2021年9月9日に日本語版が公開された、セイレーン作戦の特殊情報記録に書かれた内容を考察していきます。
※⑧⑨⑪が未公開の段階で書いています
結論:結局何が分かったのか
特殊情報記録を全部合わせるとけっこう長いので簡単にまとめると下記のような内容になります。
アンジュ博士がいる世界線で、北極海に落ちた隕石を研究した結果、エナジーキューブというエネルギー源が発明された。アンジュ博士はエナジーキューブの本質を探り、メンタルキューブを発明、エンタープライズ(CV-6)の錨を用いてコードGを生み出した。コードGの誕生後、各陣営によるKAN-SENの開発競争が起きた。
ドキュメント構成と目次
特殊情報記録は①から⑫までの封筒で構成されていて、1つの封筒の中には同じ名前がついたドキュメントが6枚入っています。⑧⑨⑪は現在未実装です。
①から順に時系列通りに並んでいるので、前から読んでいけばOKです。
封筒には型番がついています。031, 032, 033は同年代の情報を集めた封筒になっているので型番が近く、十の位が繰り上がると時代が先へ進みます。
以降では表中の「章立て」に沿って内容を詳しくみていきます。
0. 世界線のおさらい
ドキュメントの内容に入る前に、アズールレーンのストーリーの世界線をおさらいします。ユーザが見ている世界線と、アンジュ博士がKAN-SENを発明した世界線は別です。ここを混同するとドキュメントの内容がよくわからなくなってしまいます。
アンジュ博士のいる世界線は最終的にエックスの侵攻を受けたと思われます。エックスを撃退するためにオースタ博士は高性能AIであるアンチエックス(セイレーン)を開発しました。KAN-SENとアンチエックスは力を合わせてエックスと戦いますが敗北、アンチエックスは量子時間跳躍装置を用いて別の世界線に飛び、エックスに勝てる戦力を探し続けています。その1つの可能性が、我々ユーザの見ている世界線です。
特殊情報記録を読んでいくときは、それがどちらの世界線を記述したものなのか区別をすることが大切です。
封筒の表紙にはアズールレーンが結成された経緯が記載されており、ユーザの見ている世界線で作られた封筒であることがわかります。
一方で封筒に収められているすべての文書はアンジュ博士のいる世界線で書かれたものです。別の世界線で書かれたドキュメントを、誰かが収集して保管しているのが特殊情報記録なのです。
では、ドキュメントの内容を以下で詳しく見ていきましょう。
1. エナジーキューブの発見
1-1. 元ネタ:ツングースカ大爆発
①にはキューブが発見されたいきさつが記載されています。文書タイトルにもある「隕石事件」と呼ばれるこの出来事には、現実に起きた元ネタがあります。
現実世界の1908年6月30日、ロシアの中央~東部あたりに位置するツングースカ川の上空で大爆発が起こりました。爆発の威力は広島原爆の185倍とも言われ、森林が炎上し、2000平方メートルに渡って樹木がなぎ倒されたとのことです。
当時のロシアは国内情勢が不安定で、この爆発はすぐには調査されませんでした。本格的な現地調査は13年もあとになってからで、隕石が落下したのだろうと考えられてはいたものの、クレーターや隕石の破片を見つけることができませんでした。そのため様々な憶測が飛び交い、SF小説のネタにもされてきました。
真相が解明されたのは2013年、当時の地層から地球上にはほとんど存在しない物質が発見され、隕石が落下したことを裏付ける決定的な証拠とされました。
アズールレーンの世界に戻りましょう。こちらでも北方連合の東部で原因不明の爆発が起きたものの、隕石の破片は一切発見されななかったとされています。百年以上原因が不明だったものの、科学の進歩によって突破口が切り開かれたと書かれています。
1-2. キューブの「シンクロ」現象
アンジュ博士のいる世界線で起きた「隕石事件」で隕石が見つからなかった理由は、破片の大部分が北極海に落下し、その破片が周囲の環境に溶け込んでしまって見つけられなかったからだと書かれていました。
周囲の自然環境と「シンクロ」する性質を備えたこの地球外物質は、ユニオンと北方連合によってそれぞれ別々に調査され、エナジーキューブの発明へと繋がっていきます。
