3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】メインストーリー9章・まとめ・考察・感想【暴風眺望】

 2022年3月17日に追加されたメインストーリー9章の物語を整理していきます。

1. ヒロック郡事件

1-1. 4つの勢力

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 ヒロック郡事件は4つの勢力がそれぞれの意思を持って動いた結果の四つ巴の戦いでした。彼らが何のために行動していたのかを把握すると、あの都市で起きたことの全容を理解しやすくなると思います。
 ヒロック郡では駐屯軍とターラー人住民の間で憎み合いが長年続いていました。対立の根っこはヴィクトリア建国時まで遡る民族紛争なのですが、裏でこの対立を煽って利用しようとしていた勢力がありました。それがダブリン(亡霊部隊)です。
 ダブリンの幹部たちはターラー人とは関わりがありません。ターラー人のためではなく、なんらかの野望のために活動をしている組織です。ヴィクトリアのあちこちで事件を起こしていて、テンペスト特攻隊は事件の痕跡を追いかけ続けていました。
 本来駐屯軍とテンペスト特攻隊は同じヴィクトリア軍の旗の下で手を取り合うことができたはずでした。駐屯軍のトップであるハミルトン大佐の過激な思想と、ダブリンのスパイがそれを邪魔し、事態は混迷を深めていきました。

1-2. ターラー人とは何者か

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 ターラー人はヴィクトリアに暮らす民族の1つです。9章で語られたことと、リードとサイラッハのオペレータープロファイルから伝承と現在の繋がりが見えてきます。
 古来ヴィクトリアはドラコ族が支配する国でした。そこに異国からアスラン族がやってきて、ドラコ族との戦争が発生しました。ターラー人は現在のヒロック郡付近で独自の文化を持っていた民族で、この戦争ではドラコ側につきました。
 ゲル王と呼ばれる人物が当時のドラコのトップでした。彼の物語はいまも伝承の中で語り継がれていて、シェイマス・ウィリアムズのような作家が作品の題材にすることもあるようです。
 ドラコとアスランの戦争はアスラン側の優勢に終わったようで、ヴィクトリアの支配権は二分されることになりました。ターラー人は戦争の敗者側の民族としての苦難の歴史が始まりました。
 時は流れ現在に至っても、ターラー人は差別的な法律や不公平な扱いに苦しんでいます。それらは数百年も続いていると言われていました。彼らには長きに渡る鬱憤が蓄積しています。
 ターラー人たちの怒りと、彼らとドラコとの繋がりをダブリンは利用しています。歴史的な背景に基づく民族の感情を争いの煽動に利用しているのです。たくさんの民衆を動かすには非常に効果的な方法です。
 支配階級であるドラコとアスランは、現在はどちらも表舞台から姿を消しているようです。テレシスが摂政王という立場でヴィクトリアにいるのは、彼らに代わって統治を行っているからなのではないかなと思うのですが、この辺りの事情はまだはっきりとは明言されていません。数百年の間にドラコとアスランに何があったのかも全然わかりません。


1-3. ダブリンの幹部たち

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 ダブリンのメンバーのうち、9章で姿を見せた幹部格についてまとめていきます。
 ダブリンのトップは「リーダー」と呼ばれる人物なのですが、なぜか2人の人物が「リーダー」を名乗っていて非常にややこしいです。後にオペレーターのリードとなる人物はそのままリードと呼ぶことにします。
 ちなみにリードは英語でReedと綴るので、植物の「葦」という意味です。leadと音が同じなのはわざとなのではないかなと思います。
 「リーダー」とリードは姉妹で、リードは妹です。リードは「リーダー」と同じように在ることを望まれていたのですが、彼女にとってそれはとても苦痛なことでした。特に性格的な部分で同じように振舞うことが難しかったようです。
 リードは赤い炎を発しますが、「リーダー」は紫の炎を操るようです。

