3度目のサザンドラ

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【アズレン】イベントストーリー考察:極夜照らす幻光 編【アズールレーン】

 2020/07/23スタートの期間限定イベント「極夜照らす幻光」のストーリーの考察をしていきます。

以下ネタバレを含みます!!

史実のバレンツ海

 「極夜照らす幻光」は史実のバレンツ海戦をモチーフに組み立てられています。まずは実際に起きたことを簡単に確認します。

1942年12月31日、イギリスからソ連へ向かう船団をドイツ海軍が妨害しようとして、海戦が発生しました。ドイツ海軍側はアドミラル・ヒッパーと数隻の駆逐艦からなる部隊、イギリス側は護衛にあたっていたOクラスの駆逐艦と、バレンツ海で援護任務に就いていたシェフィールドとジャマイカが参戦しました。戦闘の結果、イギリス側の駆逐艦の頑張りがあり、商船は1隻も撃沈されずに逃げおおせることができました。

 イギリス海軍はこの戦闘から、「ソ連への輸送船をエサにしてドイツ海軍をおびき出す」作戦を思いつき、実行に移していきます。逆にドイツ側は吉報を待っていたヒトラーが激怒してしまったと言われています。

イベントストーリー概要

 ロイヤルが主役、鉄血が敵役のイベントでした。そこに北方連合、ユニオン、セイレーンの思惑が絡んでくるという、登場人物の多いストーリーが展開されました。ストーリーライン自体はシンプルです。時系列にも乱れはなく、純粋に最新のイベントだという捉え方で良さそうです。
 各陣営の思惑を整理しておきます。

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 一番重要なポイントは、鉄血の目的が史実通りの輸送船の妨害ではなく、ロイヤル本土の強襲にあるという点です。続いて、指揮官にまつわる駆け引きと、スカパ・フローが持つ重要性の2点が焦点になってくるイベントでした。

ストーリー考察

スカパ・フローとはどんな場所か?

 今後のストーリーにも繋がってくるであろう、本イベントで一番大事なポイントはここだと思います。
 スカパ・フローは実在する土地です。イギリスの北部、現在のスコットランドに存在する入江の名前です。

 島に囲まれていて非常に攻めにくい地形なので、大戦の間はイギリス海軍の軍港として使われていました。
 スカパ・フローという土地でドイツ海軍が絡む大事件は2つあります。
 1つ目は潜水艦U-47のスキル「スカパ・フロー急襲」にまつわる出来事です。この事件は「極夜照らす幻光」には関係がありません。

1939年10月13日、U-47が単騎でスカパ・フローの港に侵入し、戦艦ロイヤル・オークを沈めたあと、無事ドイツまで帰還するという大戦果を挙げました。

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 2つ目は第一次世界大戦まで遡ります。これがおそらく今後のアズールレーン全体のストーリーにも絡んできそうな大事件です。特別な名前は特についておらず、Wikipediaのページ名は「スカパ・フローでのドイツ艦隊の自沈」となっている事件です。

この自沈は1919年6月21日に実行されました。1918年の11月11日に実質的な戦闘が終了した第一次世界大戦の、敗戦処理がいろいろと続けられていた時期の出来事です。ドイツ海軍の74隻もの船たちが、その処遇が決められるまでの間スカパ・フローに抑留されていました。74隻が戦勝国側に分配されるのか、一部がドイツに戻ってくるかは不透明な状況の中、ドイツの指揮官ルートヴィヒ・フォン・ロイター提督は艦隊の全自沈を指示しました。52隻が自沈に成功し、そのほかはイギリス海軍の妨害にあって自沈しきれなかったとのことです。

 アズールレーンの方へと話を戻しましょう。この事件が絡んでいそうだなというのは、下の陛下の発言でわかりますね。スカパ・フローにたくさんのフネが沈むというのは、ドイツ艦隊の自沈以外ありません。

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 スカパ・フローに沈んでいるのはKAN-SENではなくただのフネなんだなというのは興味深い情報ですが、これについては後で述べます。この発言における「あれ」とは何なのか、クイーン・エリザベスの独り言を追いかけてみます。

