3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 潮汐の下 編

 2021年10月21日スタートのイベント「潮汐の下」のストーリーを考察する記事です。今まで謎だった海の話がたくさん語られるイベントになりました。

時系列整理兼目次

 上表のように時系列に沿って整理をしていきます。
 「潮汐の下」のスタートはグレイディーアがロドスを訪れるところからでした。その時点よりも過去の話もたくさん語られたので、まずはそこから見ていくことにします。

1. エーギル族 vs 海の怪物

 今まで謎に包まれていた海の中には、エーギル族と海の怪物という2つの勢力が暮らしているのだということが語られました。「エーギル」というのは種族の名前でもあり、国の名前でもあります。
 2つの勢力は海中で共存できれば問題なかったのですが、残念ながら海の怪物はエーギル族を襲い、多数のエーギルの都市が滅ぼされました。海の怪物には様々な種類がいます。人と違ってどんどん世代交代をする中で進化し続ける生物です。
 エーギルは科学技術に優れた国家です。海の怪物という脅威に対して様々な対策を講じました。その1つがアビサルハンターでした。
 アビサルハンターはエーギル族の身体に海の怪物の血を取り込んだ混血の戦士です。今まで「エーギル」と「アビサル」の違いがよく分かっていなかったのですが、このイベントでだいぶはっきりとしました。「アビサル」は混血の人々を指す言葉だと思いますが、彼らはハンターになるために生まれてきたわけなので、基本的には「アビサル」と「アビサルハンター」は同義だと考えて良さそうだなと思っています。
 海の怪物たちは知能があまり発達していません。アビサルハンターに出くわすと、彼らの身体の中に自分たちの同胞が囚われていると勘違いをして、ハンターに襲い掛かりました。アビサルハンター側も海の怪物を退治するために生まれてきたわけなので、血みどろの戦いが巻き起こったのだと思います。
 アビサルハンターたちは「冷兵器」と呼ばれる武器を使っています。スカジのプロファイルなど、至る所でアビサルは変な武器を使っているということに言及されていましたが、エーギルが開発した未知の武器のようです。これを使うと海の怪物の進化を抑えることができるようでした。現実の「冷兵器」と同じなら、単に火薬を使わない武器ということですね。
 アビサルハンターたちは海の怪物と戦う使命を懸命に果たしていたのですが、なんと敵はエーギルの中にもいました。スカジは自分の家族が怪物に殺されてしまったという話を度々していましたが、実はその犯人は同じエーギル族の深海教会と名乗る勢力だったのです。
 深海教会がどういう組織なのかはまだ全然分かりません。「潮汐の下」のボスである「司教」クラスの人物があと2人いることはわかりました。
 深海教会はアビサルハンターたちを蔑視しているようでした。その理由はおそらくアビサルハンターの誕生の秘密に関わっているものと思います。アビサルの事情に詳しそうなグレイディーアでさえ、アビサルの出自の全てを理解しているわけではなさそうでした。


 アビサルハンターたちはとあるタイミングで、海の怪物の起源と呼ばれる存在に攻撃を仕掛けます。当然怪物側も必死に抵抗したので、出撃したアビサルハンターはスカジ以外全滅してしまったと言われていました。
 スカジは決死の思いでその起源とやらに肉薄しました。「それ」とか「■■■」とか「神」とか呼ばれていた存在です。恐ろしい強さを持った存在のはずが、対面するスカジに抵抗する素振りは見せず、あっさりと倒されてしまいました。再び眠りに就いたと言われていたので、死んだわけではなさそうでした。
 「それ」は今わの際にスカジに言葉を残します。「我らの苦難は永遠なり」。アビサルハンターには怪物の血が流れていますから、「それ」が言う「我ら」にはスカジも含まれていたのかもしれません。
 「それ」が撃破されたあと、状況にどのような変化があったのかははっきりとは描かれませんでした。おそらくエーギルと海の怪物の対立状況は特に変化がなかったらしく、一部のエーギル族は海から陸へ上がることになりました。イベリア出身のソーンズやウィーディーの先祖はこういうタイミングで陸に上がってきた人たちなのだと思います。
 スカジはたった1人のアビサルハンターになってしまい、エーギル国内にはとどまれなかったのではないかと思います。彼女も陸へと上がることになりました。