このシンクロするという特性はコードGの誕生にも関わっているようで、キューブの性質を語る上で重要になってきそうだなと思います。
上画像で黒塗りにされている部分でどんなことが語られているかはわかりませんが、最初にエナジーキューブを見つけたときは周囲の環境に溶け込んでいたので、それにまつわる出来事だったのではないかと推測できます。
2. エナジーキューブの製造と活用
2-1. エナジーキューブは製造・改良できる
ユニオンと北方連合の秘密裏の研究の結果、「エナジーキューブ」というエネルギー源が発明され、世の中へと浸透していきます。「エナジーキューブ」はユーザの見ている世界線にある「メンタルキューブ」とは似て非なるものです。
特筆すべきは、エナジーキューブが工場で製造可能になったことと、どんどん改良されていったことです。キューブはセイレーンからもたらされた未知の物質というのがサービス初期に与えられていた情報だったのですが、人類が作りだしたものだったということが判明しました。もしメンタルキューブが製造できたらもう建造に悩まなくていいのでは…?
エナジーキューブを製造する上でポイントになるのは、「容器」を作るときのパラメータだと言われています。箱の外側が大事だとのことで、では内側に入っているのはなんなのだろうと気になります。
人類はエナジーキューブを改良して小型化していきました。5立方センチメートルの超小型キューブは、一辺が1.7cmぐらいの立方体ということになります。そんな小さいものから大きなエネルギーが取り出せるなんて、世界が変わってしまいますよね。
2-2. エナジーキューブの比較対象は原子力
というわけでエナジーキューブはエネルギー問題や食糧問題を根本的に解決してしまいました。
エナジーキューブがエネルギー革命を起こす過程では、原子力との比較が行われていました。現実世界ならば石油などの化石燃料との対比になるはずなのですが、アンジュ博士のいる世界線では化石燃料の「か」の字も出てきません。
原子力ロケットや原子力スペースシャトルが長年一般的に使われてきたと書かれていて驚きです。現実では原子力ロケットのアイディア自体は古くからあるものの、コストや安全性の問題から実現していません。
ゴミ処理技術をとってみても、我々の生きている現実世界よりも先進的なシステムを用いていることが分かります。アンジュ博士のいる世界線は現実よりも科学の進歩した未来なのではないかなと自分は考えています。
上記を鑑みると、⑥ミリタリーⅡの中で名前の挙がっている原子力空母エンタープライズの見方も変わってきます。
世界初の原子力空母であるUSS Enterprise CVN-65は1960年に進水し、2012年に退役していまは解体を待つ身です。
アンジュ博士のいる世界線が少し未来であることを考えると、このエンタープライズはジェラルド・R・フォード級の3番艦であるPCU Enterprise CVN-80であるように思われます。2022年起工、2025年の進水が予定されていて、今のところまだ計画だけの存在です。
CVN-80の動力部分が取り換えられるぐらいの時間軸ということで、現実で言うならば2040 - 2050年代ぐらいの話をしているのではないかなと思いました。
3. コードGの誕生
3-1. キューブへの照射実験
エナジーキューブの発見と活躍を見てきましたが、アズールレーン的にはここからが本題です。
エネルギーを取り出せるというのはキューブの表面的な性質でしかないとアンジュ博士は睨んでいます。エネルギー供給という目先の利益に惑わされず、本質を捉えようとするアンジュ博士は、この発言だけを見ても優秀な研究者なのだろうなと分かります。
全貌が明かされてないので確定とは言えませんが、アンジュ博士はKAN-SENや新兵器を作ろうと思って研究しているのではなく、純粋にキューブの謎を解き明かそうとして研究をしているように見えます。KAN-SENがなぜ誕生したのかという問いに繋がる大きな情報なのではないかなと思います。
