3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 闇夜に生きる編

 2020年12月10日開始のイベント「闇夜に生きる」のストーリー考察と感想を書いた記事です。ものすごい情報量だったため、自分の頭の中の整理も兼ねて書いていきます。


※イベントのネタバレをしますのでご注意ください。
※私は大陸版で先行して公開されている情報を追っていません。日本版で公開されている情報のみを念頭に置いています。

イベントの人物相関図

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※イベントに登場した聴罪師はシャイニングではありません。シャイニングは二アールと一緒のタイミングでロドスに参加しており、二アールがドクター救出作戦に出撃していたことから、この時点でシャイニングもすでにロドスにいることがわかります。

イベントの時系列整理

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Scoutとタルラの取引

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今後に繋がる謎

①テレシス摂政王は何を企んでいるのか?

 テレシスはアークナイツの物語の根幹に絡んでいると思われる人物であり、まだ存命なので今後ロドスの前にも立ちふさがりそうな存在です。テレシスがどういう人物で、何を企んでいるのかということが今後のストーリーのカギを握るのではないかと思います。
 テレシスについて特に気になったことは2点あります。
 1点目は、テレシスはなぜカズデルを捨ててヴィクトリアにいるのかということです。サルカズたちを支配し、カズデルの王位を巡って争ったはずなのに、移住する理由はなんだったのでしょうか。
 カズデルがあまりにも荒れ果てているからというのは理由の1つでしょうが、ヴィクトリアに何か重要な人やモノがあるから、ここにいるのでしょう。それが何か気になります。
 2点目は、どんな目的でレユニオンを利用し、感染者たちの暴動を煽るのかということです。

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 ロドスは今後もレユニオンと戦っていくことになりますが、レユニオンの一部はテレシスの配下にあることがわかります。ロドスとテレシスの道はいつかは交わる運命にあります。

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 テレシスを頂点とするサルカズという種族は、「支持者」という名義で、レユニオンをサポートしていく立場をとっていくということでしょう。魔族として迫害を受けてきたサルカズがこのような立場をとることは、外部から見ると不自然ではありません。
 では本当の狙いは何なのでしょうか。テレシスはこの大地に混乱を引き起こし、何を成そうとしているのでしょうか。ヒントすら見えていませんが、きっと今後の焦点になってくるのではないかと思います。

②テレジア斬首作戦はどのように実行されたのか?

 このイベントではテレジア斬首作戦の前後が語られますが、肝心のテレジアの死に際の様子が全く分かりません。
 テレジア殺害を実行したのは"普通の"サルカズ戦士でした。Wが1人で実行犯を殺して回れるぐらいの戦力です。そこまで強いとは言えません。

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 Wから見てもケルシー先生は人間を超越するほど強いみたいです。しかし、そのケルシー先生をもってしても、テレジアを守り抜くことはできませんでした。何が起きたのでしょうか。
 記憶を失う前のドクターも異常に戦術指揮が優れているということが語られていました。暗殺を防ぐにはドクターの力は役に立たなかったかもしれませんが、真正面から戦うとなれば百人力だったはずです。
 テレジア斬首作戦ではテレジアだけが死に、主要メンバーの多くは生き延びたと言われています。

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 その言葉通り、ケルシー、クロージャ、アーミヤはいまも元気です。しかしドクターはどうでしょう。チェルノボーグの病院で集中的な治療を受けていて、記憶が吹き飛んでいました。
 テレジア斬首作戦の中でドクターの身にトラブルが起きたのか、その後の期間に別のトラブルに巻き込まれたのかは分かりません。確かに言えることは、テレジア斬首作戦の後に、ドクターの記憶消失やロドス結成に繋がる重大な動きがあったということです。

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 Wはどのぐらい真相を掴んでいるのでしょうか。Wに聞いてみたいですね。

③ロドス・アイランド号とは何なのか?