2. 陸に上がったスカジ

 陸に上がったスカジは、ロドスに来る前はバウンティハンター(賞金稼ぎ)をしていました。これはスカジのプロファイルにも書かれていて、ロドスの皆も知っている事実です。
 「潮汐の下」でサルヴィエントへの行き方を教えてくれるホセという人物は、スカジのバウンティハンター時代の仲間でした。ホセの息子であるファンとともに、ターゲットを撃破して賞金を稼いで暮らしていたのだと思います。
 ファンはスカジにつきまとう「影」に殺されてしまったと言われていました。スカジはこのときも、海の怪物が自分を狙っているのだと勘違いをしていましたが、犯人は同じエーギル族である深海教会でした。
 深海教会の司教はスカジにプレッシャーを与え続けることができたと言っていました。スカジ本人は強すぎて殺すことができないのか、本人も殺せるけれど別の目的があったのか、いずれにせよスカジの周りの人を殺害していきました。
 スカジは自分が一緒にいると周りに迷惑がかかってしまうことを悟り、ホセたちの元を離れて一匹狼のバウンティハンターとして生きていくことを選びます。彼女は無茶苦茶な人なのですが、根っこは優しい人なんですよね。
 その後どういう経緯があったのかはまだ分かっていませんが、スカジはロドスに来ることになりました。
 ちなみにホセという人物にわざとらしく名前がついていたのは理由があります。イベント「彼方を望む」のミルラの回で、イベリアのとある村を司教が訪れた場面が描かれており、そのとき子供時代のホセが登場していました。
 このとき司教は宣教師を名乗っていました。

 ホセは勉強ができるけれど貧乏で学費が払えませんでした。それを見かねた友達のアントニオが盗みを働いて学費の足しにしてもらおうとしていました。勉強ができるというところが情報屋をしている今に繋がっているのだとしたら、悲しい結末ですよね。イベリアが先進的な国家であり続けていれば、ホセは学者や研究者になれたのかもしれません。
 ホセは泣き虫な子どもでした。それがいまや息子を亡くした老人になっていて、数十年の月日の流れを示す存在になっています。つまり、そんなに昔から司教はイベリアに入っていて、イベリアの国民たちの心を操ろうとしていたという伏線だったわけです。

3. イベント「騎兵と狩人」

 スカジがロドスに滞在する目的はスペクターの存在です。「潮汐の下」で詳しく語られたことではあるのですが、実は以前からスカジはスペクターのために行動をしていました。
 スカジがカジミエーシュで暴れたという噂がホセの元にも届いていました。これは以前のイベント「騎兵と狩人」で語られた、滴水村のお宝を巡る戦いのことを言っているのだと思います。
 あのイベントでなぜスカジはロドスの命令を破ってまでお宝を得ようとしていたかと言うと、そのお宝をケルシーが探していることを知り、ケルシーとの交渉材料に使おうとしたからです。スカジが欲しがったのはスペクターの情報でした。「騎兵と狩人」の時点ではもうスペクターがロドスに来ていて、治療を受けていたようです。
 このときケルシーが言っていた「源石神経剤」というのがなんなのかイマイチわかっていませんでしたが、「潮汐の下」で大体わかりましたね。スペクターは深海教会に捕まり、源石を使って鉱石病に感染させられる人体実験の被験者となってしまったようでした。
 「騎兵と狩人」は「きへいとかりうど」ではなく「きへいとハンター」と読みます。この理由もあんまりはっきり分かっていなかったのですが、アビサルハンターは自分たちがハンターであることを大事にしているのかなと「潮汐の下」を読んで思いました。

