3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【原作勢目線】アニメシャドウバース9話感想-開幕!華麗なるウィッチショー!

ネタバレします!!


 9話は全国大会の2回戦、ヒイロvsセイヤでした。バトルの仕掛けがとても面白く、最後まで手に汗握る展開でした。単にセイヤがミスをしたというよりは、心理戦が行われたととらえたほうが面白いのではということを下で書いてみました。

オープニング前

 前回の8話はヒイロがアリスに勝ったところで終わっていましたが、9話では1回戦の対戦がすべて終了しているところからスタートでした。カイとカズキとルシアは勝ち残りましたが、ミモリは負けてしまっていました。全国のミモリファンが涙を呑む展開です…。
 スマホに呼び出しがかかって、ヒイロがスタジアムへ向かうところでオープニングが挟まります。オープニングが通常のタイミングでかかるのは久しぶりでしたね。

ヒイロ vs セイヤ(前半)

 オープニングが明けたらすぐにバトル会場です。テンポ良し。牙倉セイヤは自分が牙倉タクマの兄であることをヒイロに語ります。ルシアの前ではニコニコしていて胡散臭かったセイヤですが、今回は最初から割とキリっとした表情をしています。

「君には借りがあるからね。本気の本気でバトルをしようか」

 見返してみると、セイヤはこの時点からルシア戦とは違った雰囲気でしたね。
 変身バンクは今回も二人同時です。ルシア戦でセイヤに変身バンクが与えられていることにちょっと驚きましたが、こうやって2回目のバトルをさせてもらえるということで、ミモリやカイよりよっぽど優遇された主役級のキャラですね。

1ターン目

 先攻1ターン目、セイヤはパス。前回1パスしたレオンのことを煽っていたヒイロですが、今回は何も言いませんでした。
 後攻1ターン目、ヒイロはジュエルドラゴンをプレイ。毎回ちゃんとかけつけてきて偉いですね、この子。

2ターン目

 先攻2ターン目、セイヤはルーキーアルケミストをプレイ。セイヤのデッキは今回も土ウィッチなのだなとわかります。
 後攻2ターン目、ヒイロは手札に竜の託宣があるのにプレイしません。プレイヤーからみたら総スカンのプレイですね。ここは託宣を撃つべきターンです。次のターンにルーキーアルケミストの側からジュエルドラゴンを攻撃してくるでしょうから、その返しに4PPでファイヤーリザード+ムシュフシュというプレイすればいいのです。


3ターン目

 先攻3ターン目、セイヤは初級錬金実験をプレイ。クレイゴーレムと土の印を場に出すカードです。今は静寂の実験室という上位互換カードが出てしまっている悲しい存在です。


 後攻3ターン目、ヒイロはムシュフシュをプレイ。2/1のファイヤーリザードで2/2のルーキーアルケミストをちゃんと取りに行きます。ここはまともなプレイですね。

4ターン目

 先攻4ターン目、セイヤはもう一度ルーキーアルケミストをプレイ。土の印があることによって効果が発動するという分かりやすい説明の仕方ですね。

 今回は後攻4ターン目から中盤がスキップされます。今までとは違った構成ですね。
 後攻4ターン目。ちらちらっと盤面が映るので、何が起きているかはわかりやすくなっています。ヒイロは2ターン目で撃てなかった竜の託宣をここで使っていますね。しかも託宣しか使えるカードがなかったので、場のムシュフシュを進化させてガーディアンゴーレムを倒しにいっています。2ターン目に託宣を撃たなかったので、弱い進化を切らざるを得なくなっています。

5ターン目

 先攻5ターン目、カットされていますが映っている手札とカイの解説で何が起きたかはわかります。

進化後フォロワーを無理に破壊せず、進化後能力を持ったフォロワーをプレイすることで牽制するなど…

 ドワーフアルケミストスカラーウィッチをプレイして、4/1の進化後ムシュフシュは放置したようです。ムシュフシュは他のフォロワーが進化すると+2/+0されるので、次のヒイロのターンに他のフォロワーが進化すると6/1になって殴りかかってきます。セイヤプロのその放置択は本当に最適なプレイだったのでしょうか。

 後攻5ターン目、ヒイロはもともと手札にあったドラゴンガードをプレイしたようです。ここでヒイロは進化を切らず、場の4/1のムシュフシュで2/1のスカラーウィッチを攻撃しています。

 カイの言う「進化後能力を持ったフォロワーで牽制する」というのは、セイヤが場のスカラーウィッチを進化させてカードを2枚引くことをヒイロが嫌がるだろうという読みのもとに成り立つ牽制です。ですが2枚引かれてもヒイロは特に困らないので、スカラーウィッチは放置でもよいのかなと思います。進化することで盤面が強くなるとか大きなダメージが入るということならば牽制になるのですが。

 ただ、ここではドラゴンガードしかプレイできるカードがなかったようなので、それならドラゴンガードを進化させてスカラーウィッチを破壊し、ムシュフシュが効果で6/1になるのでリーダーの体力を6点削るというプレイをすればよかったのではと思います。ヒイロの選択は進化権を大事に温存するかわりに、6点削るチャンスを逃してしまっています。この6点を削っていればもっと楽に勝てたのに。セイヤの甘いプレイに対してヒイロも甘いプレイをしていて、もやもやっとしてしまうターンですね。

6ターン目

 先攻6ターン目、セイヤはグランドガーゴイルをプレイし、進化してドラゴンガードを破壊します。

「ラストワードを意識させつつ、グランドガーゴイルに進化をつかったのも見事と言えるでしょうね」

 このようにカイ君が説明しているプレイです。グランドガーゴイルはラストワードを持っているのでヒイロとしては無理に破壊したくないカードですが、進化してサイズが大きくなってしまったので放置できない状況に追い込むという意味です。前のターンにヒイロがドラゴンガードに進化を使っていれば、進化したグランドガーゴイルと相打ちだったので、ヒイロの有利が継続することになったはずです。結果論ですがヒイロの消極的なプレイが不利な状況を招いたシーンです。

 後攻7ターン目、ヒイロはグランドガーゴイルが無視できず、ディザスタードラゴンを進化させて攻撃します。6/2で場に残っているグランドガーゴイルに対して、わざわざ6/7のフォロワーで当たりにいくのももったいないプレイと言えます。ヒイロは1個目も2個目も進化権を強く使えませんでした。

7ターン目

 先攻7ターン目、セイヤはルシア戦で見せたグレートマジシャンをプレイします。ヒイロは驚いていますが、視聴者は効果がわかりますからね。
 このプレイによって、セイヤの場には5/6のグレートマジシャン、6/7のディザスタードラゴン、2/2のドワーフアルケミストが立ちます。ここで4/2のドラゴンライダーを、わざわざ6/7のディザスタードラゴンで殴りにいってしまうんですよね。せっかく相手からコントロールを奪ったのだから、アニメ的にはディザスタードラゴンで攻撃するのが筋というものです。しかしシャドバとしては、2/2で4/2と相打ちして、5/6と6/7を場に残すのが定石です。今回のバトルは最後まで面白いのですが、こういう細かいミスが目立ちます。
 後攻7ターン目、相手の場にフォロワーが横並びしたということで、お約束のイグニスドラゴンの登場です。セイヤが5/6と6/7を場に残していれば、全破壊は免れたのに。こういう場面のことを「プレイミスを咎められた」とプレイヤーは言います。

ヒイロ vs セイヤ(後半)

 Bパートの始まりです。

8ターン目

 先攻8ターン目、「覚悟はいいかい?」と見得を切った割に、セイヤは守護を2面立ててあっさりターンを返します。土の印は1個消費して1個出したので差し引きゼロです。ちょっと中途半端なプレイですね。ルーンガーディアンは出したら絶対に土の印を割ってしまうので選ぶ余地はないのですが。

 後攻8ターン目、ヒイロはお馴染みのドラゴンウォーリアの進化効果を使って守護2面を突破し、イグニスドラゴンがリーダーに攻撃をぶつけます。ここは強い進化が切れました。


9ターン目

 先攻9ターン目、ノリノリで煽ってくるヒイロに対して、セイヤはいつになくマジなトーンです。

ショーが終わるっていうのはね、お遊びはここまでだってことなんだよ

 いままでのニヤニヤして線が細くて胡散臭かったキャラの面影はもうほとんどありません。ちょっと強そうじゃありませんか。毎回書いているような気がしますが、こういう表情の切り替えの描写が意外と丁寧ですよね、このアニメ。
 プレデターゴーレムというアニメオリジナルのカードを繰り出します。グレートマジシャンだけでなくレジェンドのオリジナルカードも与えられているなんて優遇されていますね~。

プレデターゴーレム
・9/7/7
・ファンファーレ:相手の場のフォロワー1体を破壊する
・相手のフォロワーが破壊されたとき、土の秘術:そのフォロワーの持っている能力を得る

 とても面白い能力で、アプリ版の方には同じ能力を持っているカードはありません。というか、「相手のフォロワーが持っている能力」というのは多岐にわたるため、バグの温床になりそうなカードですね。Switch版ではちゃんとこのまま実装できるんでしょうか。
 グレートマジシャンもそうですが、相手のカードの力を奪って戦うのがセイヤはお好きなようです。相棒が自分に牙をむいてくるという展開は、非常にアニメ映えします。ただ、カードゲームで考えると、グレートマジシャンもプレデターゴーレムも強さが相手依存になってしまう難しいカードです。わざわざ9コストも払ってプレイするのに、相手の場に弱いフォロワーしかいなかったら困ってしまいます。
 後攻9ターン目、ヒイロの手札にはライトニングベヒモスとプリズンドラゴンがあります。今回のバトルの決着に至る伏線のターンです。この仕掛けを考えたのは素直にすごいと思います。アニメとして非常に盛り上がりました。過去一番バトルが面白かった回だと思います。セイヤ側の単純なプレミではあるのですが、心理戦的要素を持ったやりとりでした。


 ヒイロはライトニングベヒモスを先に出し、プリズンドラゴンを後に出します。これが伏線です。

10ターン目

 先攻10ターン目、問題のセイヤのターンです。ヒイロの盤面は4/3のドラゴンウォーリア、2/3守護の古の飛竜,、6/6のライトニングベヒモス、4/3守護のプリズンドラゴンです。セイヤのプレデターゴーレムはイグニスドラゴンの効果を奪っているため、フォロワー全員に3ダメージを与えることができます。ライトニングベヒモスの体力を3以下にしたいところです。
 セイヤは炎熱の術式を2枚プレイすることで、2+2ダメージをライトニングベヒモスに与えます。炎熱の術式は土の印を持つカードなので、ついでにプレデターゴーレムの効果の起動条件も満たします。これでプレデターゴーレムが攻撃すれば、相手のフォロワーは全滅し、土の秘術が2回起動してドラゴンウォーリアと古の飛竜の効果を奪えます。ライトニングベヒモスとプリズンドラゴンはデメリット効果持ちのカードなので、効果を奪う必要はありません。

 なのにですよ。セイヤはわざわざくず鉄の錬成を"先に"プレイして、3つ目の土の印を置いてしまいます。これによってデメリット効果持ちのフォロワーであるライトニングベヒモスの効果まで奪ってしまうのです。正当化の余地のないプレイミスです。プレデターゴーレムが攻撃した"後で"くず鉄の錬成を置けば、余計な効果を奪うことはありませんでした。

 後攻10ターン目、ヒイロは竜の力を引きます。このカードでは何もできないということでパスをするのですが、PPを無駄遣いしないためにも、プレデターゴーレムに先に6ダメージを与えておいても良かったのではと思います。裏目プレデターゴーレムが回復してしまうことですが、フォロワーを回復させるカードはこの時代の土ウィッチにはありません。

ヒイロがしかけた心理戦

 なぜセイヤがこんな初歩的なミスをしてしまったのかは、彼のセリフの中にヒントがあると思います。

ヒイロ君、考えたね。プリズンドラゴンなんて。プリズンドラゴンの能力は、攻撃不能。それを奪わせることができれば、僕のプレデターゴーレムを封じ込められると考えたんだろう?だけど惜しかったね。シャドバにおいて、能力はプレイした順番で処理される。僕が奪ったのは、ドラゴンウォーリア、古の飛竜、ライトニングベヒモスの能力だけ。これでプレデターゴーレムは守護を得た。出している順番が違えばわからなかったかもね。ま、そのときはそのときでやりようはあったけど。

  ここからは僕の個人的な解釈です。セイヤはヒイロがプリズンドラゴンをプレイするのを見て、このフォロワーを奪わせたい意図があるのだなと推測しました(この推測の時点でセイヤは読み負けています)。そして、ヒイロがそのプレイ意図を遂行するためには、ライトニングベヒモスよりも"先に"プリズンドラゴンをプレイすべきであるということに気づき、このプレイがヒイロのプレイミスのように見えてしまったのですね。そのプレイミスを「咎めてやろう」という気持ちが働いてしまって、わざわざくず鉄の錬成をプレイし、ライトニングベヒモスの効果まで奪ってしまおうとセイヤは考えたのではないでしょうか。
 ライトニングベヒモスにデメリット効果があることはもしかしたらわかっていたのかもしれません。ですが、プロとしてヒイロに「プレイ順は大事だよ」と説教をしてやりたくなってしまったのですね。なぜそんな気持ちが生まれたかというと、牙倉タクマの件でヒイロに対してコンプレックスを覚えたから、マウントをとりたくなってしまったのではないでしょうか。
 ヒイロがここまで考えてライトニングベヒモスとプリズンドラゴンをあの順番でプレイしていたのだとしたら、心理戦の達人です。シャドバは相手のターン中に自分がカードをプレイして干渉することのできない設計になっているため、基本的に心理的な駆け引きが発生しません。ただ、相手の予想外のプレイによって自分の思考が乱され、最適解にたどり着けないことはたまにあります。シャドバプレイヤーの間では相手を「バグらせる」なんて言ったりします。
 僕が今までみた試合で一番相手を「バグらせる」プランが印象的だったのがこの試合です。


