3度目のサザンドラ

元々ポケモンブログでしたがいまはゲーム全般について書いています

【アズレン】ストーリー考察:結像点作戦 編【アズールレーン】

 2022年8月18日開始のイベント「結像点作戦」のストーリーを整理していきます。

時系列整理

 ストーリーの時系列のお話から。
 「結像点作戦」の物語はビスマルクの「再現」が行われる直前のお話でした。表に示したように、ライン演習を再現したチュートリアルのお話と、ビスマルク追撃戦を再現した「黒鉄の楽章、誓いの海」の前の時系列であることがわかります。
 史実のライン演習はビスマルクがフッドを撃沈した海戦です。ビスマルク追撃戦はそれに続いて発生し、その名の通りビスマルクがロイヤル艦隊に追いかけられて集中砲火で沈みました。それがわかっていて、鉄血の上層部は再現の実行を命令したのでしょうか。ビスマルクに沈んでこいと言っているようなものです。
 「黒鉄の楽章、誓いの海」で見たように、史実通りの結末にはなりませんでした。撃沈されたビスマルクはU-556によって救助され、表舞台からは姿を消しました。「吟ずる瑠璃の楽章」で、ビスマルクは黒いキューブの浸食にも打ち勝ち、ついに完全復活を遂げました。「結像点作戦」はこれまで語られていたビスマルクの戦いの歴史の前日譚です。

鏡面海域での実験

 「結像点作戦」の本筋は、ビスマルクから命令を受けたブリュッヒャーとZ16が鏡面海域での実験に参加することでした。
 この実験は二手に分かれて駒同士を戦わせるシミュレーション実験でした。セイレーン技術の研究の一環で、駒の性能をテストしたり、得られたデータをKAN-SENの艤装にフィードバックするような目的があったものと思われます。
 ブリュッヒャー&Z16チームの敵役を務めるKAN-SENは実験前は秘密にされていました。実験中にブリュンヒルデだとわかりましたが、彼女はビスマルクとは別の人物から指令を受けていたと彼女は言い、そちらの人物は実験後まで隠されていました。
 いまとなっては当たり前のことなのですが、実はチュートリアルが始まる前から、鉄血はカンレキのないKAN-SENや特別計画艦を保持していたことになります。それを他陣営に対して秘匿しておくために、仲間のKAN-SENにも極力知らせないようにしていたのでしょう。
 「虚畳なりし限象」で見たように、カンレキのないKAN-SENは鉄血が保持している鏡面海域に隠れていて、そこで艤装の慣熟訓練を行っていました。ブリュンヒルデが別の鏡面海域で似たような実験を見たことがあると言っていたのは、いろいろな鏡面海域を調査していたからなのかなと思いました。


なぜ駒の性能が分かれたか

 ブリュッヒャー&Z16陣営は、最初はブリュンヒルデ陣営をリードしていました。しかし後半からは徐々に勝てなくなり、最後は逆転勝利でブリュンヒルデ陣営の勝利となりました。
 勝敗を分けたカギは駒の性能でした。ブリュンヒルデ陣営には空母や巡洋艦などの大型艦の駒が次々に投入され、最後にはウルリッヒ・フォン・フッテンといった最新の戦艦も追加されました。ブリュンヒルデ陣営はカンレキのないKAN-SENの駒をたくさん使っていたのです。
 一方で、ブリュッヒャー&Z16陣営は実際に存在した史実艦の駒しか使っておらず、駆逐艦や潜水艦ばっかりだったと言われていました。ヒトラーの命令でそういう建造計画になったからです。雑に言うと史実艦隊と架空艦隊のバトルをしていたということになります。
 この実験はビスマルクやフリードリヒが支配しているわけではなく、鏡面海域のセイレーン中枢装置にお任せしていました。つまりセイレーンがそういうシミュレーションをやりたがったということになります。カンレキのないKAN-SENの駒を逐次投入していくと、あるところで史実艦隊の戦力を上回る。その臨界点を探ろうとしていたのかもしれません。
 また、フィーゼやグラーフ・ツェッペリンの駒が出てきたときに、本人たちはいま艤装の慣熟訓練を受けているところだと言われていました。駒の戦闘データは中枢装置にアップロードされるのだと仕組みが解説されていたことから、データを効率的に収集して本体の強化に役立てる狙いもあったのかもしれません。
 余談ですが、Z16が「ブリュッヒャーの姉妹艦もいたぞ!」と言ったときに、「ザイドリッツのこと?」とブリュッヒャーは返答していました。これはプレイアブルキャラとして実装されている巡洋戦艦のザイドリッツのことではなく、ヴェーザーのことを指しています。アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦の4番艦は当初ザイドリッツという名前で建造されていたのですが、途中から空母に計画変更をされたため、名前もヴェーザーへと変わったのですね。ヴェーザーの建造も結局完了しなかったので、彼女もカンレキのないKAN-SENです。



ビスマルクの「再現」へ

 ビスマルクとフリードリヒが今後の展望について語っているシーンでイベントは締められました。チュートリアルの時空に突入していくにあたって、彼女たちが何を思い描いていたのかという話が語られたのです。
 ビスマルクは「再現」の命令を受けた以上、ロイヤル艦隊と激しい戦いを繰り広げていく運命にあります。セイレーンと接触して黒いキューブの力を譲り受けていたビスマルクは、黒いキューブの力でロイヤル艦隊を撃破する未来を描くことともできましたが、それは得策ではないと考えていたようです。
 「ビルスマルクが倒れない限り再現は終わらない」と言っていたのは、ビスマルク追撃戦の「再現」は史実通り自分が沈まないと終わらないと考えたからかなと思います。ロイヤル艦隊に抗ったとしても、戦いが長引くだけなのではないかと。
 しかし、いつまでも上層部やセイレーンのいいなりでは鉄血に未来がありません。どこかで「再現」を抜け出し、上層部やセイレーンに反撃するタイミングを作らねばなりません。その起死回生の作戦は、この時点から2人の間で練られていました。ビスマルクが沈んだあと、フリードリヒが暗躍して他陣営と接触し、スカパ・フローを使った作戦で一矢を報いるというものです。「吟ずる瑠璃の楽章」で見たようにこの壮大な作戦は見事成功しました。
 ビスマルクは自分が犠牲になることでこのあとの展開を進めるつもりだったようですが、フリードリヒはそれには満足していませんでした。最善の結末を導くにはビスマルクにも協力してもらわねばならず、そのために小さな騎士の活躍が必要だとこの時点から見抜いていました。U-556にはなんとしてもビスマルクを救助してもらわねばならなかったのですね。
 2人の会話は次のようなやりとりで締めくくられました。「あなたの奏でる"黒鉄の楽章"」「この"海に誓って"」。


 「黒鉄の楽章、誓いの海」というイベントはU-556がビスマルクとの誓いを見事に果たして救ってみせた物語でした。しかし、裏側ではフリードリヒもビスマルクに対して誓いを立てていて、「吟ずる瑠璃の楽章」を経てそれが完璧な形で果たされていました。
 アプリアズールレーンをリリースした際に、このアプリがこんなに長く続いていくことを運営側はもしかしたら予想していなかったのかもしれません。リリースから5年経ったいま、チュートリアルで繰り広げた物語をこのような形で再定義して、今後の展開と齟齬のない形に軌道修正したのが「結像点作戦」だったのかなと思いました。「黒鉄の楽章、誓いの海」が非常にドラマティックな物語だったので、それを無駄にすることなく物語をさらに膨らませているのはお上手だなと思いました。






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