4. グレイディーアのロドス来訪

 というわけでここから「潮汐の下」の時系列へと移っていきます。疾風のように移動できるグレイディーアがロドスへと侵入し、スペクターの身柄を連れ去りました。スカジはそれに匂いと歌で気づきました。
 スカジは海での最後の戦いでグレイディーアは死んでしまったものと思っていました。ただ、スペクターがなぜか生きていたので、もしかしたら他にも生き残りがいたのかもしれないとも言っていました。
 グレイディーアは深海教会の司教を発見し、スペクターの身体を治す手がかりになるかもしれないと考えていたようでした。スペクターを連れ去り、スカジには行き先を伝えることで、スカジにも手伝ってほしいと考えていたのかなと思います。
 スカジにとってスペクターは唯一の同胞でした。生きる目的を見失いそうになっていたスカジにとって、スペクターの存在は航路であると語っていました。そんなスペクターを連れ去られてしまったので、スカジは居ても立っても居られません。サルヴィエントへと向かうことにしました。

 グレイディーアはスカジに対して、「執政官」の身分がどうのこうのという発言をしていました。これがなんなのかはグレイディーアのプロファイルを読むと分かります。
 エーギルには技術執政官と科学執政官という2つの支配階級があります。政治家や軍人ではなく、科学者と技術者が統治する非常に珍しい国家なのだと書かれています。技術が発展しているのも頷けます。グレイディーアは技術執政官なのだそうです。
 技術執政官のもとに連なるエーギルの技術者たちは、大部分がイベリアに移り住み「島民」を名乗っているとのことでした。イベリアがかつて技術に優れた国だと言われていたのは、エーギル族の移民の力だったようです。
 一方で科学者たちは最先端の住み家を離れるつもりがないと書かれているため、まだ海の中のエーギルの都市に留まっているようでした。海の怪物の勢力は大きくなっていると思うのですが、まだ滅びていない都市もあるようです。
 エーギルという国はアビサルハンター以外にも海の怪物に対抗する手段を色々と持っている国なのではないかなと思います。怪物にやられてしまった可哀想な国だというふうに捉えるのは間違いなような気がしています。今後も要注目です。


5. サルヴィエントと海の取引

 サルヴィエントは食料を自給自足できない都市にも拘わらず、住人たちは亡霊のように生き長らえていました。その極めて異常な事態が徐々に明らかになっていく今回のイベントストーリーは、不気味ながら面白かったですね。
 黒幕は深海教会の司教でした。サルヴィエントだけでなく、イベリアの海辺の複数の都市をこのような状態で管理しているとのことでした。司教は住人に対してイベリアの経典を読み聞かせることで、彼らの心を掴んでいきました。幼いころから慣れ親しんだものなので受け入れられやすかったのでしょうね。
 定期的に生贄を海に寄越すようにしたのは、もちろんイベリアの経典には書かれていないことです。生贄を提供することでしか食料が獲得できないのであれば、飢えた住人たちに選択肢などありません。司教は定期的に生贄を得ることができ、その生贄は恐魚へと姿を変えてしまっていたようです。恐魚を使って何をしていたのかはわかりませんでした。戦力を増強しよからぬ企みに使っていたのか、もしくはただ単に人間をコントロールをする愉悦に浸っていただけなのかもしれません。
 住人が変異した姿である恐魚と、スカジを襲うために陸に上がってきた恐魚は別物です。審問官アイリーニが「違う」と言っていたのはこの差異を示しています。

 スカジは大審問官との戦闘で負傷して血を流してしまいました。スカジの血は恐魚をおびき寄せてしまうらしいです。アビサルハンターには海の怪物の血が混ざっていますから、血液の匂いには特別反応しやすいのかなと思います。
 スカジは「騎兵と狩人」の頃から、大地で血を流すことを嫌うと言われていました。なぜなのかよくわかっていませんでしたが、敵が襲ってくることを知っていたからなんですね。