 決着のターン、下側のカイト選手は相手の山札が切れていることに気づいていません。この前の試合まで上側のみずせ選手は負けが決まった瞬間にリタイアを押していて、この試合でも負けが確定してリタイアを押そうとするのですが、あえてカードを次々にプレイするという選択をとります。みずせ選手の意図としては、ここでリタイアをせずに平然と試合を続けたら、前の試合が伏線となり、カイト選手が「バグる」かもしれないという一縷の望みにかけているのですね。カイト選手はまんまと術中にハマりかけたのですが、冷静さを取り戻して自分が勝っていることに気づきました。最後まであきらめないみずせ選手の姿勢と、カイト選手のようにいかなるときも広い視野を持つべしという二重の教訓があるシャドバの名試合として記憶されています。
 話がそれましたが、ヒイロもみずせ選手のように、相手のミスを期待してこのプレイをしかけていたのだとしたら本当にお見事です。セイヤ側からしたらただの明確なミスであり、どんな理由があるにせよ、カードゲームの中では正当化されません。プロとして反省をして次につなげてほしい場面です。

11ターン目

 先攻11ターン目、セイヤはルーキーマジシャン・サミーをプレイします。このプレイもちょっと甘いんですよね。前のターンヒイロがパスをしたということは、ヒイロの手札には状況を変えるカードがないということになります。つまり、7/7の守護を突破してセイヤに4ダメージを与えるために、ヒイロはデッキの1番上のカードに全てをかけなくてはいけない状況なのです。そんな状況なのにサミーをプレイすると、デッキをもう1枚めくる権利が与えられてしまい、セイヤの負け確率が大幅に上昇してしまいます。

 一方のセイヤもサミー以外手札がないのでこのままでは勝てません。セイヤの視点では勝ち筋は以下の3つとなります。どれが一番確率が高いかを、自分のデッキに残っているカードから判断することになります。
①このターンで2ダメージをヒイロに与えられるカードをサミーが持ってくる
ヒイロの勝ち筋をつぶせるような守りのカードをサミーが持ってくる
③サミーを出さないで次のターンに勝つ
 サミーがもってきたカードは双璧の召喚だったので、限りなく②に近いカードでした。なのでこのサミーのプレイは結果論ですが悪くなかったと言えます。しかし残念なことに、ヒイロはその上をいくカードを引いてしまいました。

 後攻11ターン目、決着のターンです。なかなか面白いリーサルパズルでしたね。奪ったライトニングベヒモスが与える2点はずっと見えていたのですが、あと2点はどこから持ってくるかが焦点でした。竜の翼→竜の力→大嵐のドラゴンで決着でした。
 ここまで書いてきたようにいろいろとミスはあったのですが、ヒイロがどうやって勝つのだろうということがシャドバをやっている側からしてもわからず、とてもわくわくする試合展開でした。いままでのイグニスドラゴンのパンチだけで勝ってしまう展開では面白くないですからね。

牙倉兄弟

 9話には「牙倉タクマを変えたヒイロに執着する牙倉セイヤ」というテーマがあったように見えます。タクマを変えたのがルシアだと勘違いして、わざわざ中学校で出待ちしていた(6話)ほどの執着心の持ち主ですからね。ただ、9話で新たに出た情報は少なく、牙倉兄弟の関係性については推測するしかありません。

ねえ、ヒイロくん。キミには本当に感謝しているんだよ。キミはタクマを救ってくれた。キミとのバトルでタクマは変わった。僕では変えられなかったのにね。

 グレていたタクマを救ってくれたことはセイヤも喜んでいる様子です。

でも今の僕はプロプレイヤーとしてキミとバトルしているわけじゃないよ。牙倉タクマの兄として、キミを倒したいんだ。兄の僕にできなかったことを、キミは容易くかなえてしまった。悔しいんだよ、すごく。僕は確かめないといけない。だから、キミには負けられない。

 ただ、自分の手でそれを成しえなかったことに対して、負の感情を抱いてしまっています。シャドバのプロとしてシャドバで人に影響を与えられなかったことが1つ、兄として弟に影響を与えられなかったことが1つ、といったところでしょうか。
 セイヤは弟のことが大好きなブラコン野郎とだけ言ってしまうと、少し解像度が低いのかもしれません。セイヤは自分が大好きで、自分が何でもできる才能あふれる人間だという自負があるのに、弟のことに関しては全然ダメだということが許せないのかもしれませんね。
 決着がついたあとにタクマが出てきて、「ちっ、次はオレが勝つ」と言っていました。これはヒイロに勝ちたいのか、セイヤに勝ちたいのか、はたまた大会で勝てればいいのか、何なんでしょうね。もう1話使って牙倉兄弟にスポットを当てることはないのではと思っていますが、タクマとセイヤのバトルがあったらそれはそれで面白そうですね。感情垂れ流しという感じで。

棋譜

 今回はほとんど試合がスキップされない回で、バトルの締める割合がとても多かったですね。棋譜は長くなってしまいますが、空白のない回でした。

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 何かあればご連絡ください。
YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter


 8話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com

【原作勢目線】アニメシャドウバース8話感想-決勝トーナメント始まるッ!

ネタバレします!!


 ヒイロ vs アリスの回でした。一見すると可愛らしいアリスの見せ場の回です。ですがじっくり見てみると、「シャドバが楽しい」というヒイロの純粋な想いが、アリスの徹底的なまでのアイドルへのプロ意識と矛盾を起こし、アリスを過酷な板挟みの状況に追い込んでいるんですよね。大げさに言えば、ヒイロのまっすぐな優しさがはじめて凶器に変わった回です。

全国大会決勝

 7話で開幕したばかりの全国大会が、8話ではもう16名による決勝トーナメントになっていました。予選はちらっとだけ映すのかなと思っていたのですが、完全スキップの徹底ぶりでした。予選は8000人いたということで、完全にRAGEと同じ規模ですね。
 日本中の人が注目している様子でした。屋外の大きな広告ディスプレイ、バスの車内ディスプレイ、クレープ屋さんの店頭でも放送されていました。注目と人気の高さを感じます。後の場面で実況MCが「全世界のお茶の間に生配信されている」と言っていたので、世界規模なんですかね。シャドバじゃなくてもいいので、ゲームがこういうふうに扱われる時代がいつか来るといいですね~。
 決勝に残った16名の顔ぶれと、トーナメント表が公開されました。モブのキャラが濃くていいですね。もしかしてモブではなくなるキャラもいるのか?と思ってしまうぐらいにはキャラが濃い。今後ちょっとでも活躍してくれるといいなと思います。最後の方でアナウンスがありますが、牙倉セイヤの初戦の相手である松尾アキコはプロプレイヤーだそうです。
 ミモリが「ちょっと運がよかったかな」と言っていましたが、8000人を16人に絞り込んだわけですから、スイスドロー10回戦ぐらいはやっているはずです。運だけで来れるわけがありません。しかも他の参加者はマスターランクなのに、ミモリはBでカズキはCでしたからね。一体何が起きたんだよ…という感じです。
 ヒイロの対戦相手のEcilaがアリスである可能性にすでにミモリは気づいています。Twitterで「百合の波動によりミモリは感じることができる」と言っている人がいて、百合ってすげえなと思いました。一応4話からの伏線ですね。アリスは正体を隠してでもシャドバをすることが好きという。
 バトルフィールドの周りはなぜか水が張ってあって面白かったですね。ド派手な演出によりアリスが登場します。大会運営者と事務所の間で話がついていたのでしょう。
 一瞬だけレオンが映りました。どういう立場なのかはいまだわからずですが、運営に近いところにいるのは間違いありません。レオンが試合を見ているモニターには、バトル開始前に入るARフィールド展開のときのような文字が浮かんでいました。関係あるのでしょうか。

ヒイロ vs アリス(前半)

 いつも通り棋譜を最後に載せています。参照しながら見ていってください。
 試合前のスマホ装着バンクが、今回は初めて画面分割による同時進行でした。オープニングのような感じですね。2人の装着シーンはどちらも既出のため節約したのでしょう。こうやって並べるのもとってもカッコいいですね。

ターン1

 先攻はヒイロ。1ターン目はジュエルドラゴンです。前回活躍したので、見ているほうもだんだんカードに愛着が湧いてきますね。
 後攻1ターン目、アリスはパス。これが最近は普通なんですがね。観客の煽り方がお上手。

ターン2

 先攻2ターン目ムシュフシュ。このカードもお馴染みになってきました。
 後攻2ターン目はアニメオリジナルカードの登場でした。ゾンビドッグです。2/2/1でラストワードで手札に同名のカードを生成する能力。最近で言うと二コラの使用感に近そうです。もっと言うとトークンカードであるアルティメットキャロットの方が近いですかね。マナを外してしまったときの保険になりますし、細かいコストでカードを場に出しネクロマンスを貯めていける良いカードです。



ターン3

 先攻3ターン目。ヒイロはルフ鳥をプレイしましたが、ここは手札にあったドラゴンナイト・アイラをプレイするほうが無難です。PPブーストは早ければ早いほうが得ですから。この試合では、次のターンにルフ鳥が相手のリーダーを攻撃して、1枚で4点分の仕事をしたので、結果論としてルフ鳥でもよかったかなという感じになりました。 

 後攻3ターン目。アリスはミニゴブリンメイジをプレイ。ここで何を手札に加えたかはわかりませんでした。その後の流れで見るとダークコンジュラーかユニコだと思われます。


ターン4

 先攻4ターン目。ヒイロはドラゴンウォーリアかアイラで迷って、アイラを選択しました。これは正しいですね。進化は有効に使わないと。
 ミニゴブを無視してリーダーを攻撃したのですでにアリスの体力は11になっています。シャドウバースに置いて先攻が有利と言われているのはこういう展開が作れるからですね。進化が使える後攻4ターン目までに体力を大きく削られてしまい、リカバリーが効かなくなるのです。
 後攻4ターン目。アリスは悪戯なネクロマンサー進化で盤面を全て返しました。アニメの演出上、盤面をすべて返したほうが逆転したというのがわかりやすいのですが、アイラは無視してよかったかなと思います。ドラゴンのPPブーストは防げるなら絶対に防ぐというのが鉄則です。ただ気がかりなのは体力で、アイラが進化してリーダーに攻撃してくると体力7まで削られてしまい、5点疾走の進化で負ける圏内に入ってしまうという裏目はあるプレイです。

 ここはヒイロがアリスの実力を認めるシーンでした。ヒイロは「手札が全然減ってない…!」と驚いていましたが、コイツはちゃんと手札の重要性を理解しているんですね。毎回毎回手札がゼロになるくせに。アリス側はゾンビドッグやミニゴブなどで手札を補充しつつ戦っていました。最近のシャドウバースのプレイ感に近い戦い方です。
 先攻5ターン目、ヒイロがディザスタードラゴンを置いたところでAパートは終わりでした。

ヒイロ vs アリス(後半)

 今回はそこまで大きくジャンプはせず、スキップしたところも含めて、アリスが使用したカードはすべて見えているカードでした。ヒイロは相変わらず山札の上から引いてきたカードだけで戦ってる感がすごいです。ヒイロは進化権を温存している分、体力が削られています。アリスは進化と除去カードをバランスよく使用しています。
 カットされているのですが、アリスはダークコンジュラーの効果で出したゴーストに死への近道で必殺を付与して相手の大型フォロワーを処理するというテクいコンボも決めています。



ターン7

 先攻7ターン目。「手札を温存するのもアリだけど…」とヒイロは言っていて、彼にもそういう発想があったんだなあと感動します。しかし結局は手札をすべて吐いてしまいます。アリス側の手札は潤沢にあるので、ここでリソースを温存して中途半端な動きをしてもジリ貧になるだけだったでしょう。結果論ですが良い判断だったと思います。進化権はまだ1つ残っています。この辺から実況がうるさく感じられます…。
 後攻7ターン目。死の一閃を撃つアリスが可愛い。このアニメはプレイヤーがスペルを撃つという演出になるので、スペルの描写が豪華なんですよね。ゲームだとダメージだけ与えて終わり、となってしまうので新鮮です。
 そしてここが問題の場面です。リリエルとゾンビドッグをプレイして、進化効果のないゾンビドッグの方を進化させました。ゾンビドッグがアニメオリジナルカードなのでちょっとわかりにくい演出になってしまっているのが残念なところです。ゾンビドッグにはなにか特別な効果があるのかなと期待してしまうのです。しかし特に進化効果はなく、ヒイロの場の2/1の大嵐のドラゴンを撃ち漏らします。
 リリエルは進化時に好きなところに1点飛ばせるということで当時のミッドレンジネクロマンサーの採用圏内にあったカードです。大嵐のドラゴンに1点飛ばしながらサンドストームドラゴンに攻撃することで、相手の盤面を全部破壊することができました。

 「こっちのほうが可愛いから!」とアリスは言っていて、あたかもリリエルが可愛くないみたいな言いぐさでしたが、わんわん言うのがアイドルの「持ちネタ」のような感じなのでしょうね。

ターン8

 先攻8ターン目。ゾンビドッグを進化させて4/2にしてしまったがゆえに、2/1の大嵐のドラゴンに攻撃されて破壊されてしまう結果になりました。試合の流れ的には、カード1枚失っただけでなく、進化権も損してしまった感じです。リリエルに進化を切っていれば、アリスの場は4/3, 2/2, 2/1となり、ハイドラで全部処理することができず、7/1のハイドラに対してアリスの場には2/1が残るという結果になります。消えぬ怨恨を温存するとか、相手の体力を詰めるとか、その後の展開は変わってきました。
 ハイドラのことを超強力なカードだと実況は騒いでいますが、進化を切って2面の処理しかできないので、実質ドラゴンウォーリアとやっていることがあまり変わません。