 我々プレイヤーがいつも見ているホーム画面であるロドス号は、ただただ大きな飛行船だと思っていました。しかしどうやらコイツも只者ではないようです。

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 イネスがアーツで覗き込んだ姿は、船というよりかは骨格と言っていました。これは、ホーム画面のジャンプメニューが大きな生物の骨格を模していることと無関係ではないでしょう。もともと生き物だったのでしょうか?

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 しかも、この船はもともとレム・ビリトンに埋まっていたとのことです。古生物の化石が埋まっていたから掘り起こしたかのような言い方ですが、普通はデカい船が地下に埋まっているなんてことはないでしょう。

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 ちなみにレム・ビリトンはアーミヤの出身地だと人物ファイルに記載があります。ロドス号を掘り起こすときに現地で出会ったのでしょうか。

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 テレジアたちはバベルという組織名で活動をしていました。ロドス号に乗り込み、テレジアが殺害された後、製薬会社へと組織の形を変え、バベルはロドスへと変わりました。組織としてのバベルやロドスの歴史を紐解くとき、このロドス号の存在も関わってきそうだなと思いました。


④イネスはタルラの何を見たのか?

 わざとらしく謎として残されたのがこれです。イネスはタルラの謎の一部を知りました。

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 タルラについて語るイネスは、イマイチ要領を得ません。ただ、レユニオン結成当初とはタルラの様子が変わってしまったということは、メインストーリーの方でも語られていることであり、重要な事実の1つであることが裏付けられました。
 「3年前と同じ」「あの人の場合は」と言っているのは、テレシスかテレジアのことを指しているのだと思うのですが、どちらなのかはよく分かりません。「あの人」と呼んでいるため男か女かもわかりません。
 イネスはテレジア斬首作戦のときにはすでにロドス号を離れており、テレジアの変化に気づくことができたかと言われると怪しいです。かといってテレシスに近い立場にいたわけでもないので、うーん?となってしまいます。
 もう1つ注目したいのが、Scoutが何かに気づいていたのか、という点です。

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 ScoutはWと取引をして、自らの命を捨てる約束をしていました。しかし、イネスからは逃げようとして、チェルノボーグの中枢区域へと走りこみました。
 単純にレユニオンの戦力を1人でも多く削ろうとしたための行動と捉えることもできます。しかしイネスは「ここで何が見えー」と、Scoutに誘導されたかのようなことを口走っています。
 イネスのアーツは人の心を読む能力だとイベント中で何度も語られていましたが、ロドス号の護衛のときは運んでいるものが船だと見抜いたりもしました。物体を透かして見るような透視能力もあったのかもしれません。
 チェルノボーグの市街地のど真ん中で、いったいタルラに関する何が見えたというのでしょうか。ちらっと映った背景では、ドクターが収容されていた病院と同じ背景が見えたりもしました。
 タルラの秘密が明かされるとき、イネスが何を見てしまったのかもわかるのではないかと思います。タルラが変わってしまった、と言われていることに関係があるのかなと思ってます。イネスの言う「2つの影がある」というも二面性の象徴に聞こえます。

※2021/1/11追記
Wの昇進記録でイネスが自分の死を偽って逃げ延びたという趣旨の発言が記録されています。今後イネスも再び物語に登場するかもしれないですね。


⑤Wの野望は何か?

 このイベントはWの生い立ちを追った物語だったとも言えます。様々な重大な事件に巻き込まれ、バベルにもレユニオンにもいたことのある稀有な人物がWです。アークナイツの裏主人公と言っても良いのかもしれません。
 そんなWが何を考えて行動しているかも、あんまりはっきりとはしません。
 ロドス号にいたわずかの間にWはテレジアに心酔し、崇拝するようになります。テレジア斬首作戦が実行されたあとは、実行犯を一人一人殺して回る恨みっぷりを見せています。
 実行犯の最後の1人を殺し、ヘドリーとイネスと鉢合わせたときこんなことを言っていました。

