3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アークナイツ】ストーリー考察/感想 - 赤松林編

 2022年4月14日開始のイベント「赤松林」のストーリーを整理していきます。

1. カジミエーシュ概観

 カジミエーシュの物語を読んでいくときは、この国独特の権力構造を頭に入れておくと把握しやすくなります。監査会、騎士協会、商業連合の3つの勢力の権力争いが主軸となります。
 監査会は「政府」が省略されて呼ばれることが多いので何をしている組織なのかわかりにくいですが、その名の通り行政を担っています。様々な国の決定ごとに関与するのはもちろんのこと、他国との戦争を主導するのも監査会です。国を守るための戦力である征戦騎士たちは監査会が動かします。
 騎士協会は読んで字のごとくではありますが、彼らが担当するのは競技騎士がメインです。今のカジミエーシュは生まれに関係なく、騎士競技で活躍をすれば誰もが騎士階級になれる可能性があり、その認定をするのがこの組織です。
 ストーリー上で黒幕的に扱われるのが商業連合です。カジミエーシュは征戦騎士の従者だった一般市民がお金の扱い方に長けていて、多くの大企業を生み出しました。お金の力で国を動かしていて、監査会や騎士協会を一歩リードする存在となっています。絶大な武力を誇る騎士に対しても、無冑盟という対騎士専門の殺し屋手段を作ることで対抗できるようになりました。
 さて、赤松林の物語ではそれぞれの勢力に属する人たちの悲喜こもごものストーリーが展開されました。このあと1つずつ見ていくことにします。


2.歴代メジャー優勝者

 競技騎士たちの現状を知るには、歴代のメジャー優勝者を見ていくと概観を掴みやすいです。古い年代から遡っていきます。
 15年前、12年前、9年前の大会を3連覇したのが黒騎士という人物でした。この人はリターニア出身のキャプリニーで、最初はアーツの使い方すらわからなかったらしいですが成長して無敵のチャンピオンとして君臨しました。いまはカジミエーシュを離れ、イェラグの財閥に雇われています。
 6年前の大会で優勝したのがマーガレットです。感染者であることを隠蔽した罪で国外に追放されてしまいましたが、「マリア・ニアール」「赤松林」を経てもこの経緯はわかりませんでした。本当にマーガレットは感染者なのか否か、何故追放されてしまったのか。真相が気になるところです。
 直近の3年前大会を優勝したのが血騎士です。この人は感染者で、チャンピオンの権限で騎士競技のルールを一部変更させました。感染者も競技へと参加できるようにしたのです。「赤松林」で描かれた感染者騎士たちの活躍の発端はこの人がルールを変えたことにあります。戦い方は非常に恐ろしかったと言われていますが、感染者の生きる希望を生み出した人物でもあります。どんな人なのでしょうか。
 そしてメジャーの最新大会が現在絶賛開催中です。「赤松林」の最後の時系列は予選の終盤で、マーガレットがいまから参加して本戦出場のポイントを集めきれるのかどうか微妙な時期だと言われていました。



3. レッドパイン騎士団設立

 今回の主役であるレッドパイン騎士団を見ていきます。創設者は焔尾騎士ソーナと灰毫騎士グレイナティです。
 騎士競技の闘技場で2人が初めて出会ったとき、お互いに面識はなかったのですが、実はソーナの過去に因縁がありました。ソーナの故郷に天災が降り注いだとき、本来手を差し伸べるべき地元の貴族が救助をしませんでした。その結果ソーナは感染者になり、故郷は廃墟になりました。レッドパインが植わっている土地だそうです。
 ソーナを助けなかった貴族がグレイナティの家族たちカリスカ家です。軍功で得た林を使って林業を営んでいましたが、トップの判断ミスで経営が傾いていきました。不慮の事故でグレイナティが感染者になってしまったとき、一族の没落の原因をグレイナティになすりつけ、一族総出で彼女を故郷から追い出してしまいました。
 2人はカジミエーシュの中心である大騎士領の感染者闘技場で運命的な出会いをして、感染者のために戦う騎士団を作りました。「マリア・ニアール」のときに細々と語られていたことに、このイベントでスポットライトが当たった形です。


4. 感染者騎士たち

 ソーナとグレイナティは感染者騎士をレッドパイン騎士団に勧誘して仲間を増やしました。
 野鬃騎士イヴォナは貴族騎士と揉め事を起こして出場停止処分を受けたところを、ソーナたちに救われて仲間になりました。この人は征戦騎士の家系の生まれです。「鬃」の字は馬のたてがみという意味なので、由緒あるクランタ族だよということを示しているように思います。
 遠牙騎士ユスティナは「マリア・ニアール」のときに名前だけ出てきていた人物です。マリアが2vs2のタッグマッチに挑戦する際、ゾフィアの知り合いだったユスティナとタッグを組むことになっていたのですが、ファンに襲われて失踪してしまったということになっていました。