 このあと、再度ヒイロがリリエルに進化を切らなかった理由をアリスに聞きます。伏線とまではいかないのですが、ルシアが鋭利な一裂きを撃たずにヒイロにターンを渡したシーンが頭をよぎるんですよね。明らかにベターなプレイがあるのに、あえて他のプレイをされるということを、ヒイロはすでに経験済みなわけです。相手が本気でプレイしていないことに対して、ヒイロは敏感に反応します。声を荒げて怒らないのが彼らしくて、「もし本気でプレイをしていないなら…」とちょっと控えめな問いかけをニコニコしながらするのですよね。とっても大人です。
 それに対してアリスはまだまだ子供っぽくて、「本気になったほうが楽しい?そんなの言われなくても知ってるよ」とぶっきらぼうです。このセリフ回しは絶妙で、いま本気でやれていないことを暗に認めつつ、自分が本気を出せないことにいら立っているように見えます。こういう繊細な感情のやりとりがこのアニメは実は上手いなと思っています。
 後攻8ターン目。消えぬ怨恨でハイドラを処理しつつ、死の祝福をプレイ。死の祝福は最初のカードパックで実装されたあと、ずっとネクロマンサーデッキを支えてきた強カードです。ネクロマンスを6使って守護が3面立ちます。当時は3点のAOEがあまりなかったのでカード1枚では返しにくく、墓地を4肥やすので返されても攻めを継続できるカードでした。6ターン目に広げた盤面が、7コストの魔将軍・ヘクターに綺麗につながるのもグッドでしたね。


 死の祝福を「アリスちゃんらしからぬスペル」と実況は言って、観客もざわざわしています。カードのイラスト自体は可愛い女の子なんですがね。ゾンビが出るからNGなのでしょう。
 状況だけ見れば、ヒイロはほぼ負けです。2/3守護が3体並んでいて、ヒイロは手札がゼロなのにアリスは3枚あります(1枚はゾンビドッグなので無限リソース)。ですが、このアニメをここまで見てきた視聴者にとっては、展開が完全に読めてしまうんですよね。体力3のフォロワーが並んでいるということは、山札からきっとイグニスドラゴンが駆けつけるだろうと。

ターン9

 先攻9ターン目。ここでアイボリードラゴンをプレイさせたのがなかなかニクイ演出で、視聴者がイグニスドラゴンを予想することを分かっていて、わざとワンテンポずらしたんですよね。カードが光り、ヒイロが「うおおーー」と叫ぶので、絶対にイグニスドラゴンが来るだろうと思ったのに。

 アイボリードラゴンを挟んだとはいえ、ヒイロのバトルはピンチになるとイグニスドラゴンを出すというのがさすがにワンパターンになってきたなという感覚を覚えます。1人1枚ずつ切り札カードがあるという設定をしてしまっている以上しょうがないのですが、他のレジェンドカードを使って逆転しても良いのではと思ってしまいますね。1枚のカードでやれることがどうしても限定されてしまうのがシャドバの辛いところだなと思いました。武藤遊戯のブラックマジシャンは魔法カードとの組み合わせで割といろんなことをしていましたからね。
 後攻9ターン目。イグニスドラゴンで逆転されてドヤ顔をされたアリスは、ムキになって勢いよくドローをします。ここで、パタッと手が止まり、BGMも止まるのがとても良い演出でした。アリスのアニメオリジナルのレジェンドカード「スケルトンレイダー」をドローします。使えないことはわかっていながら、デッキから抜き忘れたか、お守り替わりに入れていたのでしょう。
 ここで、ヒイロの熱に当てられて、スケルトンレイダーをプレイするアリスを見たくないと言えばウソになります。しかし、アリスは冷静で、そしてプロのアイドルでした。ここは鳥肌でしたね。思わず手は伸びてしまったものの、表情は変えずに、別のカードに手を向けるのです。並みの人間だったら絶対に顔に出てしまうところでしょう。
 声のトーンだけはどうしても誤魔化せず、聞いたこともない低いトーンでのセリフになります。小倉唯さんの演技がお見事です。BGMも物悲しい。ターンの最後にアイドルであることも忘れないプロ意識も見せます。
 ヒイロも気づくんですよね。シャドバだけしか考えていないような単細胞野郎に見えて、アリスの様子から、また変なことをしているのだなと感じ取ってしまうのです。ルシア戦での経験が活きたのもあるのでしょう。

ターン10

 先攻10ターン目。3/2の守護さえどかせばヒイロの勝ちということで、割と勝率の高いドローにはなりました。ただ、ドローする前から絶対に勝っちゃうかのような仕草なのはいかがなものか。本来は手札に1枚だけ残っているとか、そういうほうが自然なのですがね。いままでけっこう活躍してきた、鉄鱗の竜人のドローで勝負ありでした。


アイドルとして

 試合後の控室で、「次からはもう、あのカード使わないから」と電話口で話すアリス。あのカードは死の祝福でしょう。強いカードなのに。
 電話を切るときには「ママ」と呼び掛けているのに、電話番号の登録は「マネージャー」となっています。こういう小技がこのアニメは上手いんですよね。アリスの中の小さな反抗心で、母親は自分の中ではマネージャーでしかないのでしょう。電話に使っていたスマホはシャドバするときに使っていたものなので、会社のものとかではないはず。
 今回のラストは、アリスのため息交じりのこのセリフ。

「アリスはアイドルだから、本気は無理だよ。使うカードだって、決まってるんだよ。アリスが普通の女の子だったら、もっと楽しかったのかな」

 ここから、いきなりオープニングのキリフダが流れるんですよね。最初はびっくりしたのですが、よく考えてみるとここでエンディングのハピネスセンセーションを流すとご機嫌なアリスが映ってしまい、ギャップが出てしまいます。アニメの流れを壊さないように、順番が変でもオープニングを流すという徹底した姿勢。制作陣のこだわりを感じます。
 意図的に試合の中からは省いたのですが、後攻8ターン目に死の祝福をプレイする前のアリスとヒイロのやりとりは本気でしびれました。これを18時のテレビ放送で言ってしまうなんて。

「アリスはアイドルだから、みんなが盛り上がればそれでいいの。勝てなくてもいいんだよ。好きなカードも使えなくていいの。本気で遊べなくてもいいんだよ」「アイドルだからって別に関係ない!」「関係あるよ!大人がみんなそう言うんだから!」

 アリスは中学生であるヒイロたちよりさらに年下なので小学生ぐらいでしょう。小学生の女の子が、この世の構造を完璧に把握しているんですよ。怖くないですか。
 アイドルは自分の意思よりもファンの感情を尊重しなければならない職業であること、そしてその判断基準は自分では決められず周りの大人が決めることを、アリスは理解しているんです。試合中の所作も含めて、すべてがプロです。
 また、カードアニメならではのお話も絡んできたのがさらにすごかったです。

「アリス、アイドルだから。怖かったり、変だったりするカードは使っちゃダメなんだよ。アリスはそういうのが好きなのに。こんなカード使ったから、きっとあとで怒られちゃう。アリスはお兄ちゃんとは違うの」「いいや、おんなじだ!おまえさ、シャドバが好きなんだろ?だったら、オレと同じだ!本気でやろうぜアリス!それがシャドバだ!」

 上のセリフに対して、4話のアリスvsミモリ戦が伏線になっているんですよね。4話のアリスはアイドルを演じる必要がなかったため、自分の好きなカードを使っていました。スカルビースト、スパルトイサージェント、ボーンキマイラといったゾンビ系統のフォロワーたちです。このときは本当に楽しそうにシャドバをしていましたよね。



 それに対して、8話でアリスが使ったデッキにはニュートラルであるリリエルやミニゴブが入っていました。弱いカードではないので試合運びに影響は出ていなかったのですが、墓地を貯めながらネクロマンスを使うというクラス特性があまり活かされないカードたちです。わざわざ採用するカードではないはず。可愛らしいから入れなくてはいけなかったのでしょう。


 「自分の好きなカードを使えないキャラ」というのもカードアニメの王道です。それをこのご時世にあったやり方で描いてみせたのですね。いつか思いっきり自分の好きなカードで戦うアリスが見たいと視聴者は感じますし、アリスのキャラがとても立体的に表現できているのですよね。素晴らしいです。
 また、主人公であるヒイロとの対比も鮮やかです。ヒイロはここまで、シャドバが楽しいという純粋な思いをぶつけることで、牙倉タクマ、カイ、ルシアといったキャラたちの心を動かしてきました。8話でもヒイロは全く同じやり方で、アリスに語り掛けるのです。

「なあ!このバトル、楽しかった。だから今度は、アリスも一緒に楽しめるようにさ!またバトルしようぜ!」

 ただ、このセリフにアリスはまともに答えないんですよね。答えられるわけがないのです。アリスのアイドルに対するプロ意識はすさまじいものがあります。私にそんなことができるわけがない、そんなことを求めないでくれと、苛立つ気持ちがあって当然だと思います。それをぐっと飲みこみ、最後までステージ上のアリスはアイドルを演じ切りました。
 このブログを書くために何度かこのシーンを見ていると、ヒイロがとても残酷なことを言っているように見えてくるんですよね。バトルが楽しかったなんて、よくもまあ抜け抜けと言えたものだなと。アリスは自分の気持ちを押し殺して、興行としてシャドバをしているのに。
 自分の気持ちと、アイドルとしての職業感が真っ向から対立してしまって、アリスは非常に困っています。自分の心の中で板挟みの状況に追い込まれてしまいました。もちろん、ヒイロが間違っているわけではなくて、彼のまっすぐな思いはきっとアリスを動かしていくでしょう。好きなカードを使うというのは、アリスにとってはいばらの道になるに違いありません。でも、頑張って踏み出してほしいなと、応援したくなるお話でした。

棋譜

 いつものように棋譜を作成しました。今回は割と素直な流れになっています。
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YT22@シャドバ (@YT__pokeshado) | Twitter

前回の7話はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com

【アズレン】イベントストーリー考察:神穹を衝く聖歌 編【アズールレーン】

イベントのネタバレをします!!

 本記事は2020年5月21日にスタートした期間限定イベント「神穹を衝く聖歌」の考察記事です。以下の3つのアイリスイベントの内容を踏まえながら、今後につながる謎について考察していこうと思います。

2018/07/26:光と影のアイリス
2020/05/07:帰路は海色の陰りへと
2020/05/21:神穹を衝く聖歌

目次

 この記事は「時系列整理」と「本イベントで新たに生じた謎」の二部構成となっています。
 「時系列整理」では、下の表に従って、どのような事件が展開されてきたかを解説していきます。

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 「本イベントで新たに生じた謎」は以下の5つに絞ってみました。

・謎1:聖座とは何か?どこにあるのか?聖座の「秘蹟」とは?
・謎2:ガスコーニュはなぜ存在している?派遣したのは誰?目的は?
・謎3:重桜と鉄血の思惑は?
・謎4:ル・テリブルはどのように、そして何をスパイしている?
・謎5:今後のアイリス・ヴィシア関係はどうなるか?


 では、時系列整理の方から見ていきましょう。

第一部:時系列整理

1. 欧州四国会議(英・仏・独・伊)

 「神穹」イベントの最後の方に、クイーン・エリザベス(ロイヤル・英)、ヴィットリオ・ヴェネト(サディア・伊)、リシュリュー(アイリス・仏)、ビスマルク(鉄血・独)が勢ぞろいしていた回想がありました。これはイベントの本筋よりもだーいぶ前のお話です。どのぐらい前かというと、アズールレーンがまだ1つだったころのお話ですね。後々仲たがいしてしまう、鉄血やサディアがロイヤルと仲良くしています。
 このころ鉄血は、セイレーン技術の研究において他を一歩リードするような研究成果をあげていました。鉄血は科学技術が進んだ国という立ち位置です。その研究成果の一部が、サディアとアイリスに提供されているとの噂をKAN-SENたちが聞きつけ、調査を開始しているという場面です。KAN-SENたちはあくまで戦場のリーダーなので、政治的なことには手出しできていません。上部が勝手に話し合って決めた技術供与について、リシュリュービスマルクは心配をしています。ヤバい技術が横流しにされているのではないかということですね。

 リシュリューが言うには、鉄血・サディア・アイリスの間で、技術供与についての約束があったとのことです。

 サディアには量産型を生み出す技術について提供があったとリシュリューは言っています。しかし、鉄血からアイリスに伝えられた技術が何であったかは正体がつかめていませんでした。これが、秘蹟として聖堂に収められていた黒いキューブのことだと、今回のイベントでわかるわけですね。

 そしてこの事実はル・テリブルのスパイ活動が貢献している様子でした。


2. アルジェリーの回想シーン(アイリス・ヴィシア艦の過去)

 聖堂での本格戦闘を前に、アルジェリーが一人もの思いにふける場面です。この回想では、現在仲たがいをしてしまったアイリスとヴィシアのKAN-SENたちが仲良くしている様子が描かれています。

 鉄血との戦争の可能性がこの時点で浮上してきているということで、たぶん1の四国会議よりはあとの話なのかなと思いましたが、1, 2の順番は正直重要ではありません。

 聖堂でのリシュリューとアルジェリーの会話の中で、「ルピニャートとル・テルメールがマジックで失敗してしまって・・・」というエピソードが出てきますが、ここのことを話していますね。

3. 鉄血がアイリスを占領

 アズレン内では直接的には描かれていません。史実では陸軍による侵攻だったので、KAN-SENを絡ませにくいのでしょう。ナチスドイツの所業を生々しく描くわけにもいきませんし。
 「光と影」の#1で、フッドとアークロイヤルの会話の中によって、アイリスが鉄血に占領されたことがわかります。そして、4のカタパルト作戦をロイヤルが起こすことになった理由にもつながってきます。





4. カタパルト作戦(メルセルケビール海戦)