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 Wは人を探しているようでした。「ババア」とはおそらくケルシー先生のことなので、「本物の怪物」とはドクターのことなのかなと思うのが自然なところです。
 テレジア斬首作戦のときに何が起きたかをWは把握しているのではないかというのがヘドリーの見立てでした。しかし、それはあくまでも外から見た姿であって正解かどうかはわかりません。極端なことを言えば、Wはドクターがテレジア斬首作戦を引き起こした原因の1つだと考えている、なんて可能性もあるのかなと思います。

感想

 ここからはただの感想です。

縦横無尽の物語構築

 今回のイベントはメインストーリー0章に繋がる過去のお話でした。それをロドス側の立場ではなく、戦場をさすらうサルカズ傭兵の立場から見たものでした。
 3年以上前のお話の一端が語られたわけですが、すべてが明らかになったわけではありません。しかもそこで起きた事件の余波はいまも続いていて、おそらく未来で起きることにも関わってくるわけです。
 鉱石病を巡る一連の大きな物語の中で、様々な部分を細かく切り取って我々は眺めていることになります。その見せ方がとても上手なので、新しい事実が明らかになると同時に別の謎が現れ、我々の興味は尽きません。
 Scoutやエンカクの物語は「戦地の逸話」イベントでも語られます。いろいろな人の視点から1つの大きな事件を眺め、彼らの人生が翻弄されていく様を見ているのが我々なのです。
 とても難しいバランス感覚だと思うんですよね。複雑にしすぎると理解不能になってしまいます。ちょうど面白いと思える塩梅で、重厚に練り上げられた物語を見せてくれます。今後も楽しんでいきたいと思います。

差別と偏見

 メインストーリー6章では、鉱石病にかかってしまった人々がいかに過酷な差別に苦しんできたかが描かれました。
 「闇夜に生きる」ではサルカズという種族が苦しみながら生きている様子が描かれます。彼らは戦闘能力に秀でており、傭兵として生きている人が多いようです。サルカズは魔族と呼ばれ、他の種族から忌嫌われていることが端々から伝わってきます。
 テレシスが戦争を起こしたから嫌われているのでしょうか。サルカズという種族が持つ戦闘能力が嫌われているのでしょうか。それとも単に、黒い角が不気味だと思われているのでしょうか。
 いかなる理由があるにせよ、サルカズという種族だからという理由だけで迫害されるのは可哀想な話です。そしてそれと同じようなことが我々が生きている現実世界でも起きています。
 フィクションの中の出来事ではありますが、感染症差別と人種差別の両方をゴリゴリ描いていくつもりなんだなあと思うと、相当の覚悟を持って物語を作り上げているのだなと思います。

ドクターの異常性

 イネスがとても面白いことを言っているシーンがありました。

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 記憶を失う前のドクターがいかにすごい人物だったかを裏付けるエピソードですが、それ以上のものを深読みしたくなります。
 ドクターはスマホを持ってこのゲームをプレイしている我々プレイヤーの分身です。我々は常にステージをクリアすることだけを目指し、ステージ攻略中にコマ(オペレーター)たちがどうなろうと気にしません。時間を稼ぐために敵陣のど真ん中にオペレーターを置いたり、高速再配置を繰り返して何度もオペレーターを痛めつけたりします。
 イネスがアークナイツというゲームのことを認識してメタな発言をしているなんてことはありえないですし、ゲーム内のドクターが現実と仮想を超越した存在だとも言う気はありません。
 ただ、ゲーム内のドクターが異常な指揮能力を持っているということと、我々プレイヤーが無慈悲にオペレーター操作していることがうっすらリンクしていることに、薄気味悪さを感じるのですね。
 単なるタワーディフェンスゲーム以上のことをこのゲームから感じ取ってほしいという運営からのメッセージなのかもしれません。意図はわかりませんが、私の心には鈍い痛みとなって残ったセリフでした。


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 メインストーリー、ウォルモンドの薄暮、ウルサスの子供たちのストーリーについても同じように書いています。

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