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 話の流れを追うと、前述の「あれ」は鉄血のKAN-SENのことを指しているようだと推測がたちます。「あれ」はKAN-SENとして存在しているのが不可解に思われていますから、アイリスイベントのときにも出てきた「存在しないはずのKAN-SEN」カテゴリに含まれていそうです。クイーン・エリザベスが「ヴィシア…」と言いかけているのは、ガスコーニュの存在がちらっと頭をよぎったからかと思います。
 ヴィシアにおけるガスコーニュのようなKAN-SENで、鉄血に所属しているとなると、ローン、フリードリヒ・デア・グローセ、マインツオーディンの4人の計画艦のうちの誰かということになりますね。その中で、わざとらしく今回のイベントでわざとらしく名前が出てきたのがフリードリヒ・デア・グローセです。

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 なぜフリードリヒ・デア・グローセにスポットが当たっているのかというと、史実の中にヒントがあります。スカパ・フローで自沈した74隻のなかに、戦艦フリードリヒ・デア・グローセという船があるのです。紛らわしいのですが、計画艦であるアズレンのフリードリヒ・デア・グローセは第二次世界大戦のときに計画だけ持ち上がった戦艦(ビスマルク級戦艦の発展型)なので、まったくの別物です。

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スカパ・フローでのドイツ艦隊の自沈 - Wikipediaより

 クイーン・エリザベスが言っている「水底にある歴史」or「仮説の具現」という2択問題は、我々から見たら答えは明白です。史実としてスカパ・フローで沈んだWWI時代のフリードリヒ・デア・グローセは「水底にある歴史」で、アズレンの中で計画艦として作られたWWII時代のフリードリヒ・デア・グローセは「仮説の具現」だとすれば、言葉の意味にもぴたりと当てはまります。
 我々指揮官は、アズレンのフリードリヒ・デア・グローセがWorld of Warshipsとのコラボで企画された、「計画だけの存在」だと知っています。しかしアズレン世界の中ではそんなメタな情報は当然認知されていませんから、フリードリヒ・デア・グローセやガスコーニュが何者なのか、全く見当がついていないということなのかなと思っています。

 今後、フリードリヒ・デア・グローセがストーリー中に現れて、重要な役割を果たすことになるのではないだろうかというのが私の個人的な予測です。ガスコーニュと合わせて、彼女たちがなぜアズレン世界で具現化しているのか、その誕生の秘密に迫っていく過程で、スカパ・フローという場所の秘密も明らかにされていくのかなと思いました。
 さて、スカパ・フローで沈んでいるフネたちは何者なのでしょうか。クイーン・エリザベスの発言によるとKAN-SENではなくただのフネとのことです。
 アズレンの世界では第一次世界大戦は起きていません。ちょうどそのころセイレーンが襲来し、四大陣営は一丸となってセイレーンの脅威に立ち向かったのです。その事実を強調するために、パーシュースとヴァンパイアの会話がわざとらしく挟まれたのではないかと思っています。

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 第一次世界大戦が起きていないとすれば、鉄血のフネが敗戦処理としてスカパ・フローに連れてこられるという状況がそもそも成立しない気がするのです。鉄血のフネが史実とは違った理由でスカパ・フローに沈んでいるということでしょうか。
 スカパ・フローで何があったのかは、ユニオンにも知れ渡っているようです。

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 指揮官と例のものをスカパ・フローに運んでくることがクイーン・エリザベスの狙いのようでした。アズレンの世界のスカパ・フローでは一体何があるのでしょうか。今後のイベントに繋がってきそうですね。

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「再現」とは?

 出陣したロイヤル艦隊の中で、シェフィールドだけがクイーン・エリザベスからの密命を受けていたようでした。シェフィールドはベルファストと並んで、メイド隊の中でも頼りにされている存在ですね。北方連合の調査と「再現」というのが命令のようです。史実のバレンツ海戦のように、輸送部隊が鉄血から逃げ切り、北方連合までちゃんと物資を届けることを「再現」と呼んでいるのでしょうか?