 このカタパルト作戦でどんなことが起きたのかがわかりにくいのが、アイリスイベント全体がイマイチわかりにくくなってしまっている原因だと僕は思っています。「光と影」および「神穹」イベントがおきるきっかけを作った大事件です。ロイヤルがアイリスを裏切ったと言われても仕方がないことをしました。
 ロイヤル側の言い分は、上の3のところでフッドさんが語っていることがすべてです。鉄血に占領されてしまったアイリス(この時点ではヴィシアと名乗るようになっていますね)の戦力が、レッドアクシズ側に取り込まれてしまうと危ないと考えたロイヤルは、ヴィシアに交渉をしにいくわけです。アズールレーン側に戻らないかと。
 一方のヴィシア側は鉄血に占領されているものの、何より大事なのは祖国の奪還です。鉄血の仲間になりたいという意思はなく、カタパルト作戦の時点では鉄血に加勢する意思すらなかったのです。その意思をダンケルクはフッドに伝えます。

 しかし、フッド側としてもヴィシア艦が武装を解除してくれず、セイレーンまではびこっているこの状況で、ヴィシアが鉄血に味方しないと判断できる材料は何1つとしてありません。



 その結果、フッドとダンケルクの間の交渉は決裂し、戦闘が始まってしまいます。

 この戦闘は省略されています。史実通り、兵力に勝るロイヤルは、ヴィシア艦隊を圧倒。ダンケルクらは大破してしまいました。わかりにくいところなのですが、「大破」であって沈んではいないのです。だから、「帰路は海色の」イベントに至るまでの間、ダンケルクは療養をとっていたということになっているのですね。史実でもダンケルクは沈まず、故意に浅瀬に座礁させることで、船としての機能を維持することができました。

 ロイヤルが下したこの判断(のちに、クイーン・エリザベスの判断だったとわかります)によって、ヴィシアはロイヤルに激しい憎悪の感情を抱くようになります。一方的にヴィシアにやってきて、飲めるはずのない条件をつきつけ、戦闘に発展させてしまったこと。イベント中で「ダンケルクさんの件」とか「ケビール港での件」と呼ばれているのは全部これです。
 これは史実でも一緒で、フランス内の対英感情が非常に悪化した事件だったと言われています。

5. リシュリューによる自由アイリス国建国の演説

 史実とは少し順番が入れ替わっているのですが、流れは史実通りです。鉄血に占領されたアイリスから、リシュリューはロイヤルへと亡命をし、ロイヤルの地で自由アイリス教国の建国と、鉄血への徹底抗戦を呼びかけます。





 ヴィシアではなく、リシュリューが率いるアイリスこそが、元々のアイリスの正当なる後継であることを宣言しているわけですね。この演説により、アイリスが真っ二つに分かれてしまいました。

6. ダンケルクトゥーロンへ帰投

 前哨戦イベントである「帰路は海色の」で語られた内容です。史実ではカタパルト作戦から1年半ほど時が流れました。アズレン世界では数か月ということになっています。

 カタパルト作戦で傷ついたダンケルクの整備が終わり、ヴィシアの中心であるトゥーロン港へと帰投をするという出来事です。

 地図を見て頂ければわかりますが、カタパルト作戦のあったメルセルケビール港は北海側、トゥーロンは地中海側なので、ぐるっとイベリア半島を回り込まねばなりません。途中にはロイヤルの支配地域があります。イベントではアリシューザとネルソンに出くわしてしまいましたが、史実がどうだったかは確認できませんでした。



7. ヴィシア vs ロイヤル&ユニオン(ジャン・バールvsマサチューセッツ

 史実では連合国(イギリス・アメリカ)がドイツ攻略の一環で北アフリカに侵攻する際に起きた、フランス軍との戦闘です。アズレンでは「光と影」イベントの本筋部分ですね。史実とイベントの順番が前後しているのでわかりにく展開になっています。
 ロイヤルとユニオンの共同作戦で、上陸の援護を行うというのは史実と一緒です。レンジャー先生が語った作戦目標も史実通りです。


 作戦開始前は、ヴィシアと戦闘になるかはわからないとされていました。ロイヤルとユニオンはヴィシアを叩くつもりはなく、あくまで近くの上陸作戦を支援するための作戦でした。


 ヴィシア側の対ロイヤル感情が非常に悪いのもあって、ジャン・バールは連合軍への攻撃を決定します。

 ここも史実通りですが、ジャン・バールは戦艦としての整備が全然追い付いていない状態にも拘わらず戦闘をすることになってしまいます。主砲の二番砲塔が使用不可だったのも史実通りです。そもそも、史実では船として航行することが不可能で、主砲は撃てるので主砲だけで戦ったと言われています。


8. ジャン・バールの呼びかけによるヴィシア艦たちの自沈

 マサチューセッツとジャン・バールの戦いに決着がついたとき、鉄血の艦隊が現場へと迫っているという連絡が入ります。鉄血のキャラが出てこないのでわかりにくいのですが、鉄血の管理下にあるヴィシアの船が戦闘に敗れたということで、保護をしに向かっているものと思われます。

 それに対して、ヴィシアの本部からはアズールレーン側に合流せよという指示が出ます。合理的な指示ではありますが、現場の感情を無視しています。しかも「再現終了」と言っているので、セイレーンが言っているのではないかと疑ってしまいます。

 ジャン・バールは本部に対しても不信感を抱きます。


 ジャン・バールからすると、ダンケルクを裏切った時点でアズールレーン側につくことは感情的に不可能です。

 一方、鉄血の軍門に下ることは、昔のアイリスとロイヤルの盟約に反するということでこれも認められない結果になってしまいます。袂をわかったとしても元々のアイリスの約束事を守るという騎士道精神ですね。

 行き場を失った彼女の下した決定は、ヴィシア艦たちの自沈です。

 これはおおむね史実通りで、フランス国内にドイツ軍が侵攻してきて、いよいよ海軍戦力がドイツ軍に取り込まれてしまうというときになって、トゥーロンにある艦隊戦力の多くを自沈させたという出来事に基づいています。史実では、アルジェリー、ラ・ガリソニエール、ヴォークランなど、今回のイベントで活躍したKAN-SENたちはほぼ全員がここで沈んでいます。

9. 鉄血陣営(?)が自沈したヴィシア艦を救出する

 「光と影」の最後で、「自沈したはずのヴィシアの同胞を救った指揮官に・・・」とリシュリューが言っているので、指揮官がジャン・バールたちを救ったのか?という推測が立ちます。

 しかし「神穹」イベントではジャン・バールたちは鉄血にいて治療を受けていると言われています。いままでの話だと、指揮官は鉄血とは何の関係もありませんから、上の画像が翻訳ミスなのかなと思っています。指揮官ではなく、鉄血陣営がヴィシアを救ったと考えたほうがいろいろと筋が通ります。

 ヴィシアが鉄血に信頼を寄せる理由の1つにもなっていますし、人質のようにもなっていますね。

 トゥーロンではなく鉄血にいるというのが、アイリスやヴィシア陣営からするととても気がかりなのでしょう。鉄血がジャン・バールたちをどのように扱うか不明瞭ですから。

10. ジャン・バールとル・テリブルの会話

 「神穹」イベントのオープニングがここです。自沈したはずのジャン・バールが意識を取り戻し、看病をしていたル・テリブルと会話をする場面です。


 ル・テリブルもジャン・バールと同じ境遇と言っているので、史実通りトゥーロンにて自沈をしたのち、助け出されたのでしょう。

 ル・テリブルが言うには、「ヴィシアの上層部は鉄血にご執心」「アイリスはアズールレーンにいるまま」ということで、リシュリューの演説で真っ二つに割れたあとの状況は、現在も特に変わっていないということですね。
 

 ル・テリブルはジャン・バールの看病をするようにアルジェリーから命じられていると言っていますが、ル・テリブルはアイリス側のスパイでもあります。ヴィシア艦との関係も良好なのでしょう。ちなみに、ジャン・バールは鉄血にいるとのことだったので、ル・テリブルは鉄血の港にも自由に出入りできる立場なのかもしれないですね。

11. クイーン・エリザベスとリシュリューの会話

 「神穹」イベントが起こる直前、つまり、聖堂調査へと旅立つ直前にリシュリューがクイーン・エリザベスを訪ねたシーンです。「イラストリアスとフォーチュンを遣わしてやるわ」というところで時系列が見えます。

 「鉄血はセイレーンを誘導してあの島を監視している」「直接手出しをする気はない」とクイーン・エリザベスは言っています。リシュリューが言い直しているように、鉄血はヴィシアの秘蹟とやらを奪う気はありません。なぜなら、もともと鉄血がヴィシアに与えたものなのだから(上層部経由なのでKAN-SENたちは知りません)。鉄血は島を監視はするけど手出しする理由はありませんね。


 ちなみに、ここでカタパルト作戦実行の判断はクイーン・エリザベスがしたことがわかります。結構な権力を持っていますよね、この人。


12. ル・テリブルがマルタ島に到着。ル・トリオンファンとの会話

 聖堂調査作戦の本筋に至る前にもう1つ出来事が起きました。
 時系列はここでわかります。アイリスがロイヤルとの共同作戦(つまり聖堂調査)を行うことが、気がかりだと言っています。

 そして、ジャン・バールが回復したことをリシュリューに伝えたいと言っていますね。

 ル・テリブルはトゥーロンにて自沈をしたのですが、鉄血に救出され、鉄血の地で休養したのち、マルタ島に戻ってきたことになります。割と自由に移動できるんですかね。妹であるル・トリオンファンに会いに来たというわけですね。

 ル・テリブルはリシュリューに忠誠を誓っているアイリス側のKAN-SEN。一方で、ジャン・バールと一緒に自沈した結果、ヴィシア側にも通じているので、スパイとして活動しているようでした。後半の謎のところで考察します。



13. 聖堂を巡る戦い(リシュリュー vs アルジェリー)

 「神穹」イベントの本筋がここです。史実とは全く関係がありません。
 リシュリューが攻める側、アルジェリーが守る側というわかりやすい構図の戦闘でしたが、アルジェリーが闇落ちしたり、ガスコーニュが乱入してきたりと後半はカオスな展開になりました。ここで生じた謎は後半でまとめてピックアップしていきます。まずは時系列を整理していきましょう。

14. 伊26と伊58が鉄血に到着

 聖堂の戦いの後日譚は実はここしかありません。

 アルジェリーたちに助太刀をした重桜潜水艦の二人が、ヴィシア艦隊とは別れ、なんと鉄血まではるばる航海をしたとのことです。

 そしてこの派遣は赤城の指示で行われたようです。

 プリンツ・オイゲンも「うちの人が寄り道しながら戦闘もさせるなんて無茶言って悪かった」と謝っているので、鉄血の誰かからの要請を、赤城が受けたということでしょう。

 プリンツ・オイゲンは赤城への届け物として、箱を伊58に渡します。これは、前回の重桜イベント「翳りし満ちる影の華」の最後で赤城とオイゲンが話していた、「艦船とセイレーンの情報」でしょう。


 赤城が鉄血に行くという、史実ではありえない展開がみられそうですね。


 長々とお疲れさまでした。これで、アイリスとヴィシアを巡る戦いの時系列は整理されたかと思います。鉄血が侵攻して以来、二分されたままの状態は変わらないということですね。
 では、このイベントで新たに生じた謎を考察していきましょう。

第二部:本イベントで生まれた謎

謎1:聖座とは何か?どこにあるのか?聖座の「秘蹟」とは?

 まず、今回の戦いの舞台を確認します。モザンビーク海峡とは、アフリカ大陸とマダガスカル島の間の海峡のことです。随分と南にきましたね。

 ここはアジアとヨーロッパを結ぶ航路として非常に重要な地点です。マダガスカル島を大回りして行きたくはないですからね。ということは、伊26たちが重桜から鉄血へ至るルートは、ちょうどこの上だったことになります。
 重要な航路だったとしても、リシュリューたちアイリスにとっては、ここは正直関係のない場所といっても良いでしょう。なので、イラストリアスはこの場所が作戦目標になることを不思議がっています。

 リシュリューはそれに対する回答として、アイリスの正当性の証明である「聖堂」を確保したいと答えます。ここをヴィシアが抑えていると、アイリスの正当な後継者はヴィシアであると(おそらく主にアイリスの民衆から)思われてしまうのでしょう。

 ヴィシア側もリシュリューと考えていることは同じはずなのですが、なぜかここに鉄血がいるため、リシュリューはきな臭い雰囲気を感じています。なので自分が直接、ヴィシアのKAN-SENたちと話がしたいという意図もあります。

 聖堂の地理的な機能、作戦上の立ち位置とは別に、聖堂には秘蹟が封印されているという伝承がありました。その秘蹟の正体は鉄血からの技術供与であるキューブであるという情報を、リシュリューはル・テリブルのスパイ活動により掴んでいました。この真偽を確かめるのもリシュリューの目的の1つでした。


 対するアルジェリーたちヴィシア側にとっても、この場所がそこまで重要なのかはわかっていません。ラ・ガリソニエール曰く、ヴィシア上層部の指示でここを守っているとのこと。この指示自体にアルジェリーは疑問を抱いていないようですが、「あらゆる方法で死守せよ」という過激さについては引っ掛かるところがあるようです。


 アルジェリーたちにとっては、降参したほうが気楽です。相手はもともとの仲間ですし。ただ、ヴィシアの上層部から指示が出ているといのうのは、それはすなわち鉄血からの指示と捉えてもよいでしょう。そして、ダンケルクとジャン・バールは鉄血にて保護されているようなので、アルジェリーたちにとってはジャン・バールたちが人質に取られている状態でもあります。アルジェリーたちはなんとか聖堂を守り抜かねばならない立場なのです。

 聖堂には秘蹟が収められています。本格的な戦闘に入る前に、アルジェリーは秘蹟を手にしたようでした。

 秘蹟は複数あるようで、いろいろな効力を生みます。量産型艦が強化されているのは秘蹟の効果だろうとリシュリューは考えています。戦闘画面で白く光っている量産型ですね。

 イラストリアスは量産型の強化はメンタルユニットによるものと言っています。つまり、秘蹟のひとつが鉄血から供与されたメンタルユニットだったということですかね。

 ラ・ガリソニエールは、量産型を強化するアレ(メンタルユニット)と黒いキューブを別物と認識しています。一緒くたになって「秘蹟」というわけではなさそうです。

 秘蹟の第二の効果は、光の壁を発生させることでした。リシュリューは伝説の秘蹟の正体を冷静に考察しています。もしかしたら、この光の壁も鉄血からの技術供与の一部なのではないかと。

 実際この推論は当たっていて、伊26たちが「重桜の結界に似ている」と言っているので、レッドアクシズ側のなんらかの技術であることがわかります。

 

 最終決戦の場で、アルジェリーは黒いキューブに飲み込まれてしまいます。リシュリューは黒いキューブがもともと秘蹟として聖堂に隠されていたのかと言っていますが、おそらく黒いキューブだけはガスコーニュが届けたものなのではないかと思います。ベアルンもそういう推理をしていますし。


 ただ、リシュリューの推論の方向性は間違っていません。秘蹟というのは伝説にすぎず、すべては鉄血からもたらされたセイレーンの技術だったというわけですね。

 リシュリューは黒いキューブがすべての秘蹟を体現する根源であり、聖堂を破壊すれば秘蹟の力を発動できなくなり、キューブに飲み込まれたアルジェリーも助け出せるのではないかという作戦を立案します。理屈が通っているのかちょっと怪しいですがそこはご愛敬ですね。


 聖堂を破壊した結果、キューブの力は失われ、アルジェリーはもとに戻ることができました。

謎2:ガスコーニュはなぜ存在している?派遣したのは誰?目的は?