 歴戦の猛者である騎士がファンに襲われた程度でどうにかなるはずもなく、その裏側が今回語られました。多くの企業騎士団の誘いを断って独立騎士団の設立を宣言したユスティナは商業連合に目をつけられ、刺客に襲われていたところをソーナたちに助けられました。ソーナたちと一緒にいることに居心地の良さを覚えたユスティナもレッドパイン騎士団に加わりました。
 「赤松林」ではユスティナがとある任務に就いている場面が描かれました。合成樹脂騎士シェブチックの救助です。シェブチックはマリアに負けた試合以降、スポンサーからの扱いが悪くなってしまいました。ポイントは貯まっていたもののスポンサーの意思でメジャー本戦には出られないことになってしまい、抗議をしようとしていました。
 「マリア・ニアール」のサイドコンテンツの中で、シェブチックが毒薬を盛られて病院に運ばれたというニュース記事がありました。シェブチックの救出劇はあのお話の続きでした。代弁者チャルニーと色々な会話をしたので、真相を知りすぎたという面もあったのかもしれません。

 ユスティナは感染者になったせいで故郷に戻れなくなってしまいました。シェブチックの話を聞いたときに、彼の息子がユスティナと同じような目に遭ってほしくないと願い、シェブチックを助けることにしました。
 感染者騎士たちの境遇を見ると一目瞭然ですが、カジミエーシュでは商業連合に属する大企業に不利益なことをすると非常に痛い目を見ます。極度に先鋭化した資本主義は、お金が人の命を容易く奪うのですね。


5. ウルサスvs極東(とカジミエーシュ)

 感染者騎士たちの会話の中で興味深い情報があったのでまとめておきます。イヴォナが語ったウルサスと極東の戦争のお話です。彼女は征戦騎士の家の生まれで、国内外の戦争の歴史を勉強させられてきたと言っていました。
 1062年、第十次カウ戦争が起きて、ウルサスはカジミエーシュの都市を奪いました。1072年、今度はウルサスが極東に戦争を仕掛けたのですが、極東に返り討ちに逢いました。その隙にカジミエーシュは奪われた都市を奪還しようとしましたが、失敗に終わりました。
 カウ戦争というのは国境を接するウルサスとカジミエーシュが何度も何度も戦った一連の流れを示しているのだと思います。第十次以降もあったのかもしれません。ニアール家の英雄の活躍もあったのだと「マリア・ニアール」でうっすら語られていました。
 当時のウルサスの皇帝が危篤状態に陥ったとき、ウルサスの貴族と師兵団はカジミエーシュから奪ったものを自分たちのものにしてしまいました。その実態に皇太子が気づきそうになり、目を逸らすために極東に戦争を仕掛けたとのことです。相変わらずめちゃくちゃな国ですね。今から25年前の話なので、現皇帝のフョードルが皇太子だったころのお話なのかなと思いました。
 適当な理由で標的にされた極東はウルサスと果敢に戦い、最後はウルサス国内で行われた決戦で勝利したと言われていました。この決戦は「血峰の戦い」と呼ばれていて、ヘラグとアカフユのプロファイルに出てきます。闘争の血脈シリーズのヘラグのコーデ「岐路幻影」はヘラグが「血峰の戦い」に参戦したときの服装で、極東側に寝返ったヘラグの親友の姿が描かれています。

 「血峰の戦い」はウルサスの東側が主戦場になったので、西側に位置するカジミエーシュはチャンスと見たことでしょう。奪われた都市を奪い返そうとして征戦騎士隊を送り込んだのですが、襲撃を予期していたウルサスの師兵団に待ち伏せされて壊滅してしまったとのことです。ここにはイヴォナの祖父母も親戚も含まれていたと言っていました。

6. ニアール家

 「マリア・ニアール」でマーガレットが帰還してきたニアール家のお話を見ていきます。「マリア・ニアール」のラストではムリナールがマーガレットに決闘を持ちかける場面がありました。「赤松林」はその続きから始まりました。
 マーガレットはメジャーで優勝するほどの実力を持ち、そのあとロドスで様々な経験をしてさらに強くなったと言われていました。そんなマーガレットに対してアーツを使わないまま互角に戦えるムリナール叔父さんも、相当のやり手なんだろうなということがわかりました。マリアやゾフィアに対して横暴な態度をとっていたのも、実力が伴っていたからだと思うと少し見え方が変わりますね。
 マーガレットたちの両親が健在だったころ、マーガレットの父親とムリナールは一族の英雄だったのだとゾフィアが言っていました。両親は失踪してしまい、ムリナールはそれをきっかけに自暴自棄になってしまったと言われていました。どういう経緯だったのでしょうか。マーガレットたちの祖父が語ってくれた昔話の中で、ムリナールが小貴族を懲らしめたエピソードが出てきました。いまのようなひねくれ者になってしまったのには理由があるのでしょう。
 ムリナールがトーランドという人物に声をかけるシーンが一瞬だけ出てきました。この人が敵なのか味方なのかはよくわかりませんでした。無冑盟の人なのかなと思ったのですが、妙に親し気でした。
 マーガレットは危険を冒してまでメジャーの本戦に出るのだと固く決意していました。迷える人たちに新たな視野を切り拓きたいのだと。この人は本当に崇高な思想を持つ人です。一方マリアは騎士になりたいと本気で思っているわけではないのだと言っていて、自分のポイントをマーガレットに譲渡する提案をしていました。