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 「リーダー」が頼りにしている幹部格としてマンドラゴラとアルモニが登場しました。この2人の間に序列はなさそうでしたが、それ故か仲が悪そうでした。
 マンドラゴラは岩石を操る術師です。貴族に虐げられてきた卑しい身分の出身らしく、本人もそれを隠そうとはしません。
 逆にアルモニは元々貴族階級の出身らしく、テンペスト特攻隊のことを「クラスメイト」と呼んでいたことから王立前衛学校の出身者なのかもしれません。彼女の戦闘力は不明ですが、「リーダー」は"智将"として頼りにしているようでした。マンドラゴラは「リーダー」のために手柄を立てることに執着しており、アルモニはそれを利用して手なずけている様子でした。
 ヒロック郡での戦いで全員Outcastにやられてしまいましたが、ダブリンには6人の実働部隊の幹部がいました。「略奪者」「雄弁家」「放火魔」「劇薬学者」「会計官」「囚人」という物騒なコードネームを持った人たちです。(元ネタはわかりませんでした…)
 立ち絵が使い回しなこと、発言がいかにもな悪役だったこと、そしてOutcastに瞬殺されてしまったことから、あんまり強そうには見えませんでした。アルモニは彼らのことを「弱くはない」と言っていたことから、Outcastが命を投げ打つだけの相手だったことには間違いないみたいです。

1-4. 駐屯軍とテンペスト特攻隊

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 4つの勢力の残りの2つを一緒に見ていきます。ヴィクトリア軍のヒロック郡駐屯軍と、テンペスト特攻隊です。
 駐屯軍はヴィクトリアの各地を守るために中央から派遣されている軍隊です。国を守るというよりは地域の治安を守るという側面が強くなるため、住民との関わり合いが増えます。一方ロンディニウムにいるヴィクトリア軍の本隊は国を守るための主力であり、駐屯軍から見ればエリートたちです。僻みの感情が出てしまうのはしょうがないことですが、ヒロック郡事件においては激しく対立してしまったがゆえに最悪の事態を引き起こす結果になってしまいました。
 駐屯軍のトップであるハミルトン大佐は元々思想が偏った人物で、初代アスラン王を尊敬し、歴史的に対立してきたターラー人に対して差別的な思想を持っています。ダブリンはこれを利用し、駐屯軍とターラー人住民の対立をどんどん煽っていきました。ただ、これは煽られたハミルトン大佐だけが悪いというわけではなく、対立が起きてしまう歴史的背景が土壌として存在していたということであり、遅かれ早かれこういう衝突は起きていたことでしょう。
 ハミルトン大佐が信頼を置くヒルという副官はダブリンのスパイで、様々な場面で暗躍していました。ただ、駐屯軍が実施した砲兵大隊による汚染爆弾の爆撃は、ダブリンがヒロック郡に現れる前から準備されており、ハミルトン大佐の意志として準備されたことのようでした。
 ルイス・ケリー大尉はターラー人ながら駐屯軍でそこそこの階級へと昇りつめた人物でした。しかし戦いが始まってしまった途端粛清されそうになり、命がけで汚染爆弾製造の証拠を外へと持ち出そうとしました。
 テンペスト特攻隊の方を見ていきます。まず、彼らに協力していた「コック」というコードネームの人物はヴィクトリア軍の通信担当の人間ですが、普段は一般人として暮らしていて身を潜めています。ケリー大尉の掴んだ証拠を伝令しようとして汚染爆弾に巻き込まれてしまいました。
 テンペスト特攻隊の隊長を務めていたホルンは中尉という階級ながらも抜群の戦闘能力と指揮能力を持つ優れた指揮官でした。種族はループス族で、父親は白狼伯爵と呼ばれる一流の貴族であり、アスランの側近として重用された一族の出身とのことです。王立前衛学校を優秀な成績で卒業したヴィクトリア軍期待のエースとのことでした。
 バグパイプも王立前衛学校を卒業した優秀な軍人であり、彼女以外のメンバーも自律的に動ける有能な人材で構成された部隊でした。こういう小隊が無数に存在するぐらいには、ヴィクトリア軍は強固な組織ということが垣間見えます。
 テンペスト特攻隊はヒロック郡で起きている異変をいち早く察知し、首都ロンディニウムにアラートを出そうとするのですが、なぜか本隊との通信が思うようにいきません。ダブリンのスパイはロンディニウムにも入り込み、ヒロック郡の作戦のためにテンペスト特攻隊からの情報を握り潰しているようでした。