 ガスコーニュはヴィシア本部の密命をアルジェリーに伝えます。ガスコーニュは本部と密接につながっていることがわかります。

 ガスコーニュがアルジェリーに渡したのは小さな箱。その箱はもともと1つだったころのアイリスのものであることがわかります。

 箱の中身はメモと装置。メモは重桜の潜水艦が助太刀に来る場所を示したものでした。途中でヴォークランに「潜水艦には気を付けて」と言っているので、メモにはそのぐらいの記載があったのでしょう。

 装置はおそらく黒いキューブなのだと思いますが、確証は得られません。もともと、秘蹟という建前でメンタルユニットと光の壁の発生装置は聖堂に収められていたっぽいのですが、キューブだけは本当に危険なのでガスコーニュが運んできたのではないかと僕は思っています。

 さて、ガスコーニュ本人はリシュリューたちとの戦闘には参加しませんでしたが、撤退するフェーズになって突如動き出します。

 リシュリュー型の4番艦は存在しないはずの艦船です。計画は立てたけど建造されなかった艦ですね。

 存在しないはずの艦船は、実は各陣営が擁しているとアルジェリーは指摘します。アズールレーン側もレッドアクシズ側も、存在しないはずの艦船を作り出す技術を持っている、と。ヴィシアの上層部も、何らかの力によってガスコーニュを生み出し、彼女にいろいろと仕事を命じている様子です。


 イラストリアスは「存在しないはずの艦船」のことを知らない様子でしたね。今後もいろいろとストーリーに絡んできそうではあります。

 「ガスコーニュは嘘をつくのが苦手」「聖座がみてたらから今の話はやっぱりなし」ということで、ガスコーニュはヴィシア本部からの監視であり、アルジェリーたちが寝返らないように見張る役割もあったのでしょう。開発艦は強いですし、アルジェリーたちは従わざるを得ないでしょう。


 また、謎3にも関連してきますが、ガスコーニュはル・テリブルからの伝言をリシュリューに届ける役割もかねていました。

謎3:ル・テリブルはどのように、そして何をスパイしている?

 聖堂調査の前に、ル・テリブルはジャン・バールの目覚めを確認しました。それをなんとかしてリシュリューに伝えようと考えた結果、ガスコーニュに伝えさせるという経路を選びました。


 リシュリューが戻ってきてから話しましょうとル・テリブルは言っているように、この二人は直接話ができる関係にあります。ただ、緊急案件だったので、聖堂に向けて出発してしまっていたリシュリューへ、誰かが伝言をする必要があったようです。
 

 リシュリューはル・テリブルのことをかなり信頼しているようです。ガスコーニュに伝言を頼める立場にル・テリブルがあるということで、ヴィシア側にかなり深く立ち入っているのではないかと思います。

 ここでリシュリューが言っていますが、ヴィシア本部はそもそも信用ならないので、ル・テリブルは調査する役割も持っているのかもしれません。

 ル・テリブルのもたらした情報によって、聖堂の秘蹟がキューブである可能性も知れたわけですし、有能なスパイですよね。



謎4:重桜と鉄血の思惑は?

 レッドアクシズ内の力関係では、ヴィシアが重桜を動かせるわけがないとアルジェリーは言っています。つまり、鉄血が重桜に派兵を依頼したのがスタート地点でしょう。

 鉄血のKAN-SENの中のトップであるビスマルクが決めたことではなさそうとアルジェリーは言っており、鉄血の上層部にこれを企てた人物がいるものと思われます。

 流れとしては、鉄血からの依頼が重桜にあり、重桜と鉄血間の協議があり、伊26と伊58の派遣が決まり、ヴィシア本部にそれを通達し、ガスコーニュを経由してアルジェリーたちに伝えられたという順番になります。
 鉄血はヴィシアを助けてもらう見返りとして、セイレーンの情報を重桜に渡したのだと思われます。上でも書きましたが、前回の重桜イベント「翳りし満ちる影の華」の最後で赤城とオイゲンが話していた内容ですね。

 もともとの赤城とオイゲンの交渉では、ワダツミを渡す代わりの見返りだったはずなのですが、何か状況が変わったのでしょうか。ここは次のイベントで明らかになるかもしれませんね。

謎5:今後のアイリス・ヴィシア関係はどうなるか?

 現在鉄血にて療養中のジャン・バールがどのような処遇を受けるかがまずは目下の関心ごとでしょうか。鉄血はせっかく助けたのですから、何か交渉のネタにしてくるような気がします。
 鉄血は重桜とも接触を続けていて、赤城を鉄血に招くようなことも計画しているようでした。いままで別々で進行してきたエウロパと重桜のイベントが1つに重なることもあり得るかもしれません。
 最終的な着地点はまだまだ見えません。史実通りなら、鉄血は戦争に敗れ、アイリスの地から撤退し、そこで再びアイリスとヴィシアがひとつになります。鉄血が戦争に敗れるというのは、エウロパにおけるWW2の終結です。セイレーンの行っている再現活動もほぼ終わりを迎えることになります。そこまで急に話が進むとは思えません。もう少しじっくり時間をかけるのではないかと。 
 少なくともル・テリブルは未実装ですし、名前だけ出ているKAN-SENもいるので、アイリス・ヴィシアのいざこざはまだまだ続きそうだなと思います。



https://twitter.com/YT22_azurlane


過去のイベントの考察です。
yterapokemon.hatenablog.com
yterapokemon.hatenablog.com

アズレンアニメの感想はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com

【原作勢目線】アニメシャドウバース7話感想-目指せ!マスターランク!

ネタバレします!!


 全国大会に出るために、ヒイロがマスターランクを目指すというお話。謎の人物レオンが登場して、ヒイロとのバトルを繰り広げます。カードゲームアニメには社長が良く似合いますね。

目指せマスターランク

 シャドバの全国大会が開かれるぞ!ということで盛り上がるヒイロたちから7話はスタートです。ランクマッチで勝利したときのBGMが流れていましたね。
 全国大会はマスターランク以上でないと出場できないという制限がついており、Bランクのミモリ、Cランクのカズキは出られません。ゲームにあるランクの仕様をアニメにそのまま持ってきているのが面白いですね。プレイヤーたちが現実の自分のランクに紐づけて考えることができるので。
 オープニング明けで道行くおじいちゃんがポスターのコードにスマホをかざしているのですが、彼もマスターランクなのでしょうか。すごい世界だ…。
 ちなみにゲーム内のランクの仕様はこんな感じになっています。ミモリはD, C, B, A, AA, Masterと言っていましたが、ゲームではもっと細かくD0, D1, D2, D3, C0, C1, ...と分かれています。ランクマッチで1回かつと100ポイント上がり、負けると100ポイント下がります。

 負けると下がってしまうというのが痛いところで、1勝1敗では現状維持であり、連敗すると負債を取り戻さなければならなくなります。A0からAAを超えてMasterまでいこうとすると、30000ポイントぐらい稼がねばなりません。しかもヒイロはそれを1日でやると言っているので、原作勢としてはけっこうな苦行だと思ってしまうわけですね。
 ここでヒイロのプロフィール画面が映るのですが、クラス:ドラゴンという記載があります。この世界ではなんと1つのクラスしか使えないのでしょうか…。もしくは、現在登録しているデッキがドラゴンであるだけなのか。
 ここからヒイロがどんどんバトルをしていきます。1人目は学校の生徒。2人目は担任の先生(ゴリアテとファイターが出てるので初心者なのでは…)。3人目は野球をしている人。4人目はエレベーターガール。5人目は交番勤務の警察官。ポイントがみるみる貯まっていき、ここまででAAランクに到達です。


グランドマスター現る

 さらなる強敵を求めてシャドバスタジアムへ向かったところ、本日は閉まっていました。そこにレオンが現れます。すべては偶然のようで実は必然と謎のセリフを言いながら、自身のプロフィール画面に煌めくグランドマスターランクを見せつけてきます。ミモリが「グランドマスターは世界に数人しかいないと言われている」と言っていて全シャドバ勢がここで大爆笑します。
 原作のグランドマスターはマスターランクからさらに10000ポイントを稼ぐと到達できるランクで、3か月に1回リセットされます。2020年3月でも5万人近くがグランドマスターまで到達しており、昔はユーザがもっといたことを踏まえると、累計でグランドマスターに到達したことがある人は10万人ぐらいはいるのではないでしょうか。「数人しかいない…とは?」という状況なわけですね。

 けっこうな苦行であることは間違いないのですが、最速を目指す酔狂な人たちはランクリセットから24時間かからずにグランドマスターに到達してしまいます。時間はそこそこかかるのですが、グランドマスターに到達すること自体はそこまで難しいことではありません。これはただの自慢ですが、私も一応毎期グランドマスターまで到達しています(ローテーションフォーマットだけですが)


 レオンは「キミのランクがなんであれ、私に勝てばあっという間にマスターランクになれる」とも言っていてここも笑うところです。たしかに、自分よりポイントを稼いでいる人を倒すと格上ボーナスが入るのですが、最大で50ポイントなんですよね。100が150になる程度。それなのに、レオンの口ぶりからするとDランクからでも一気にマスターランクになれるみたいなので、面白い世界だなあと思います。そのぐらいすごいランクなのであれば、世界に数人しかいないのも頷けますね。
 「条件のない人生なんてつまらないからね」と言って、レオンに負けたらヒイロはDランクからやり直すことを条件につきつけてきます。「できるのさ。すべては私のものなのだから」とレオンは言っているので、シャドバの運営会社の社長という立ち位置なのですかね。当然そんな条件でひるむヒイロではありません。バトルスタートです。

ヒイロ vs レオン(前半)

 今回も最後に棋譜を載せていますので、よかったら照らし合わせながら読んでください。
 レオンはオープニングにも出てきているキャラなので、変身バンクがありました。てっきりラスボス的な立ち位置で、ネメシスを使うのかなと思っていたのですが、クラスはビショップでしたね。舞い散る白い羽をモチーフにした変身バンクも、ビショップっぽい演出でした。ビショップのカードは天使がモチーフに入ることが多いので。
 7話にして初めて、1ターン目にパスする人が現れました。「焦るほど若くもない」とレオンは言っていて、ここも笑えるポイントでした。最近のシャドバは1ターン目からカードをプレイするほうが稀です。みんな焦るほど若くないわけですね。ヒイロは当然のようにアイボリードラゴンをプレイしました。若いですね。
 レオンの先攻2ターン目。アーデントシスターをプレイしたことでレオンが使うテーマがわかります。今や面影もないのですが、初期のビショップは相手のターン中にフォロワーのスタッツが変化するというテーマがあったんですよね。能動的に動けないテーマは弱いのがシャドバなので、全然使われないうちにすぐに廃れてしまいました。

 ヒイロの後攻2ターン目の迷い方が初心者っぽくてすごくよかったです。盤面を放棄してでも2ターン目に竜の託宣を撃つのが、初期からずーっと変わらないドラゴンの黄金ムーブです。初心者は相手のフォロワーにびびってしまうのですが、負債は後から取り返す精神でとにかくランプアップするのが吉です。ヒイロは「早く覚醒に到達したほうがよい」ということで託宣を撃ちます。正解ですね。

 レオンの先攻3ターン目、アニメオリジナルのカードが登場します。1コストアミュレット獅子の聖域。ヒイロとカズキはアミュレットの存在を知らなくて、いままでどうやって戦ってきたんだよという感じです。いちいちアミュレットの説明をしてくれるグランドマスターさんも優しい。
 この獅子の聖域というカードは、今までのアニメオリジナルの中で一番強いのではと思いました。ちょっとメタカードっぽいのですが、1コストですべてのフォロワーに永続で選択付加を付与なので、初期のスペル系統のウィッチが相手の時は、このカードさえ出せれば無条件で殴り勝ててしまいそうに見えます。
 ちなみに、聖獅子の神殿とかいにしえの聖域といった紛らわしい名前のアミュレットが多いので、もうちょっとわかりやすい名前を付けてほしかったです。