6. 3人のハンター vs 司教

 スカジはサルヴィエントの教会に突撃し、司教へ詰め寄ります。司教はグレイディーアとともにスカジを待っていました。
 司教は教会の地下へと2人を連れていきました。そこには高濃度の源石液に浸ったスペクターが捕えられていました。
 グレイディーアの目的はスペクターの治療方法の手がかりを見つけることでした。彼女は司教にとってスペクターが大事な研究材料であることを知り、スペクターを殺すことはしないと判断し、一旦スペクターの身柄を手放していました。グレイディーアはスペクターの手がかりがもう得られないだろうと見切りをつけて、司教を始末するモードへと移行します。
 スカジは司教が語った真実に衝撃を受けていました。「1」で整理したようにスカジの大切な人を奪ったのは海の怪物ではなく深海教会でした。司教に対してはブチギレモードでした。
 そんな中でもう1人の来訪者が現れました。進化を重ねてついに喋れるようになった海の怪物「ファースト・トーカー」です。海の怪物の中でも高等な生理構造を持つ存在をシーボーンと呼び、ファースト・トーカーはシーボーンの一種だと言われていました。
 司教はファースト・トーカーのことを「使者」とか「あのお方」と呼び、あのお方がスカジを求めているということをグレイディーアに漏らしていました。グレイディーアはそれが気になっていました。何をスカジに聞きたがっているのかを確認するために、グレイディーアはわざとファースト・トーカーの攻撃を受け、ファースト・トーカーに考えを喋らせる時間を作りました。(あんなに派手に刺されなくてもよかったのではと思いましたが…)
 ファースト・トーカーはスカジが怪物の「神」を倒したハンターであることを知っていて、「神」が最後に何を言ったのかを聞きたがっていました。自分たちの起源である「神」の神託を聞き、今後の活動の礎にしたかったのかもしれません。
 ファースト・トーカーは怪物の血が流れるアビサルハンターたちを同胞と呼び、シーボーンになっていた司教のことも同胞と呼び、どちらの命令も受け入れるスタンスを示していました。「ウソ」や「拒絶」といった概念が理解できていなかったファースト・トーカーは、進化を重ねたとはいえまだまだ下等な生物なのだとグレイディーアに言われていました。
 ファースト・トーカーはグレイディーアのことを「Gla-dia」と呼びますが、彼女の名の正式なスぺルは「Gladiia」です。ファースト・トーカーの言葉がまだ拙いことを示しているのでしょうか。スカジの本名は「Ishar-mla」と言うらしいですが、これももしかしたら微妙に綴りが違うのかもしれません。
 スカジは「神」が言っていた「我らの苦難は永遠なり」という言葉が喉から出かかる寸前で思いとどまり、起き上がったグレイディーアがファースト・トーカーを倒しました。
 追い詰められた司教はシーボーンの身体を解放しましたが、ちょうどスペクターも眠りから覚めて、3人のアビサルハンターたちにやられてしまいました。さすがに相手が悪かったですね。

7. ケルシーが語るイベリア

 事態の収拾にケルシーがわざわざロドスから駆けつけてくれました。大審問官に対してケルシーは自分の考えを語りました。
 深海教会は何十年も前からイベリアに潜伏して力を蓄えていました。危険な存在である深海教会をイベリアは排除すべきなのですが、深くに根を下ろしていてそれができない状態になってしまっているようでした。
 イベリアは海に面した国なので、テラの大地では唯一陸と海の両方を認識している国です。この知識の差で、かつては他の国々をリードする存在だったようなのですが、いまではサルヴィエントのような廃墟が点在する国になってしまっているようでした。
 イベリア崩壊の原因は、「大いなる静謐」と呼ばれる危機が発生したことのようでした。これがどんな事件だったのかは全く分かりませんが、ペトラおばあさんも「暗黒の時代があった」と言っていたので、イベリア国民にそこそこ知られた事件のようでした。
 ケオベの茸狩迷界にて、まさにその名前のお宝が出てきました。エーギルと関連した事件なのかもしれません。

 ケルシーは大審問官に対して、イベリアが倒れてしまえば海の真の姿を知る者がいなってしまうと警告を発しました。イベリアは海の脅威から人類を守っているのだと。
 このケルシー警告には見覚えがあります。「遺塵の道を」でケルシーは人類同士が揉め事を起こしたり、その結果として外敵に付け入るスキを与えることをなんとか防ごうと必死にテラの各地を駆け回っていました。「潮汐の下」でわざわざイベリアまで飛んできたのも、目的は一緒なのかなと思いました。
 大審問官がどう思ったのかはわかりませんでした。あの場では特に何も言ってくれず、淡々とサルヴィエントの事後処理の話をしました。この事件を処理するにあたっては、誰かが証人になる必要があります。ケルシーは牢獄に入る気だったので、犯人として捕らえられる想定だったのかもしれません。いずれにせよ、ケルシーは大審問官に連行され、イベリアの裁判所へと行くことになりました。ここからしばらくはケルシーはロドスを不在にするようです。