1-5. シアーシャの裏切り

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 物語の1つの山場となったターラー人集会とシアーシャの処刑の経緯が分かりにくかったので、取り出して整理していくことにします。
 シアーシャが勤めていた新聞社の編集長はターラー人組織の中核的な存在だったらしく、よからぬ計画を立てていました。
 シアーシャは9章冒頭で駐屯軍に殺されてしまったバリーという人物のいとこで、身の回りで立て続けに起こる物騒な出来事に動揺し、サイラッハに相談しました。サイラッハはバグパイプが頼りになると考え、シアーシャが盗み聞きした集会の情報を伝えました。
 ホルンとサイラッハは集会に乗り込むのですが、彼女たちには駐屯軍が見張りをつけていました。駐屯軍はターラー人住民の支柱となっている貴族たちを一網打尽にしようと集会に乗り込み、ダブリンの正体を掴もうとしました。
 スパイである副官ヒルがダブリンに密告を行ったため、リードが直々に動く結果になりました。リード率いるダブリンの本隊は駐屯軍を追い払うという名目で集会の会場となった邸宅を焼き払いますが、それはターラー人たちの口封じも兼ねてのことでした。
 このようにしてシアーシャの盗み聞きから始まった壮大な伝言ゲームは、4つの勢力全てを巻き込みました。裏切りはダブリンの幹部たちにバレて、シアーシャは処刑されてしまいました。

1-6. 戦いの結末

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 4つの勢力がぶつかり合ったヒロック郡の戦いは、ダブリンの一人勝ちで終わりました。
 駐屯軍は神出鬼没なダブリンを攻撃するために汚染爆弾を街に投下しましたが、ハミルトン大佐はターラー人住人が巻き込まれても構わない、むしろ巻き込まれてしまえと思っていたはずです。爆撃に巻き込まれなくても、鉱石病にかかってしまえばそれを理由に自由を奪うことができます。ターラー人が蜂起する前に心を折ってしまいたいと考えているようでした。
 ダブリンはこれを最大限利用しようとします。ヒロック郡の通信塔から周辺の複数の移動都市へ情報を発信しました。ヴィクトリア軍は悪で、虐げられるターラー人を助けるダブリンという組織が正義なのだと。ダブリンにこれ以上の目的はなかったらしく、ヒロック郡のターラー人住民を助けたあとは、姿を消しました。
 ヒロック郡での衝突の経緯とダブリンの本性を把握している生き残りはごくわずかです。ホルンの土壇場の機転によって街を抜け出したバグパイプは、幹部格と直接対峙したこともあり、情報を一番持っている人物です。
 歴史的経緯などからも分かるように、この事件は体制派であるアスラン陣営に対して、虐げられてきたドラコ陣営が反旗を翻そうとしている構図に見えます。しかしヴィクトリアは圧倒的な軍事力を誇る大国であり、ちょっとやそっとでその統治が揺らぐことはありません。ターラー人もそこまで数が多いわけではないため、ダブリンがどういう作戦をもって何を為そうとしているのかは依然として予測不能なところがあります。

2. レユニオンのタルラ奪還作戦

2-1. ClosureとDijkstra

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 ヒロック郡の事件から数か月後、ロドス本艦がレユニオンに襲撃され、タルラが奪われるという大事件が起きました。
 ロドス号は厳重なセキュリティシステムで守られていますが、それをダウンさせて襲撃の足掛かりを作ったのはDijkstraという人物でした。この人はクロージャの昔からの知り合いです。濃霧のせいで荒野のど真ん中に停泊しているロドス号に向かって、Dijkstraは外からメールを飛ばしてきました。
 Dijkstraがメールの中で言及していたGraceという人物は、DJ兼電子音楽プロデューサーのD.D.D.のことです。「青く燃ゆる心」の最後でクロージャD.D.D.が連絡を取り合う場面があり、その続きの物語のようでした。ハッカーとして3人は様々なやんちゃをしてきたようです。
 Dijkstraはクルビアにいたとき、とある感染者を気まぐれで助けたところ、新生レユニオンへと誘われました。「これまでもずっと反逆者として生きてきた」と自称するDijkstraは新生レユニオンのメンバーの目の光に惹かれ、彼らと行動をともにすることにしました。