 後攻3ターン目のヒイロのプレイはカードのテキストを知らないことによるプレイングミス。とはいっても結局コスト的にあの動きをすることになりそうでしたね。
 先攻4ターン目にレオンがプレイした残忍な修道女は、アミュレットのカウントダウンを減らすカードなのですが、このデッキにカウントダウンアミュレットは入っていたのでしょうか。シャドバプロのセイヤが土ウィッチに旋風の魔術師を入れていたように、シナジーのないカードをデッキに採用している人がシャドバ上級者を名乗るのはいかがなものか…。


 後攻4ターン目の進化の演出は上手かったですね。カズキ戦で活躍したドラゴンウォーリアに進化を切りたくなるのですが、効果が発動しないのでムシュフシュにバフを載せる方向に切り替えていきました。ムシュフシュはいままでにも出てきていたカードですが、ちゃんと活躍の機会が与えられたのがよかったですね。


ヒイロ vs レオン(後半)

 いつも通り、パートの切り替えで試合が一気に進行します。ヒイロの盤面に小粒のフォロワーが並ぶので、レオンの体力がけっこう削られています。
 いつも通りですが、早々とヒイロは手札がゼロになっています。イグニスドラゴンを強く使うためにはそういうデッキにしないとダメなのですが。
 レオンの先攻8ターン目。初期ビショップを支え続けた鉄槌の僧侶が登場。「悪行はそこまでじゃ!」というボイスがいまでも耳に残っています。

マイニュのボイスも特徴的でしたね。「我はお前の中に潜むもの…。」

 ここでレオンの手札もゼロになるんですよね。どんなカードゲームでも手札を潤沢に保つことは絶対的なアドバンテージという設計になっているのに、世界に数人しかいないグランドマスターでさえドローソースをデッキに積み込まないなんて…。
 ヒイロの後攻8ターン目、相手が横並べをしたときにすかさず山札の一番上から駆けつけるのがイグニスドラゴンですね。ここのイグニスドラゴンが攻撃するところで、邪悪なる予言者・ダムスの効果がイグニスドラゴンにかかるのでは?と思ってしまうかもしれませんが、攻撃側の効果から順番に処理していくので、先にイグニスドラゴンの攻撃時効果でダムスが破壊され、ダムスの効果が働かないのかなと解釈しています。

 先攻9ターン目。レオンもヒイロと同様に山札の一番上から切り札のレジェンドカードを持ってきます。やっぱり強いやつは引きたいカードを引ける世界ということですね。
 セイクリッドレオ。このカードは効果が盛りだくさんでした。
・6/0/6
・必殺
・獅子の聖域があるとき自動進化(進化後も0/6)
・交戦によるダメージを受けない
・効果によるダメージは受ける
・相手のフォロワーが破壊されたとき、そのフォロワーの攻撃力分のダメージを相手のリーダーに与える(獅子の聖域側の効果?)
・このカードが相手のフォロワーを攻撃して破壊したとき、獅子の祝福をお互いの手札に加える

獅子の祝福
・0コストスペル
・自身が直前にプレイしたフォロワーを手札に加える
・そのコストを0にする

 効果がたくさんあるから強い!と思いがちなのですが、セイクリッドレオは正直あまり強くないです。単体であれば進化を切っても攻撃力0のただの置物であり、獅子の聖域がない限り相手のリーダーにダメージを与えられません。しかもその与えられるダメージも相手の動きに依存してしまうので、明確なリーサルターンを定めることができません。
 獅子の祝福は強いスペルですが、相手の手札にも加えてしまい、その使い方は完全に相手に委ねられるので、ケア不可能な負け筋を作り出してしまうことになります。
 同じようなカードなら母なる君の方が強くて、様々なカードから生成可能な汎用アミュレットであるナテラの大樹を破壊していれば効果が起動し、素で突進がついていて、1ターンに2回攻撃できて、破壊されればそのあと4/6守護の状態で盤面に戻ってきます。

 しかも残念なことに、セイクリッドレオを2体並べてレオンはドヤ顔をするのですが、攻撃力が0なのでこのフォロワーを2体並べる理由は1ミリもないんですよね。自動進化があるので次のターンに出しても攻撃が可能ですから、手札に温存しておいて、次のターンに使うほうが絶対に強かったです。
 交戦時のダメージが無効であり、獅子の聖域の効果で選択不能になっているという盤面自体はかなり凶悪なのですが、AOEにだけは弱いです。イグニスドラゴンとの相性が絶望的に悪くて、試合だけ見るとヒイロがピンチに陥っている感じがあまりしないのが微妙だなあと思いながら見ていました。イグニスドラゴンがあと2回攻撃すればなんとかなるじゃん、というのが最初から視聴者側に見えてしまっているのですよね。
 ヒイロの後攻9ターン目、ここはなかなか良い演出でした。絶体絶命のピンチで、シャドバの中で最弱の1コスト1/1のカードを引いてしまいます。プレイしていてよくあるんですよね。高コストのカードを引ければまだ戦えるという盤面で、低コストのカードを引き込んで詰んでしまうということは。
 ですが、ジュエルドラゴンには今まで出てこなかった覚醒時効果があり、見事活躍してくれます。今まで毎回1ターン目にプレイしていましたからね。覚醒時であればファンファーレで、直前のターンに破壊されたコスト最大のフォロワーを1体手札に加えてくれます。アイボリードラゴンは覚醒時にファンファーレで1枚ドローなので、使用感としては似た感覚なのですが、狙ったフォロワーを手札に加えられるというのが優位点です。

 これで予想通り、イグニスドラゴンで2回攻撃する体制が整いました。本来は、攻撃力0のフォロワーが2体とアミュレット1つで3面埋まっているので、ヒイロ側は何もせずに相手のリーダーにダメージを与えられるカードを待つという選択でもよかったでしょう。レオンは手札ゼロなのですし。
 切り札のイグニスドラゴンを連打して、相手の壁をぶち破るというのは主人公っぽくて良い動きでした。
 相手のリーダーに攻撃したわけではないのに、なぜかイグニスドラゴンのスタッツが10/7になっているのはミスですかね?このターンプレイしたイグニスドラゴンは絶対にリーダーには攻撃できないので、5/7のはず。そうすると、ヒイロが受けるダメージは5なので、ヒイロの体力は1ではなくて6のはずです。ヒイロの体力を1にしてギリギリ感を演出したかったんでしょうか。良くないですよね、そういうカードに真摯でない態度というのは。

※↑後のバトルでもフォロワー攻撃時に+5/+0されていることから、リーダー攻撃が起動条件ではないことがわかりました。私の勘違いです。申し訳ございません。

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 レオンの後攻10ターン目。ドローソースというよりはキャントリップですがようやくドローをするカードを引きました。レディアンスエンジェル。このカードは一時期エイラビショップに採用されていたカードではあります。

 続くヒールプリーストは、コストが高い割に回復量が少なくて微妙なカードでしたね。可愛いからヨシですが。このターンは回復だけして一切盤面に触れていません。それでいいのか、グランドマスター


 
 最後のフィニッシュの演出は、人によって評価が分かれるところだと思います。ちゃんとしたカードゲームがみたい人であれば、目をつむったまま適当にカードを動かすなんて愚の骨頂じゃんと思うわけです。ですが、アニメとしてみれば、ここを盛り上げポイントにするのだ!という意思を感じられる良いシーンになっているんですよね。海剣竜は2回目の登場で、フィニッシュを飾るという大役を見事に勤めました。
 カードゲーマー的な考え方をすれば、後4点だせば勝利なので、4点以上出せるカードを山札から引いてくる期待値の問題になってきます。たとえば初期のドラゴンであれば、ダークドラグーン・フォルテやジェネシスドラゴンが入ることが多く、海剣竜でなくてもフィニッシュできたので、あの行動は正当化できる、みたいな考え方もあります。



試合後

 レオンは手から謎の電波を発して、ヒイロのランクはマスターランクに上がりました。あの手袋がすごいのですかね。
 「友の言葉があったから、少年は最後まで戦い抜くことができた。君たち3人が今日の勝者だ」と言って、ミモリとカズキの分の招待状を渡してくれるレオン氏、優しい。友情・努力・勝利って感じですね。
 レオンは今日の予定を全部すっぽかしてシャドバをしていたとのこと。秘書や社員たちの困る顔が浮かんできます。。
 最後は全国大会へとシーンが切り替わりました。陽気なMCがドローンに乗りながら観客を盛り上げています。予選のルールは勝って勝って勝ちまくることだそうです。決勝トーナメントは16人。次回予告ではすでにトーナメント表が決まっていたので、予選は一瞬で終わるのでしょう。
 トーナメント形式はアニメにしやすいから良いですよね。ヒイロだけでなく、主人公格のキャラたちのバトルを見せてくれるに違いありません。楽しみです。

棋譜

 5,6,7ターン目が飛んでいて、途中経過を示すバトルログもなかったので、今回は少し自由度高めの棋譜作成でした。手札はチラチラ見えていたのですが、見えているカードだけでは整合性が取れなかったので、レオンは教会の守り手、ヒイロはクイーンサーペントを山札から引いてきたことにしました。


こちらが棋譜です。何かあれば連絡ください。

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6話の感想はこちら。
yterapokemon.hatenablog.com

【原作勢目線】アニメシャドウバース6話感想-強さの理由

ネタバレします!!


 夜那月ルシアが主役の回でした。こうやって各キャラを掘り下げていく流れが良いですね。主人公格のキャラのそれぞれにバックグラウンドがあって、背負うもののためにバトルをしていくのですね。王道です。

オープニング前

 なにやら思い悩んでいるルシアの独り言から6話はスタートです。「今の僕に将来なんていらない、今の僕に必要なのは…」というところでヒイロとすれ違って、考え事が途切れてしまいます。ここがラストへの伏線になっていますね。ルシアがいま必要としているものはなんなのか。ヒイロが急に現れたので、それはヒイロのことではと思ってしまうのですが、ちょっと違いました。
 ヒイロはルシアにバトルを持ち掛けますが、遅刻しそうなのでやめておくことに。そこでカイと出会って、実は今日学校が休みだったことに気づくという。いかにも主人公っぽいムーブをかましてきますね。

ルシアの学校生活

 木の上から双眼鏡でルシアを観察するカイと、全く興味のないヒイロ。ルシアは文武両道な生徒だということがわかりますが、それはシャドバの強さの秘訣ではないのではとカイは考え込みます。まあ当たりですね。ルシアがシャドバをする理由はほかにあることが最後にわかるわけです。
 ヒイロとカイは校門で待ち構えているのですが、ルシアは「君とバトルするにはまだ早い」と言って避けてしまいます。これ、どういうことでしょうね。いま戦ったとしてもどうせルシアが勝っちゃうということですかね。
 裏口から出ようとしたところで、謎の新キャラに出くわします。割と自然に登場するものだから、前にも出てきたのかなと一瞬自分の記憶を疑ってしまいました。この学院のOB、シャドバプロプレイヤーの牙倉セイヤという人物だそう。名前が特徴的なので、1話に出てきた牙倉タクマの兄だとすぐにわかりますね。
 最近まですごく荒れてたけど、とある人物とバトルをして、考えを改めたとタクマは言っていたとのこと。ルシアは胡散臭そうに聞いていますが、ヒイロがすぐに頭に浮かんでいるので、自分ではないなとすぐに判断したのでしょう。プロプレイヤーとバトルをしたいから誘いには乗りつつ、自分ではないですよとちゃんと教えてあげるのが偉いです。

ルシア vs セイヤ(前半)

 今回も最後に棋譜を載せているので、気になる方は棋譜も見ながらどうぞ。
 ルシアの変身バンクは前回通りですが、セイヤにもバンクがあるのが意外でした。彼はトランプが舞い散るマジシャンをモチーフにした変身バンクでした。この時点でなんとなくウィッチっぽいかなーという感じですね。セイヤは秘術ウィッチまたは土ウィッチと呼ばれているデッキタイプの使い手でした。
 ウィッチクラスは初期の段階から、明確にスペルブースト系列と土の秘術系列の2系列が実装されているクラスでした。両者のかみ合わせは微妙なので、どちらかに特化させたデッキを作るのが基本です。カイがスペルブーストウィッチ、セイヤが秘術ウィッチと役割を分けているのですね。こうすることで、主人公格以外のキャラにも、特色のあるデッキを使わせることができるようになります。
 秘術ウィッチは場に土の印というトークンを出したり割ったりしながら戦うデッキです。トークンの形状はアニメオリジナルでした。良い表現方法でしたね。

 ルーキーマジシャン・サミーが可愛かったですねー。「よってらっしゃいみてらっしゃーい」という登場ボイスが耳に残るカードなのですが、声優さんを使うボイスは一切カットされているのが残念。

 セイヤの先攻3ターン目、サミーで相手のリーダーを攻撃したのですが、ここは蠢く死霊を攻撃しても良かったのではと思いますね。サミーの体力が1になって、ヴェノムコブラにとられてしまうのを警戒したのかもしれませんが、3/4で守護のルーンガーディアンが出るので、2/1のサミーをとるのは難しかったはずです。ヴァンパイア相手に盤面を放棄してリーダー体力を削りにいくと、復讐に入られてアドを取られるのは本人もわかっているはずなのに。

 セイヤのハンドには上級アルケミストという回復カードがあるため、多少リーダーの体力が削れてもいいから強気に動こうという意思だったのでしょうか。

 ルシア側は鋭利な一裂きを使います。ヒイロ戦でも出てきたカードなので説明省略でしたね。相手のリーダーに向けて撃てるのが強いカードであって、このようにフォロワーに撃たされるのはあまり良い展開ではありません。


ルシア vs セイヤ(後半)

 Bパートは、4ターン目と5ターン目が飛んで6ターン目からスタートです。いきなりフォレストバットが4体も並んでいて、カードを知らない人はびっくりしちゃうと思うので、補足があっても良いと思うのですがね~。ヴァイトが2回交戦して、眷属の召喚を使ったようです。


