレーター以外の人物の名前やコードネームが多いです。誰かの名前を呼んだのでしょうか。字面だけみると「Rethink(再考する)」がすぐ思い浮かびますね。
 ソーンズはロドスのオペレーターとしてゲームで使えるので、ここで死んでしまったわけではないでしょう。勝ちか引き分けでこの戦いは終わったはずですが、戦いの様子は描かれませんでした。気になりますね。
 ソーンズに攻撃をしてきたこと、ストーリーの概要に「未知なる敵」と書かれていたことから、我々ロドス陣営と敵対する勢力であるようです。メインストーリーで描かれているレユニオンを巡る物語とは別に、さらなる敵が待ち構えているということなのでしょうか。それともどこかで一本の線に繋がるのでしょうか。わからないことだらけですが、海にも敵がいるということだけはわかったストーリーでした。

おわりに

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 というわけで今後への布石と思われる要素を簡単にまとめるとこんな図になるでしょうか。メインストーリーに関わってくるかもしれませんし、イベントが開催されるのかもしれませんし、特に布石ではないのかもしれません。
 まだまだ回収されない要素が多くて、想像に胸が膨らみます。





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 同じように過去のイベントについても書いています。
yterapokemon.hatenablog.com

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