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 プリンツ・オイゲンは「潜水艦は再現をぶち壊す楔」と言っています。史実のバレンツ海戦ではドイツ海軍が誇る潜水艦隊が出動していません。史実とは違った作戦で臨むことを、「再現を壊す」と表現しているのだと思います。

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 ただ、この「再現」は我々が一筋縄では理解できないものなのではないかという予感がしています。オイゲンはなりふり構わず再現を破壊したかったのかというと、そうでもなさそうです。セイレーンなんて使ったら再現にならないと言っているので、ある程度は史実に沿ったシナリオを描いていたものと思われます。

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 また、シェフィールドからみて、鉄血が「再現」を狙っているという発言もありました。鉄血は「再現」をする側なのか、「再現」を壊す側なのか、ちょっとよくわからないままイベントストーリーが終わってしまいました。

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 そもそも、「再現」というのはいままでセイレーンが実験として行ってきたことです。なぜここにきてKAN-SENたちが「再現」というワードを口にするようになったのでしょうか。疑問は尽きません。

北方連合の思惑は?指揮官はどうなる?

 ロイヤルが得ている情報だと、北方連合はピンチに陥っていて、指揮官も前線に出ているとのことです。北方連合は怪しい動きをしており、何が本当で何がウソかよくわからない状況です。

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 ただ、今回のイベントで、北方連合がセイレーンに手を焼いているということだけはどうやら本当のようだということがわかりました。「王冠」からは無尽蔵にセイレーンが湧いて出てくるとのことで、そりゃ北方連合も大変だなとお気の毒に思ってしまいます。

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 北方連合のKAN-SENたちも、セイレーンに手こずっており、指揮官の存在を必要としている様子でした。

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 指揮官本人も北方連合のために戦うことに違和感を抱いていません。もちろん、指揮官が騙されている可能性も残っていますが、本気で肩入れをしているようにみえます。

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 ソユーズの発言を聞くと、戦力として扱うこととは別の意味でも、指揮官に期待をしている様子がうかがえます。

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 以前の北方連合イベントのときにもソユーズは近いことを言っていました。今回は「審査は終了」と言っており、何らかの特別な素質を指揮官の中に見出している様子です。もしかしたら、コードGたちが指揮官を求める理由と同じなのかもしれません。
 ソユーズは「■■■」を指揮官に見せるといっていますが、これはクイーン・エリザベスが言う「例のもの」と同じものを指しているのでしょうか?


セイレーンは何をしたかったのか?

 今回のイベントでは各陣営がそれぞれの思惑をはっきりと示し、意図を持って行動を起こしています。逆に、セイレーンの動きには意図が感じられません。オミッターは何がしたかったのでしょうか?
 オミッターは北方連合と相変わらず戦い続けていたようです。氷山要塞でキミはやられていなかったっけ?
 オミッターは「Ⅲ型」という新しいリソースを上位個体からもらったご様子でした。そのパワーを使って、オミッターは北方連合の戦線を抜けだし、バレンツ海へと侵入してきました。

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 彼は現在、オブザーバーの指令で動いているとのことです。分身しているらしいので、北方連合との戦線にもオミッターはいるっぽいです。オブザーバーが今回出てこないので、セイレーンの作戦がどのようなものなのか全く掴めませんね。

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 オミッターは意味深なことをいろいろ言います。「外から来たモノ」とはなんなのか?

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 わざわざコードGの名前を持ちだしたり、コードGのことを頭の中で考えただけで、何者かに察知されて、にらまれるらしいです。全然意味がわかりませんね。

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 鉄血はセイレーンを利用してない様子でした。

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 ですが、鉄血とセイレーンが動くタイミングは揃っているとロシヤは言っています。セイレーンは何をしたかったのか、そして鉄血とどのぐらい連動していたのか、謎は深まるばかりです。

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 過去のイベント考察はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com

 アズレンアニメの感想も書いています。
yterapokemon.hatenablog.com

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