 セイヤが「僕の方が有利みたいだね」と言います。これはほとんど視聴者に向けたセリフだと思うのですが、果たしてこの盤面でセイヤの方が有利と言えるかは微妙なところです。フォレストバットは1/1ですがヴァンパイアクラスの特殊トークンなので、いろいろなカードとシナジーがあります。例えばこの盤面でルシアが夜の群れを使うと、4コストで5ダメージを与えつつさらにフォレストバットが出てきたりします。

 吸血鬼の古城なんかもこの盤面で強いカードですよね。いずれもアニメのカードプールの範囲内のカードです。

 4, 5ターン目は回想のような形で試合展開が要約されます。気になるのが、旋風の魔術師というカードをセイヤが使っている点。このカード、土の秘術とは全く関係のないカードで、どちらかというとスペルウィッチのカードなのですが、いったいなぜ採用しているのでしょう。間違えてデッキに入れてしまったようにしか見えません。

 ルシアは「ようやく好機が訪れた」と言っているので、ここが攻め時の盤面だと判断しているようです。キャタラクトビーストを進化してグランドガーゴイルを攻撃しに行きますが、こうするとせっかくのキャタラクトビースの大きなスタッツが活かせないので微妙なプレイだったなと思います。キャタラクトビーストをプレイして、グランドガーゴイルは無視し、場のフォレストバットを進化して、相手のリーダーへのダメージを増すのが良さそうに見えました。グランドガーゴイルは破壊される土の印を場に出すので、セイヤにとっては破壊してほしいカードです。もし、返しのターンでグランドガーゴイルがリーダーに攻撃してきたら、ルシアは復讐状態に入るので、有利に立ち回れるはずです。

 ここで「中学生とは思えないな」という衝撃のワードが飛び出るのですが、ルシアたちって中学生なんですね。以前教科書がちらっと映るシーンで「数学I」と書いてあった気がするのですが、高校生の内容を中学で先取りしているんでしょうか。天才ですね。
 返しのターン、セイヤの先攻7ターン目。アニメオリジナルのゴールドカードをセイヤがプレイしました。グレイトマジシャン。相変わらずオリジナルカードは名前がシンプルですね。「6コスト5/6。進化後も5/6、進化時に相手の体力3以下のフォロワーを消滅させる。土の秘術:消滅させた相手のフォロワーを自分の場に出す(進化しているならそのまま)」。効果の強さが相手依存になるので、シャドバではあまり好まれないタイプのカードです。この盤面ではたまたま、1/1のフォレストバットが4体並んでいるときに、キャタラクトビーストのコントロールを奪ったので、とても強力なムーブになりました。


 ゲームでは確認できない仕様なのですが、進化後のフォロワーは場に出たターンでも攻撃ができるという裁定になるようです。ゲームだと、場に出てきてそのあと進化するという流れの効果ならあるのですが、進化後のフォロワーがそのまま場に出てくるという効果がありません。デフォルトで突進を持っている扱いですね。
 ルシアは「土の秘術を警戒すべきだったか。僕のミスだ」とすぐにミスを認めます。これがなかなか難しいのですよね。勝負の中でどのプレイが勝ちと負けの分岐だったのか、そもそも気づけないことが多いのです。そういう意味でルシアは強いプレイヤーです。今回はグランドガーゴイルにかまってしまったのが明らかにミスなのでわかりやすいですが。
 次のルシアのターンは5/6と6/8が並んでいる盤面に対して、獰猛な捕食を撃って終わり。けっこう苦しいターンですが、コントロール寄りの復讐ヴァンパイアなら、まだまだやれるかなという展開です。

 先攻8ターン目、セイヤは5/6のグレイトマジシャンが場に残りましたが、ルシアを攻撃しませんでした。とっても良い演出ですよね。グレイトマジシャンが攻撃するとルシアの体力は8になり、復讐状態に入ってしまいます。2話でヒイロがレイジングエティンでルシアを迷わず攻撃し、復讐状態にしてしまったのを伏線とした演出です。回をまたいだ伏線により、プロとヒイロの差を出したわけですね。お見事です。
 実戦でも割と意識すべきプレイです。ただ、デッキタイプによっては復讐のギミックを全く使わないヴァンパイアもあるので、ここまでで出てきている相手のカードから、デッキを予想していくことが必要になります。ヴェノムコブラや獰猛な捕食は復讐ギミックのカードなので、この場合セイヤが復讐をケアするのは正しい判断だと思います。

 後攻8ターン目、ルシアのこの動きはセイヤのさらに上をいく良いプレイでした。相手が復讐をケアして体力を詰めてこなかったところを、自分から復讐に入ってカウンターを決める動きです。貴き血牙は前の前のターンぐらいから手札にあったので、この動きを見据えていたのでしょう。ここの復讐の入り方と、ゲームBGMのアレンジがマッチしててとても良いですね。

 「確かに強い、ですが、それだけだ。それだけじゃ足りないんですよ」とプロを煽っていくルシア。自分の期待を超えてくれそうな人だったら満足するかもしれないと。プロだったら、もっととんでもないデッキで勝つとかしてくれないと不満ですよね、ルシア君なら。
 先攻9ターン目、セイヤは錬金工房+ゴーレムプロテクションを使い、盤面を守護で固めるプレイ。体力が危ういので5/7のダークエンペラーは破壊しておきたいところですが、カードの能力によって破壊されないので、無視するしかなくなりました。ルシアの体力を5まで削って、1体でも残れば勝ちという勝ち筋を見ます。勝ち負けがどちらに転ぶかわからない微妙な展開です。

 後攻9ターン目、決着のターン。群れなす飢餓と血餓の女帝は、本当にこれしかないというピンポイントなリーサルカードで、劇的な展開でした。カイが回想シーンでドロシーを使っていましたが、オリジナルカード以外のレジェンドカードが実際にプレイされるのは初めてでした。レジェンドらしく能力も派手ですからね、このカード。

 しかも、最後はちゃんとキリフダであるダークエンペラーの攻撃で締める展開なんですよね。キレイな棋譜でした。

試合後

 セイヤが本気だったかは怪しいところだと思いました。アニメのカードプールだと、秘術ウィッチは弱い部類のデッキで、ウィッチを使うならドロシー入りのスペルウィッチしかないと言われていた時代です。ネタデッキで戦ったら負けちゃったみたいなふうに見えます。
 「シャドバはやめないけどね」と付け加えるのが良い煽りだなと思いました。僕に負けたらみんなシャドバやめちゃうよと謎のイキリを放っていたルシア君ですが、ここまでで誰もシャドバをやめていないという。
 GENESISのロゴが入った招待状をルシアに渡してセイヤは去っていきました。オープニングにちらっと映っている人ですね。あと、ヒイロスマホGENESIS製だったかなと。
 ルシアはこの招待状のことを知っている様子でした。ヒイロとのバトルにふさわしい舞台だとも言っています。招待がないと行けない舞台なのに、なぜヒイロなのか。今の段階ではよくわからないですね。

病院にて

 病室の中へと場面が転換します。ルシアの妹のシオリが入院している様子。目と髪の毛の色が一緒ですね。高額な先進医療を提供する病院なので、シオリは費用のことを心配している様子。ルシアがずっと笑っていないとシオリは指摘しますが、シャドバしているときよりずっとルシアの表情は柔らかいのではと思ってしまいます。表情の書き方がすごい上手なアニメなので、この辺は今後の伏線になっていくでしょう。
 ラストはオープニング前に引いた伏線の回収。今のルシアに必要なのは勝利、そして勝利の先にある賞金。妹のために戦う孤高のライバルキャラというのはベタですが良い舞台装置ですよね。きっと主人公に助けられるのでしょう。

棋譜

 今回も棋譜を載せておきます。
 とっても細かい話なのですが、先攻6ターン目で映るバトルログの墓場の枚数があっていない気がします。試合の流れには影響がないのですが。
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 1ターン目で実験開始を撃ったところはちゃんと1とカウントしているので、スペルを数え落としたわけではない様子。一体どういうミスをしたのでしょうか。

 棋譜はこちらです。何かあればご連絡ください。
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過去回
yterapokemon.hatenablog.com

【原作勢目線】アニメシャドウバース5話感想-激闘!ヒイロVSカズキ!

ネタバレします!!

 クラスメイトで仲良しのカズキとヒイロが5話にしてついに激突します。いままで散々かませ役だったカズキは名誉挽回となるでしょうか。

OP前

 昼休みにヒイロとカズキがシャドバで戦っているシーンから5話はスタート。クラスメイトがお弁当をむしゃむしゃしている中で、大声出してシャドバをしています。
 途中で終わってしまうバトルなのですが、なぜか戦闘シーンの描写をしっかりしています。ファイアリザードのファンファーレ効果で相手のフォロワー1体に1ダメージを与える効果が解説されています。ここは2重の意味で伏線になっています。

 1つはカズキが前のめりなプレイをしてしまっているというところ。盤面を無視してリーダーに攻撃をしかけた結果、ファイアリザード裏目になってしまったようです。バトル後、ミモリに「もう少し控えめに攻めたほうがよかった」と諭されていますが、ここが後半のメインバトルへの伏線になります。
 もう1つ、ファイアリザードが相手のフォロワーに1点を与えるカードだというところはメインバトルの決着のシーンのカギになります。1話ごとの構成が毎回上手いですよね。
 授業後、スタジアムに行こうと誘われたカズキはなぜか沈みがち。出たかった大会があるのに、家の手伝いをしなければならないとのこと。弟たちが代わってくれると申し出ても、ちゃんと自分でやって大会も出るという責任感の強さがあります。主人公たちがみんなストレートにいい子ばかりでまぶしいアニメです。

店舗大会

 スタジアムに歩いていったヒイロは、店舗大会の告知動画を見つけます。これはリアルにもあるんですよね。連動感が面白いです。全国のカードショップなどで開催されています。いまは残念ながらコロナですべて中止になってしまっていますが…。
event.shadowverse.jp

 ドロシーやケルベロスなど、この時期のカードパックで出現するレジェンドカードが背景に入っています。カイ君が回想シーンでドロシーをプレイしていたので、存在はしているのでしょうね。また、ここのBGMはバトル勝利のときのゲーム内BGMですね。

 カズキはダッシュで申し込みに滑り込みセーフでした。弟たちが欲しがっている商品があるということでカズキは気合ばっちりです。ヒイロはてっきり真ん中に表示されているカードパック10パックのことだと勘違いして話が進んでいきます。
 最後にわかりますが、優勝賞品がカードパック10パック、2位が黒羽アリスのグッズでした。場所で判断すると3位が店舗大会のエンブレムとスリーブ、、となると下にあるタブレットと双眼鏡は一体何なのでしょうか。下の2つは明らかに高価なので、抽選の特別賞とかでしょうか。
 アリスのグッズがもらえるので、アリスはシャドバの店舗大会に協賛しているものと思われます。Tシャツ、ペンライト、ぬいぐるみ、写真集、CD、キーホルダーが見えます。相当豪華ですよね。1万円ぐらいしてもおかしくないはず。アリスのボランティア精神なのか、もしくはカードパックの価値がとても高いということか…。
 予選と決勝トーナメントを順調に勝ち抜き、ヒイロとカズキは決勝戦で戦います。カイとミモリも応援に駆け付けます。カイが予選落ちしたと思い込んで、励ましてあげるミモリちゃんが可愛い…。

ヒイロ vs カズキ(前半)

 今回も棋譜を最後に載せています。細かいですがちょっと引っ掛かるところがりました。
 カズキの初めてのスマホ装着シーンです。黄色主体でビリビリするような演出ですね。元気いっぱいです。
 先攻はカズキ。先攻1ターン目にクイックブレーダーを出すのは、リリースから3年以上経ってもロイヤルが誇る最強ムーブ。ヒイロは後攻1ターン目にフォロワーをプレイできましたが、いまはコスト1のフォロワーは採用されないことが多いので、クイックブレーダーがいつまでも破壊できず、体力を削られ続けてしまうんですよね。

 そのあとも、2ターン目オースレスナイト、3ターン目アセンティックナイトをプレイして盤面を横に広げ続けるムーブ。リリース初期のロイヤルの勝ちパターンです。


 テンポがいったん止まるのが4ターン目。パレスフェンサーのプレイで、ロイヤルクラスの指揮官-兵士のコンボの解説です。そしてオリジナルカードであるアサルトナイトがプレイされます。場に指揮官がいると突進を持つ効果。進化の兼ね合いはあるものの、今の環境ではデュアルブレイダーの方が強そうです。


 ここでOP前の伏線回収です。2体の2/2フォロワーで1/4のツインヘッドドラゴンを破壊し、1/1のオースレスナイトで2/1のムシュフシュを破壊しにいくという、盤面に付き合うプランをカズキは選択しました。解説がなかったのですが、ムシュフシュはほかのフォロワーが進化すると+2/+0されるため、それをケアするための動きをしたよということですね。
 いままでのカズキならそういう細かいことは何も考えずにリーダーを攻撃していたのですが、練習をして違う選択肢も頭の中に浮かぶようになったのでしょう。こうやって一歩一歩初心者は成長していくのです。ヒイロよりもよっぽど初心者です。

 盤面をとるプランならカズキのプレイが一番綺麗な形です。一方で、盤面には一切付き合わず、リーダーを攻撃し続けて勝ちを狙うアグロプランをとる選択肢もあります。その場合、このターンはツインヘッドドラゴンやムシュフシュを無視します。先攻4ターン目で2+2+1+1点がリーダーに入りますから、ヒイロの体力を10まで落とすことが可能です。アルベールが2枚あればだいたい勝ちです。