7. 無冑盟

 プラチナお嬢が「プラチナ」になった経緯が語られました。彼女の本名はセントーレアというそうです。職位とコードネームが紛らわしいので本名が出てきてくれてよかったです。
 セントーレアは学生を卒業した後、ローズ新聞のお抱えの独立騎士として活躍していました。あと一歩で騎士称号が得られるというところで、前任のプラチナの目に留まり、無冑盟の一員になることになりました。
 無冑盟は「三二一の逆ピラミッド」という突飛な階級構造を持つ組織です。幹部は6人いて、クロガネが3人、ラズライトが2人、プラチナが1人です。上位ほど難しい任務を受けるので、チーム単位で当たれるようになっているのでしょうか。
 前任のプラチナは征戦騎士の隊長を殺す任務を受けた際、あろうことかそのターゲットに惚れてしまい、彼女を守ろうとしました。それがバレてラズライトの片方に殺されてしまいました。亡くなった征戦騎士の隊長はフォーとコーヴァルが毎年お墓参りに出向いている人物です。
 前任のプラチナは殺される直前、セントーレアを後継者へと指名しました。なぜセントーレアだったのかは明かされておらず、代弁者と同じような理不尽な引継ぎのように描かれています。セントーレア本人に「プラチナ」が務まるだけの力量があったと見抜いていたのは間違いないみたいです。
 前任のプラチナがセントーレアを無冑盟に引き抜いたのは、彼女が長距離射撃が得意で、競技場で求められる短距離速射には向いていないと見抜いたのが理由でした。スキルが発動すると射程が1マス伸びて、攻撃速度が落ちるというタワーディフェンス上の特性がこれを表していてすごいなあと思いました。スキルの名前はペガサスアイというのですが、マリアが祖父に言われた「おまえはペガサスの瞳を持っているんだ」と被るのはなぜなんでしょうね。
 ラズライトの立ち絵が初めて出てきました。その名の通り青を基調とした衣装でした。

8. 今後の展開

 今後に繋がりそうな話題は2つあったのでまとめておきます。
 ソーナはカジミエーシュでの感染者の身分を認めてほしいと監査会に直談判にいきました。出てきた窓口は騎士協会の副会長を務めるデミアンという人物でした。この人は名の知れた征戦騎士でしたが、文官に鞍替えしたと言われていました。
 デミアンがソーナに提示した条件は「大分断」でした。メジャーが開催されている期間中、カジミエーシュにある四大移動都市が連結し、大騎士領カヴァレリエルキが出現します。これを「分断」して、この都市を眠らせてほしいというがデミアンの望みのようでした。
 「四都市大分断の悲劇」という言葉が「マリア・ニアール」の中でも出てきたように、カヴァレリエルキが分断されてしまうのは大事件であり、監査会にいる人物が望むのは奇妙なことです。狙いはなんなのでしょうか。権力争いの相手である商業連合の利益を削ぐことだったりするのでしょうか。いずれにしてもデミアン本人が実行できることではないので、ソーナたちに悪役を押し付ける代わりに、対価を支払おうとしているように見えます。

 ロドスの動きも少しだけ見えました。「マリア・ニアール」の最後で、ロドスはカジミエーシュの大騎士長を訪問して、「騎士競技における感染者の治療および医療制度改善に関する協力案」を提案していました。マーガレットと一緒にカジミエーシュに入っていたシャイニングとナイチンゲールは、アーミヤと「おだやかな騎士のおばあさん」の話をしていました。

 「マリア・ニアール」と「赤松林」だけでは、カジミエーシュ出身のオペレーターたちがロドスに来ることになった経緯は語られませんでした。「マリア・ニアール」のブレミシャイン、ウィスラッシュ、プラチナ、グラベルに続いて、「赤松林」のアッシュロック、ファートゥース、ワイルドメイン、フレイムテイル、さらにはジャスティスナイトまでもがロドスに来ることになります。まだ他にもいるかもしれません。
 公開されているPVを見るに、次回のイベント「ニアーライト」で大方の決着がつきそうな予感がします。どんな物語が繰り広げられるのかいまから本当に楽しみです。





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