2-2. 新生レユニオン

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 Dijkstraがロドスのセキュリティをダウンさせ、ナイン率いる新生レユニオン本隊がロドス号に乗り込んできました。
 ナインはもともと龍門近衛局でチェンの上司として働いていた人です。源石爆弾によってチェンと一緒のタイミングで感染者となってしまいました。チェンは比較的軽傷で、叔父のウェイの協力もあって感染した事実を隠蔽していました。一方ナインは近衛局にいられなくなり、レユニオンへ潜入捜査をしていました。チェンがナインをOnly-1という潜入時のコードネームで呼ぶ場面も過去にはありました。ナインは植物のアーツを使うことができ、花を咲かせたり、敵を眠らせたりすることができます。
 8章の最後でクラウンスレイヤーがナインに部下を託す場面がありました。ケルシーに忠告を受けて戦場を離れていたクラウンスレイヤーは、故郷シラクーザに戻って修行を積みなおす決心をしました。クラウンスレイヤーは新生レユニオンに戻ってくるでしょうか。それとも己の道を行くでしょうか。
 襲撃に同行していたGuardは元々ロドスのオペレーターで、パトリオットに心酔してレユニオンに寝返った人物です。タルラが倒されたあと、パトリオットが指揮していた遊撃隊、ファウストが指揮していた迷彩狙撃兵などと一緒にGuardもナインの下についたようでした。Guardはロドスの戦力に詳しいので、彼が襲撃のタイミングを設定しました。ロドス号にいるエリートオペレーターとケルシーを足した数が「3」以上なら襲撃はしないと。
 ナインたちはロドス号からエリートオペレーターが出払うタイミングを伺い続け、ついにタルラを奪い去ることに成功しました。ロスモンティス、Stormeyer、Pith、アスカロン、Logos、Miseryなどなどブレイズ以外のエリートオペレーターが全員本艦から出ているなんて珍しいタイミングでしたね。
 新生レユニオンがタルラを奪いにきた理由はタルラ自身にも心当たりがあるようでした。旧レユニオンがテラに生きる感染者の心に灯した炎は、いまだに燃え続けているというのが理由でした。
 タルラがというよりは、タルラを乗っ取った不死の黒蛇はレユニオン全員を捨て駒にしてウルサスと炎国の戦争を起こそうとしました。感染者のために立ちあがるという一番の目標をないがしろにされたレユニオンたちはさぞ裏切られた気分だったことでしょう。ただ、タルラの内面で起きていた戦いを知っているのはごくわずかであり、タルラ自身もそれを弁明するつもりはないようでした。
 新生レユニオンは始まりの大地であるウルサスへと戻り、ロンディニウムを目指すのだと言っていました。タルラはその前に不死の黒蛇を見つけ出したいと言ってましたが、その後は再びレユニオンのリーダーとして立ち上がるのでしょうか。