 ただ、カズキのハンドにはフローラルフェンサーが見えているため、盤面を支配し続けるプランを選んだのでしょう。

 その場合、6ターン目に乙姫をプレイして盤面を広げつつけるか、セージコマンダーでバフをかけるのがリリース初期のロイヤルの黄金パターンでした。


 後攻4ターン目で、ヒイロは一番プレイしたいドラゴンウォーリアを引き当て、進化効果で2面を返します。この動きができても、竜の託宣をプレイできていないドラゴン側はかなり苦しいです。カズキが5, 6ターン目で盤面制圧プランか、リーダー攻撃プランかどちらを選ぶかで試合の流れが大きく変わる展開でした。一番大事なところなのに、今回も中盤はばっさりとカットされてしまいました。


ヒイロ vs カズキ(後半)

 CMが明けて後半パート。先攻7ターン目で進化を使いながら盤面を強く作るカズキ。6ターン目で進化を温存したようです。かなり慎重に戦っていますよね。ただ、7で盤面を広げてしまうと、ヒイロは絶対にイグニスドラゴンをプレイできるので、1枚で返されてしまいます。一番やってはいけないプレイです。進化権を温存しておくべきでした。勇敢なる旗手があったので思わず進化したくなってしまったのでしょうね。気持ちはわかります。

 先攻8ターン目でカズキのアニメオリジナルカードが登場します。切り札には切り札をぶつける熱い展開ですね。ビクトリーブレイダーです。ちょっと記述が複雑な効果をしています。「このフォロワーが場にいる限り、自分の他のフォロワーとリーダーが受けるダメージは-3される。」「ファンファーレ:次の自分のターン開始時まで、このフォロワーが受けるダメージは-3される。」ですかね。
 前のターンで進化権を温存しておけば、ビクトリーブレイダーは進化して7/10なのでイグニスドラゴンを倒すことができました。しかも効果でダメージは-3されるので7/8で場に残ります。本当にもったいないですね。
 ヒイロの後攻8ターン目、ここから覚醒時効果を使うので覚醒の演出がありましたが、本当は前のターンから覚醒をしています。お約束で入れておかなきゃとなったのでしょう。ビクトリーブレイダーは確定除去カードがないとかなり倒しにくいので、放置する選択になりました。イグニスドラゴンの全体3ダメージは無効化されますが、リーダーを攻撃するときの+5/+0は働きます。
 カズキの先攻9ターン目、ヒイロ側の盤面がかなり強く、返せないと負けです。ただ、ここでカズキがプレイしたフロントガードジェネラルはかなり良いシナジーでした。ビクトリーブレイダー自身は守護がないため、フロントガードジェネラルを突破しないと攻撃を受けません。しかし、ビクトリーブレイダーが場にいる限りダメージが3減るので、こちらも除去カードがないと突破できないという押し付けを作ることができます。

 このターン、本来はカズキはかなりの悩みどころのターンです。ビクトリーブレイダーとケンタウルスヴァンガードで攻撃すれば、イグニスドラゴンを破壊できます。5/3のビクトリーブレイダーと5/6のフロントガードジェネラルを残す盤面です。ヒイロの盤面は4/4のクイーンサーペント、2/2のオルカ、2/2のルフ鳥。イグニスドラゴンがいなければ、次のターンの負けはほぼありません。
 上で説明した負けない選択肢か、勝ちに行くけどリスクがある選択肢かの2択になり、カズキは勝ちにいくプレイを選びました。ヒイロの体力は5まで減ったので、フロントガードジェネラルかビクトリーブレイダーかどちらかが残れば勝ちという盤面形成です。
 ケンタウルスヴァンガードがルフ鳥に攻撃するという選択肢もアリかなと思いました。ルフ鳥は攻撃時に+2/+0されるフォロワーなので、残しておくと勝敗に関わるかもしれないという判断です。ケンタウルスヴァンガードにはビクトリーブレイダーの効果がかかっているので、ルフ鳥を攻撃してもダメージを受けません。

 ヒイロの後攻9ターン目の決着のシーン。ここはシャドバらしい、リーサルクイズの場面でした。初めて見るビクトリーブレイダーの効果処理まで考えてこの手順を冷静に導き出せるヒイロというプレイヤーは、少なくとも初心者ではないでしょう。お見事でした。

授賞式

 試合後、表彰式と賞品の授与が行われました。ちらっと黒羽アリスのガチファンが映るの、芸が細かいです。
 ヒイロが賞品の半分こを申し出るのですが、カズキはきっぱり断ります。本当にみんな好青年なんですよね。描き方が。ただ、欲しかった黒羽アリスグッズが2位の賞品だとわかり大喜び。誰も傷つかない、爽やかなオチでした。
 そのあと、1位の賞品を受け取り、さっそくそのカードパックを開封するヒイロ。5/3/6のシールドドラゴンというオリジナルカードが登場します。絶対に被りそうなストレートすぎるカード名なのですが、逆にシンプルすぎて被っていません。
 こうやって、物語の途中で手に入れたカードが、その後のバトルで活躍していくというのはTCGアニメのお決まり展開。どこまでも王道をいくつもりなんですね、このアニメは。

棋譜

 今回も棋譜を載せておきます。映ったカードはかならず使うといういままでのルールでいくと、微妙に戦況が合いませんでした。
 配信版でいうと9:15ごろ、後攻3ターン目でムシュフシュがアセンティックナイトを破壊した次の場面で、カズキの手札がちらっとうつります。

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 これにより、先攻5ターン目はフローラルフェンサー、先攻6ターン目は戦場の騎兵がプレイされることが確定します。


 ただ、そうなるとフローラルフェンサーの進化時効果で出てきているナイトが消滅しないと、リーダーの体力や墓場の枚数と合いません。盤面が埋まっていると勘違いされてしまったか、ナイトがいっぱいでてくるのでごちゃ混ぜになってしまったのでしょうか。
 例えば、墓場の数で計算してみましょう。後攻6ターン目時点、ナイトが1枚場に残っているときに、カズキの墓場の数は10になっています。

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 しかし、ここまででプレイしてきたカードから計算すると墓場の数は11になっていないと計算が合いません。

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 フローラルフェンサーの進化時効果で出てきたナイトが消滅したと考えると、その後はすべて合いますのでそのパターンの棋譜を置いておきます。

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過去回
yterapokemon.hatenablog.com

アズレン知識で考える旧日本海軍艦艇クイズ

 Twitterで見つけた下記のクイズをやってみました。自分はアズレンのプレイヤーなので、アズレンで知ったことをいろいろと活用できて、楽しく解かせてもらいました。他の艦船擬人化コンテンツを遊ばれている方にとっても、面白い問題だったのではないでしょうか。(ちょっと簡単すぎるという方が多いのかもしれませんが)
kuizy.net

 アズレンに限らず、ゲームをやってみて興味を持った事柄について、より深く知ってみたいと思うことはとても良いことだと思っています。入口がなんであれ、自分が知らなかったことを探求してく知的な活動は楽しいですからね。ここでは、このクイズに紐づくアズレンのゲーム内の仕様をいろいろと解説してみようと思います。

Q1. 金剛型戦艦1番艦「金剛」が建造されたのはどこ?

A. アドミラルティ造船所
B. 横須賀海軍工廠
C. ヴィッカース社バロー造船所

 アズレンの金剛は、重桜陣営なのに金髪碧眼の欧州風の見た目をしています。「優雅」とか「紅茶」のようなどこかで聞いたセリフもたびたび口にしますね。これはもちろん、金剛がイギリスで建造された船である史実を参照した設定です。Bはこの時点で選択肢から外れます。

 では、イギリスの造船所はAかCかどちらでしょうか。これもゲーム内で史実をもとにした設定があります。

 ロイヤル(英国)の装備が1つもらえる装備箱の名前は「ヴィスカー」でしたね。Cのヴィッカースをもじった名前ですので、答えはCになります。Aのアドミラルティはロシアの造船所です。北方連合が最近登場したので、そこまで言及した仕様はまだないと思います。
 ちなみに、三笠大先輩も金剛と同じくヴィスカース社で建造された船です。なのでロイヤルの料理は食べ飽きているようです。

Q2. 戦艦の艦名は主になんの名前を付けている?

A. 気象海象名
B. 旧国名もしくは山岳の名前
C. 川もしくは湖の名前

 思い出せる重桜の戦艦の名前を思い出していきましょう。アズレンに実装されている戦艦の子たちはこれだけですね。

 日向、伊勢、土佐、駿河あたりが分かりやすいのではないかと思います。答えはBですね。
 「旧国名」か「山岳名」となっていますが、本来はもっと細かく区分されていて、戦艦は旧国名巡洋戦艦は山岳名になっています。巡洋戦艦である天城、金剛、比叡はそれぞれ山の名前ですね。金剛型が金剛以降戦艦になっていたり、三笠は戦艦なのに山の名前になっていたりと、イレギュラーがいくつかあるのでこのような出題形式になっているものと思われます。
 ちなみに、Aの「気象海象名」は駆逐艦ですね。気象で言うと、吹雪や時雨や陽炎あたりが、海象でいうと●●波や●●潮といった名前がすぐに思い浮かびますね。

 Cの「川や湖の名前」は軽巡洋艦です。長良川、鬼怒川、五十鈴川阿武隈川最上川などなど。いまもそのままの名称で残っている川が多いですね。

3. 大和型戦艦3番艦「信濃」はどの艦種に改装された?

A. 重巡洋艦
B. 航空母艦
C. 練習戦艦

 信濃アズレンにはまだ実装されていません。イベント「翳りし満ちる影の華」の最後で存在がわかった艦船です。

 類推することは可能です。イベント「縹映る深緋の残響」では、大艦巨砲主義の時代は終わりを告げ、これからは航空機と空母の時代になっていくだろうという移り変わりの様子が、天城と加賀の運命を通して描かれていました。このトレンドはWW2の終結まで変わることなくうねり続けたわけです。なので、信濃のことについて知らなければ、Bの航空母艦に改装されたと当てずっぽうで答えておきましょう。(そして実際に正解です)

4. 戦中にとある2隻の駆逐艦が次のように謳われた。 『呉の雪風佐世保の○○』 ○○に入る艦名は?

A. 時雨
B. 島風
C. 吹雪

 これは実際にキャラのセリフとして実装されています。戦闘で使ったことがあれば一発ですね。スキル発動ボイスです。アズレンアニメでも、雪風と一緒にいた子と考えればAの時雨になりますね。

5. 大和型戦艦1番艦「大和」が沈んだのは次のうちどれ?

A. 第三次ソロモン海戦
B. ミッドウェー海戦
C. 坊ノ岬沖海戦

 戦艦大和もまだ実装されていないので、キャラから連想することはできません。ですが、消去法で考えていくことができる問題です。
 Aの第三次ソロモン海戦はメインストーリーの6章のお話です。6-4のボスである駆逐艦夕立が大活躍した戦いです。大和は一切出てこないのでこの戦いではありません。

 Bのミッドウェー海戦はメインストーリー3章のお話です。日本軍は赤城・加賀・蒼龍・飛龍の空母4隻を一気に失ってしまいますが、飛龍が最後の反撃としてヨークタウンを大破させました。アズレンでもいろいろとドラマにされている戦いです。ここにも大和は出てきません。

 というわけで消去法で答えのCにたどり着くことができます。

6. 長門型戦艦1番艦「長門」の沈没場所は?

A. ビキニ環礁
B. 坊ノ岬沖
C. 真珠湾

 長門アズレンに実装されています。最強格の戦艦の一隻です。ただ、史実の長門がどのように沈んだかについて、ゲーム内で触れている箇所はありません。

 消去法でいくなら、Bの坊ノ岬は大和の沈没場所であり、Cの真珠湾攻撃長門は参加していないのでそこで沈むはずはないのでAということになります。ゲーム内で言及がないのは、水爆実験の標的になったということで、センシティブで触れられないからかもしれませんね。

7. 軽巡洋艦「北上」が1945年にとある兵器を搭載するために改装された。それは次のうちどれ?

A. 桜花
B. 回天
C. 零戦

 北上はまだアズレンに実装されていません。それどころか北上含む球磨型軽巡洋艦5隻はまだだれも実装されていません。
 Aの桜花はロケット型の航空特攻兵器です。Bの回天もそうですが書いていて悲しくなる非人道的な兵器ですね。アズレンのキャラでいうと、駆逐艦スタンリーはこの兵器に沈められてしまいました。

 Bの回天は人間魚雷です。伊56や伊58はこの兵器を搭載していました。

 Cの零戦は日本軍の主力の戦闘機です。軽巡洋艦が航空機であるAやCを運用するのはちょっともったいないかなと考えると(不可能ではないと思いますが)答えはBになります。

8. 日本海軍初の航空母艦は次のうちどれ?

A. 加賀
B. 鳳翔
C. 瑞鶴

 イベント「縹映る深緋の残響」で言及があるので記憶に残りやすい問題ですね。Bの鳳翔が答えです。


9. この艦艇の名前は?(画像はKuizyのページを参照してください)

A. 大和
B. 榛名
C. 陸奥

 アズレンは擬人化ゲームなので、実物の船の見た目に関する情報は引用しづらいところです。アズレンアニメでは、実物の船をキューブの力で艤装に変えるという設定でしたので、かなり詳細に書き込みがしてありました。ただ残念ながら、大和と榛名は出てきていませんでした。
 この画像は榛名が大破してしまったときの様子とのことです。艦橋がもりもりに盛ってあってすごいですね。

10. 航空母艦「加賀」の艦種、元は次のうちどれ?

A. 最初から航空母艦
B. 重巡洋艦
C. 戦艦

 イベント「縹映る深緋の残響」のメインとなるお話でしたのでアズレンをやっている人にとってはお馴染みの問題ですね。答えはCの戦艦。もともとの艦種と変更後で2種類のキャラがいるのは現在加賀だけです。


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 このブログでは、アズレンアニメの感想を書いたり、アズレンのイベントの考察をしたりもしていますよ。
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