8. グレイディーアの目的

 ロドスに帰ってきたグレイディーアは、トイレで鏡を見て思い悩んでいました。首筋には鱗が生えてきていて、海の怪物の姿へと身体が変化していってしまっているようでした。
 グレイディーアはぶつぶつと独り言を言います。シーボーンたちが血脈を呼び起こす前に根源を壊滅すれば、まだエーギルを守るチャンスがあるみたいです。「私にエーギルは聞こえない」と言っていて、ここでのエーギルというのは国家でも種族でもない別の意味で言っているようでした。また、アビサルの秘密を先に知らねばならないとも言っていました。
 今後の目標としては2点を挙げていました。黄金の大船とカギを手に入れることです。船の方はイベリア艦隊の最後の一隻とのことでした。かつてイベリアは艦隊を持っていたようですが、一夜にして壊滅してしまったそうです。海の怪物にやられてしまったのでしょうか。
 カギの方がどんなものなのかはわかりませんでしたが、エーギルの話に出てくるカギというのは、スカジがカジミエーシュで見つけてきたあのカギが怪しく見えてしまいます。「青く燃ゆる心」と「帰還!密林の長」を経て、いまあのカギを持っているのはAUSのAltyです。彼女もエーギル族です。今後物語にどのように絡んでくるでしょうか。
 このカギを使うと宝物湖の扉が開き、火山が解放できるとのことでした。「湖」と「火山」と言えば、我々にはシエスタが思い浮かびますね。

 「青く燃ゆる心」の中で、ソーンズが湖に現れた化け物と戦うシーンがありました。あのときは化け物の正体はよくわかっていませんでしたが、海の怪物の一種なのかもしれないですね。微妙に言葉を発そうとしていたので、ファーストトーカーに近いぐらい進化をしていた怪物なのかもしれません。

 というわけで今までのイベントで散りばめられてきた海に関する伏線がある程度は回収された形となりましたが、それに代わるように今後に繋がる新たな謎が提示されました。エーギルを巡る物語が今後どうなっていくのかが楽しみです。


番外編:濁心スカジとは何者なのか

 最後に濁心スカジについて触れておきます。これをなぜ番外編と名付けたかというと、「潮汐の下」の本筋には関係ないのではないかと思ったからです。
 同じ異格オペレーターであるラヴァと炎獄ラヴァの関係と比べてみます。ラヴァはロドスに来た頃はひよっこでしたが、アーツの猛特訓を重ねて星5オペレータークラスの術師へと成長します。
 イベント「画中人」で炎獄ラヴァはシーのいる山に出向いて絵の中を冒険し、ウユウとシーとサガと出会いました。彼らはオペレーターとして実装されたことから、画中人は確実に起きる未来の出来事と考えて良さそうだと思っています。
 濁心スカジもどうやらスカジの未来の姿らしいということはボイスでわかります。しかし、その未来が必ず起きるわけではないのではないかというのが自分の解釈です。
 濁心スカジの服は「潮汐の下」の歌い手の格好と同じですが、中身が全然違っています。公式Twitterで「異質の存在」と言われているのはそういうことなのではないかと考えました。

 濁心スカジはボイスの中で、「もうすぐ空気中を泳げる」だとか、「身体を流れるのが血液ではなくなった」とか、化け物じみたことを言っています。怪物に近づいてしまったものと思われます。
 剣は腐り落ち、シーボーンを召喚して戦うようになっています。戦い方も丸っきり変わってしまいました。
 そして一番大きな違いとして、アーミヤとケルシーを救うことができず、いまはドクターと2人っきりなのだと言っています。濁心スカジがいる世界ではロドスが崩壊してしまっているような言い方をしているのですね。