3. ロンディニウム

3-1. OutcastとMisery

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 ヒロック郡の事件はロドスにも大きな衝撃をもたらしました。エリートオペレーターのOutcastを失った一方で、バグパイプ、サイラッハ、リードの3名がオペレーターとして加わり、彼らがもたらした情報はヴィクトリアで起きる大きな変化を予感させるものでした。
 Outcastと親交の深かったMiseryはロンディニウムへ向かうことをケルシーへ強く進言していました。復讐に向かうためではなく、ロンディニウムで起きる大きな変化はロドスの危機になるであろうという考えの下の発言でした。OutcastはMiseryのことを「いつも物憂げな同僚」と呼んでいて、その性格がそのままコードネームに反映されている人物のようです。
 一方、Outcastのコードネームは直訳すると「追放」です。ラテラーノの教会を去ってロドスで働いていた境遇を指したコードネームのようでした。亡くなってしまったため彼女の能力が今後発揮されることはないのですが、リボルバーの6発目を撃つとダブリンの幹部を焼いた光のアーツを放つことができるようでした。
 ケルシーはOutcastの経歴を把握していて、彼女が過去たくさんの人を裁いてきて、最後には自分を裁こうとしているのを知っていたようでした。止められないと分かっていながら、Outcastに死なないでくれと声をかけるケルシーは悲しそうでしたね。
 ブレイズとアーミヤもOutcastの性格についてはよく知っているようで、それだけエリートオペレーターとして皆に一目置かれていた存在だったようです。AceとScoutに続けて、ロドスは大きな戦力を失うことになりました。


3-2. 鍵を握るオペレーターたち

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 亡くしたものばかりに目を向けていてはいけません。新たに加わった3人のオペレーターを中心に、ロンディニウムでの戦いが幕を開けようとしています。
 リードは汚染爆弾に貫かれて手酷く感染してしまいましたが、ドラコ族の持つ潜在能力もあってか元気になったようです。ただ、重傷を負ったあとのヒロック郡での出来事はあまり覚えていないらしく、サイラッハのことは認識していないようでした。
 サイラッハというコードネームはターラー語で「柳」。自身の名前であるウィローとともに、ヒロック郡で行われていたお祭りに使う柳の木から拝借した名前だとプロファイルに書かれています。ロドスでバグパイプに再会して一晩中語り合ったとも。
 ヒロック郡から破城矛で飛び出したバグパイプのその後の物語は、彼女の回想秘録で描かれています。バグパイプはヴィクトリア中を駆け回って助けを求めますが、ヴィクトリア軍は彼女を助けるどころか異動を命じようとしたため、怒ったバグパイプは武器を持ったままヴィクトリアを飛び出しました。ダブリンの手先が軍内部でも暗躍し、口封じをしようとしていたのかもしれませんね。
 バグパイプはチェンを頼ることに決めました。ヴィクトリアから龍門はかなり距離がありますが、彼女はヒッチハイクなどをしながら旅をして、様々な経験を積んだとプロファイルにも書かれています。龍門に辿り着いたときにはパスポートすら失っていて、ホシグマに尋問されたのちにロドスへ引き取られることになりました。
 チェンと2人でヴィクトリアに戻り、ロドスの支援を受けながらダブリンの行方を追いかけているときのワンシーンが9章の最後で描かれていました。王立前衛学校時代の同級生であるヒューズという人物を頼ろうとしていました。
 ヴィクトリアに深い因縁を持つ人物としては初期から実装されているシージも欠かせません。彼女は表舞台から姿を消しているアスラン族の生き残りです。8章のラストで「準備はできたか?」とケルシーに聞かれていたように、ロンディニウムにて為すべきことがあるようです。
 シージはリードのことは知らないとプロファイルに書かれています。「ダグダなら知っているかも」と書かれていますがどちらさまでしょうか。天秤の両側に乗るドラコとアスランがロドスにいることが、今後ロドスをどのような展開へと巻き込んでいくのか要注目です。

3-3. BSWの任務

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 ジェシカが任務に就いている場面も少しだけ出てきました。
 この任務はジェシカとリスカムにとって、ロドスのオペレーターではなくBSWの社員としての任務でした。BSWのヴィクトリア駐在員が、本社のあるクルビアに戻りたいとSOSを発したため、ジェシカたちは駐在員を引き上げるためにロンディニウムへと向かいました。
 任務の隊長はヴィクトリアにつくとすぐにどこかに行ってしまったと言われていました。意図がありそうだとリスカムは疑っていましたが、理由は分からず仕舞いでした。ヴィクトリアでやることがあったので、適当に理由をでっちあげて任務として来たのでしょうか。
 必要があればロドスのロンディニウムチームと連携を取るとジェシカは行っていたので、今後物語に絡んでくるかもしれません。ジェシカはヴィクトリア出身ですが、故郷にはほとんど戻ったことがないと言っていました。