アンジュ博士はエナジーキューブがシグナルを発振すること、そしてそのシグナルには「共鳴」する性質があって、近くにある他の物質を変化させることを突き止めます。このシグナル発振は、人間が近くにいないと発生しないという条件がありましたが、体調不良が発生してしまう危険な実験でした。
アンジュ博士はメンタルキューブに適性がある人間を求めていました。明言はされていませんが、照射実験におけるシグナル発振に耐えうる人材を探していたのかもしれません。そしてそれはこの世界線における指揮官だったようでした。(この人のことは仮でanother指揮官と呼びます)
3-2. 最初のKAN-SEN
この照射実験のあと、アンジュ博士はCV-6エンタープライズの錨を取り寄せました。現実でもCV-6の錨はワシントンDCにあるNaval History and Heritage Commandという博物館に展示されています。一度行ってみたいものですね。
ちなみに寮舎に似たような家具があるのですが、これはアリゾナの錨です。エンタープライズの錨だったら、すごい伏線だったと感動したところなのですが、惜しかったですね。
錨を取り寄せて、CVN-80の将官が行方不明になったという話が挟まったあと、もうコードGの海上実験が行われます。このスピード感から判断するに、アンジュ博士は錨を取り寄せようとした段階ではすでにKAN-SENが誕生する仕組みに気付いていたのかもしれません。
CV-6の錨を使えば上手くいくのではとアンジュ博士が気づくまでには、思考錯誤の過程や、another指揮官との出会いがあったと思われるのですが、そのあたりはドキュメントとして残っていないようでした。いつかイベントストーリーで明かされるといいなと思います。
上でコードGの試験が行われた海域は北緯14度、東経150度付近ということでグアムのあたりです。
ちなみに消えたCVN-80の将官は普通に生きているようなので、秘密任務に就いたのかなと思いました。
オースタ博士たちと一緒にいた「将軍」と呼ばれていた人物が、この人に当たるのではないかなと思ったりしました。
4. KAN-SENの軍拡競争
4-1. KAN-SENのデビュー
ドキュメントの順番を考えると、⑦でコードGが誕生したあと、⑧と⑨が未実装のため空いて、⑩ではコードGが世間ですでに認知されている様子が描かれていました。
このときにはすでに「KAN-SENの一体」という書かれ方をされているため、⑦から⑩に至る間にコードG以外の他のKAN-SENの建造もスタートしたようです。
KAN-SENはキューブと一体化していると捉えられているようです。
KAN-SENの成長性に注目が集まっているというのは的確だなと思いました。ゲームの中でもKAN-SENはどんどんレベルアップして成長していきますし、セイレーンたちがKAN-SENの「覚醒」を目指して実験をしているのもこの成長性に注目してのことなのかなと思います。
4-2. ヒトかフネか
KAN-SENの登場は、研究者たちにとって大きな衝撃だったと書かれています。そりゃそうですよね。完全なる知的生命体を生み出してしまったわけですから。KAN-SENはヒトかフネかの大論争を巻き起こしたようです。
「紺碧の砂箱」ではアンジュ博士が我が子に等しいKAN-SENたちを守ろうとする場面が描かれていました。なんとなく、何が起きたのかは想像ができて暗澹たる気持ちになります。
このヒト・フネ論争はゲームの中ではKAN-SEN本人たちが言及することはあまりありません。ユーザの見ている世界線ではKAN-SENたちが当たり前に存在しているので、自身の存在に疑問を抱かないのかもしれないですね。
このテーマが大きく取り上げられたのがバイブリー版のテレビアニメアズールレーンでした。戦い続けることに想い悩むエンタープライズに対して、ベルファストが「大いにお悩みください。そのために、私たちはヒトの形を得たのですから」と語りかける場面がありました。
ヒトであるがゆえに成長し、高度な作戦を遂行できる知能を得たKAN-SENたちですが、ヒトであるがゆえに心の善性を発揮し、戦いを前にブレーキを引くことができるのだとしたらすごいことだなと思います。もちろんそれは戦争の道具としては都合が悪いわけなので、対立が起こるのは目に見えています。コードGたちの身に何が起きたのかというのは今後明らかになってくるのではないかと思います。