 ロドスが崩壊する未来というのもIFの可能性ではあり得るでしょう。テラの世界は厳しいですから。ただそれはもうプレイヤーにとってはバッドエンドのゲームオーバーと言って良い状態です。この濁心スカジは今後スカジの身体に重大な変化が起きた時に対処の仕方を間違えて、悲惨なことになってしまったIFのスカジなのかなというのが自分の考えです。
 濁心スカジのプロファイルにはスカジの身体に変化が見られ始めた頃から、激しくなってきたころの話が書かれています。その後の記録は残っていませんが、ロドスが崩壊してしまったなら記録をつけられるはずもないので、記録の残り方としては妥当だなと思います。
 少なくとも「潮汐の下」で見た限り、スカジの身体には何の異変もありません。変化が始まってしまうのはどんな世界線でも不可避なのか、もしくは変化が始まってしまう世界線がIFの物語として存在しているのか、どういう構造になっているのかはよくわかりません。
 スカジは「神」とやらを倒した特別なアビサルハンターなので、彼女の身体にすごいことが起きるということ自体は不思議ではありません。しかし、「神」はすでに大昔に倒してしまった動かせない事実なので、そこが分岐点になっているとは考えたくないところです。
 もしかしたら「潮汐の下」の話の中で、世界線が割れるような重大な分岐点があったのかもしれませんが、私にはそれが見つけられませんでした。なので自分がここに書いた解釈は間違っているのかもしれません。ちょっと確証が得られないなというのが正直なところです。

感想

 ここからはただの感想です。
 「潮汐の下」というストーリーは、イベント内で起承転結まで語られたサルヴィエントの物語と、アークナイツ全体を貫く海の謎の2つの要素で構成されていました。考察事項は後者に集中し、前者についてあまり書けなかったのでここで書こうと思います。
 前者のストーリーは「正しさとは何か」を揺さぶられる物語だなと思いました。
 サルヴィエントは自力で食料を生み出すことができなくなった地の住人を、司教が邪悪な方法で養っている歪な都市でした。住人たちの認識は歪められていて、その元凶である司教の考え方は常人には理解できません。
 異邦人としてあの町を訪れるスカジ、グレイディーア、スペクターの3人も特殊な生い立ちと常人離れした戦闘能力を持っているため、立場やスタンスは一般的ではありません。ケルシーと大審問官は達観しすぎているという点で普通ではありません。
 あの都市で一番我々に近い常識に基づいて行動しているのは誰でしょう。自分は審問官アイリーニだと思いました。彼女こそが我々の代弁者だったのではないかと思います。
 アイリーニの考え方、行動、言葉は、我々からはすごく正しく見えます。しかしサルヴィエントという特殊環境においては、アイリーニのやっていることは誰からも理解されません。一番間違ったことを言っている人物と認定されてしまっているのです。

 アイリーニがぶつかった葛藤に対して、この物語は「郷に入っては郷に従え」という単純な結論には持っていきません。自分が間違っていると思ったことは、たとえ世界中を敵に回したとしてもそれを貫き、責任を負う覚悟があるのかという判断をアイリーニは迫られます。アイリーニの考え方が我々にも近いため、我々も同じ目線で悩むことになるのですね。

 サルヴィエントの住人は助けるべきイベリアの民なのでしょうか。司教がいなくなったあの街で、果たして飢えた彼らを助ける意味はあったのでしょうか。司教がいなくても恐魚になってしまう可能性があるかもしれません。殺してしまったほうが良かったのではないでしょうか。
 狂気に包まれた異常空間に踏み入ってしまったとき、我々の正気はどこまで機能をしてくれるでしょうか。自分をどれだけ信じられるでしょうか。異常者を裁いて良いとして、我々の物差しで裁いていいものなのでしょうか。
 こういう極限状態での人間の在り方を描いてくれるのが、アークナイツの好きなところです。映画や小説にも劣らない、面白くて考えさせられるストーリーを提供してくれます。皆さんはいかがだったでしょうか。



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