3-4. テレシス摂政王の狙い

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 最後にテレシスの言っていたことを整理します。
 ナハツェーラーの王とブラッドブルードの大君がロンディニウムに来ていて、これでサルカズはあの内戦以降で最も統一に近い状態にあると言っていました。いくつか枝分かれしているサルカズの種族が、テレシスの下で1つになろうとしているようでした。
 ダブリンの使者もロンディニウムに来ていると言っていました。通信塔の戦いの最後の場面でマンドラゴラがロンディニウムに向かうと言っていたので彼女のことを指しているのかなと思います。「愚かで狂った下僕」だと酷い言われようでした…。ダブリンもテレシスと本気で同盟が組めるとは思っていないのかもしれません。マンドラゴラは捨て駒にされてしまうのでしょうか。
 ダブリンの「リーダー」はタルラと血筋が似ているものの、力は及ばないと言われていました。タルラは非常に優秀な戦士だったので比べられるのは可愛そうな話ではあります。
 テレシスたちはロドスがロンディニウムに近づいてきていることを察知していました。聴罪師は「サルカズの王は彼女自身の王冠の取り戻し方をわかっている」と非常に意味深なことを言っていました。メイン7章の最後で出てきた挿絵が思い出されます。
 内戦に決着がついたいまも、サルカズの王というのはテレシスのことではなくテレジアのことを指しているようでした。テレジアは「テレジア斬首作戦」で殺害されたことになっていますが、まだ生きているのでしょうか。それとも作戦名通り、首だけがテレシスの手にあるのでしょうか。
 そしてテレジアがロドスから取り戻そうとしている彼女自身の王冠というのは、おそらく魔王の力のことを指しているのではないかと思います。アーミヤがロンディニウムに突入するのは危険だと思うのですが、リーダーとしてアーミヤも乗り込んでくるでしょうか。さすがにロドスがテレシスの企みを把握するのは困難そうではあります。

感想

 ここからはただの感想です。
 メインストーリー8章はレユニオン編の総決算ということで、レユニオンとの戦いに終止符が打たれました。9章でどのような物語が展開されるのか予想が全くつきませんでした。
 9章は前半こそ新展開の始まりという雰囲気でしたが、中盤からはヘビーなストーリーになってきて、幕切れの救われなさも含めてアークナイツらしさ全開の物語だなあと思いました。
 ただ、テーマがここまでとは変化していることには注目したいです。不治の感染症が蔓延する世界で感染者vs非感染者の闘争を描いたのが1-8章でした。一方、9章で描かれたのは揺るぎない超大国が建国時から抱えていた民族対立の再燃なのかなと自分は捉えています。
 9章の悲劇の原因はハミルトン大佐の個人的な反ターラー人感情でした。しかし彼が極悪人かと言われるとそうでもない気がするのですよね。彼一人だけを悪者にすることは、それこそダブリンの術中にはまるようなもので、問題の本質から目を背けているように感じます。Miseryが「Outcastを殺害したのは個人や集団ではなく、より大きな概念」と言っていた通り、ヴィクトリアという国がはらんでいる根本的な問題や、水面下に蠢く大きな悪意を把握しないと、テラで一番豊かで強大なあの国が壊滅の危機に瀕するかもしれないのです。
 9章で描かれた対立には感染者は関わりませんでした。ロドスは一国の民族紛争に肩入れをする立場にはありませんし、ヴィクトリアという大国を救うなどという大それたことができるほど大きな組織でもありません。どのような大義を掲げてロドスが戦っていくことになるのかは気になるところです。
 9章は9章だけで完結する短編のような仕上がりになっていました。10章以降はまた全く別の展開になるかもしれません。新鮮な気持ちで10章を待ちたいなと思います。
 あと、9章はバグパイプが最高でした。


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