4-3. 艤装のテクノロジー
艤装にも言及してくれるとは思ってなかったので嬉しかったです。初めてのことなのではないかなと思いました。
実際の軍船に取り付けられている主砲や魚雷は馬鹿でかいため、普通の女の子が持ち運べるサイズでは当然ありません。実在する兵装のミニチュア版のようなものと書かれています。そう考えると物騒だけど可愛らしいような。
SFチックなものもあると言われていますが、真珠の涙やフロンティアメダルのような装備がそれでしょうか。
艤装の制作技術はKAN-SENの誕生の後に発見されたとのことです。ユーザの見ている世界線でクロキッドやヴィスカーといった企業が艤装を提供してくれるのは納得感があります。
4-4. 軍備拡張の先に…
エナジーキューブが発明された当初はユニオンも北方連合も「軍事利用はしない」なんて言ってたのに、結局KAN-SENの軍備増強競争が始まっていきます。この2陣営だけでなく、他の陣営にもKAN-SENの建造技術は広まっていったようです
コードG以外にも高雄やアークロイヤルといったKAN-SENが余燼になっているのがわかっているので、重桜やロイヤルにもKAN-SENを建造する技術が流出していったのだろうなと予想できます。
⑩の最後のドキュメントでは陣営間の意見の隔たりが埋まらなかったようで、ゆくゆくは戦争に発展してしまいそうな、きな臭い雰囲気でした。
陣営間連合がないので調整力が働かないのだということも書かれていました。国連は崩壊してしまったのでしょうか。ユーザの見ている世界線ではアズールレーンが陣営を越えた大連盟として機能しているのが対照的ですね。
4-5. エックスとアンチエックス
⑩の時間軸でアンチエックス(セイレーン)の開発も進んでいるようでした。深海魚とカモフラージュ塗料が特徴ですね。
アンチエックスはオースタ博士がコードGを元にして作ったAI兵器です。名前からしてアンチエックスはエックスに対抗するために生み出されたものだと思うので、この時点でオースタ博士はエックスの襲来を把握しているのかなと思われます。
一方で、アンジュ博士がコードGを生み出したのは純粋にキューブへの好奇心だったように見えます。KAN-SENはエックスに対抗するために生み出されたわけではなさそうでした。
人類がエックスの脅威に気付いたのはいつだったのでしょうか。それはおそらくエックスがどういう存在なのかに関わってくることだと思われます。キューブの発見の経緯から安直に考えると、エックスも宇宙生命体なのかなと思ったりしますね。
⑩までの特殊情報記録を読むと、人類の危機はエックスの襲来というよりかは第三次世界大戦のように見えました。むしろエックスの存在から目を逸らそうとしている…?これだけ匂わせがあったので、戦争が起きたのか否かも気になるところです。
4-6. 「微光」とはなにか
エナジーキューブの本質を探るアンジュ博士の研究は、「微光」計画と名付けられていました。「微光」というのは初めて登場するワードなのですが、似たような言葉が現れたことがあります。
「曙光」ですね。オースタ博士たちがエックスから守ろうとしていたと思われる装置です。これの正体はまだ分かりません。
微光というのは弱々しいかすかな光のこと、曙光は夜明けに刺してくる太陽の光のことです。同じ「光」の話をしているので言葉同士の関連は当然ありますが、「微光計画」と「曙光」の繋がりはわかりません。
「曙光」の詳細はまだ分からないとして、キューブの正体を探るプロジェクトがなぜ「微光」なのでしょうか。可能性の低いかすかなチャンスというようなニュアンスに聞こえます。この時点でアンジュ博士もエックスの襲来を知っていて、それに対抗するための可能性を探っていたというのなら、「微光」にも意味が出てきそうな感じはしますが…。
⑧⑨⑪が読めるようになれば、多くのことが明らかになると思います。コードGの誕生前後が1番気になるところなのに、ちょうど読みたかった部分が欠けてしまっていますからね。楽しみです。
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